吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

減価償却費を計上しないでムリヤリ黒字にするのは無意味!?


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---


結論からいうと、ほぼ無意味でしょう。

よく、「減価償却は任意償却」「減価償却しなければならないという法律はない」「合法的な粉飾」などという記述を見かけます。確かにそのとおりでしょう。

でも、減価償却費を計上しないメリットって、何があるのでしょうか?

販売費一般管理費や製造原価が減って、黒字にできる?
融資が受けやすくなる?

いやいや。素人はそれで騙せるかもしれませんが、金融機関にその手は(ほぼ)通用しませんよ。

一般的に、金融機関は、減価償却費の存在を非常に気にしています。
どのように気にしているかと言うと、

1. 融資審査の際、「経常利益+減価償却費 = 返済原資」 というような見方をして、融資の可否や、上限額を決めるための判断材料にしている。 (これをやや専門的にいうと、償却前経常利益が簡便的なフリーキャッシュフローとみなされている、と言えます)

2. 決算書の損益計算書の上っ面だけを鵜呑みにせず、過去3期分の償却不足(減価償却未計上)なども細かくチェックして、その会社の本来の収益力(正常収益力)を分析している。

3. 決算書そのものの信憑性。償却不足の多い決算書は、たとえそれが合法であっても、「決算書そのものの信憑性に欠ける」「この決算書は信用できない」と評価され、結果、せっかくムリヤリ黒字にしたのに融資を拒まれる可能性が高まる。

4. 「資産の部」、とりわけ有形固定資産の数字が、償却不足によって、現実と大きくかけ離れてしまう恐れがあり、これもまた、決算書の信憑性に欠けるとか、経営実態が読み取りにくいとか、実態B/Sが決算B/Sよりも大きく劣るといった悪い評価になりやすい。


・・・とまあ、減価償却費を計上していないだけで、これだけマイナス評価になってしまうのです。


他の多くの事業再生の専門家の方々も、異口同音に、「減価償却費はキチンと計上したほうがいい」「未計上は良くない」と言います。 私も同意見です。 メリットが見つかりません。


ただ、例外もあるかもしれません。

一部の入札で仕事を取っている業種には、「何が何でも黒字決算にしないと、入札に参加できなくなる」 という方もいます。
私はこれにも疑問を感じますが(その仕事自体が赤字の原因になっている可能性もあるし、どうしても入札したくてそのために黒字にしなきゃいけない戦略的な理由があるなら、役員報酬などで調整すれば良いだろうし、なによりも経営実態とかけ離れた決算書になってしまいやすいので・・・)、よほどの特殊事情や戦略的意義があって、かつ、専門知識を持った先生によく相談したうえでの結論なら、あえて減価償却費を計上しないのもアリなのかもしれませんが。


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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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