吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

SFCG、その4


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
ご存知の方も多いと思いますが、先週の土曜日、昨日の土曜日と2週連続で、TBS「報道特集」で、SFCG(旧・商工ファンド)の不当な一括請求について大きく取り上げれられました。
(youtubeでも発見。これです。)

社名を実名公開、しかも相手は上場企業、しかも2週連続で・・・。
TBSも随分思いっきりましたね。

わたしは過去3回に分けて、SFCGに関する記事をこのブログで書いてきたわけですが(詳しくはここ参照→ http://nekoken1.blog108.fc2.com/blog-entry-812.html )、これ以上はもう、あまり書きません。
他所の情報源が増えてきたので、もう必要ないだろうと感じています。
(それにちょっと飽きてきました・・・)


最後に(?)、些細なことですが、ちょっとだけ補足します。


★ テレビでは「りそな銀行」がよく映し出されていましたが、りそな銀行とSFCGは関係ありません。単に、日本橋室町のSFCG本社のあるビルの1階に、りそな銀行があるだけです。SFCGはこのビルの10~12階にあるにすぎません。

★よく混同されていますが、「目玉売れ、腎臓売れ」 の取立てで1999年頃に話題になった商工ローン大手は、SFCG(旧社名=商工ファンド)ではありません。ロプロ(旧社名=日栄)です。
 当時、業界1位は日栄、2位が商工ファンドでした。日栄は手形貸付を特徴とし、利息は、日栄としての利息20%台後半+子会社の日本信用保証の保証料10%台前半=合計で実質年率40%近くを取っていました。 取立てのしかたも、やや荒っぽいと言われていました。
 これに対して、商工ファンドは、証書貸付が中心でした。但しその中身は、約束手形ならぬ私製手形に署名捺印させていざ延滞すると「手形訴訟」で迅速に回収しようとしたり(手形訴訟だと争いの余地が少なくあっさり勝訴しやすい)、契約時に「公正証書作成嘱託委任状」に署名捺印させて訴訟の手間を省いて差押できるようにしたり(注:公正証書があれば訴訟しないで差押できる)、要するに、「法的回収」をしやすいようにがんじがらめにして貸し付けていました。連帯保証人も、連帯「根」保証でした。だいたい300万円貸付枠が増えるごとに連帯保証人を1人追加する必要があり、1000万円借りている人は、社長自身も含め2-3名の連帯根保証人をつけているのが普通でした。利息は実質年率30%台後半が多かったようです。(わたしも35%以上で借り手いました。)

 一般的に、債権回収の手法には、大きく分けて、「私的回収」と「法的回収」があります。
前者は電話、訪問、催告書、督促状などによる回収です。
後者は訴訟、差押など、裁判所を使った回収です。
 SFCGは10年以上前から「法的回収」に特化していました。言い換えれば、私的回収をあまり得意としていませんでした。電話や訪問で大声で怒鳴ったりするようなことはあまりなく、かわりに、訴訟や差押をかなり早いスピードで申し立ててくるのが何よりの特徴でした。

 この違いをよーく知っておくと、SFCGの今後の展開がますます予想しやすくなると思いますよ。
(ヒント1.SFCGの総資産に占める営業貸付金の割合。ヒント2.法的回収でも回収できない相手がいる。)

★昨今、金融機関の中小企業向けの「貸し渋り」が騒がれています。また、SFCGが潰れたら、中小企業は資金調達の道を絶たれて何万社も連鎖倒産するという論調も時々見かけます。
 しかし、そんなことはないと思います。 仮にSFCGをはじめとする旧来の商工ローンが全部なくなっても、中小企業の資金調達の道はそんなに減りません。安心して下さい。
 これについてはそのうち機会をみつけて書こうと思いますが、銀行や銀行系は、以前にも増して、無担保で借りやすくなっているのです。この傾向はますます広がると(私は)予想しています。根拠も多数あります。
 ただ、ごく当たり前のことですが、「債務超過」で「赤字」で「資金繰りに危険信号が点滅」している企業は、規模の大小を問わず、金融機関は貸してくれません。当たり前です。焦げ付く危険性が高過ぎますから。
 また、審査の基準が近年大きく変わってきたのも事実です。これは金融庁の指導が大きく影響しています。最近は、不動産を所有していてもちっともプラス評価になりません。それよりも、決算書の数字のほうが重要視されています。
 我々中小企業が資金を調達するには、貸し渋りを批判するよりも、まず自己批判から始めなければなりません。どうすれば債務超過が解消できるか。どうすれば黒字に転換できるか。どうすれば資金繰りが正常化してけるのか、どうすれば自己資本比率をもっと上げられるか、を。
 ざっくり言ってしまえば、この3~4点さえクリアになれば、銀行は喜んで貸してくれます。いや、今すぐできなくても、短期・中期的にクリアできる見通しを客観的材料を揃えて説明できれば、可能性は開けてきます。 (実際、わたしが最近相談に乗った零細企業の中でも、そうやって、粉飾などせず、完全な正攻法で、元ブラックにもかかわらず、改善努力して、融資実行にこぎつけた人は何人もいます。) 
 ですから、数字も読めない経営者が感情的になって「貸し渋りにあった」なんて騒いでいるのは、ちゃんちゃらおかしいのです。 まず数字が読めるように勉強して、自分の会社のどの部分に問題があって銀行が態度を硬化してきたのか、その原因を、数字で自己分析できなければなりません。(それができなければ、しかるべき専門家に、恥ずかしがらずに教えを乞うべきです。) これが資金調達の突破口に直結するのです。

