吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

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連帯保証人制度改革フォーラム、終了


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 昨日(土)は恒例の連帯保証人制度改革フォーラムを開催した。
 わたしは風邪をこじらせて頭痛がひどかったので、結城流星さんに進行のほとんど全てをお任せしっぱなしだったが、一応最初から最後まで参加した。
 参加者は総勢11名。
 今回はかなり趣向を変えて、参加者の皆さんが自身の体験記や訴えかけたいことなどをインターネットで発信できるよう、「ブログの作り方を教えます」というテーマでやってみた。
 参加費は全員1000円ずつ。お菓子代として。みんなワリカン。なにぶん事業とはかけ離れた任意の集まりなので、我々運営側も1000円ずつ出し合って、和気あいあいと進行した。


 ひとつ、いい話をきいた。

 約1年ぶりに来てくれた埼玉県のAさん。Aさんは猫研勉強会の元常連さんで、中古車屋を営んでいたが売上低迷のため債務超過に陥り、一時期は専門家のアドバイスに従って自己破産まで視野に入れていた。いや、今も入れている。
 中古車屋を経営されている方ならおわかりかと思うが、まず中古車販売業は資金がかかる。それに、旧来のやり方で店頭に在庫して販売していると、場所代や水道光熱費も相当かかる。1台1台の粗利はそこそこ高いのだが、営業利益ベースで赤字を出さないためには、結構な台数の車をコンスタントにさばかなければならない。いっぽう、最近の中古車市場は、ユーザー側からしてみればインターネットで相場がすぐわかってしまうし、比較的簡単に希望の車が見つかってしまう。そんな時代に、車を在庫して店舗販売で売るのは大変だ。よほどユーザーのハートをつかむ車種を揃えるか、よほどサービスがいいか、よほど資金があるか、よほど特殊な安い仕入れルートを持っているかでなければ、生き残りは難しい。
 Aさんは考えた末、店舗販売をやめた。事業規模の大幅な縮小だ。具体的にはここでは話せないが、粗利の高い、資金のあまりかからないやり方にとことん特化した。そのかわり、売上高は間違いなく下がる。利益は生活に必要な最低限の額しか確保できない。当然、借金はまともに返済できなくなる。今、Aさんはそうやって細々と生き残りながら、じっくりと挽回のチャンスを窺っている。
 本当は今すぐにでも結論づけて、自己破産などの法的救済制度を活用して、ゼロから再出発したほうが再起が早いのかもしれない。いやたぶんそうだろう。事実、Aさんはこれまで何度も法律の専門家に相談したが、どの先生も口をそろえて「自己破産しかありません!」とアドバイスしたという。
 それでもなぜAさんが「今は」破産しないのかというと、理由はふたつある。

 ひとつは、連帯保証人になってくれている友人に迷惑かけたくないから。
 もうひとつは、息子さんの受験。

 Aさんはここ1年以上、無担保・無保証の借金を一切返していない。いや、返したいけど返せない。厳しい督促を受け続けている。当然だ。返せないほうが悪いのだから。Aさんはそれを当然のこととして、逃げも隠れもせず然るべきペナルティを受けている。債務整理らしい債務整理はあまりしていない。(せいぜい高利の特定調停、保証協会つきの代位弁済、リスケ程度。しかしそれらも多くは延滞中)
 しかし、連帯保証人つきの債務と住宅ローンだけは、やっとの思いでキチンと返している。これによって、連帯保証人には実質的な迷惑はかからない。住宅ローンは本当はもう腹をくくっているのだが、息子さんの受験が終わって落ち着くまではここに住みたいと考え、あえて無理して払っている。
 数年後、連帯保証人つき債務を完済して、息子さんの受験も一段落ついたら、もういちど破産も視野に入れつつ最も合理的な債務整理方法を考えるつもりだという。(その頃までに運良く商売が回復すれば破産せず返済も再開できるかもしれないという淡い期待もある。)
 当然、痛みもリスクも伴う。うるさい取立ても来る。しかしAさんの表情は充実感に満ちている。金融機関にご迷惑をおかけしているのは本当に心苦しいが、少なくとも、重要取引先や連帯保証人には迷惑をかけずに、家族も養っている。そのうえ、その親の背中を見ている息子さんが、ここ1年、何を感じたのか、よく勉強するようになって、みるみる成績が上がり、偏差値は70を超し、大手進学塾に学費免除の特待生として入ることもできたのだそうだ。県立浦和のような超名門高校を跳び越して、国立の高校も狙えるほどに。 しかも息子さんの変化はそれだけではない。Aさんが若い頃聴いたビートルズに目覚め、親子で夜中にビートルズ談義したり、よく読書するようになって親子で政治や哲学の話ができるようになったりと、親子のコミュニケーションも明らかに増えたのだ。しかも非常に良い形で。
 商売のほうはこれからどう転ぶかわからないが、Aさんの家庭は、もうこれから何が起きても大丈夫だろう。最悪、自宅が競売になって借家に引っ越しても、家族の結束や息子さんの進学には何の支障もきたさないだろう。Aさんは「資産」を失うかもしれないが、それとひきかえに、家族の結束というかけがえのない「財産」を手に入れたのだ。

 って、ちょっとホメ過ぎたかな?

 でも95%実話です。(あとの5%は本人特定を防ぐために多少アレンジしました)


 猫


* 次回フォーラムは、夏か秋頃にやる予定です。去年の7月に岐阜の下呂温泉に行ったときのように、1泊2日の合宿形式で行いたいと思います。費用はいつもどおり、スタッフ含め全員ワリカン。場所は去年と反対側の方向、つまり東北方面を考えてます。おたのしみに。

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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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「連帯保証人」ハンコ押したらすごかった。でもあきらめるのはまだ早い!
 
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