吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

ヤミ金はこれから増えるのか!?


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
 よく、「グレーゾーン金利が撤廃されて、消費者金融等が生き残っていけなくなると、借りるところがなくなって、その分、ヤミ金が増えるのではないか?」 という論調を見かけるが、わたしは、そんなことはないと考える。 

 ヤミ金が増えることは、まずないだろう。
いくら不景気になっても、貸し渋り(←わたしはこの言葉に本当に違和感を感じる)と呼ばれる状態が続いても、ヤミ金は増えるどころか、徐々に減少傾向をたどっていくのではないだろうか、と思う。

 理由はいくつもある。

(1) 罰則が厳しくなった。
 2003年に法改正され、出資法違反の高金利は懲役5年、罰金1千万、あるいはその両方と、非常に罰則が厳しくなった。また、無登録で貸金業を営むことも同様の重罪となった。また、契約書面や受取書面の不交付や身分証明書の不携帯なども罰則が強化された。 また、2007年頃からは、その運用も厳しくなり、警察が今まで以上にヤミ金取締りに積極的に動くようにもなった。

(2) 貸倒リスクが大き過ぎる。
 一昔前なら、暴力まがいの取立てをしても警察沙汰になることは少なかったが、最近はすぐに警察が動くし、借り手側もだんだん賢くなってきている。出資法違反の高金利は法律上無効であることや、元金さえも法律解釈上は返済義務がないこと、取立て規制などといったことをよく勉強している。相談窓口もここ数年、行政や弁護士会の無料相談、認定司法書士など、飛躍的に増えた。相談に行けばほとんどの場合、「ヤミ金には返済する必要はない」と教えられるだろう。判例も増えた。このため、前とは比較にならないほど、貸倒リスクが高いと思われる。商売として旨みがあるとは考えにくい。

(3) コストがかかりすぎる。
 多重債務者の名簿を入手するのも困難になってきた、貸金業登録に必要な費用もハネ上がった、と、開業コストもランニングコストも以前より高くつくようになった。 罰則がより厳しく、リスクがより高く、コストがよりかかるようになったわけだ。商売として考えた場合、おいしいわけがない。

(4) 消費者が「守り」に入ってきた。社会が成熟してきた。→需要減。
 昔、あるヤミ金の店長と話したときに、彼がしみじみ言っていたことがある。
 「バブル期のほうが儲かっていたんですよ・・・」 と。
 彼いわく、バブル期にヤミ金に借りにくる客は、本当に短期のつなぎ資金と割り切ってくる客が多く、返済能力も高かったそうだ。「攻め」の意識が強いので、資金繰りに詰まったら迷わず借りる。そしてちゃんと返す。返せる。そういう時代だったのだ。
 ところが昨今は、みんな「守り」だ。最初からなるべく借りようとしない。借りないで回していける体質にしようとしている。冒険はしない。そして諦めも早い。
 ある意味、社会が成熟してきたとも言える。イギリス人は年収が少なくてもケチケチ精神でちゃんと生活しているし、上手にやりくりしながら旅行にも行く。同じように日本人も、たとえば最近の若い人は年収200万円以下でも借金しないでちゃんと倹約生活している人が多い。クルマや服などに無駄遣いしない傾向が強まってきている。


 以上、おもに1,2,3,4の理由から、ヤミ金は増えないとわたしは思う。
どんなに増えても「横ばい」か「やや減」ではないだろうか。

 もちろん絶滅はしない。「借りたい!」と強く熱望している人は今でも結構多いから (多くは自転車操業で他社借入を滞りなく返済するために借りたがっている破綻直前状態の人ですね・・・)、こうした需要が少しでもあるかぎり、ヤミ金は無くなりはしないだろう。 でも、総合的に見て、増えることはまずないと思うのだ。

 特に、都内で事務所を構えてやっている「都(1)」型のヤミ金や、暴力団系のヤミ金は、これから激減していくだろう。
 
 いっぽう、これからも生き残っていきそうなヤミ金もあるにはある。次のようなタイプだ。

(A) 個人の投資家や資産家で、副業的感覚で、無自覚のうちにヤミ金を行うタイプ。
 たとえば資金繰りに困っている取引先や、株式投資などで短期資金を必要としている友人知人などに、「月1割」(年利に換算すると120%)でこっそり貸して小遣いを稼いでいるサラリーマンや地主は意外と多い。わたしも何人かそういうヤツを知っている。彼らの多くは自分が犯罪を犯しているという自覚がない。もちろん告訴すれば出資法違反で逮捕されるだろうが、知り合いなどにひっそり貸していることが多いので、なかなか表面化しない。これはなかなか減らないだろう。

(B) 組織に属さない、金儲けと割り切っている確信犯タイプ。
 住所は明かさず、名前も偽名、電話番号や口座番号は他人名義で、公衆電話や電柱などに「お金貸します。090-xxxx-xxxx」と貼っているタイプの小口の金貸し。 これは現実問題として正体を暴きにくいし、逃げ足も速いので捕まえにくいと思う。 またうまく捕まえることができても、暴力団に所属しているわけではなく、多くは学生の延長みたいな若いヤツが金儲けのためと割り切ってやっていることが多いので、組織犯罪として芋づる式に摘発することも難しい。こういうヤツは、次から次へと出てくるだろうと思う。特に地方。

(C) 形を変えて巧妙にやっていくタイプ。
 リース形式とか、融資ではなく投資という形でやっていくタイプとか、巧妙なのはこれからいろいろ出てくるだろう。

(D) 昔ながらの「システム金融」。
 これは正体がつかみにくいし、意外とカタギの人間がマンションの一室などでこっそりやっていることが多いし、事業主の手形・小切手を不渡りにしたくないという心理を巧みに突いているので、件数は減っても、なかなか無くならないだろう。


 ・・・でも、繰り返すが、ヤミ金の総数としては、これから徐々に減っていくだろうと思う。


 先日、この件で、週刊SPA!の取材を受けた。
取材に来たのはフリーライターの杉原さんという人だった。
 わたしは、まさに上記のような話をした。
 彼も最初は、ヤミ金が今後増えるだろうと思っていたようで、わたしの話にちょっと驚いている様子だった。
 さて、どんな記事になるのだろうか!?


