吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

財務分析勉強会、お疲れ様でした。(長文)


Category: 講演、勉強会、イベントのご案内   Tags: ---
昨夜は予定通り勉強会を開催しました。

少人数ながら、初参加の方が多く、また公認会計士の先生なども加わったりして、いつになく新鮮だったと感じています。 当然、終了後の懇親会(両国駅前の和民)も大変盛り上がりました。

内容は、予告どおり、「資金繰り改善のための財務分析」 をテーマにしました。
私の描いたレジュメを配布して、それに沿って進めました。
こんな感じです。

[第1部] 財務分析の基本~BSの読み方、PLの読み方、両者の兼ね合い、2期3期比較のツボ、そこから読み取るキャッシュフローの実態、倒産の予兆の読み取り方、などなど。

[第2部] 貸し渋り対策 ~ こうすれば銀行から借りられる、ブラックでも倒産歴ありでも大丈夫な理由、銀行の審査のツボ、決算書のここを治せるように自力で経営改善しろ、融資の種類、上手な借りかた、などなど。

[第3部] 貸し剥がし対策 ~ 貸し剥がしに遭わないためのツボ、貸し剥がしにあったときの対処法

[休憩]

[後半] フリートーク ~自己紹介、質疑応答


できるかぎりわかりやすく簡単にと心掛けたつもりですが、それでも、たぶん、きっと、多くの参加者の方には、やや難しく感じられたと思います。
実際、今年5月に開催した「決算書の読み方勉強会」の時と比べて、2段階くらい難易度を上げています。

でも、ハッキリ言って、経営者としては、「半分もわからなかった」「ちんぷんかんぷんだった」では済まされません。わからなかった部分は復習して欲しいと思います。

というのは、勉強会のときもお話ししましたが、よく知られている銀行の「金融検査マニュアル」導入、「BIS規制」、「信用格付け」などによって、銀行は、2000年頃から徐々に、一昔前と比べて「社長さんの熱意」「現場の活気」「不動産担保」「保証人」などをあまり重視しなくなり、代わりに、決算書など財務諸表の「債務超過の有無」「自己資本比率」「流動性」「収益性」のほうを重視するようになったからです。

このことを知らない数字に弱い社長さんは、いつまでも旧来のやり方で、「企業たるもの、不動産の一つぐらい必要だ」 とか、「節税のために利益はギリギリ抑えなければ」 とか、「剰余金は投資に回そう」 とか考えてしまいがちで、また数字に弱いため、それらの行為が、自己資本比率を減らし、流動性と収益性を悪く見せる結果になってしまい、ひいては銀行からマイナス評価されて、債務者区分が「要注意先」以下に位置づけられ、ある日突然、短期のつなぎ融資の書き換えなどに応じてもらえなくなり、資金繰りに詰まって「突然死」してしまう恐れがあるという因果関係が読みとれないのです。
また、そんな社長さんに限って、自己批判をせずに銀行批判ばかりして、「俺は銀行に殺された」などと逆恨みし、客観的に見て、とても痛い経営者に成り下がってしまいがちです。

そうならないようにするためには、やはり、数字が読めなければなりません。

数字が読めれば、銀行が自分の会社をどう評価しているかもおのずとわかり、貸し渋り貸し剥がしも未然に防げます。ひいては、資金繰りで詰まらない経営計画が立てられるようになることうけあいです。

と、そんな狙いで、今回の勉強会の内容を練りました。


尚、これも昨夜の勉強会で話したことですが、会社が倒産する原因には、大きく分けて次の3つの要素があげられます。それぞれ、人間のカラダに例えることができます。

[倒産の原因]

第1  資金繰り悪化 - 「血」の流れが悪くなっている状態。「突然死」の恐れあり。
第2  赤字連続 - 「栄養失調」みたいな状態。突然死はしないが・・・。
第3  債務超過 - 「ガン」みたいな状態。突然死はしないが・・・。


金融機関が審査するときは、おおむね3,2,1の順で見る傾向がありますが(債務超過の有無が最も重視される!)、我々経営者にとって最も重要なのは、実は1,2,3の順です。
つまり、「資金繰り正常化」が最重要課題です。

たとえば、赤字連続で債務超過であっても、資金繰りさえ回っていれば、すぐには潰れません。 でも逆に、黒字連続で資産超過であっても、資金繰りが詰まると突然不渡りを出したりして大変なことになる恐れがありますよね。よくいう黒字倒産です。 突然死する恐れがあるわけです。 

しかしいっぽう、資金繰りさえ回れば良いというものではありません。
当然のことながら、資金繰り悪化の原因となる債務超過(ガン)の治療や、債務超過の原因となる赤字体質(栄養失調)の改善も、同じくらい重要なわけです。

これをややアカデミックに書くと、BS、PL、CF、この3つを区別して、じっくり財務分析して、それぞれの問題点を洗い出し、BSの正常化、PLの正常化、CFの正常化を計りましょうね、ということになります。

ちなみに、最近よく話題になっているアメリカの大手自動車会社GM。あれは理論的には破たんしています。北斗の拳っぽくいえば、「お前はすでに死んでいる」 状態です。
なぜだかわかりますか?
まずBSで大幅な債務超過。PLで慢性赤字体質。CFで資金繰り難航。 つまり、倒産の3要素が全て揃っているわけです。
にもかかわらず、なぜ倒産しない(させない)のか?

