吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

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円滑化法終了2ヶ月・・・


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もうすぐ中小企業金融円滑化法が終了して2ヶ月が経ちます。
やはり予想した通り、円滑化法終了によるパニックなどは起きていません。
それどころか、救済策も相談窓口もより増えて、「供給過剰」ですらあるといった様相です。

要点を簡潔にまとめると、次の3つに集約できそうです。

1. 「円滑化法」は、いわば「リスケジュール」(返済条件緩和のお願い)をしやすくしてくれる効果はあったが、それ以上でもそれ以下でもなかった。円滑化法によって借金を免除してくれるわけでもなければ、会社が黒字化するわけでもなかった。リスケジュールのみに一定の効果があったわけだ。 そしてそれは、円滑化法という「法律」が切れても、「行政の指導」という形で、ほとんど変わらず現在も継承されている。

2. 円滑化法終了後の中小企業政策は、何もリスケに関する行政指導強化だけではない。新たな資金調達の拡充(資本性ローン、ABL、セーフティネットなど)、再生支援協議会や再生支援機構の機能強化、認定支援機関という制度をつくり、経営改善計画書の作成などを民間の専門家にアウトソーシングする制度ができたこと、全国に580箇所の資金繰り相談窓口設置、などなどなど、中身はともかくとして、制度としてはかなり充実してきた。(量的にはもう十分なので、今後は「質」に期待か?)

3. 事実、この2ヶ月の現場の動向をみるかぎり(北海道から九州までまんべんなく)、リスケジュールという選択が妥当と思われる中小企業で、リスケジュールを無下に断られたというケースはほとんど聞かない。(けっして対応が完璧というわけではないが、少なくとも、円滑化法があった頃と金融機関の対応は総じて変わっていない) それどころか、リスケ中にもかかわらずプロパーの短期融資が受けることができた例や、リスケ中なのに資本性ローン(真水融資型、無担保無保証)の審査が出たというような柔軟な例を、ここ2ヶ月で複数見た。



・・・ ただ、当たり前ですが、リスケに向かない会社は、今後、リスケを拒絶されることも出てくるでしょう。

具体的には、

(A) リスケ申請に必要な書類 (1.決算書類 2.資金繰り表 3.経営改善計画書、いわゆるリスケ3点セット) が用意できない会社

(B) 元金も利息も保証料も払えない延滞状態が3ヶ月以上続いて、それを解消する見込みもなく「期限の利益の喪失」寸前状態の会社

(C) 経営改善計画を描いても、そのとおりに実現することが到底不可能な会社 (せめて8割は達成できるような計画でないと、実抜計画=抜本的かつ実行可能な経営改善計画とはみなされない)

(D) 重度の債務超過+重度の赤字続きなど、数字があまりにも悪い会社


以上ABCDのうち、2つ以上が該当しているような会社は、私などから見ても、「もはやリスケどころではない!」(リスケ以外にも代位弁済、任意売却、債権譲渡、私的整理的な何か、法的整理的な何か、切り売り型のM&A的な何か、など選択肢が豊富にあるのだから、リスケにばっかりとらわれてはいけない)と思われるので、そういう会社は、銀行さんからリスケを拒絶されても当然かと思います。

繰り返しますが、リスケにとらわれてはいけません。
リスケ以外にも解決のための選択肢は山ほどあるのです。


よく、「金融機関の選別が始まった」などという声も聞きますが、確かにそうとも言えるので否定はしませんが、私のとらえ方は、もっと自然というか、特別なことでも何でもないという感じです。

金融検査マニュアルができたのは1999年でした。この頃から、銀行さんは審査の際に「社長の熱意」とか「将来性」などよりも「マニュアルに従った財務諸表等の定量的分析」に重きを置いて中小企業を評価するようになりました。また2004年頃からは全国銀行協会加盟の数十の銀行さんたちが信用格付けのシステムを共同開発して、12段階くらいにシステマチックに格付けし、それが金融検査マニュアルでよく知られている「債務者区分」(正常先、要注意先、破綻懸念先・・などの段階評価)に落とし込まれるようになりました。

そうです。この頃からとっくに、選別は始まっていたのです。そして、選別の仕方は情勢に応じて数年おきに変わっても何らおかしくないのです。(それにそもそも、選別しないほうがおかしいでしょう?) よって、私は、「選別が始まった」などという論調を読んでも、どこかピントがずれた感じがしてならないのです。


銀行の選別から外されてしまった中小企業も、生き残ることはできます。
私たちは銀行に食わしてもらっているのではないのですから。
理屈のうえでは簡単なことです。
銀行と正常なお付き合いができなくなったら、「銀行に依存しない経営」に切り替えればいいのです。
それだけです。

実際、銀行に見捨てられてもしぶとく生き残っている会社はいくらでもあります。
私の周りはそんな会社ばっかりです。
ですから、「銀行に切り捨てられたらもう事業継続はできない」という先入観のようなものは捨てて下さい。
また、くどいくらい言いますが、「リスケジュール」は数多くある解決ツールのひとつにすぎませんから、もしリスケができなくなっても思考停止にならないで下さい。
選択肢はまだまだありますから。




猫@セミナー続きでぐったり気味
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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
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★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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