★ちなみに、SFCGは融資審査のときに、決算書や事業概況を見ることはほとんど皆無といっていいほどありませんでした。その意味では極めてイージーでした。 同社の審査基準は、事業内容や財務諸表分析ではなく、連帯保証人の属性(全情連などでサラ金借入の有無などは調べられる)や、借主の固定資産の有無や、他社借入状況などのほうに偏っていました。 このことから容易に察することができますが、同社は、借主が倒産するかどうかはあまり注視していない、いやそれどころか、倒産することを前提に考えて貸し付けているとハッキリ言い切ることができるでしょう。 倒産しても、保証人から取れればいい、あるいは保証人から取れなくても、高利でモトが取れればいいと・・・。

★ 一を聞いて十を知ることのできる賢明な読者さんは、ここまで読めば、わたしが何を言いたいかお判り頂けるかもしれません。 そうです。わたしは、SFCGの〇〇〇の大部分を占める〇〇〇〇〇のうち、多くは〇〇〇〇であり、もしそうだとすると、実質的に〇〇〇〇であると思うのです。

★ さらに付け加えるなら、同社のO島社長は慶応大商学部主席卒業の秀才肌で、商工ローンというビジネスモデルを作り上げた先駆者のひとりであり、少なくとも実業家としては、凡人離れした先見の明があるスゴイ人物だろうと思うのですが、そのO島社長が、一体なぜ、遡ること1年ちょっと前の2007年から、SFCG本体の貸金業登録更新をやめて(貸金業者なのに本社が貸金業登録の更新をしなくなったという奇策に出た!) 、子会社のアセットに分散したのでしょうか? その少し前に、我が国ではグレーゾーン金利廃止が確定しました。 またその少し後に、米国でサブプライムが問題化し始めました。 

 さあさあ、皆さんこれをどう読むどう読む??? 

 以前書いた私のブログの「その1」「その2」「その3」のコメント欄にも、ヒントになりそうなことを幾つか書き散らかしていますので、ご興味ある方はそちらも読んでみて下さい。


 いかんいかん。「これ以上あまり書きません」 と書いておきながら、また長々と書いてしまった。

 もう本当にこれ以上書きません。 (よっぽどのことがなければ・・・)



猫@携帯の届かない所に出張中


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Comments

 
はじめまして。貴著は(たぶん)全部読ませていただいています。

私はSFCGと係わりがあるわけではありませんが、貴ブログでのリンク先や「報道特集」その他で拝見すると、もう民事ではなく刑事になりかねないむちゃくちゃぶりですよね。テレビで紹介されていた北海道の事例なんて、恐喝罪その他が成立しかねないのでは…。

さすがに行政なり司法もそれなりに対応するでしょうが、もしこの「貸しはがし」(?)で自殺者が出たら(出ているかも)これ一種の殺人に近いようなものになりかねません。心配になってしまいます。

これからもがんばってください。
 
 
ある時、知人が歌の発表会に出るというので、大きな花束を持っていきました。誰もそんな大きな花束をもらう人がいなくて、その友人はとても喜んでくれました。それでそのお返しとして今弊社の商品をものすごくたくさん売ってくれてるのです。花束が回りまわって売上に結びついています。やっとなんだか営業とはなにかわかってきました。
 
 
>ALL

皆様コメントありがとうございます。

SFCGについては、そういうわけで、そっと成り行きを見届けたいと思います。

 
どん底です 
暫くぶりです。先生には以前札幌まで来て頂き有りがとうございます。もう十年前程経っていますので忘れたかもしれませんね。先生にはワシントンホテルにお泊まりして頂き色々アドバイスを頂いたのですが倒産させてしまいました。あれからは自暴自棄に陥り薬物に淫蕩し二度刑務所に入ってしまいました。もう全ての借金が十年経っているので時効運用を少しずつしています。そして恥ずかしい事ですが3月に出て間もなく今生活保護をもらっています。出来ればこの状態から逃れたくまた起業したいのですが 今の状態で公共の資金や助成金を貰える手はあるのでしょうか?もう一度頑張って小さいものから始めていき、どん底人生から頑張りたいです。
 

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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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震災後に倒産しない法
 
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