(おいおい、明らかに相談相手を間違っているぞ
)しかし聞いてみると、昔から非常によくあるタイプの悩みで、
わたしも似たような経験をしたことがあるので、ついつい親身になって聞いてしまった。
相談の内容はこうだ。
彼は30歳のときにサラリーマンを辞めた。早稲田大学を卒業して、大手食品メーカーの本社で商品企画の中枢にいたエリートだったのだが、昔から「飲食店を経営したい」 という夢があり、在職中に料理から経営学・簿記にいたるまでまんべんなく勉強して、7年かけて貯金を1000万円貯めて脱サラ・独立したのだ。いまどき大変珍しい気骨ある若者だ。彼の夢は、単なる小さな飲み屋のオヤジになることではない。飲食店をイチから始めて、大きく拡大していくことだ。
しかし現実は厳しく、1年目赤字、2年目赤字、3年目にようやく徐々に認知されはじめて僅かながら黒字化したが、この時点で蓄えは完全に底をついていた。
5年目の現在はやや増収増益基調で、累積赤字がようやく解消できそうなところだ。
借入金は、国民生活金融公庫や信用金庫からのものが、設備資金・運転資金あわせて2000万円ほどある。担保に差し出せるような資産は何もない。実家が裕福ではないので、親の援助も受けていない。
まあ、商売を営んでいればよくあることだ。
3年目に黒字化できただけで大したものだ。
商売には、「創業期」「成長期」「安定期」「衰退期」がある。
創業期の数字と安定期の数字は単純に比較できない。
創業期から成長期にかけてが、一番資金需要の旺盛な(あるいは資金負担の重く感じる)時期なのだ。
手持ちの現金が少なくて、借入金が多いのも、この時期なら無理もない。
むしろ、2000万円程度の借入金でよく耐えしのいでいるものだ。
よく健闘していると言ってもいいかもしれない。
しかし、(ここからが本題なのだが、)
彼の彼女のお父さん(お堅いサラリーマン)には、そう映らないようだ。
「貯金ゼロ」「借金2000万」という点が大変気になって、娘を嫁にやることを絶対に許さないらしい。
このお父さんは、昔からよくある古くさい条件を突きつけてきた。
「娘と結婚したいなら、まず300万円貯金しろ!」 と。
ちなみに、娘さんは33歳だ。
もう彼と付き合って4年になる。
これを聞いて、わたしは 「この親父はバカか?」 と思った。
娘さんへの思いを「試す」ために300万円貯めろと言っているのなら、まあ、その気持ちは理解できる。
しかし、次のような理由から、やっぱりこの親父はバカだと思う。
≪一般人的な視点でみた場合≫
1. 娘さんはもう33歳、しかも自立した社会人だ。
2. 付き合って4年にもなり、二人の信頼関係は出来上がっている。
3. どうして「ひとつのモノサシ」でしか測れないのか。
≪経営コンサルタントの端くれとして見た場合≫
1. サラリーマンと違って、経営者の預貯金など「有って無いようなもの」だ。たとえ1億円貯金があっても、業績が悪化すればそんなものはすぐに無くなってしまう。
2. 彼が脱サラして5年しか経っていない、まだ成長期のやや手前の創業期・黎明期にいることをわかっていない。
3. ひとくちに借金2000万円といっても、事業を営んでいれば、借入金は資金調達手段として欠かせないもの。また、事業の借入金は「利益を生み出すため」のものであり、「消費のため」ではない。サラリーマンが消費のために2000万円の借金をこしらえたのなら確かに事態は穏やかでは済まないが、事業の借入金なら2000万円など当たり前の範疇だ。このくらいでガタガタぬかすようでは経営者の妻になどなれない。
以前、わたしはここのブログで、オススメの本として、『お金がなくても平気なフランス人、お金があっても不安な日本人』 という本を紹介した。 わたしの友人にもフランス人じゃないけどスペイン人と結婚した友人がいるが、やっぱりご主人は貧乏だった。でも二人は明るく仲良く暮らしている。結婚にあたって、お金がないことは全く理由にならなかった。お金がないことを結婚拒否の理由にしようかどうかという発想すらなかった。結婚式は海外の小さな教会で、新婚旅行(貧乏旅行)を兼ねてやったそうだ。披露パーティーはレストラン貸切で、わたしも招待されて行ったが、会費制で自己負担ゼロ。ほとんど金をかけず、だけど印象に残る楽しいパーティーをやった。彼らに「お金がないから結婚できないんだよ・・・」と説明しても、きっと全く理解できないだろう。
・・・と、彼に対してはアドバイスらしいアドバイスにならなかったかもしれないが、ざっと以上のような話をした。
盆休み明けのちょっとした出来事。
猫
がんばれ〜
と伝えたい気持ちでいっぱいです
すごいじゃないですかー
資金から一人で貯めて、なおかつたった3年で黒字化なんて!
