吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

「着ぐるみ」で商売繁盛を狙う!その費用は、小規模事業者持続化補助金を活用!


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先日、東京の下町のある商店街の前を通っていたら、エビの着ぐるみを着た人が横断歩道を歩いていました。
かなりインパクトありました。

後でわかったことですが、この着ぐるみの持ち主は「天ぷら屋」を営んでいて、着ぐるみでPR活動をするようになってから、売上がかなりアップしたそうです。

その話を聞いて、私はピンとくるものがありました。

「補助金」の活用です。

「補助金」で、「着ぐるみ」を作って、売上アップを実現させるのです。

補助金の種類は、これを書いている2016年4月現在なら、「小規模事業者持続化補助金」がいいでしょう。
詳細はこちら。 http://h27.jizokukahojokin.info/
5月13日締切です。
全国の商工会議所や商工会が窓口になっています。
もうご存知ですね?

この補助金は、「販路開拓に取り組む費用」 を補助してくれるものです。
補助率は2/3です。(残りの1/3は自己負担しなければなりません)
補助額の上限は、50万円が基本です。
(例: 75万円を「販路開拓に取り組む費用」として見積り、その2/3にあたる50万円を補助してもらう)

「着ぐるみ」は、販路開拓に取り組む費用としては効果抜群で、インパクトもあり、また金額としても、着ぐるみ1体あたり40~70万円あたりが相場だと思いますから、「小規模事業者持続化補助金」との相性がピッタリなように思います。

ここでちょっと宣伝めいてしまいますが、弊社のハヤシが、東京都大田区の着ぐるみ専門店のホームページ制作とイラストを担当しています。ここの着ぐるみはどこよりも安く、その割には作り込みが良いと評判です。「ゆるキャラ」グランプリ上位入賞したところや、公的機関などからも注文を受けていて、デザイン・製作に向けてのノウハウも豊富にあります。全国対応可で、個人的にすごくオススメです。↓
bigkidskigurumi1
http://www.bigkids.co.jp/kigurumi.html


備忘録 (条件変更改善型借換保証、いわゆるリスケ借換保証を何件かやってみて)


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先日書いた「リスケ卒業のための一手」について、少し経験値を積んだので、備忘録です。

http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2016/160222kinyu2.pdf

1.この制度、まだまだ実例が少ない。先日も某県信用保証協会へ顧客と同行し(経営改善計画の策定支援を担う認定支援機関という立場で)、歓迎してくれて、話も前に進んだことは進んだが、その支部としては「初」だそうで、お互い手探りの様相だった。少し時間がかかりそうだ。

2.この制度は「8割保証」だ。 いまだに既存借入金のうち「10割保証」が大半を占めている中小企業も多いから、そのような場合、金融機関サイドとしては、この借換保証を嫌うかもしれない。なにしろ、借り換えちゃったら「ノーリスク」から「2割リスク」にリスク増大してしまうから。 これはひとつの高いハードルだ。

3.複数ある保証協会つき借入を「一本化」して「15年返済」にしてくれる制度だが、複数の金融機関から借入があっても大丈夫。複数ある場合、メインバンクに集約されてサブの借入がなくなってしまうわけではない。借入先はこれまでどおりで、それぞれ、複数口ある保証協会つきのものが1本にまとまる。よって、金融機関同士がシェアを奪い合うようなことにはならないと思われる。


「リスケジュール卒業」 のための、次の一手


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「条件変更改善型借換保証」 という制度が、28年3月1日から始まりました。
パンフレットはこちら。
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2016/160222kinyu2.pdf

まずはパンフレットを熟読してみてください。

平たく言えば、「リスケ中の会社」が対象。 リスケ中の複数の債務を、保証協会つき15年のものに借り換えて1本化し、リスケ卒業かつ負担軽減し、さらには真水(ニューマネー)も可能にする、という趣旨のものです。

まだ事例はありませんが、趣旨を見る限り、利用範囲は広いと思います。
私の主観では、「リスケ中だけど、現在の借金を15年の長期に一本化することができれば、返せそうなくらい利益が出ている(出そうだ)」 というくらいの会社、言い換えれば、B/Sは過剰債務気味だけどP/Lは黒字基調な会社ならば、計画書の練り込み次第で、この制度が使えると思います。