この状態になると、もはや自力のみでの再建は不可能に近いですが、自力にこだわらなければ、私的整理や法的整理といった外科手術的な方法を用いて、再生はまだまだ可能です。一例をあげれば、BSは債務免除要請や債務の資本化などで債務超過解消。PLは日産ゴーン並みの大掛かりなリストラで黒字化、CFはスポンサー確保で資金調達、というふうに。

こんな視点で新聞の記事を読むと、より勉強になるし楽しいと思います。




最後に。

昨夜の勉強会で「よくわからなかった」「ぜひ復習したい」という方には、次の2冊の本をおすすめします。これらは資金繰りや資金調達のツボを書いた本ではありませんが、財務諸表の読み方や、それを実際の経営で役立てる方法が、実にわかりやすく書かれている良い本だと思います。 1回だけ読んでもわかりにくい場合は、2回ずつ交互に熟読されることをおすすめします。この2冊がわかれば、昨夜の勉強会の内容も80%くらい理解できると思いますし、商工会議所などでよく開催されている会計士税理士さんが講師するセミナーも同様に理解できると思います。せっかくの受講料が無駄にならなくなります。

経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ (光文社新書)経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ (光文社新書)
(2005/03/17)
山根 節

商品詳細を見る


餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?
(2006/09/29)
林 總

商品詳細を見る



* 今回の勉強会はなかなか好評でしたので、12月9日名古屋12月17日大阪で同様のテーマで開催するほか、1月以降も定期的に同様のテーマで開催したいと思います。おたのしみに。


スポンサーサイト


Comments

残念 
27日は充実した内容だったようですね。
用事がぶつかってしまい、
行けなくて残念でした。
猫さんがおっしゃる、BS、PL、CFの分析が基本ですね。先日時間があったので、自社の流動比率の分析をやったら、悪い会社なのでした。でよくここまで銀行がお金を貸してくれ、ここまで会社が持続してきたなと思ってます。でもここが踏ん張り時かなと思ってます。なぜか弊社の本来の商品がものすごく売れ始めたのです。10年かかってますが、やっと世間に認められはじめたのかなと思います。そのための仕入れ資金が以前の仕入れ代を払えないばかりに、全部前金なので、売れていても資金繰りが大変です。売上金入金はずっと後からですから。これが資金をもたない零細企業のつらいところですね。
また機会があったら、ぜひ出席したいです。
 
熱望 
できれば「地獄の特訓」財務編(君は生き残れるか?)を開催していただきたいです。12時間ぶっ通しぐらいの過激なヤツでお願いします。
 
勉強になりました! 
猫さん、おはようございますパパリンです。
毎度の事ですが、今回の勉強会も大変良い勉強になりました。
ありがとうございます!

PS
私は猫さんとは
たった「2つ」違いですからね(笑)
 
管理人のみ閲覧できます 
このコメントは管理人のみ閲覧できます
 
みなさま 
>グランマさま
 零細企業はちょっと歯車が狂っただけですぐにスッ飛びますから、絶えず、財務基盤を強固なものにしようという地道な努力・姿勢が欠かせないですね。
 また、それを実現するためには、「入るお金を増やす」(借りてでも増やす)か、逆に「出て行くお金を減らす」(リスケしてでも減らす)か、大きく分けてどちらかが欠かせません。どちらもやれば効果はかなりあがりますが、もちろんそこにはリスクが伴います。これらは簡単そうで難しく、難しそうで簡単だったりします。
 

>東京の自動車屋さま

 いいですねえ~。
 スパルタ式で合宿勉強会でもやりましょうか?竹刀や木刀を持って。


>パパリンさま

 わたしと2歳しか違わないときいて、誰もが驚愕してましたよ。


>管理人のみ閲覧さま

 情報ありがとうございます。そっちの分野は、最近すっかり疎くなってしまい、うっかり見過ごしていました。参考になりました。

 

Leave a Comment



11 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

10

12


 
プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
----------------------

【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
吉田猫次郎メルマガ有料版
 
 
吉田猫次郎 著
震災後に倒産しない法
 
吉田猫次郎 著
「連帯保証人」ハンコ押したらすごかった。でもあきらめるのはまだ早い!
 
吉田猫次郎 著
借金なんかで死ぬな!
 
吉田猫次郎 著
働けません。
 
猫研バナー
リンクフリーです。
猫研
 
 
ブログ内検索
 


Archive   RSS   Login