吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

「中小企業融資100%保証、経産省が廃止検討 (6月5日読売新聞より)


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
以下一部引用。

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 中小企業の全業種を対象に、金融機関からの融資を信用保証協会が100%保証する緊急制度が、2012年度中に廃止される方向となった。
 同制度が導入された08年以降、中小企業向け融資総額の約6%にあたる4兆円弱が事実上焦げ付くなど、安易な貸し付けが広がった上、中小企業の資金繰りが最悪の状況を脱したとみられるからだ。
 焦げ付き分は、最終的には税金によって穴埋めせざるを得ないため、制度を管轄する経済産業省は、これ以上の国民負担拡大は防ぐ必要があると判断した。
 協会が借入金の80%を保証する一般の信用保証制度は存続させる。また、特定業種の業績不振企業を対象に、100%保証するセーフティーネット保証制度も残る。
(2012年6月5日20時16分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120605-OYT1T00645.htm
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以下、解説。

信用保証協会の「8割保証」は、2007年秋から始まりました。(=責任共有制度)

しかしながら、上記記事にあるように、緊急保証制度という名の100%保証融資が数多くあり、
実質的には、信用保証協会の全ての保証(融資残高ベース)のうち、いまだに半分以上が、「100%保証」だという話を聞いたことがあります。

銀行も「100%保証」を好んでいました。
そのほうが、イザというときに全額、信用保証協会が保証してくれますからね。

さて、8割保証がより徹底されるとなると、まず予想されるのが、
金融機関の貸し出し厳格化、です。

2割とはいえ、銀行もリスクを負わなければならなくなりますから、今以上に、
貸せる会社と貸せない会社の線引きが明確になっていくことでしょう。
当然の成り行きですね。

そうすると、何が起こるか?

金融機関の審査の多くは、決算書や試算表などの財務諸表です。
担保や保証人は、昔ほどは重要視されていません。
よっておそらく、「決算書の悪い会社」は今まで以上に借りにくくなり、
逆に、その分、「決算書の良い会社」は今まで以上に借りやすくなると思われます。
(預貸率などの関係で、銀行さんも一定以上の貸出をしないといけませんからね・・・)

事実、私が最近相談に乗った会社でも、自己資本比率が高くて償却前経常利益がプラスの会社はすこぶる融資が受けやすく(銀行間で融資シェアの奪い合いの様相を呈している会社もあるほどです)、
いっぽう、債務超過で営業利益マイナスの会社は、たとえ不動産担保などを差し出しても融資を断わられる傾向が強いです。

勝ち組、負け組ではありませんが、
今後、そういう二極化が進むと思われます。

国もそのへんを見越しているのかもしれません。
弱い会社に必要以上に救いの手をさしのべても、税収UPや雇用促進が進むわけではない、
それよりも、儲かっている会社をどんどん伸ばしてあげたほうが、税収UPも雇用促進も進むのではないかと・・・。

だとすると、私たち「弱い会社」の生き残りのための課題は、大きく分けて、


(1)借りないでも回していける体質をつくること。

または、

(2)借りられるよう、決算書の内容の良い会社を努力してつくりあげること(特に自己資本比率UP、営業利益率UP)

のどちらかとなりますね。


どちらも生半可な覚悟では実現できません。

(1)だったら、「痛み」を覚悟する必要があります。(リストラ、リスケ、整理など)
(2)だったら、人一倍「勉強」「努力」をする必要があります。

「痛いのはイヤだ。勉強も努力もイヤだ」では通用しません。
必ずどちらかを選ぶ必要が出てきます。
覚悟を決めましょう。

世の中にはすごい人がいます。(1)と(2)、どちらか1つだけでも大変なのに、
両方とも実行、つまり、「痛いのも好きだ。勉強も努力も好きだ!」という社長さんもいます。
ドMですね。突き抜けています。
そんな社長さんは、周囲からも高く評価され、資金調達したい時はいつでもできるけど、べつに借りなくても、悠々と会社を回していけます。もちろん変化にも強いです。できればそうなりたいものですね。




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Comments

 
債務超過、借金フルコースの零細企業ですが、猫先生のブログや本に出会ってから、何段階落ちてもまだまだ廃業のあきらめがつかなくて泥臭く粘っておりますどれ程ブログに助けられ勇気をもらったかわかりません。 経営者の主人と、出来るところまで頑張ろうねと励まし合っています。 リスケもしていますので、財布に1000円しかない時もありますが何とか借りずに回していけるようにしていきたいと思っています。
もうダメだと八方塞がりの中にも諦めないという策がありますものね!
いつも勇気のでる記事をありがとうございます。
 

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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
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★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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