吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

延命にも光あり


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
* 自分のFacebook(非公開)に書いたものを、ちょっとだけ加筆修正してブログに転載します。↓


【延命にも光あり】 私が現在見ているお客さんの中に、資産1億/負債5億以上の重度の債務超過を抱えている会社が5社はある。多くは他の専門家の先生から「破産」や「第二会社方式」を勧めらた会社である。「一旦リセットしましょう」と。運転資金がスッカラカンになってからうちに相談に来た。

 だが、この5社のほとんどは、そういった手続きに頼らず(複雑な事情があってできない)、その会社を継続したまま自力再生しつつある。中には苦しみぬいた末に黒字化を達成したり、借金の一部が免除または劣後化されたりして、実質的に正常な会社に戻ってしまった会社も少なくない。優秀な専門家の先生から見放され、「廃業しかない!」と切り捨てられたのにである。

 さすがにキャッシュフローベースではいまだに余裕のない会社がほとんどだが(新たな資金調達ができないため)、サイフに1万円も入っていない極貧状態からは完全に脱却し、人並みの生活を送り、残った従業員の給料もどうにか払えるようになった。

 最近よく「実抜計画」とか「出口戦略」という言葉が再生専門家の間で使われているが(使っている多くは金融機関寄り)、中には、金融機関や司法手続きの基準では計りきれない型破りな出口戦略もある。たとえば、DDS(劣後化)を金融機関から同意を得てキチンと行うのは至難の業だが、零細企業に限っていえば、同意をもらえなくて事故扱いになっても、保証協会の代位弁済をうまく駆使すれば実質的にDDSに近い効果を得ることが可能だ。 私的整理(裁判所を使わない個々の和解交渉・債務免除交渉)もまた、公的な再生支援協議会やADR等が使えない零細企業であっても、サービサーを駆使したり、知恵を絞ってアノ手コノ手を使えば、同等の効果を得ることは可能である。このように、「負債」のほうはどうにでもなる。負債がいくら重くても、そのために廃業する必要はない。

 問題は「黒字化」だ。これができないと、さすがに出口も先行きもなかなか見えてこない。
焦らなくてもいい。今は赤字でも仕方ないかもしれない。売上が減るのも仕方ない。だが長期的に、いや中期的に黒字化が達成できる見込みが立てられるよう、そこだけはブレずにしっかりやってほしい。
ここでいう黒字とは、甘いかもしれないが、当期純利益や経常利益でなくてもいい。営業利益。いや、もっと平たくいえば、「借金返済さえなければ、会社も生活も成り立つ状態」「売上が減っても回していける体質づくり」であればいい。これだけは最重要課題だ。

(注: 社長さんによっては「営業利益」と「経常利益」の区別もつかないほど数字に疎い方も非常に多いので、これも最重要課題のひとつですね。数字に弱い社長は倒産率が高く、数字に強い社長は倒産率が低いのは私の統計ではものすごくハッキリしています。)

 あと「資金繰り」についても、ほとんどの会社は知恵と行動力次第で「借入」に頼らなくても何とかなる。信用を失って、銀行からもノンバンクからも借りられなくなっても、その環境に徐々に慣れていき、切り抜けられるものである。「資金繰らない経営」という本がある。「キャッシュフロー経営」という言葉がある。運転資本の最適化、いや最小化。売掛けや在庫は極力残さず、現金を何が何でも残すようにする。それをドロくさく実践している会社はいくらでもある。やり方もいろいろある。慣れるのに多少時間がかかるかもしれないが。

 私は「延命」は悪いことではないと思う。確かに無計画で赤字垂れ流しのままの延命だったら反対だが、金融機関にも法律家にも計り知れない「したたかな」考えがあって延命するのなら、それは大賛成。

 人間の体でもそうではないか。「健康でなくなったら死ぬ」という極端な二者択一はナンセンスでしょう?「病気がちでも生きる!」「死にそうだけど生きる!」「生きてるだけで立派!」「ガンの進行がSTOPさえすれば、ガンが残ったままでも普通に生きられる!」「医学的には治せないけど、普通に暮らせればいい!」ということはよくあるでしょう?



*以下、ブログでのみ追記。

1.「スピード感」も非常に大切です。たとえばコスト削減。これをモタモタしていると、たちまち赤字垂れ流しになってしまいます。尚、コスト削減の優先順位は、「ヒト・モノ・カネ」の逆、つまり、「カネ・モノ・ヒト」の順で削減し、人件費、とりわけ大事な人材へのお給料は最後まで守ってあげてほしいと思います。それ以外のコストを思いっきり削りながら。資産も削りながら。

2.「販売」「営業」に熱心でない社長さんが多過ぎる。もっと売ることに熱心になりましょう。モタモタと会議に会議を重ねるよりも、売りながら試行錯誤していったほうがいい。
 魚釣りでもそうですが、技法をあれこれ覚えるよりも、1度でも多く釣り場に出かけ、1匹でも多く釣ったほうが上達します。それと同じです。1人でも多くのお客さんと触れ合い、1円でも多く売ると、何かが掴めるはず。






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Comments

 
今日もブログの記事で折れそうな心が励まされました有り難うございます。 売上激減から借金のフルコースを味わいながらまだ 諦めず、主人と頑張っています。 まだまだ長いトンネルから抜け出せずもんもんとしておりますが、主人が私のことを戦友だと思っているの言葉に、一生この人と生きて行こうと腹をくくりました。



 

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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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