吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

単純明快。「できるかできないかじゃない。とにかくやってみろ!」


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
先ほど、手形不渡りを2回出して仕入ができなくなりシャッターを閉じているガソリンスタンド経営者の方から、電話相談がありました。

この方が不渡りを出したのは、昨年の秋です。
以来、ずっと店を閉じたままです。

周囲からは「倒産した」と思われているようです。

でも、社長さんの本心は、「何とかして店を再開したい!」

私のところに最初に相談に来られたのは、不渡りを出した1-2ヶ月後、つまり、今から2ヶ月ほど前のことです。

今日で6回目か7回目の相談になると記憶しています。
(まだ契約などはしておらず、スポット相談のみの状態・・・)


私はこの方に、こう強く言いました。


1. 「手形の不渡り」は、「倒産手続き」とイコールではない!

2. 主役は社長さんだ! 債権者でも、ましてやコンサルでもない!
    (スポーツに例えれば、債権者は対戦相手、コンサルはコーチに過ぎない!)

3. 不渡りを出したからって、営業を再開しちゃいけないという法律はない。堂々と営業再開していい。

4. とはいえ、ガソリンスタンド経営は仕入れが命。不渡りを出して信用を失ったスタンドが仕入れをするのは至難の業。ここは「知恵」を使わなければならない。いや、「知恵」と「人のつながり」を総動員しなければならない!

5. 仕入先を確保できたとしても、その先はイバラの道だ。債権者から罵声を浴びたり、難しい書類を求められたり、最悪の場合はガソリンスタンドの土地建物が競売になって他人の手に渡る恐れもある。というか競売の可能性は高い。(さいわい未だそこまで至っていないが・・・) そうなったらときのことも想定して、腹をくくらなければならない。

6. まだ本当の最悪の事態(競売などでガソリンスタンドの土地建物を失うこと)には至っていないのだから、営業を再開したほうがいい。債権者の出方にビビって営業停止したままではいずれ廃業さざるを得なくなるし、また、将来「M&A」などを期待しているのであれば、やはり営業を再開して、少しでも「事業価値」を高める必要が(あるいは事業価値をこれ以上毀損させない必要が)ある。「競売で取られる直前まで営業してやるぞ!」という気概が欲しい。



・・・ そして、それを実行に移すべく、私が親しくしている、あるガソリンスタンドチェーンの社長をご紹介しました。この社長さんは黒字経営で、事業再生に大変理解があります。不渡りとか代位弁済とか債権譲渡という言葉を聞いても、全く動じません。大変心強い味方です。

私から打診したのは、「M&Aでガソリンスタンドを買いませんか?」「あるいは、仕入先としてガソリンを供給して頂くだけでもいいかもしれません」 とった趣旨の内容でした。 それを、快く引き受けてくれました。不渡りを出したスタンドまで、はるばる私と一緒に見に行ってくれました。そして帰りに、彼は、

「M&Aは現状では難しい。ガソリンの供給も、掛売りではダメだ。但し、1日の売上に相当する分くらいのガソリンを、毎日現金決済で供給することなら協力しよう。支払いは前金でなくていい。その日の夕方に、売り上げた現金の中からATMで振り込んでくれればいい。」

「くれぐれも、今は運転資金ゼロなんだから、現金商売以外のことをしちゃダメだよ。毎日、八百屋みたいに現金商売を継続することから始めたほうがいい。現金で仕入れて、現金で売る。それで、徐々に余裕ができてきたら、次の一手を考えればいい」

といったような、暖かく、ためになる言葉をいくつも投げかけてもらえました。

これで営業再開は(どうにか)できそうです。


ところが・・・!


