吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

成長期→成熟期→衰退期


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
五木寛之の『下山の思想』という本が只今ベストセラーになっています。


下山の思想 (幻冬舎新書)下山の思想 (幻冬舎新書)
(2011/12/09)
五木 寛之

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本のあらすじは未確認ですが、この本を読んだ人の話を要約すると、

「山を登って山頂までたどり着いたら、その後は下山しなければならない。それと同じで、何事も頂点を極めたら、その後は下ることを考えなければならない。日本は戦後、高度成長期やバブル期を経て、すっかり成熟した。これからは衰退していくであろう。そのことを直視して、今後のことを考えなければならない・・・。」

と、しみじみ語っていました。

私はまだこの本を読んでいないので、そのうち買って読んでみようと思います。

五木寛之は『青春の門』を高校生のときに読んで以来、好きな作家です。
(大学生の時に読んだ『凍河』という小説は、私の人生観・価値観を少し変えてくれました。たとえば、精神病院の中の世界のほうがマトモで、外の一般社会のほうが異常ではないかとか、そういうことを柔軟に想像するキッカケを与えてくれたのがこの本でした・・・)


この『下山の思想』に書かれている(らしい)ことも、私なりに、頷ける部分がかなりあります。




・・・・・


有名な経営理論で、「プロダクト・ライフサイクル」というのがありますね。
1950年代にジョエル・ディーンという人が提唱した理論です。
製品には「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」があるというものです。

企業にもまた、「創業期」「成長期」「成熟期」「衰退期」というライフサイクルがあると、よく経営学の本に書かれていますね。「会社の寿命はウン十年」とか。
(たとえば ここ 参照)

同じようなことが、国の経済にも言えるかもしれません。もちろんイレギュラーな波はありますが、「黎明期」「成長期」「成熟・安定期」そして「衰退期」というサイクルは、確かにあるといえそうです。

それは歴史を見てもわかります。2000年単位の世界史で見ても、あるいは戦後の日本史だけで見ても、あてはまる部分はかなりありそうですね。

たとえば戦後の日本。戦後の焼け野原を経て、東京オリンピック前後の高度成長期からバブル期あたりまでの30年以上の間は、ずっと右上がりの成長を遂げていました。しかりバブル崩壊後の90年代半ばあたりからは、不景気の話のほうが多くなり、97年大型倒産続出、自殺者3万人超、98年自己破産者10万人超、2003年自己破産者20万人超、2008年リーマンショックなど、暗い話ばかり聞くようになりました。地価も、所得水準も、学生さんの就職内定率も、ここ15年以上ずっと下落傾向です。

消費もなかなか活発になりません。これは単なる不景気のせいというより、世の中が「成熟した」から消費に対してシビアになったのだと見ることもできると思います。クルマも、家電も、デジタル製品も、私が子供だった30年以上前はまだ発展途上段階で、ニューモデルが出るたびにワクワクしたものですが、最近はワクワクさせるモノがあまりありません。全くないわけではありませんが、よほど斬新な製品が出ても、目が肥えてきているせいか、さほど驚かなくなりました。これなどは、私たち消費者が「成熟」したからと言えるのではないでしょうか。

とにかく、世の中が高度化、複雑化しました。もう行くところまで行ったという感じです。
この状態で、さらなる「高み」を極めるのは、もう至難の業でしょう。

一昔前のイギリスも、同じような道を辿ってきたようです。
イギリスは大昔は全世界に猛威をふるっていた大国ですが、今ではだいぶ成熟(衰退?)して、
おじいちゃん、おばあちゃんのような感じになってしまいました。

日本も既に、そうなりつつあるのかもしれません。

とにかく、「経済」においては、これ以上の成長を望むのは難しいように思います。
「経済」においては・・・。


ただ、「経済」以外の分野では、まだまだ「黎明期」「成長期」なところもあります。

また、「経済」においても、海外に目を向ければ「成長期」真っ只中の国もありますから、そちらに目を向けてビジネスの可能性を探るのもまた自然でしょう。

少なくとも、成熟期/衰退期に直面した私たちが目指すべきは、ドメスティックな経済成長ではなさそうです。
国内の消費者にばかり目を向けて増収増益を目指すのは、一般論としては、これからますます難しくなるのではないでしょうか。


ちなみに、私の話をしますと、

私は、23歳から33歳頃までは、貿易の仕事を本業にしていました。
34歳から現在までは、事業再生コンサルタントを本業にしています。

私は小さな貿易商の家に育ち、新卒で商社に就職したので、モノづくりや物販や不動産などにはあまり縁がありませんでした。

そういった経緯と、昨今の景況と、私の人生観価値観などが相まって、私はたぶんこれからも、「再生」の仕事か、または「海外」と関わりのある仕事をすることになると思います。

「再生」の仕事は、私の中では、天職のように感じています。大風呂敷を広げて言ってしまえば、私は「ヒト・モノ・カネの再生」全般に関わり、ひいては日本経済の再生に貢献したいとさえ思っています。経済の3要素は、ヒト・モノ・カネといわれていますが、私は事業再生士だし、古物商の免許も持っているし、自殺防止活動や不登校児の進学支援などもしてきましたので、微力ながら、ヒト・モノ・カネのそれぞれの再生に携われると思うのです。それに、前述のように日本は成熟してしまっていますから、新しいモノへの需要よりも、壊れてしまったモノやヒトの再生に関する需要のほうがあるような気がするからです。

「海外」は、もともと貿易の仕事をしていましたし、海外とは何かと縁があるし、それに、コーディネーター役、橋渡し役のようなことを公私共に好んでやってきましたから、単なる輸出入売買ではなく、何らかの橋渡し役的な仕事のほうが向いているかもしれません。いずれ事業再生の仕事を辞めるときがきたら、そっちのほうにシフトしていくかもしれません。

あるいは、日本は昨今「ストレス社会」であり、みんなストレスや不安を抱えて生きていますから、それを和らぐための執筆や相談やセミナーなどの諸活動に絡んでいくこともあるかもしれません。


などと言いつつ、10年後の私の姿は、昼は売れないモノカキやニッチな古物商、夜は中野で小さなBarのオヤジ、たまに輸出入ブローカーという万年自転車操業に終始する可能性も高そうですが・・・。


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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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