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吉田猫次郎のブログ(2005年~2020年分)

事業再生コンサルタント・吉田猫次郎の旧ブログです。恥ずかしいけど残しておきます。2021年からは別の場所に移転しました。

 

ブラック人口413万人~600万人!? 新型iPhoneの割賦審査に落ちる人が沢山いる!


Category: ブラックリストは怖くない   Tags: ---

メルマガでも書きましたが、気になる話題ですのでブログにも書き残しておきたいと思います。

以下、有料版メールマガジンをコピーして貼り付けます。


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吉田猫次郎メールマガジン (「まぐまぐ」有料版 0001370151)

http://www.mag2.com/m/0001370151.html
『倒産危機は自力で乗り越えられる!』
【第238号】 2018年10月1日配信 (毎月10日、20日、30日定期発行)
【登録料金】 518円/月(消費税8%込み) (=1配信あたり税抜き160円)
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ブラックリスト人口、413万人~600万人!?

新型iPhoneが発売されました。
なんと、高いモデルは17万円もするそうです。
ノートパソコン並みの金額ですね。


これを買うのに、現金一括払いでなく、割賦で購入申し込みする人が多いようですが、
先日、Twitterで興味深いツイートを見かけました。
携帯電話ショップの店員が書いたと思われるそのツイートには、
「今日だけで3件のiPhone購入申し込みがあり、そのうち2件が審査に落ちた」
といったことが書かれていました。

少し驚きましたが、まあ、そういうこともあるかもしれないな、と、私は思いました。

ちなみに、10万円を超える割賦販売と10万円以下とでは、
審査の基準がまるで異なります。

10万円以下の買い物なら、実質的に無審査に近いのですが(破産して5年以内の人でも
審査に通ることが多い)、10万円を超えると、CICなど指定信用情報機関で
キッチリ審査されるのです。

根拠は、経済産業省のホームページです。こう書かれています。
「家電や携帯電話など、店頭販売であって、比較的少額(10万円以下)の生活に必要な
耐久消費財に係る個別クレジット契約については、延滞していないこと等を確認する
ことを条件に、支払可能見込額調査を行いません。」


ここでいう「個別クレジット契約」とは、商品ごとに個別に契約を締結するものを
いいます。(これに対し、「包括クレジット契約」は、クレジットカードのショッピング枠で買い物
することを指します)

それにしても、2/3が審査に落ちるとは、尋常ではありませんね。

気になって、CIC(クレジット系信用情報機関)の統計を見てみました。
結果は、以下のとおりでした。

【平成30年8月20日時点の統計】
・包括クレジット登録情報 (クレカの「ショッピング枠あり」の登録者数) - 8856万人
・うち、割賦残債あり - 1912万人
・異動情報(俗にいう「ブラック」「事故情報」) - 106万人
・個別クレジット登録情報(携帯や家電や車などの個別契約にかかる情報) - 7436万人
・うち、割賦残債あり - 4753万人
・異動情報(俗にいう「ブラック」「事故」) - 258万人

ついでに、貸金情報(キャッシングやカードローン)も調べてみました。


・貸金登録情報 - 7448万人
・うち、残高有り情報 - 1149万人
・うち異動情報 - 413万人

・・・さて、これをどう見るか?

上記のうち、「登録情報」というのは、契約完了や解約済みで残債ゼロであっても
その後5年間は情報が消えませんので、それら全てを含みます。
なのでここではあまり参考にならないと思います。

「残高有り」は、現在も残債があるものの数です。
ここでは「件数」ではなく、「人数」と表示されているものを拾い出しました。
(件数だと、もっと多いです)

「異動情報」は、61日以上または3ヶ月以上延滞している、いわば事故情報を指します。
これもまた「人数」です。

例えば、貸金登録情報を見ると、登録人数は7448万人いますが、その中には
とっくに完済した人もいますから、これはひとまず無視します。
残高あり情報は1149万人いますが、これはかなりリアルな人数だと思います。
キャッシングして、今も残債がある人が、1149万人いるんですね。
10年ほど前に読んだ記事に、消費者金融から借入のある人の人数が1000万人以上
いるという記述がありましたから、それと大差ないようですね。
こんなもんだと思います。(消費者金融から直接借りる人は減ったけど、銀行系カードローンの大半は消費者金融が保証しているので・・・)

異動情報は413万人です。CICのブラックは契約完了から5年間は消えませんから、
実際このくらいの人数だと思います。
貸金ブラックの人が、今現在、413万人もいるんですね。