我が国では現在、企業の数が約380万社あり、そのうちリスケ中の会社(金融機関に返済猶予してもらっている会社)が、50万社以上あるといわれています。 リスケを延長、再延長している会社も相当あります。

リスケ中の真水融資は、今までも可能でしたが (特に償却前経常利益や当期純利益が黒字基調で、計算上の債務償還年数が大幅に短縮できつつある会社はこれが十分可能でした)、金融機関によって温度差が激しいのも確かでした。 また、リスケをいざ卒業しようとしても、もとの約定返済を再開しなければならず、卒業後たちまち資金ショートになることが予想され、それが足かせになって、ずるずるとリスケを再延長するようなケースも非常に多いのが実情でした。

今回、「制度」としてこういうのができると、リスケ卒業後の負担も減り、卒業しやすくなりますね。
いい制度だと思います。
使えそうな会社は、銀行に勧められるまでもなく、積極的に銀行に提案してみましょう。







小規模事業者持続化補助金、公募開始! (28年5月13日締切)


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詳細は経済産業省のホームページ参照。
http://www.meti.go.jp/press/2015/02/20160226003/20160226003.html

ご存知ない方のためにざっくり解説すると、

・ 補助金だから返済義務なし
・ 対象者は「小規模事業者」(従業員5人以下、業種により20人以下)株式会社、有限会社、個人事業者など
・ 使い道は、「販路開拓に取り組む費用」 (看板、会社案内、ホームページ、展示会など)
・ 補助率は2/3以内。 補助上限額は50万円までが基本。
・ 認定支援機関のハンコは不要。
・ 窓口は全国の商工会・商工会議所 (会員でなくてもOK)
・ 応募期間は、平成28年2月26日~5月13日まで。
・ 雇用増加、海外展開、買い物弱者対策への取り組みをしている会社は、補助上限が100万に上がることも。
・ 書類のボリューム自体は、「ものづくり補助金」と比べるとだいぶスッキリしている。

尚、補助金は「目先の資金繰り」には全く使えません。くれぐれもアテにしないように。
採択率(合格率)も、だいたい4割くらいと考えておいたほうがいいでしょう。過度な期待は禁物です。
流れとしては、まず計画ありきで、次に使い道の具体的金額を出すために業者に見積り依頼などをして、その金額をもとに申請書類をじっくり書き、記入漏れなどがないように商工会や商工会議所に何度か足を運んで相談し、きっちり整えたうえで提出し、採択が決定した後で業者に正式発注、納品・・・というような手順となります。2/3の補助金が振り込まれてくるのは、それより後になりますから、資金繰りをアテにするどころか、先に資金が出ていきます。その分を、自己資金でやりくりできるくらいの「余裕」、またはつなぎ資金を金融機関に用立てしてもらえるくらいの「信用」が必要というわけです。 (これはどの補助金でもおおむね同様ですね)

しかし、その壁を乗り越え、無事採択されれば、「販路開拓に取り組む費用」が50万円も浮きます。
50万円の利益が出る、と言い換えてもいいでしょう。
あなたの仕事で、50万円の利益を出すことがいかに大変か、想像してみてください。
利用しない手はないと思います。



勉強会で配布している1枚の紙


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topics20150126


東京のNEKO-KEN主催勉強会「倒産を防ぐ」では、ほぼ毎回、
「本日のトピックス」と称した紙を参加者の皆様にお渡ししています。
これは勉強会開始1時間前に私がそのときのひらめきでさっと書いた1枚の紙です。
先週の勉強会では、こんな内容にしてみました。

↓↓↓

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2016/1/26 NEKO-KEN勉強会「倒産を防ぐ」
本日のトピックス

1. 「倒産を防ぐ」だけなら、誰にでもできる。 これは昔も今も変わらない。

2. 「債権者に潰される」という形での倒産は、驚くほど少ない。 (例:債権者破産)

3. 「自滅型」の倒産のほうが、圧倒的に多い。 (例:自己破産)

4.  だとすれば、「自滅」さえしなければ、どんな窮地でも、倒産を防げるはずだ。

5. 「心が折れました」? 甘い甘い。
心は何度も折れるものだ。
一度折れたくらいであきらめるな!

