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吉田猫次郎のブログ(2005年~2020年分)

事業再生コンサルタント・吉田猫次郎の旧ブログです。恥ずかしいけど残しておきます。2021年からは別の場所に移転しました。

 

自死遺族の方向けの無料相談


Category: 借金苦による自殺問題   Tags: ---
もう10年くらい前から、借金苦や倒産危機で自ら命を絶った方の 「遺族」 向けに、随時、無料相談を受けています。

但し、相談を受ける私の側には、いろいろ制約があります。


・私一人でやっているので、あまり沢山受けられない。

・これは「仕事」ではないので、仕事外の、空いた時間にしか応対できない。

・私は医者でもカウンセラーでもないので、メンタルケアは専門外。「お金のアドバイス」しかできない。

・助成金などをもらっているわけでもないので、完全手弁当。


ホームページで大々的に書くと相談が増えてしまい、こなしきれなくなるので、最近はあまり告知しなくなり、ひっそりと、この活動をしていました。

ただ、ひっそりといっても、その件数は決して少なくはなく、
毎年毎年、年間15人~25人くらいは、自死遺族の相談を受けてきました。

どんな相談が多いかというと、


・「お父さんが亡くなった」という方がほとんど。次に「夫が」「お兄さんが」など。男性家族を失った人が9割以上。

・相談者は、その奥さん、お子さんなど。

・原因を聞いてみると、「個人の多重債務」で亡くなった方は、10年前は非常に多かったが、最近はほとんどいない。

・最近は多重債務ではなく、中小零細企業の「倒産」や「倒産危機」が一番多い。

・債権者別にいうと、ヤミ金やサラ金に追い込まれたようなケースは今では少数で、ほとんどは、銀行、信金、保証協会、社保、買掛先、従業員給料などの支払いに苦労して、思い詰めてしまったケースが多い。

・生前、お父さんやお兄さんは、誰にも相談しなかった模様。情報収集も苦手だった模様。

・遺族の方が直面している問題としては、「借金の相続」(特に保証協会からの請求対処法)、「相続放棄すべきか否か」、「連帯保証人問題」、「子供の学費をどう捻出するか」、「会社を引き継ぐべきか否か」、「担保に取られている自宅はどうなるのか」といったものが多い。


もちろん、この全てに、私の知る限りの全てをお答えしています。
必要に応じて、専門家を紹介したりもしています。


私は、本来は、「自殺防止」の側の人間です。
借金や倒産危機なんて、切り抜け方はいくらでもある。死ぬ必要なんてない。
そのことを、今までくどいくらいに説いてきました。

結果も沢山出してきました。
「借金苦で自殺まで思い詰めていました。遺書まで書きました。でも、ネットで猫次郎さんのサイトを見つけて、夢中になって隅々まで読んでいくうちに、死ぬ気が失せました! これからも生きてがんばります!」 というようなお便りは、今まで数え切れないほどもらってきました。

私自身も、倒産危機や借金苦で自殺まで思い詰めた経験がありますから、その気持ちはよく理解できるつもりです。「借金自殺防止」のためのアドバイスなら、気持ちの面でも、テクニカルな面でも、自信があります。


いっぽう、私は遺族ではありませんから、「遺族の方のケア」は、あまり得意ではありません。

得意ではないので、あまり積極的にこれを打ち出すのは気が引けます。

お金を取る気にも、もちろん、なれません。

遺族の方のために「ひっそりと、無料相談を受けている」のは、そんな背景があります。

どこまでお役に立てるかわからないのです。

でも、何か駆り立てるものがあり、かれこれ10年以上、微力ながら、遺族向けの無料相談などという活動をさせて頂いている次第です。



最近の遺族相談の事例で、強烈に印象に残っているものを2つあげましょう。
どちらも現在進行形です。
私は、心の底から、彼らを応援したいと思います。


(1)某年某月、「両親が借金苦で自殺しました。」と手紙をくれた、10代の女性。大学に合格していたものの、お金が心配だし、気持ち的にもそれどころではなかったので、入学辞退しようとしていた。兄弟も頼れる親戚もいない。これから独りで生き抜くしかない。
 しかし、よく聴いたら、やはり進学したい気持ちも強いようだった。 そこで、入学金の納付期限(3月中旬)を少し延ばしてもらうべく、一緒に大学まで付き添った。大学側はこれを快諾してくれた。いわば、入学金のリスケジュール交渉の同行のようなもの。 彼女はその後、学費免除と奨学金を併用でき、住まいも寮生活とアルバイトで何とかなり、あと数年で就職活動というところまでいっている。ご両親の借金の問題も全て解決した。


(2)つい最近相談を受けた30歳前後の男性。10年以上前に父が自殺し、そのときに進学を断念した。(高校時代は相当成績が良かった模様)
 今は東京へ出てきて、アルバイトして一人暮らしをしているが、最近、「やっぱり大学で勉強したい」という気持ちがメラメラ湧いてきて、独学で勉強を始めた。研究職に就きたいので、国立の理系を受験したい。




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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。
事務所所在地は、東京都三鷹市下連雀3-31-4-206 (2021年4月現在)
経済産業省認定・経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
2003年開業。末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、事業承継、補助金、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
企業理念は「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
本名よしかわひろふみ。(株)NEKO-KEN代表取締役、CTP認定事業再生士、認定支援機関、著述業、ほか。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書13冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、予想外にヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに12回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。
2020年8月に脳梗塞発症。3週間ほど入院。しかし現在こうして文章を書いているし、手足も自由に動く。

★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。お急ぎの方はお電話でもOKです。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたはお電話下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(0422)46-9480

 
 
 
 
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