吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

新聞奨学生とは?


Category: ビンボーでも学校へ行こう   Tags: ---
「新聞奨学生」 を知らない人が多いと知って、ちょっと驚いた。

先週、ある人と雑談しているときにわたしが「しんぶんしょうがくせい」の話題に触れたら、その人は「新聞小学生(=新聞配達をする小学生)」と勘違いして、なかなか話が噛み合わなかった。
で、「もしかして新聞奨学生のことを知らないのですか?」と訊いたら、「知らない」とキッパリ言われた。

以来、ちょっと気になりだして、先日ある別の人数名に「新聞奨学生って知ってる?」と訊いてみたら、なんと、ほとんどの人が知らなかった。驚いた。


新聞奨学生とは、新聞社の奨学金制度のことである。
学費の一部または全部を新聞社が肩代わりする代わりに、在学中、新聞配達業務を行うものである。(参考:wikipedia「新聞奨学生」

わたしの経験上の話だが、新聞奨学生は、多くの場合、返済義務がない。
また、住む部屋も与えてくれて、食事も出してくれて、そのうえ、手取りでウン万円のお給料ももらえる。なかなか良い待遇といえる。

その代わり、きつい。

まず朝刊。地域によるが、平均で朝3時か3時半には出勤しなければならない。朝刊配達の前に、まずチラシを新聞に挟み込む作業がある。次にバイクか自転車に積み込む作業。これら一連の作業だけで1時間近くかかることもある。雨の日には新聞をビニールに入れる作業もある。
配達はだいたい2時間前後かかる。雨や雪の日は3時間以上かかることもある。一戸建ての多いところは比較的楽だが、集合住宅、とりわけエレベーターのない4階建ての団地の配達などは非常に体力を使う。
配達が遅いとお客さんから怒鳴られることもある。中には「朝5時までに必着」と注文をつけてくるお客さんもいる。

次に夕刊。これは朝刊と比べるとかなり楽だが、3時半-4時頃から配達を始めなければならないので、学生には時間的に非常につらい。授業と重なることもあるだろうし、課外活動もできない。
配達作業自体は朝刊より30分ほど早く終わることが多いが。

配達以外の業務では、集金や、折込チラシを束ねる作業などがある。あと、「拡張」といって、いわゆる訪問営業をやる場合もある。これらも結構拘束時間が長い。

以上はわたしの20年以上前の経験談である。

わたしは「新聞奨学生」はやらなかったが、高校2年のときから、足掛け3年半ほど、実家に住みながら「アルバイト」として新聞配達をしていたことがある。ほとんどが朝刊のみだったが、浪人生のときだけは朝刊も夕刊もやった。このとき、新聞奨学生の人が同じ職場に沢山いた。場所柄か(大泉学園)、多くは専門学校だったが、中には私立大学に通っている人も少しいた。

台風の日も、雪の日も、試験前の日も、二日酔いの日も、とにかく毎日配達しなければならない。毎日同じことをやるのは本当に大変だ。これに耐えられなくて途中で辞めてしまった人も少なくなかった。夜逃げしてしまった人もいた。

そのかわり、卒業までやり通した人はすごかった。新聞社が奨学生のための終了式を豪華ホテルで開催してくれるのだが、ここで感極まって泣く人は多いという。なにしろヘタな体育会よりもきついのだから無理もない。社会もこれを高く評価してくれるようで、新聞奨学生をやり遂げた人の就職活動での優位性や就職後の人事評価はかなり高いことが多いようだ。とにかく、得るものが多いことは確かだ。


わたしは、親がビンボーで学費や生活費を親に頼れない学生さんにとって、新聞奨学生が「最後の砦」だと思っている。 確かに半端なくキツイが、学費調達以外にも、親から完全に自立できることや、自己鍛錬できることなど、その効果は計り知れない。 育英会もダメだった、社協もダメだった、もうどこも頼れない、だけど学校には行きたい、親元も離れたい、と思っている学生さんにはいいかもしれない。

ただ、本当にキツイので(現代の蟹工船とか奴隷制度などと呼ばれることもある)、途中で挫折しても自暴自棄にならないでほしい。基本的に新聞奨学生を途中で放棄したりすると、立替えてもらった学費をすぐに返還しなければならないなどのペナルティを受けることが多いのだが、これも上手にやれば退学しないですむはず。たとえば大学の学生課にじっくり相談して、途中から別の奨学金に切り替えたり。知恵を絞れば道は開けるはずだ。