6.  「人に迷惑をかけたのが心苦しくて・・・」? バカ言っちゃいけない。
あなたは赤ちゃんのときから、沢山の人に迷惑かけながら生きてきたのだ。
これから老人になっても、沢山の人に迷惑をかけ続けるだろう。
それが普通なのだ。
迷惑かけたり、迷惑かけられたり、そういう関わり合いの中で、大らかに生きていくことのほうが大切ではないのか!?

7. 「債務超過」「赤字」「資金ショート」が、倒産の3要因である。
この3拍子が揃うと、少なくとも定量評価的には、企業価値はゼロになり、存続させる意味のない会社、支援するに値しない会社とみなされ、誰も助けてくれない。 (今後は「廃業支援」という名のもと、ますますその傾向が強くなるかもしれない)

8. しかしこれは、財務諸表をベースにした判断基準にすぎない。
「知的資産」という言葉がある。
財務情報(貸借対照表など)にあらわれない、「カネに代えられない財産」があるではないか!
財務情報のみにとらわれず、非財務情報にも目を光らせ、自分でも気づかなかった「強み」を発掘するのだ!

9. 窮境原因は何か? 「外的要因」?不況のせい?規制緩和のせい?違うでしょ。
窮境原因はほどんどの場合、「内的要因」にあるのですよ。

10.(例) ある〇〇屋さんがありました。この〇〇屋さんは、売上が思うように伸びず、厳しい状況にありました。
売上があと2割上がれば正常な経営状態に戻るのに・・・。
この〇〇屋の社長さんは、自分の隠れた「すごい強み」にあまり気付いていないようで、お店のたたずまいも、営業方法も、ごく普通でした。 実はアメリカで2年間仕事していた過去があるので英語ペラペラなのに。実は近隣にライバル店が少ないのに。実は元〇〇(注:プロスポーツ選手)で、〇〇の世界で相当活躍していたことがあるのに。実は人当たりが良くて、好感度が高いのに。実は外国人がたくさん居住している〇〇がすぐ近くにあるのに。実は外国人観光客も〇〇に強い関心があるのに。・・・
さあ、もう答えは出てきましたね?




ある倒産寸前会社の2016年目標


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「自殺まで思い詰めていた」 という某零細企業の社長さんから、面白い写真が送られてきました。

2016mokuhyoo

何も事情を知らない人がこれを見たら、「けしからん!」と思われるかもしれせんが、私は事情をよく知っているので、ちょっと泣けてきました。(と同時に大笑いしました。)

この会社は「債務超過」「赤字」「資金ショート」という倒産の3要因が全て揃っており、
金融機関の区分でいえば 「実質破綻先」 にあたります。
メインバンクからはとっくに切り捨てられました。
マンガの名セリフでいえば「お前はすでに死んでいる」 といった状態です。
リスケ、代位弁済、債権譲渡、法的手続き、きつい取り立てなど、全て経験しました。
しかしそれにもかかわらず、現在も精力的に事業を継続している、そんな会社です。
(NEKO-KENの相談者さんとしては、まあ「普通」かも?)

社長さんはかなり勤勉な方で、なんと、創業以来ほぼ年中無休で、年間360日以上働いていました。
しかし現実は厳しく、いろいろな事情が重なって、思うように「利益」も「キャッシュ」も出なかったのです。
そして、極度のストレスと過労が重なり、何度か、生死にかかわる重病を患ったこともありました。
自殺まで思い詰めたことも一度や二度ではなかったようです。

しかし、ここ1年で、大きな心境の変化が起こり始めたようです。

・ 営業活動はそのまま続行。何があっても続行。
・ それと並行して、ビジネスモデルの軌道修正を、ゆっくりと開始した。
・ 金融機関への返済は「一時停止」のまま。
・ 少しでも浮いた金は、仕入先や外注費や給料や税金に優先して支払った。(まだ残あり)
・ 社長さんはカラダが資本なので、少しでも休暇を取るようにした。
・ ご家族とは単身赴任状態でなかなか会えなかったが、会う回数を増やそうと意識し始めた。
・ 魚釣りを覚え(きっかけは私です)、これにすっかりハマり、会社の近くの釣り場で朝夕に1-2時間ずつ頻繁に通うようになった。