残念ながら、まだ、このガソリンスタンドは、営業再開できていません。

メインバンクから再三、「営業再開なんてムリでしょ?」「それより弁護士を立ててくださいよ」「もっとも、この現状では、再生に導いてくれる弁護士なんて95%見つからないでしょうけどね」「早く任意売却したほうがいいんじゃないですか?」 などなど、後ろ向きなことを散々言われて、肝心の社長さん自身が、すっかり弱気になってしまったようなのです。

そこで私は、冒頭の1~6までを、電話で再度伝えました。


予備校の先生じゃないけど、

「できるかできないかじゃない!やるんです!今やるんです!」

「私は95%どころか、99%自己破産しかなさそうな状況の会社の再生にも随分関わってきました。倒産や廃業ではなく、再生や事業継続を。 その中で、事業継続できた会社と、残念ながら廃業してしまった会社がありました。その差は何だと思いますか? 型にはまらない行動力です!」

「最大のネックである、仕入先の確保が、目処が立ったじゃないですか!」

「債権者は、これからも厳しいことを言ってきます。そのくらいは覚悟してください。なあに、べつにヤクザが押しかけてくるわけじゃない。現に、不渡りを出してからこれまで数ヶ月だって、ヤクザなんか来なかったじゃないですか。万一来ても、日本は法治国家ですから、警察に被害届を出したりいろいろな対抗策があります。」

「差押なども恐れないで下さい。預金や現金の差押はあるかもしれませんが、それでも営業は続けられます。差押に怯えて営業再開できないよりも、差押覚悟で営業再開したほうがいいじゃないですか!」


などなど、精神的に憔悴・衰弱しきっている社長さんに、あえて「ガンバレ!」「今すぐ動き出せ!」という励まし方をしました。


なにしろ、相談者は病人ではないのです。
営業再開を求めている、倒産寸前の社長さんご本人なんです。
当事者なんです。主役なんです。

店を閉じたまま、これ以上モタモタしていると、本当に再起のチャンスを失ってしまいます。
早く営業再開したほうがいい。
甘やかしているヒマはない!

傷だらけでもいいから、営業再開すれば、債権者の見方も変わってきます。
支援者もあらわれやすくなります。
事業価値も、これ以上毀損しません。


世間一般では、「手形の不渡りを2回出したら、銀行取引停止になり、廃業を余儀なくされる。事実上の倒産だ」と認識されています。 実際、そのくらい、不渡りというのはダメージが大きいのは確かです。生半可な気持ちでは再建できません。

しかし、法律のどこを読んでも、「不渡りを出した会社は、廃業しなければならない」とは書かれていません。

やり方次第、気持ち次第で、営業再開も会社継続もできるんです。(特に「気持ち」が重要です)

私は、そういう会社を沢山見てきました。

2回不渡りを出して、債権者からの怒号が飛び交い、どの専門家からも「再生なんてムリムリ」と見放され、第二会社方式などで逃げ切ることもできず、民事再生法などの法的再生手続きも使えず、絶望的状況の中、今の会社のままでしぶとく生き残った会社を。本当に沢山、成功例を見てきました。

それは決して複雑なことではありません。

「やるかやらないか」が、何より大事なのです。

テクニックなんて2の次です。

私は、この社長さんに、2回不渡りを出しても生き延びていけるだけのキッカケを与えたつもりです。
あとは社長さんが行動するかしないかにかかっています。
私はこれ以上無理強いしません。
なにしろ、契約も何もしていないし、所詮は赤の他人ですからね。
主役は社長さんです。
私という「道具」を使うかどうかは、社長さんが決めればいいことです。



*************



人間、何事においても、やればできるものです。


かくいう私自身、周囲に「無謀だ」「やめたほうがいい」などと笑われながらも、

44歳、体脂肪率23~26%のメタボオヤジの状態で、トライアスロンに2回挑戦し、2回とも完走しました。

昨日は45歳、体脂肪率25%にリバウンド中の身で、フルマラソンに初挑戦し、完走しました。

そんなのはまだまだ序の口で、10代後半~30代前半にかけては、過去のブログ記事やホームページのプロフィール欄を読めばわかるように、もっと絶望的な状況からの脱出も経験しました。(偏差値30台、新聞配達しながらの独学大学受験とか・・・)

私は天才秀才ではありません。思考回路は単純なほうです。

それでも、「やるかやらないか」だけで、こんなに違うのです。




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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

 
 
 
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