異動情報だけを合計すると、
・包括クレジット - 106万人
・個別クレジット - 258万人
・貸金登録情報  - 413万人   / 計777万人

この中には、「キャッシングもショッピングも異動(事故)」という人もいるでしょう。
あるいは「キャッシングだけ異動(事故)」という人もいるでしょう。
「ショッピングのうち、個別クレジットだけ異動(事故)」という人もいるでしょう。

なので、これらをそのまま足して 「ブラック人口は777万人いる」 と断じるのは、
ちょっと乱暴だと思いますが、少なくとも、この統計のとおり、

「クレジットカードのショッピング枠で事故扱いになっている人は106万人いる」
「携帯や家電や車ローン等で事故扱いになっている人は258万人いる」
「キャッシングやカードローンで事故扱いになっている人は413万人いる」
とは言えるでしょう。

たぶん、413万人と777万人の中間あたり、500-600万人あたりではないかな?という気がします。


さらに、もうひとつの指定信用情報機関であるJICC(日本信用情報機構)の統計もあります。

CICだけ異動情報が載っている人もいますが、JICCにだけ異動情報が載っている人もいます。

そして両者は、CRINというシステムで、審査の際に異動情報を共有しています。

ということは、CICかJICCどちらか一つでも異動情報が載れば、実質的には「どのカードも、どのローンも、審査に通らない状態」と言えます。

これも含めると、ブラック人口はさらに増えます。

600~700万人を超えるかもしれません。

すごい人数ですね。

日本の人口は約1.2億人ですが、このうち、カードが作れる年代(18歳以上~)は、ちゃんと調べていませんが、確か6000万人~8000万人くらいだったと記憶しています。
このうち、だいたい1割くらいの人が、「信用を失ってカードもローンも組めない状態」
にあると言えそうです。

そういえば、某自動車ディーラーに勤める友人も言っていました。
「クルマを売りたいんだけどさ、10人に1人くらいの割合で、ローンが通らないんだよ」
と。


では、過去のデータはどうなのでしょうか?
平成30年のデータは、過去と較べて増加しているのでしょうか?
少し調べてみました。


【平成23年3月の異動情報】
・包括クレジット - 113万人 (平成30年現在のほうが7万人少ない)
個別クレジット - 145万人 (平成30年現在のほうが113万人多い!
・貸金登録情報 - 438万人 (平成30年現在のほうが25万人少ない)


実に興味深いですね。

平成23年といえば、前年に貸金業法が改正され、キャッシングの総量規制が
始まったばかりの年です。多重債務問題がまだまだ残っている時代でした。

現在は多重債務者はだいぶ減ったといわれています。

確かに、キャッシング人口は25万人ほど減っています。(思ったほど減ってない??)

問題は、「個別クレジット」ですね。
このデータを鵜呑みにしていいのかどうかわかりませんが、すごい増加率です。
なるほど、10万円以上もする最新型iPhoneの割賦審査に落ちる人が多いというのも
頷けますね。

これは私の想像ですが、

原因は「携帯電話の通話料金の滞納」にあるのではないでしょうか?


昔と違い、昨今では携帯電話の「通話料」が1ヶ月以上滞納しても、信用情報機関CICに載ります。

2か月未満の遅れなら「異動」(いわゆる事故情報。延滞解消しても5年間残る)としては載りませんが、延滞した事実は「A」とか「P」という記号で、月次で載ります。そしてそれは、最短で24ヶ月ほどは残ります。そのせいではないかと。


これら「A」や「P」は、異動情報ほどは深刻ではありませんが、カードやローンの審査に落ちる大きな原因のひとつには、なります。甘く見てはいけません。たった2週間かそこら、携帯電話の通話料金を延滞して、その結果、CICに「A」が1ヶ月分だけついただけで、10万円以上のスマホの割賦購入(審査時に必ずCICを照会する)やマイカーローン(審査時に必ずCICを照会する)、住宅ローン(審査時にCICを照会することが多い)、クレジットカード(審査時にCICを必ず紹介する)、全ての審査に影響します。

※ でも安心して下さい。ブラックは一生残るわけではありません。いつか消えます。



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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。
事務所所在地は、東京都三鷹市下連雀3-31-4-206 (2021年4月現在)
経済産業省認定・経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
2003年開業。末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、事業承継、補助金、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
企業理念は「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
本名よしかわひろふみ。(株)NEKO-KEN代表取締役、CTP認定事業再生士、認定支援機関、著述業、ほか。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書13冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、予想外にヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに12回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。
2020年8月に脳梗塞発症。3週間ほど入院。しかし現在こうして文章を書いているし、手足も自由に動く。

★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。お急ぎの方はお電話でもOKです。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたはお電話下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(0422)46-9480

 
 
 
 
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