まだまだ「再生」という段階にはきていません。
「ゾンビ企業」と揶揄されてもおかしくない状態が、もうしばらく続くでしょう。
しかし・・・!
売上は横ばいながら、利益率は改善の兆しが見えてきました。
ビジネスモデルの軌道修正も、良い手ごたえを感じつつあります。
今年はもしかしたら、飛躍とまではいかないものの、だいぶ改善されるかもしれません。
少なくとも、「倒産」「破産」「廃業」「自滅」といった恐怖は、無くなったといっていいでしょう。

社長さんの健康状態も、体重が10キロ以上自然に減り(釣りにハマってよく歩くようになったから?)、精神面も少年のように若返り、笑いも増え、いい感じになってきました。
これなら営業もスムーズにいきそうです。

経営者は、ただがむしゃらに働けば良いというものではありません。
「人間」と「機械」は違います。
「手足」と「頭」も違います。
「仕事」と「作業」も違います。
社長さんは人間です。組織の頭です。仕事の役割も、単純作業ではないはずです。
だから、つとめて休暇を取り、充電する必要があります。(せめて週1回は休んでください)
でなければ、創造することも、統率することも、付加価値を生み出すことも、継続することも、困難に立ち向かうことも、できないでしょう。
日々の現実は大変厳しいのですから、尚更に。


というわけで、これを読んでいる倒産寸前零細企業経営者の皆さん。
今年もユルくいきましょう。


国の中小企業・小規模事業者向けの施策 (平成27年度補正予算・平成28年度予算・税制改正)


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既にご存知の方も多いかもしれませんが(?)、国の中小企業・小規模事業者向けの施策(おもに補助金や制度融資など)について。

平成27年度補正予算、平成28年度予算・税制改正が閣議決定しました。
ミラサポのホームページと中小企業庁のホームページに詳しく書かれています。
貴重な情報源ですね。

「ミラサポ」 https://www.mirasapo.jp/budget/index.html?utm_source=mirasapomail&utm_medium=mail&utm_campaign=20160108

「中小企業庁」 http://www.chusho.meti.go.jp/hojyokin/index.htm

私の率直な印象としては、前年にも増して、元気の良い中小企業が「攻め」に出ることを後押ししているかのようです。

利用できそうな会社はどんどん利用しましょう。


「介護で仕事が手に付かなくて倒産」 の増加


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統計的なことは全く調べていません。
まったくの私の主観で書いています。

なにやら、「介護倒産」「介護破産」が増えている気がします。

私のところに無料相談、有料相談、顧問契約、勉強会などで相談に来られる方の中に、少なからず、このような状態の方がおられるのです。

「父の介護が大変で、・・・もう、仕事どころではないんですよ。週の半分も店に出られません。そのぶん、人件費がかさんでいます。」

「母の介護が大変で、・・・このため、会社にあまり顔を出さず、専務に会社のマネジメント全般を任せっきりにしていたら、専務が会社の金を2000万円以上横領していました。 証拠を掴んで、いま弁護士に相談しているところです。」

「実はまだ、父(82歳)が社長なんです。生きているうちは絶対に経営権を渡さないという頑固親父なんです。ひとり息子の私は専務のままです。・・・父は足腰が弱って車椅子が必要な状態です。そのうえ認知症も悪化の一途です。母が既に他界しているので、一人っ子の私が父の介護をしつつ会社を切り盛りしています。 銀行のハンコひとつ押すのも一苦労です。従業員の士気も下がりまくり。会社はガタガタ。このままでは倒産するのは時間の問題です・・・」


自営業の場合、介護に追われて、自分の労働時間が取れなくて収益悪化⇒倒産危機にというパターンが多いようです。

中小企業の場合、介護に追われて、自分が会社のマネジメントを怠ったせいで組織がガタガタ⇒倒産危機というパターンが多いようです。 あとは事業承継がうまくいっていないか。


この手の相談は、全体の中ではまだ少数の部類に入りますが、毎年じわじわと増えているので、無視できない問題ですね。


自転車操業は健康に良い


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自転車は健康に良い。
ならば自転車操業も健康に良いはず。
ビバ自転車操業!


