吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

SFCG民事再生法(その5)


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---

よく、新聞雑誌ネットなどで、「SFCGが潰れたら、我が国の中小企業はますます資金調達の道を断たれ、結果、ヤミ金が急増する」 「SFCGには中小企業の資金調達という社会的意義がある」 といった論調を見かけますが、わたしはそうは思いません。 理由は次のとおりです。


1. そもそもSFCGは融資審査の際に、決算書をほとんど見ないで審査していた。(たとえば、わたしが1996年に商工ファンドの連帯保証人になったときも、98~99年に追加融資を受けたときも、終始一貫して、財務諸表の提示は求められなかった。提出書類といえば、土地建物の謄本や、保証人の勤め先の収入証明が中心だった。)  このため、財務的に既に破綻状態にあるような零細企業でも、担保か保証人さえいれば、借りることが可能だった。 極端な例をあげれば、B/Sの当座資産ゼロ、流動負債多数、売掛や在庫はデッドストック化、固定資産は価値暴落、固定負債多数、実質超債務超過で、かつ、P/Lも減収減益の超大赤字状態で、どう見ても既に破綻状態にあるような会社でも、借りることができた。 このような会社に貸すとどうなるかは明白である。 債務超過はより債務超過になり、大赤字はより大赤字になる。 会社としては当然返済できなくなる。それを担保提供者や保証人が肩代わりするという構図になる。

2. 「商工ローンはタクシーだ」 とオオシマケンシン社長は著書で書いていた。これ自体は名言であると思う。わたしも、いくら高利の借金であっても、それがほんの一時的なつなぎ資金であるなら、べつに構わないと思う。(ごく個人的な意見だが、利息の上限はもっと高くてもべつに構わないと思う。)
 だが、誰もが商工ローンの高利をタクシーのように臨時的に短期的に割り切って使っているのなら良いのだが、実際はそうはいかない。 一度借りたらどうしても慢性化してしまうのだ。ただでさえカネに非常に困った会社が借りるので、一度借りたら最後、借りたり返したりの自転車操業から抜け出せなくなるのだ。 これは借りた人にしかわからないかもしれない。 「商工ローンはタクシーだ」 というのは理想論であって、現実は、「商工ローンはモルヒネだ」 といったほうがぴったりくる。

3. べつにSFCG1社がなくなっても、銀行の無担保ビジネスローンの種類も近年急増しているし、いくらか良心的な大手ノンバンクも沢山あるのだから、べつに社会的悪影響はないと思う。

4. ヤミ金は増えない。実際、ここ数年はずっと減少傾向である。 理由は、(1)2003年に出資法違反の暴利や無登録営業、契約書受領書不交付、身分証明書不携帯などの行為が罰則強化された。いまや、ヤミ金は一度捕まったら懲役5年、罰金1000万円など大変な刑罰を科せられる。 (2)2008年頃から、警察のヤミ金対応も徹底してきた。 (3)われわれ債務者もだいぶ賢くなってきた。 (4)法テラス、認定司法書士、行政など、相談窓口も2003年を境に急増、2006年頃からさらに急増した。 ・・・などなど、要するに、ヤミ金にとっては、「エサ」が少なくなり、「敵」も多くなり、まことに環境が悪くなったのだ。 絶滅はしないだろうが、増えることは考えにくい。

5. 我々零細企業の経営社側も、昔のように拡大路線を狙う人は非常に少なく、縮小路線を図る経営者のほうが圧倒的に多い。攻めに出て勝てる見込みがない。それくらい、景気が悪い。みんな守りに入っている。「借りて回していく」よりも、「整理してギリギリまで縮小して生き残ろう」と考えるほうがこのご時世では理に適っている。 よって、「資金需要」そのものが全体的に縮小していると思われる。 安易に借りなくなっている。



以上で、SFCGに関する記述は一旦終わりにします。   (終)




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Comments

SFCG問題相談ダイヤル 
SFCG問題相談ダイヤル

商工ローン大手の「SFCG」が民事再生法の適用を申請したことを受け、取り立ての問題を追及している弁護団は、SFCGが財産を隠すおそれがあるとして24日、東京地方裁判所に管財人を選任するよう、要請することにしています。

