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吉田猫次郎のブログ(2005年~2020年分)

事業再生コンサルタント・吉田猫次郎の旧ブログです。恥ずかしいけど残しておきます。2021年からは別の場所に移転しました。

 

昔も今も、倒産原因の約7割は「販売不振」


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---

もう一つ、メルマガから引用します。


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吉田猫次郎メールマガジン (「まぐまぐ」有料版 0001370151)
http://www.mag2.com/m/0001370151.html
『倒産危機は自力で乗り越えられる!』
【第239号】 2018年10月10日配信 (毎月10日、20日、30日定期発行)
【登録料金】 518円/月(消費税8%込み) (=1配信あたり税抜き160円)
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倒産原因の約7割は「販売不振」


ソースは帝国データバンクや東京商工リサーチから発表されている各種資料が元になりますが、
中小企業庁のホームページでも確認できます。
例えばここです。
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/tousan/index.htm
ここのExcelデータから一部抜粋します。

「原因別倒産状況」
平成24年 倒産件数合計12,124件 うち販売不振が8,574件(全体の71%))
平成25年 倒産件数合計10,855件 うち販売不振が7,468件(全体の69%)
平成26年 倒産件数合計 9,731件 うち販売不振が6,708件(全体の69%)
平成27年 倒産件数合計 8,812件 うち販売不振が5,959件(全体の69%)
平成28年 倒産件数合計 8,446件 うち販売不振が5,759件(全体の68%)
平成29年 倒産件数合計 8,405件 うち販売不振が5,813件(全体の69%)

毎年きれいに、70%前後で推移していますね。

ちなみに、残りの30%は多い順に「既往のしわよせ」「連鎖倒産」「過小資本」「放漫経営」「その他」「設備投資過大」「信用性の低下」「売掛金回収難」「在庫状態悪化」と続きます。

こう言い換えることもできそうです。
「売り上げさえ回復させることができれば、7割は倒産回避できた」 


私たち事業再生コンサルの多くは、やれ財務体質改善だの、やれリスケだの、コスト削減だの、銀行交渉だのと、売上向上よりも費用削減寄りのアドバイスに偏ってしまいがちです。

でも本当は、「売上をもっと伸ばすこと」 のほうが重要なのだと思います。
もっと真剣に、売上を伸ばす努力をしましょう。

とはいえ、資金繰りが火の車だと、売上を上げるための資金もないし、精神的にも金策で一杯一杯で
本業が手につかないし、悪循環から抜け出せず、なかなか売上を伸ばせません。

私は、15年前に『借金にケリをつける法』という本を上梓した頃から、こんなことを書いていました。
「借金問題は2の次。資金繰りも2の次。何よりも、本業に専念しましょう!」

借金や資金繰りにとらわれて、本業が手につかないような精神状態になると、
いい仕事ができず、売上はますます落ちてしまいます。

売上が落ちて、金策にばかり明け暮れていると、そのうち誰も支援してくれなくなり、金策も行き詰まり、道がふさがってしまいます。悪循環の最たるものですね。

そうならないようにするためには、意識改革し、金策を後回しにしてでも「本業」で売ることを第一に考え、行動すること。


また、資金が逼迫した中でモノを仕入れたり売上を伸ばしたりするのは容易なことではありませんから、意識改革だけにとどまらず、知恵を振り絞って、思い切った構造改革を敢行することも必要になります。 (例:仕入れを必要としないビジネスモデルの確立、売掛をより早く回収できる仕組み作りなど)


ざっと例をあげれば、(中略)

大丈夫。やればできます。


以上まとめると、

・倒産原因の7割は、販売不振によるものである。
・ということは、販売不振を防ぐことができれば、倒産はかなり防げる。
・だが、倒産危機に瀕すると、資金的にも逼迫し、精神的にも一杯一杯で、営業どころではなくなる。
・そのような逆境の中で、本業に専念し、売上を増やすには、普通のやり方ではダメである。

 意識改革と、構造改革の両方が必要である。
・資金繰りは2の次。(極端な話、債権者対策を後回しにしてでも、本業を第一に動くこと)
・また、仕入資金が枯渇してしまっていることも多いと思うので、その対策には工夫をこらすこと。
・必要に応じて、ビジネスモデルの大変革も必要である。
・営業キャッシュフロー(例えば売掛と買掛の調整や、現金商売、前金商売、サイトの短い工賃商売など)を強く意識し、借入に頼らなくても回していける体質づくりに本気で取り組む良いチャンスでもある。
・金融に振り回されず、本業とじっくり向き合い、本業第一でアクションを起こそう。

  • 登録、解除の手続きは、「まぐまぐ」のページから、ご自身でお願い致します。
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但し引用の際は、著者名と引用元を明記願います。 (無断転載は厳禁!)

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(猫)

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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。
事務所所在地は、東京都三鷹市下連雀3-31-4-206 (2021年4月現在)
経済産業省認定・経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
2003年開業。末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、事業承継、補助金、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
企業理念は「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
本名よしかわひろふみ。(株)NEKO-KEN代表取締役、CTP認定事業再生士、認定支援機関、著述業、ほか。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書13冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、予想外にヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに12回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。
2020年8月に脳梗塞発症。3週間ほど入院。しかし現在こうして文章を書いているし、手足も自由に動く。

★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。お急ぎの方はお電話でもOKです。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたはお電話下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(0422)46-9480

 
 
 
 
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