年末年始も資金繰りに追われて気持ちが休まらなかった中小企業の社長さん。
悲観することはありません。

自転車を漕ぎ続けていると、心身に程良い緊張感が続き、ボケるひまもない。
知らず知らずのうちに体力もつく。
有酸素運動をしている実感もある。
生きる喜びも増す。

自転車操業も、これとよく似ているではありませんか。

今年も元気に自転車操業を楽しみましょう。


・・・え? 自転車を漕ぐのを止めたらオシマイだって?
とんでもありません。 そういうのを短絡的思考とか、思考停止状態といいます。

自転車を漕ぐのを止めたら、また別の世界が見えてきます。
休みたいときは休んでください。
ペース配分は、あなたの自由です。


信用保証協会の保証の割合が 「5割」 になる!?


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「中小融資 保証見直し 企業の成長段階でメリハリ ベンチャーは手厚く 経産省」
2015/11/11付日本経済新聞 朝刊

 経済産業省は中小企業の融資が焦げ付いた場合に国などが肩代わりする信用保証制度を見直す。原則として債務の80%を保証しているが、創業から時間がたって経営が安定した企業の保証率を引き下げる。保証率を5~8割程度に区分する方向だ。(以下略)
引用元:
 http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS10H6Z_Q5A111C1EE8000/


以下、猫次郎による解説です。

これはなかなかセンセーショナルなニュースかもしれません。

中小、とりわけ小規模企業向け融資の多くは、都道府県の信用保証協会の保証つきで占められています。
これは2007年までは融資額の100%を保証してくれていたので、金融機関としては、保証協会の保証がつきさえすればノーリスクで融資することができました。(その代わりといっては何ですが、2006年以前には、信用保証協会が第三者の連帯保証人を取るという信じられないことがまかり通っていました・・・) 
金融機関は、「保証協会の保証がつけば」、ほぼ無条件に中小零細に融資していました。 
金融機関の審査能力の欠如が問題視されることも、この頃から少なくありませんでした。

その後、2007年10月から「責任共有制度」が始まり、従来の全額保証から「8割保証」に切り替えられ、金融機関も2割相当のリスクを負うようになりました。(但しその後も全額保証の特別枠などが幅をきかせており、2013年頃までは保証協会つき融資の6割前後が「100%保証のまま」だったという話を同業者のセミナーで聞いたことがあります)

2014年2月には「経営者保証ガイドライン」が運用開始されました。
また、それより少し前から、金融機関は次第に第三者の連帯保証人を取ることがめっきり減り、
ゆっくりと、リスクを負うことに慣れていった感がありました。

そして今回のニュース…。

記事には、
「創業から時間がたって経営が安定した企業の保証率を引き下げる。」
「保証率を5~8割程度に区分する方向だ。」 
とあります。 
ということは、業歴の長い、成熟期~衰退期の会社は、保証協会つきで融資を受けても、5割しか保証してくれないということがありえるわけですね。 残りの5割は金融機関が自社リスクで融資する、いわばプロパーの状態になるわけです。
従来の8割~10割保証に慣れきっていた金融機関にとって、これはかなり大きな問題ではないでしょうか。

保証率を5割にするのか?それとも6割、7割、8割にするのか?その「基準」も、興味深いところです。
「創業から時間がたって」 「経営が安定した企業の保証率を引き下げる」 とありますので、
単に業歴の長さだけで決めるのではなく、財務基盤も精査されたうえで、保証率が決まるのでしょう。