とにかく、苦労を承知で新たな一歩を踏み出すことに意義があるのだと思う。



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Comments

 
さいたまの赤ちゃん屋です。猫先生はなんでも経験してるんですね。私は高校3年間大学生に混じって住み込みでこれをつづけました。これのおかげで、親は生活力をつけ逆に大学は普通に行かせてくれました。
 
>赤ちゃん屋さま 
こ、高校3年間新聞配達、しかも住み込みですか!? それは半端じゃないですね! 負けました。

不思議なもので、親元を離れると、かえって互いにありがたみがわかって、仲良くなれたりするものですよね。

そういえば、法政大学の学生運動が相変わらず熱いようです。


 
ヒナも元新聞奨学生でした 
専門学校時代の2年間お世話になりました。
いとこ達はみんな高卒で就職していましたし、家が裕福ではない事は承知でしたので、上の学校に行くなら自力で行きたいという考えからでした。
仕事はきつかったけど、それなりに楽しかったですよ。
底辺を知っておくと、
「こんなくらい、乗り越えてやる!」
ってどんな苦境でも耐えれたし。

青春のよき思い出です。
 
返さなくていいのがいいですね 
息子のマブダチもこれで声優学校に行きました。
でもあまりのきつさに1年で降参 ^^;
今は他のバイトしてるみたいです。
最後まで勤め上げた方は根性が据わってらっしゃいますね。

新聞社さまは 「押し紙」などの話も良く聞きますが、素晴らしい社会奉仕もしてるのですね。
 
赤ちゃん屋 
猫先生の言うとおり、親のありがたみが、本当にわかります。ただ高校の授業中は眠かった。だから?私も一浪した。
学生運動・・。私もヘルメットかぶらされました。ああ懐かしい!
 
みんなすごい! 
>ヒナ☆さま

お名前はすごく乙女チックなのに、すごい根性の持ち主だったんですね。恐れ入りました。たかがアルバイト配達員のわたしは足元にも及びません。いやマジで。

「底辺を知っておくと~」のくだりは、まったくもって同感です。


>ゆうひさま

1年でギブアップしてもいいと思います。とにかくチャレンジしたことと、1年でも勤め上げたことが、彼の後々の大きな財産になるでしょう。息子さんはいいマブダチをお持ちですね。


>赤ちゃん屋さま

眠いですよね。
朝6時半頃に配達を終えて、7時ごろ朝飯を食って、そのまま寝ないで授業に出ると9時か10時頃に猛烈に眠気が襲ってきますので、わたしの場合、配達を終えたら30分でもいいから寝るようにしてました。(配達が終わったら即帰れるアルバイトの特権ですね)


 
 
私も新聞小学生で専門学校に2年間通いました。

私の専門学校は資格取得がメインの為に授業終了後の補習授業が大切でしたが、新聞配達奨学生なのでその補習授業が出席出来ずにとても大変で何度も辞めて帰ろうか?とも思いました。

しかし自分自身で選んだ学校
親に絶対迷惑をかけてはイケナイ?
意地?があった為

何とか頑張りました。

今考える
とても辛い経験でしたで
一番遊びたい時期に同じ学生と遊びたい気持ちがあり
情けなく思った時期もありましたが

他の学生には経験が出来て
社会の厳しさを知る事ができて良かったと思います。

ちなみに私の経験した
新聞奨学生制度には
OBの奨学生さん(皆さん今では幹部職員)との就職相談もあり

就職も有利な特典もあったんですよ~

私も場合は、
相談する前に企業訪問で新聞奨学生をしている事を話したら
就職試験当日に面接で
「君の話しは聞いているから」と社長からと
言われもう内定決定な事を言われた経験があります。

非常に辛い奨学生制度ですが
未来は明るいと思って
新聞奨学生には頑張ってもらいたいですね。

勉強もそうですが
他の学生には無い勉強は
そこにはあった事
忘れてましたね










今となっては
 
makotoさま 
そうそう。新聞奨学生といえば真っ先にあなただ。これからの活動もがんばってください。
 

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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
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