SFCG・旧「商工ファンド」は、中小・零細事業者向けに銀行などより高い金利で運転資金を融資する商工ローンの大手で、資金繰りに行き詰まり、23日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し受理されました。負債総額は3380億円に上り、今後は裁判所の監督のもとで再建を支援するスポンサーを探すとしています。SFCGをめぐっては、融資を受けた経営者などおよそ280人が、不当に高い金利によって「過払い」をさせられたり、支払い期限の前に一括での返済を求められたりしたとして、全国13か所で損害賠償を求める裁判を起こしています。取り立ての問題を追及している「日栄・商工ファンド対策全国弁護団」は、SFCGが財産を隠すおそれがあるとして24日、東京地方裁判所に管財人を選任して適正に管理するよう要請することにしています。弁護団は、SFCGの融資を受けた企業の経営者から電話で相談を受け付けています。電話番号はフリーダイヤルの「0120-711-499」で、平日の午前10時から午後5時まで受け付けています。

http://www3.nhk.or.jp/news/t10014358631000.html

 
ウミネコさま 
いつも情報ありがとうございます。

このフリーダイヤルは、SFCGから借入のあった人にとっては大変役に立ちそうですね。

 
複雑な気持ちです 
猫次郎さん。その後五までいろいろ詳細に説明をありがとうございました。私個人的には裁判を通算六年も続けていて、いまだに過払いが戻って来ない事を考えると、再生案が通るほうが良いと思いますが、
SFという会社が社会に与えた影響を考えると、存続は社会悪だと思います。存続はあってはならない。断じて。当然アセットも同様です。
言い過ぎかも知れませんがむしろ闇金と同レベル!。もちろんSFの方がずっとズル賢いデスケドね。
今頃大島社長は百億の抵当権のついた豪邸でほくそ笑んでいることでしょう。その豪邸や隠し財産のほとんどは多くの中小零細企業を泣かせて作ったのですから。
約六年前に過払いで弁護士を介入させたにも拘わらず、全ての預貯金と売掛金、連帯保証人の給料、生命保険まで差し押さえしてきて来たSFのおかげで会社を倒産同然に追い込まれた事は絶対、絶対許すことはできません。対策弁護団に何とか頑張って欲しいです。
 
耳寄り情報 
2009年02月25日 08:44 更新

 商工ローン大手のSFCG(旧・商工ファンド)が24日午後、東京都内のホテルで債権者説明会を開催した。創業者である大島健伸会長の謝罪と経緯説明で始まった説明会には、グレー金利撤廃による過払い金返還請求の代理人を含めた約200名が集まった。

 SFCGの申立代理人は、早急な経営再建の必要性を示したうえで、すでに特定スポンサーから再建支援の打診があったことを言及した。しかし過払い金返還請求など係争中の潜在債務を抱えることや、同日に報じられた大島健伸会長の資産防衛の疑いなど、同社に対する不信感は残った。

 また、大島健伸会長が「内部資料として月次の貸借対照表を作成している」ことを認めながらも、債権者説明会において非常(清算)貸借対照表に基づく清算配当率を開示しなかったことで批判が相次ぎ、会場は一時、騒然となった。

http://www.data-max.co.jp/2009/02/post_4710.html
 
SFCG平成21年(再)第54号民事再生手続開始申立事件 
SFCG平成21年(再)第54号民事再生手続開始申立事件

当社は、平成21年(再)第54号民事再生手続開始申立事件(平成21年2月23日)について、本日、
東京地方裁判所より民事再生手続開始決定を受けましたので、下記のとおりお知らせいたします。
皆様には多大なご心配とご迷惑をおかけするところとなり、誠に申し訳なく心からお詫び申し
上げます。
今後につきましては、東京地方裁判所および東京地方裁判所から選任された監督委員の指導監
督のもと、役職員一同、再生に向けて全力を尽くして参りますので、今後の当社の再建に各別の
ご理解とご支援を賜りますよう、伏してお願い申し上げます。

1. 民事再生法による今後の予定
①再生債権の届出期間 平成21年4月30日まで
②認否書の提出期限 平成21年6月23日
③再生債権の一般調査期間 平成21年6月29日から平成21年7月21日まで
④報告書等(民事再生法124条、125条) 平成21年6月23日
の提出期限
⑤再生計画案の提出期限 平成21年7月30日
以 上

http://www3.sfcg-ir.com/jp/topics/2009/pdf/090224_minnji%20.pdf
 
亀レスすみません 
>東さま

確かに複雑なご心境でしょうね。過払い金が取れないというのは、立場的には、ヒガシさんが「債権者」であり、債権を回収できないということになりますから・・・。
まあ、ここはせっかくの希少な立場をフルに活用して、債権者説明会に参加したりされてみてはいかがでしょうか?


>ウミネコさま

いつも貴重な情報ありがとうございます。

そういえば、日本振興銀行が3/2付けでSFCGからの譲渡債権についてコメントを発表しましたね。
→ 
http://www.shinkobank.co.jp/whatsnew/img/press090302.pdf

 

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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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