ざっくり言えば、「安定期」の会社は、保証率が下がり、プロパーの比率が増えそうですが(それでも安心して融資できるでしょうが)、
「業歴は長いけど、財務基盤が不安定な会社 (要するに衰退期になりかけている会社」 は、保証率が7割か6割くらいになるのでしょうか?
もしそうだとすれば、残りの3割-4割を金融機関がリスクを負うことになり、だけど金融機関はそんな衰退期の会社にリスクを負って貸したくないから、陳腐な言い方ですが、「貸し渋り」などが始まるかもしれませんね。

もっとズバッと言ってしまうと、無駄に業歴だけが長くて、赤字スレスレ、実質債務超過、粉飾決算などをしている会社は、これまで以上に借りられなくなるんじゃないでしょうか。

もう少し掘り下げて考えてみましょう。

金融機関がリスクを負うようになると、金融機関も与信審査のシステムを大きく変える必要が出てきそうですね。
貸すのが仕事ですから(利息で利益を得ていますから)、貸さないわけにもいきません。
よって、貸すために、信用保証協会の保証だけで補いきれない何か、といっても連帯保証人を取るのは時代に逆行しているし、不動産担保を提供できる会社も限られているので、例えば、信用補完のために、「正確な財務諸表」 を求めるようになるかもしれませんね。
「会計監査のお墨付きの決算書が出せれば、5割保証でも喜んで融資します」 とか・・・。

今までの中小企業、とりわけ保証協会のお世話にならなければ借入できないような零細企業は、多くの場合、決算書の信ぴょう性に欠けていました。 意図的な粉飾(借りやすい決算書にお化粧)も残念ながらよく見かけるし、意図的でなくても結果的に実態とかけ離れた決算書 (例: 「資産の部」に1億円の資産が計上されているが、減価償却を怠ってきたり、回収不能な売掛金がそのまま資産計上されていたり、不良在庫を処分せずそのまま資産計上されていたり、仮払金や社長向け短期貸付金などの処理がイイカゲンだったりで、時価に換算すると3000万円にも満たないなど) も数多く見かけます。  こういう会社は、今まで以上に融資を受けにくくなるかもしれません。

「金融機関に厳密な査定を求める」 とも記事に書かれていました。 
その方法として最も考えられる(と私が思う)のは、慣れない「定性分析」(事業の将来性とか、社長さんの資質とか、知的資産とか) よりも、慣れた「定量分析」(財務分析など) を強化することではないでしょうか。 そのほうが、金融機関にとっては効率的かつ現実的な気がします。金融機関も忙しいですから。

もしかしたら、公認会計士さんや税理士さんが、大忙しになるかもしれませんね。
中小零細企業向けの会計監査業務などで。

もうひとつ、考えられることがあります。
それは、「民間の保証会社をもっと活用する」 ことです。
現実問題として、零細企業は、財務諸表の精度UPなどにいちいちコストと時間をかけていられないという側面があります。
貧乏暇なしなのです。
ただでさえ消費税の負担が増して、税理士さんに払う顧問料だけでも四苦八苦しているのです。
だとすれば、「決算書の精度UP」などしたくてもできないから、もうひとつの信用補完の方法として、「民間の保証会社」を活用するというニーズが増えるかもしれません。 

但し、民間の保証会社もしっかり保証料を取るので、どちらに転んでも、資金調達コストは上がりそうですね・・・。

以上のような理由から、業歴の長い、だけど財務基盤が弱い中小零細企業は、資金調達が少し難しくなりそうです。
今までドンブリ勘定でギリギリの資金繰りをしてきた高齢の社長さんや、2代目3代目の社長さんは、早めに対策を講じておく必要がありそうですね。


一方、記事には 「ベンチャーなど成長企業の保証率を比較的手厚くして資金を借りやすくする」 とありますので、成長期、黒字基調、キチンとした決算を行なっている会社などは、これまで以上に資金調達しやすくなるかもしれません。これは大いに期待したいところですね。 
(衰退期の会社がパッパと廃業して、事業承継時に息子さんに新会社を作らせて事業譲渡というような生き残り方も、これからますます増えるかも・・・?)


それと、「金融検査マニュアル」 も大幅に改正されるかもしれませんね。
ジッパ(実質破綻先)、ハケ(破綻懸念先)、ヨウカン(要管理先)などが死語になる日も近いかも・・・?


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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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