この価値が全然わからない親父さんなんか放っておいて、
駆け落ちしちゃえー
・・・と思いました。
私は息子しかいないので、猫次郎さんと同じ思いですが、娘さんを思う親の気持ちとしては、自分がたとえサラリーマンじゃなく自営業で、彼と同じ思いをわかったいたとしても、そんなふうに言ってしまうんじゃないかな・・・娘には苦労せず幸せになって欲しいって・・
夫婦一緒に苦労しながら幸せを築いていくってわかっていても・・・
だけどきっとお父さんも二人を許してあげると思います。
さすがに「こいつ、あほか?」と思いましたが、嫁いわく「今結婚すれば、後は上がる一方よ!!」ですって。いやー私も「宇宙人」や「ブラジル人」や「エイリアン」や「不死身の男」と数々の称号を頂いていますが、さすがに負けました・・・
ということで、たかだか2000万円、競売の方が大変ですよ。
最後に一言、「競売に乾杯!!!」
駆け落ちですか。それもいいかもしれませんね。なにそろ33歳と35歳ですから、自分の意思で突っ走っても。
思うのですが、彼女のお父さんが彼のことを「試している」のだとしたら、彼のほうも、彼女とその家族を「試す」という姿勢でもいいんじゃないでしょうか。
サラリーマンの娘が自営業の男に嫁ぐというのは、ある意味、外国へ行くのと同じくらい世界が違うのですから、旧来のモノサシをそのまま持ち込んでいては、とてもついていけないと思うのです。
>みみさま
私もその父親の気持ちはわからなくもないですが、私の考えは、結婚時の経済的安定にプラクィオリティを置くこと自体、そもそも間違っているんじゃないかと思います。
大事なのは「愛しているかどうか」に尽きます。結婚したいほど愛し合ってるなら迷わず結婚すればいいし、それほどでもなければ結婚しなければいい。それだけのことです。
経済基盤は、何もないところからゼロから一緒に作り上げていくぐらいの気構えのほうがいいんじゃないでしょうか。
だいたい、いまどき、経済的安定なんて国家公務員でも大企業サラリーマンでも望めませんよ。公務員でも「うつ病」で退職を余儀なくされる人がいます。上場会社でも定年前に倒産したり人員整理されたりというのはよくあることです。
むしろ、「いま安定した職業に就いている人」よりも、「不安定な経済環境でもたくましく生き抜いている人」のほうが、長い目で見てブレが少なく、不測の事態にも対応できて、夫として頼もしいんじゃないでしょうか。
以上、あくまで私の考えですが・・・。
>相模原の蕎麦屋さま
いい話ですね〜。ゼロから、いや、マイナスからのスタート。
これから何が起きても、結束力が失われそうにないですね。
>自動車屋さま
いい話ですね〜。競売中に結婚。
こういう場面では、本当に、その人の器量が試されますね。奥さんはあなたなんか足元にも及ばない大物ですね。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)



.png)



