吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

リスケ卒業に向けて


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
先日、ある信用金庫の本店の方と交流させて頂く機会がありました。
以下、そのときの会話です。

猫 「条件変更(=リスケ)の貸出先は、相変わらず多いですか?」

信金 「はい。中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)が機能していた頃と比べると1割ほど減少しましたが、依然として高い水準にありますね・・・」

猫 「では、一度リスケしてしまった会社の、リスケ卒業についてはどのような状況ですか?」

信金 「残念ながら、一度リスケした会社は、その後も延長、再延長というケースのほうが多いですね・・・」

猫 「多いというのは、具体的には?」

信金 「例えば、ある支店では、昨年度リスケを承諾した貸出先が100件近くありましたが、そのうち、リスケを1年で脱却して元の約定弁済に戻すことができた件数は、ゼロでした・・・」

猫 「ぜ、ゼロですか・・・」


このように、リスケした会社が元の約定弁済を再開できるまで回復するのは、かなり厳しいと言えるでしょう。

これはべつに、リスケによって信用に傷がついたからではありません。
リスケしてもブラックリストには載りません。

業績が回復すれば(特にフリーキャッシュフローが回復し、債務償還年数を縮めることができ、かつ、債務超過解消に向けて着々と進行していれば)、金融機関は喜んで債務者区分を格上げし、真水の運転資金を融資してくれるようになります。

それができず、いつまでもリスケの延長、再延長とだらだら続いてしまうのは、どちらかといえば、金融機関に問題があるのではなく、その会社の「あり方」に問題があることのほうが多いと感じます。

残念ながら、私が日頃相談を受けている方々(ご存知のとおり、他所で「廃業したほうがいい」と言われたような重症患者さんが多く訪れます) の中でも、「リスケ卒業」に至る割合は、低いといわざるを得ません。
だいたい1割以上、2割以下といったところでしょうか。

残りの8割以上の会社は、リスケの延長か、もしくは代位弁済、債権譲渡、担保処分などの憂き目にあいながらも、しぶとく生き残っているような会社です。(ただ、そのような倒産寸前段階まで落ちて、他の専門家から自己破産したほうがいいと言われた後に、法的整理などを一切せず、不死鳥のごとく業績回復し急成長したすごい会社もあります。やはり1割以上、2割以下の割合で存在します。本当に奥が深いですね)

本当は、自助努力によって収益改善、フリーキャッシュフロー増大を目指すべきなのは言うまでもありません。
銀行に言われるまでもなく、全力で取り組みましょう。
それが実現すれば、単にリスケ卒業にとどまらず、思いがけないほど支援者が増えます。
ビジネスチャンスもそれに比例して増え、悪循環から好循環に転じます。
それを目指しましょう。

ただ、現実には、リスケからいつまでたっても脱却できない会社のほうが、リスケ中の企業の中では「多数派」です。
いくら努力してもそこから抜け出せないようなときは、少し気持ちをユルめて、休暇を取ったり、遊びに行ったり、普段読まないジャンルの本を読んだり、普段接しないタイプの人と交流を持ったりして、より広く、ニュートラルに、「あり方」を見直してみましょう。力を抜いて。目の前の脅威にとらわれることなく。


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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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