吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

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(ニュース) アイフルも「借り手保険」廃止…大手4社足並みそろう


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
消費者金融大手のアイフルは10日、借り手が死亡した場合に備えて加入している「消費者信用団体生命保険」を11月30日付で解約すると発表した。
 12月1日以降は、新規加入手続きも行わない。「借り手保険」は、すでにプロミス、武富士、アコムが打ち切りを決めており、大手4社が足並みをそろえる形となった。
 「借り手保険」の保険料は消費者金融会社が支払っており、借り手が死亡した場合、生命保険会社から消費者金融会社に、融資残高に相当する保険金が支払われる。
 大手4社は、「命を担保に取っている」と社会的な批判が高まっていることに加え、今後は借り手に対する説明義務が強化されることから事務費の増加が予想されるため、継続は難しいと判断した。
(引用元 2006年10月10日18時53分 読売新聞ONLINE


≪以下、私の意見≫
 以前から再三述べてきたが、この保険を「命を担保に~」と解釈してきたマスコミの論調はおかしいと思う。現場をまるっきりわかっていない。

 この保険がなくなると、今後予想されるのは、「遺族への取立て」が深刻化することだ。

 サラ金の借金を抱えたまま死亡するのは、なにも自殺だけではない。病気や事故で借金を抱えたまま死亡する人も多い。その後どうなるか、想像してみてほしい。

 我が国では、借金を抱えた人が死亡すると、その借金は法定相続人へ相続される。(注:プラスの財産と違い、借金のようなマイナスの財産は、遺産分割協議書等で相続人を選ぶことができない。法定相続人へ相続されてしまうのだ。) だから法定相続人は、自分の身にふりかかってくる借金を何とかしなければならなくなる。 最も確実な手段は家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを行うことだが(これは難しくない。自分でもできる)、ただ、マイホームなどプラスの財産を相続したい場合は、容易に相続放棄を選択することはできないだろう。プラスもマイナスも何も無くなってしまうのだから。 よって、プラスの財産もマイナスの財産もある相続人は、いろいろ知恵を使わなければならなくなる。

 相続放棄をしないかぎり、債権者は法定相続人への請求権があるので、容赦なく請求してくる可能性がある。(注:全社が情け容赦なく請求してくるわけではない。あくまで相手次第。) 大まかな傾向としては、団信に加入していない債権者はやはり請求してくる可能性が高い。中でも、国の税金でまかなってる公的金融機関などは、税金を無駄使いできないから、回収のために情け容赦なく法定相続人へ請求してくることが多い。(国民生活金融公庫や信用保証協会は有名。) また、民間の貸金業者でも、信販会社や中堅以下の消費者金融は請求してくることが多いし、また民間銀行のプロパー融資の場合も、保証会社やサービサーを経由して請求してくることが多い。 これが現実である。

 そんなときに、現実的に助かるのは、やはり「保険」の存在である。債務者が死亡したとき、意外にも最も早く放棄に応じてくれたのが、今までは、大手の消費者金融だった。
「ご冥福をお祈りします。当社は団体信用生命保険に入っていますから、亡くなられたご主人の債務は保険でカバーできます。遺族の方には請求しません。つきましては、保険の手続きをする関係上、死亡診断書など死亡の確認ができる書類をご用意頂けないでしょうか。それで手続きは終わりますので・・・」 と。

 私はべつに、この保険を大賛成しているわけではない。そうではなくて、私が言いたいのは、この保険には上記のような「必要悪」みたいな重要な側面があったのだから、それを認めなければならない。この保険が無くなったときに予想される、債権者から遺族へのキツイ督促をどうするのか、そのへんのフォロー策も考えなければならないということを言いたいのだ。

 私が大手消費者金融業者の立場だったら、この保険がなくなったら、間違いなく法定相続人へ請求する。もちろん合法的な請求だが、相続人の人達は、いくらこちらが丁寧に請求しても、「サラ金から請求が来た~!!」と勝手に怖がるだろう。そしてパニックに陥るだろう。 でも、貸し手としては、「企業」として「営利」を追究するのは当たり前のことなので、請求権のあるものを何もしないまま放置するわけにはいかない。当然のごとく、一通りの事務的な請求行為はしなければならない。 そうなると、次は、「遺族への請求」が社会問題になることも十分予想されるだろう。なにしろ、サラ金人口は1000万人以上とメチャクチャ多いのだから。

 「命が担保」と騒ぎ立ててきたオピニオンリーダー達が、もし、その先のまた先まで読んでいて、遠い将来的には「相続制度の見直し」「負の遺産が相続されないように」という法制度の改正まで睨んで現在のような騒ぎ方をしているのなら、それは大いに評価できる。 だが、そこまで考えていなくて、ただ単に、この保険の陰の部分だけを非難して騒いでいるとしたら、どうしようもなく短絡的・近視眼的で、現場をまるっきりわかっていないとしか言いようがない。

 でも、そうやって多角的に長い目で考えてみると、この保険が無くなることは、「借金の相続」という別の問題を提起して改善に導いてくれることへのキッカケににもなりうるので、あながち悪いことではない・・・かもしれない。

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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
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★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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