吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

「売上」は「食事」 と同じ


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
今日もいろいろありました。

ある顧問先の方は、DDS(債務の劣後化)とリスケジュールと借り換えの併用という、
かなり高度な交渉が大筋で合意に達しました。
法的な手続きは一切使っていません。支援協やADRのお世話にもなっていません。
金融機関とのサシの交渉で、財務諸表をあらゆる角度からシミュレーションして得た結果です。
これはなかなか画期的な出来事だと思います。

また、ある相談者の方は、はるばる東北北部のほうから来られました。
昨年は震災で減収減益、今年は業績回復、だけどそれ以外の諸問題が勃発して
なかなか大変な状態でした。
でもまあ、社長さんさえ意識をしっかり持てば、解決の道筋は何通りかありそうでした。


さて本題です。

上記の2件とは別の話です。


1年近く前から相談を受けているファッション業界(小売業)の社長さんがいます。
借金ウン億円。重度の債務超過。
利息の支払いさえも困難で、とうとう保証協会に代位弁済になったのが半年ほど前。
自社商品ではなく仕入販売なので粗利は高くなく、人件費と家賃が割高なので、
売上高が一定のボリュームに達しなければ、営業利益を出すのも困難です。

かといって、構造上、賃料も人件費もこれ以上削減できない状況にあります。
他の専門家の先生方からは、自己破産や廃業をすすめられたこともありました。
雇い入れたコンサルタントに「もう打つ手がない」と逃げられたこともあったそうです。

しかし、このような危機的状況でも、過去に当ブログやメルマガ等でいろいろ書いてきたとおり、
生き残り策はあるものです。
それは現段階では、カッコイイ「事業再生」とはいえないかもしれません。
単なるカッコ悪い「延命」じゃないかといわれるかもしれません。

でもいいのです。
人間と同じように、会社も病気したり怪我したりします。
それでも生きているだけで立派です。
生きている間に、また新たな希望が見えてくることも考えられます。

廃業するのも自由ですが、延命するのも自由です。
選択肢は1つであってはなりません。

そしてこの社長さんは、延命することを選択しました。
嬉しいです。私はそういうの大好きです。
そして、1年近く継続的に相談に乗らせて頂いて、ここまで倒産せずに、現在に至っています。


今日はそんな社長さんから、ちょっと嬉しいメールが来ました。

こう書かれていました。


「売上高は予算比115%、店舗数が半分に減ったにも拘わらず、昨年比160%、同規模対比では270%になりました。4月5月は収支も黒字化し、6月も順調に推移しています。」

「猫先生とお会いして何か吹っ切れたようで、それに合わせて売上も回復してきた次第です。猫先生には本当に感謝しています。ただ、この状況は決して再生などという甘い状況ではなく、どぶ板でのた打ち回っている状況に変わりはないと認識しています。周りの競合店も厳しい様子です。消費は回復していません。新たな策をどんどん打っていかないといけない状況で、慌ただしくドタバタと実験と検証の繰り返しです。それに、資金繰りが回復したわけではないので、常に金欠状態でもありますし、売上が上がっても時間も金もないという有様です。・・・」


私はこう答えました。


「売上好調なによりです。
人間にたとえれば、売上は、食べることに相当します。
食べ物の中には栄養満点のものもあればジャンクフードもありますが、
何であれ、とにかく食べることによって、元気が出てくるものです。
病気がちであっても、それはそれ。
とにかく食べるという行為によって元気が出てくれば、
弱い体質も徐々に強く良くなっていくでしょう(もちろん例外もあるでしょうが)。
それと売上高は、よく似ていると思います。

英語で、売上高のことを "TOP LINE" と呼ぶことがあるそうです。
損益計算書の中で最も重要な位置を占めるから、トップラインにあるんですね。

そんなわけで、たとえどんなに厳しい状況でも、売上を上げられるのは素晴らしいことだと思います。
これを原動力にして、マイペースで邁進しましょう。」



・・・とまあ、テクニカルな話は皆無の、ありきたりのことを書きました。

でもこれが、社長さんや従業員さんの士気UPにつながる可能性もけっして低くはないと思いますから、やっぱり商売は奥が深いですね。

皆さんもマイペースでがんばりましょう。



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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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借金なんかで死ぬな!
 
吉田猫次郎 著
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