吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

SFCG民事再生法(その6)


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
1ヶ月ぶりにSFCGについて書きます。

まずニュースから。

・ 「SFCG、貸し出し債権数百億を二重譲渡か」 読売新聞3月23日
   http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20090324-OYT8T00328.htm

・ 「旧商工ファンド:SFCGが破産手続き 保全管理人を選任」  毎日新聞3月24日
  http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090324k0000e040069000c.html


 読んでお分かりのとおり、SFCGは2月に民事再生法を申請したものの、再建は困難と判断され、民事再生手続きが打ち切りになりました。今後は破産手続きに移行します。
 また、日本振興銀行に譲渡された債権(35,000件、700億以上あるようで・・・)も、他行と二重譲渡されたことが判明し、だいぶゴタゴタしてきました。


 さてさて、SFCGから借りていた債務者側は、これからどうなっていくのでしょうか?どんな事態が待ち受けているのでしょうか?

 さっくりと結論を先に言ってしまえば、債務者側にとっては「朗報」であると言えるんじゃないかと思います。 理由は次のとおりです。

1. 破産になると、SFCGの資産(=多くは貸出債権ですね)は、裁判所が選任した保全管理人が主導して、まず精査に入り、そのうえで、売却処分されます。 どこにいくらで売却されるかはわかりませんが、当然のことながら買うのは同業社である可能性が高く、暴力団や反社会的勢力に買われる可能性はどう考えてもありません。よって、債権譲渡先からの暴力的な取立てもありえません。少なくともSFCG時代の取立てよりはマシなはず。

2. また、その売却金額は、「簿価」(額面どおりの金額、定価)で売買されることはなく、「時価」に置き換えられます。 「時価」だとすると、それは寿司ネタと同様、鮮度や旨みによって大きく上下します。SFCGの貸出債権の多くは、ただでさえ倒産危機に貧した自営業者への貸付が中心であり、満額回収の見込みが低いうえに、昨今話題になっている二重債権譲渡や過払いなど「毒」を含んでいる可能性も高いので、高い値段で買うバカはまずいないでしょう。常識的に考えれば、二束三文で買い叩かれるのが普通です。 そうです。SFCGの所有する「資産」(=貸出債権)は、不良債権である恐れが強く、ちょうどモノに例えれば、不良在庫や欠陥商品である可能性が高いのです。

3. また、万単位の膨大な顧客数をひとつひとつ精査して丁寧に相対で売却することは事実上困難なので、バルクで「一山いくら」という単位で売却されることでしょう。

4. 安く買い取られた後は、新しい債権者からあなたのところに請求が来るでしょう。 でも慌てる必要はありません。たとえ残元金が1000万円だったとしても、上記123のような理由で、100~200万以下でその債権を仕入れている可能性もあります。 相手はそのことを絶対に教えてくれませんし、法律上は相手はあなたに1000万円請求する権利があり、あなたは1000万円を相手に払わなければならない義務があるのですが、べつに「権利」「義務」の土俵で交渉しなくたっていいじゃありませんか。 「お金がないから120万円にまけてよ!」「おたくも安く仕入れたんでしょ?」 と交渉してみるのも自由なはず。 少なくとも、二束三文で債権譲渡された後は、そんな道が開けてくるのです。 
 物事を額面どおりにとらえやすい人や、型にはまった考え方しかできない人には、なかなか理解できないかもしれませんが、この仕組みを理解すると、後でいろいろな場面で応用がききます。

5. 時間もかかります。これから破産手続きになると、その資産価値も、民事再生のときとガラリと違ってきます。 企業のバランスシートの「資産の部」の金額は、事業継続時と清算時とで大きく違ってくるのです。 継続の場合はSFCGの社員が独自のノウハウで債権回収できるので資産(貸出債権)の時価をそれなりに高く計上してもいいでしょうが、清算(破産)になると、SFCGは解散になって他の債権者に貸出債権が売られて、回収率がより低くなることが当然予想されるので、その分、資産の価値は低く算出されます。そういった計算を、またし直さなければならないのです。 (こういうのを「清算貸借対照表」といいます。) この作業で結構時間がかかるでしょう。 売却されるのはその後です。それまではペンディング(宙ぶらりん)といっても過言ではありません。

6. 関連会社であるアセットファイナンスやジャスティス債権回収なども、親会社を失った今、存続の危機に立たされます。 アセットファイナンスは全国各地で独自に会社登記・貸金業登録をしているので、独立して存続することも考えられなくはないですが、親会社がこうなってしまった以上、金融機関から独自に資金調達することもまず無理でしょうし、新たなスポンサーを確保するのも困難と思われますから、継続は極めて困難でしょう。

7. 以上のことから、SFCGに債務が残っている人は、とにかく今は「慌てないこと」が第一ではないかと思います。 また、もし請求が来ても、いちいち動じないで、「特に何もせず」、相手の出方をもう一段階先まで見届けるくらいの心の余裕をもって臨んだほうが良いと思います。(←但しあくまでわたしの個人的意見ですので鵜呑みにしないように!)

8. また、日本振興銀行から債権譲渡通知や督促状が来た人も、なにしろ二重譲渡、二重請求の可能性もあるわけですから、慌てて払わず、不明な点を全部クリアにしてもらってから払うかどうか決めても遅くないと思います。 


* いつも書いているように、我々は借金についてとにかく悲しいほど「無知・無防備」で、しかも、物事を「額面どおり」に受け止め易く、型にはまった考え方に陥りがちです。それではいけません。
 よく食事と睡眠をとって、たまに休んで遊んで、そしてよーく知識を蓄えましょう。 ネットサーフィンや借金のハウツー本で情報収集するのも良いですが、より柔軟な思考力を養うために、小説やマンガも読みましょう。
 請求書や督促状の1通や2通来たぐらいでガタガタ騒いではいけません。一字一句読んで、眺めて、その裏づけを調べてから払うかどうか決めても全く遅くありません。


 猫

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Comments

SFCG再生手続廃止決定 
SFCG再生手続廃止決定

http://www.tdb-news.com/bankrupt_detail.html?ID=29184
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「東京」 既報、2月23日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請、同日保全命令を受けていた(株)SFCG(資本金791億4915万円、中央区日本橋室町3-2-15、代表小笠原充氏、従業員数92名)は、3月24日午前9時に再生手続きの廃止が決定し、同時に保全管理命令と包括的禁止命令が下りた。

 保全管理人には瀬戸英雄弁護士(千代田区九段北4-1-3、電話03-3239-3031)が選任されている。
 
岩手のウミネコさま 
昨日はSFCG破産関連のニュースが続々と報道されていましたね。

個人的には、これから関連会社がどうなっていくのかが非常に興味深いです。
 
だんだんおもしろくなってきました 
貴重な情報です。
不謹慎かもしれないけどだんだんおもしろくなってきました。今月はじめ知人が亡くなって落ちこんでいる時に振り込み確認の電話があり、振り込み日と葬式がぶつかったこと、全額支払えない旨伝えたら担当がしっこく罵倒するので、金融庁に訴えますと言ったら、どうぞというからすぐ金融庁に電話しました。そしたら○●アセットファイナン
スは○●県庁の金融課だということですぐ電話したら指導ということになり、謝りの電話が店長からありました。結果的にその日に振り込めたので余計な喧嘩だったのですが、あまりしつこいと評判落としますよね。それと担当に疲れてませんか、お体お大事にと言ったら、しばらく黙ってよけいなお世話ですと。あそこの社員はかわいそうですよ。
 

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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
★ 「相談」をご希望の方は、当ブログではなく、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

 
 
 
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