吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

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【被災者必読】 個人版・私的整理ガイドラインについて


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
以下、メールマガジンに書いたものを転載します。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
メールマガジン (まぐまぐ殿堂入り)

『借金地獄・倒産危機から、自力で脱出する方法』 by 吉田猫次郎

【Vol.168】2011年8月29日発行/不定期刊/購読者数4258名
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



■■(被災者必読)個人版・私的整理ガイドラインについて■■

東日本大震災で被災してローンが払えなくなった人を対象に、
自己破産など法的整理をしないで借金を免除してもらうための制度、
名づけて「個人版私的整理ガイドライン」が、この8月22日から始まりました。
既にご存知の方も多いかもしれませんが、このガイドラインは私にとっても未知のものですので、
自分の勉強も兼ねて、読み漁った資料を、このメルマガに書いてまとめてみたいと思います。
東日本大震災で家が倒壊して借金だけが重くのしかかっているような人がまわりにいたら、
ぜひ教えてあげて下さい。
うまく条件が合えば、二重ローンを組んで家を建て直したり、自己破産したりする必要が
なくなるかもしれませんから。


◎そもそも「私的整理ガイドライン」って何なの?

- 私的整理ガイドラインとは、文字通り、「私的」な「整理」についての「ガイドライン」です。
法的な整理とも違いますし、ガイドラインに過ぎませんから法改正とも違います。

私的整理は、法的整理と比較するとわかりやすいでしょう。
一般に、借金がどうあがいても返せなくなると、裁判所で自己破産や民事再生のような手続きを申し立てて、
借金を一部あるいは全部、免除してもらうのが普通ですね。
これを広い意味で「法的整理」といいます。
弁護士さんに手続きを依頼して、裁判所で申し立てるから法的整理というわけです。
これは強制力が大変強い。

これと対照的なのが「私的整理」です。
私的整理とは広い意味で「裁判所や法的な救済制度を使わない、
個々の話し合いをベースにした和解交渉(債務免除交渉)」と言っていいでしょう。
今回の記事は個人債務者の方を意識して書いていますので、個人向けの私的整理を挙げますが、
わかりやすい例では、弁護士や認定司法書士が代理人となって消費者金融に対して
「利息の減免」や「過払い金返還請求」をしてくれるのも、立派な私的整理のひとつです。
(これは「任意整理」という呼び方が定着していますね。裁判所を使わず、
代理人の先生が消費者金融と直接(内々に)交渉してくれるという点で、
法的整理とは決定的に違います。
ついでにいえば、借入先の中でも整理したい相手と整理したくない相手を「任意に」選ぶ
ようなこともできるので、任意整理というわけです・・・)

私的整理は、法的整理と違って、裁判所が命令を下したりしてくれませんから、
法的整理よりは強制力が弱くなります。
どんなに腕のいい弁護士さんが介入しても、一歩も譲ってくれない債権者もいます。
(その多くは、違法脱法性のない公的金融機関だったりします。
こと債務整理においては、高利のサラ金などよりも、低利の公的金融機関や信用保証協会
などのほうが譲歩してくれないことが多いのが現実だったりします・・・)

そこで「ガイドライン」が登場するわけです。
法律改正まではできないけど、金融庁や全銀協などが、現場の運用において
柔軟に対処しましょ、そのための一定のルールのようなものを作りましょ、
というのが、ガイドラインというわけです。

ちなみに、企業向けの私的整理ガイドラインは2002年頃に出来ました。
今回のは「東日本大震災の被災者」で、かつ「個人」を対象にした、わりと限定的なガイドラインになります。



◎どのくらい借金が免除されるの?

- 残念ながら、無条件に全ての借金が免除になるわけではありません。
ざっくり言ってしまえば、「資産を処分しても返しきれない分の借金だけ」が免除の対象になります。
たとえば、あなたの負債総額が3000万円あって、貯金がなくて、自宅を売却しても1000万円でしか売れないとすると、あなたは2000万円の債務超過を抱えていることになりますが(「負債総額」と「債務超過」は違うので注意)、免除の対象になるのは、この2000万円の債務超過分だけです。
言い換えれば、「資産を処分せずに借金だけを都合よく減らす」ことは、この私的整理ガイドラインでは、できません。


◎どんな人が対象なの?