 猫

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Comments

なるほど 
はじめまして「M」といいます。
…いや以前債務整理直前にブログのどこかで書き込んだ事はあるのですが。猫研のホームページ、無料相談で大変お世話になりました。

今日、このブログを見る前にあやしいDMがまたやってきました。通常は知るよしもない遠くから個人名宛にきましたから(1000キロぐらい離れてるんじゃ)、ブラック突入後の他業者からの情報流れでしょうね。

確かにTVや新聞の特集でも法改正後の闇金業者の急増を危惧する記事をよく見ましたが、猫さんが書かれてるように(闇とはいえ)ビジネス的な観点から見ても増えるような状況ではないかもですね。その分、一部の(悪知恵を働かす面で)とても頭のいい方々はあの手この手で巧妙さを増すのかもしれませんが。
私は詳しくないのでわかりませんが。

近年、違法高金利の新聞記事やそれに関する被害者または、自殺に追い込まれた方の問題がよく取り上げられますが、これも近年の金融関係を取り巻く状況の中でニュースの中で目立ち始め、以前は表舞台で目立たなかっただけなのかもしれませんね。
 
あやしいDM 
怪しいDMはうちにもきます。
サラ金への返済の直後はたくさんきましたね。もうびっくりするくらい・・日に10通くらい・・Mさんの言うように遠く離れたところからです。

また夫がサラ金から借りたのかと問い詰めるように聞いてしまったくらいです。(本人、絶対借りてないと・・)

最近では過払い金が入ったあとにもきました。

どのDMの会社も全く聞いたことがないところなので、闇金業者なのでしょうか・・・一度借りるとやはりその個人情報はそういうところに流れてまうのですね。







 
闇でなくても 
みみ様、はじめまして。どこかでお見受けしたようなHNだと思ったら、久しぶりに今日見た猫研のホームページの掲示板で拝見させていただいていました。(ですよね?)←訂正~カタカナのミミさんですね…あら?

一日に10通ですか…すごいですね。
気がめいられたでしょうね。

数年前に一家総出?!で債務整理をし、その後最初のうちしばらくはあやしいDMはこなかったので、ホームページなどで予備知識があったDM攻撃はいささか肩透かしと思えてしばらく忘れていたころにきましたねえ。
闇金からはもとから一件も借りていませんでしたが。漏れるんですねえ。

このDM、今はインターネットという便利なもので検索し、都道府県の貸金業登録情報や、記載されている電話番号を調べると面白い情報にヒットすることもあり意外と面白いです(笑)
 
Mさま 
初めまして。

以前掲示板にも書き込みしましたが、ひらがなの「みみ」です。カタカナのかたとは違います。

夫も闇金からは一件も借りていないのにそんなDMがたくさんきてすごく嫌でした。
DMはくると破り捨ててしまって、検索などしようとも思いませんでした。願わくばもう二度ときて欲しくないです。
 
“みみ”様 
みみ様、掲示板をもう一度検索してみるとひらがなの“みみ”様、出てこられました。
そしてあなたの去年の書き込み覚えてます!すでにこちらは債務整理中ではありましたが、少しばかりみみ様の状況と重なる面もあり、見ていて心苦しい限りで何の励ましも出来なかったのを覚えています。
でもなんとか元気に?しておられたのですね。嬉しいです!!!

ここにコメントしているとちょっと趣旨が違うようになってくるので、猫研のホームページなどの掲示板に後で何か書き込んでおきますね。

追伸:ちなみにこのDMに記載されているフリーダイヤルをネットで検索してみると、去年の“振り込め詐欺に使われた電話番号一覧”等でヒットしました(これが直接どう関係するのかは分かりませんが)
また個人情報の観点からも、自分たちの情報に関してちゃんと気にかけておくのも大事だと思いまして。
 
Mさま、みみさま 
・債務整理をした直後あたりから怪しげなDMが大量に来るのは、貸金業者やクレジット会社の社員が、会社に内緒で、こっそり小遣い稼ぎのために、自社の「事故情報」をコンピューター端末から不正に引き出して、その筋の名簿業者に売っているという話を昔から聞きます。 真偽のほどは定かではありませんが、確かに以前、クレジット会社に勤める知人から、社内でそういうことをやって捕まったヤツがいるという話を聞いたことがあります。
個人情報保護法施行後、情報管理が大変厳しくなって、このようなケースはめっきり減ったとは聞いていますが、抜け穴はあるんでしょうか、完全に無くなることはないようですね。

・あと、怪しげなDMにつられて一度でもスケベ心を出して「とりあえず申し込みだけでも」なんてFAXしてしまうと、その情報が「見込みアリの客」とみなされ、やはり名簿化されてヤミ金業界内で売買されます。これは実際にヤミ金関係者から聞いた話です。
 ですから、どんなに窮しても、興味本位で得体の知れない業者に自分の氏名や生年月日や職業などを書いて仮審査など申し込んではいけません。後が大変煩わしいです。

 

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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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