- このガイドラインは、本来なら自己破産や個人再生手続きなど法的整理をしなければならない状況の人が対象であり、このような状況におかれている被災者が、法的整理をせずに生活再建するのが主な目的です。
誰でも利用できるわけではありません。もちろん被災者が対象です。
よって、貯金がたっぷりある人や、住宅ローンつきのマイホーム以外にも無担保の土地建物を所有している人には、たとえ被災者であっても、あまり向きません。 

おそらく、一番ガイドラインに向いているのは、
「貯金があまりなく、金目の資産といえばマイホームだけ。いっぽう負債は住宅ローンなどが多額あり、資産総額/負債総額を時価で比較すると、明らかに負債総額のほうが多い」という人です。
なおかつ、
「マイホームが津波などで損壊してしまって住めない状態になり、新しく住宅ローンを組むなどして再出発する必要がある」ような人に、最も向いていると言えるでしょう。



◎ブラックリストに載らない?

- 個人版私的整理ガイドラインは、信用情報機関に事故情報(=俗にいうブラックリスト)
に載らないよう配慮されています。
よって、津波で家を流された人が、ガイドラインによって住宅ローンを免除された後で、
また新たに住宅ローンを組んでマイホームを買うことが可能になります。


◎住宅ローンしか免除の対象にならないの?

- そんなことはありません。車のローンやクレジットカードなど、全ての「債務」が対象になります。


◎費用はかかるの?

- ほとんどかからないようです。
少なくとも関連資料を読み漁った限りでは、相談は無料。
手続きにかかる財産目録や弁済計画案などの作成費用も無料のようです。
本人が負担するのは、相談場所まで行くのにかかる電車賃や、資料を郵送するための郵便代、
コピー代などの実費だけのようです。(専門家への報酬は国が負担)



◎依頼までの流れは?

(1)まず資産/負債/収入などを説明しやすいようにまとめたうえで、
  「ガイドライン運営委員会」に相談する。
 ↓
(2)ガイドラインが利用可能かどうかを判断してもらう。
 ↓
(3)罹災証明や住民票など必要書類を揃えて正式な申込み。
 ↓
(4)弁済計画案の作成
 ↓
(5)「全」債権者の同意を得る
 ↓
(6)免除されたうえで、残りの債務を弁済計画に基づき弁済開始

 という流れになるようです。


◎どこに相談すればいいの?窓口は?連絡先は?

- 「個人版私的整理ガイドライン運営委員会」というのが発足されました。
コールセンター0120-380-883 (日本経済新聞2011/8/28より)
 
まずはここに電話してみましょう。
運営委員会には弁護士や不動産鑑定士など専門家が532人登録しています。(同じく日経新聞8/28記事より)
運営委員会を通して専門家を紹介してもらい、具体的な相談や手続きは専門家が対応するとのことです。

くれぐれも、この個人版私的整理ガイドラインについては、他のよくわからない専門家に
相談しないほうがいいと思います。
せっかく「お墨付き」のところが「無料」で相談に乗ってくれるのですから、
それを利用しない手はないでしょう?
(猫次郎にも相談しないでくださいね!)



◎その他、もっと詳しいことは?

- 必ずしも、福島や宮城や岩手で直接的な被災を受けた方に限らず、
たとえば液状化でマンションが傾いてしまった東京の人などでも対象になることがあるようです。
詳しくは、一般社団法人・個人版私的整理ガイドライン運営委員会のウェブサイトをご一読のうえ、
運営委員会に直接相談するのが一番でしょう。

[一般社団法人・個人版私的整理ガイドライン運営委員会] 
http://www.kgl.or.jp/



以上です。

* もしかしたら部分的に間違いがあるかもしれません。その際はご容赦下さい。



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Comments

私的整理ガイドラインについて 
私的整理ガイドラインについて、既に問い合わせをしてみました。現時点での運用では「安定的収入」がある人は対象外であるとのこと。つまり、震災で失職、または収入が激減した人が対象で、私のような地滑りにより家屋全壊でもう居住できないが、仕事には影響がなかったような者は門前払いでした。
 

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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
★ 「相談」をご希望の方は、当ブログではなく、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

 
 
 
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