吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

リスケジュールか?それとも代位弁済か?


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
今回は信用保証協会の代位弁済についてです。

信用保証協会は、中小企業、とりわけ事業規模が小さくなればなるほど依存度が高いでしょう。
(逆に大企業やサラリーマンには全く縁のないお相手ですね)
私が日ごろ相談に乗っているのは主に中小というより零細企業ですので、そのほとんどが、信用保証協会に依存しています。金融機関からの借入金が5000万円あるとすれば、そのうち4000万円以上は保証協会つきで銀行から借りている、といった具合に・・・。

代位弁済は諸刃の剣です。
その会社の置かれている状況によって向き不向きがはっきり分かれますので、誰にでもオススメできる手法ではありません。
ただ、イザというときのために頭の片隅に入れておいて損はないと思います。


【基本】

まずこれをお読み下さい。「代位弁済になったらどうなるか?」
 http://www.nekojiro.net/hint2-hosho-kyokai.html


【代位弁済のメリット】

・リスケと違い、延長のたびに保証料を払う必要がなくなる。
・「利息」が発生しなくなる。
・形式的には残債全額を一括請求されるが、話し合いの余地がたっぷりあり、「今払える金額」で妥結できる場合が多い。一例としては、「残元金が3千万円ありますが、とりあえず今年一杯は毎月1万円ずつ元金を払ってください。1万円の振込用紙を1年分お送りします。来年以降の返済方法や遅延損害金の扱いについては来年また話し合いましょう」といった具合に。よって、銀行リスケジュールと比べると、毎月の返済金額が劇的に低く抑えられることが多い。
・信用を失うのは金融機関のみであって、取引先にはまず漏れない。
・いわゆる「倒産」ではない。代位弁済になっても官報に載らないし、裁判所が破産宣告するわけでもないし、法務局が解散登記するわけでもない。法律上は生きている。


【代位弁済のデメリット】

・利息の代わりに「遅延損害金」が最大年14.6%加算、請求される。
 (注:加算、請求されるのであって、何が何でも払わなきゃいけないかどうかは別)
・保証協会つきで新たに融資を受けるのが不可能に近くなる。
・他の金融機関から新たなプロパー融資を受けるのも難しくなる。将来いくら業績が回復して債務超過が解消できても、決算書の別表の借入先欄に「信用保証協会xx円」と載っている限りは非常に借りにくい。
・担保つきであれば、その担保を競売または任意売却しなければならない場合もある。(返済が長引く場合は特に)
・連帯保証人つきであれば、その連帯保証人にも督促状の手紙やハガキが来たり、たまに呼び出しが来たりすることも避けられない。
・民間のサービサー等と違って、債務免除にはまずほとんど応じない。(保証協会サービサーに回収委託されてもそれは委託であって譲渡ではないので免除には至らない)


【どうしたら代位弁済になるのか?】

・一言で言えば「期限の利益の喪失」。
・わかりやすく具体的に言うと、銀行に返すべき元金&利息を3-4ヶ月以上STOPしたり、手形の不渡りを出したりして、いわゆる事故とか一括請求の状態になると、遅かれ早かれ代位弁済になる。


【代位弁済にすべきかどうかの大まかな目安】

1.もはやリスケジュールでも追いつかない。このまま利息や保証料を払い続けていたら手元資金がスッカラカンになり、仕入代金も税金も給料も払えなくなってしまう。だけど事業は継続したい。
2.第二会社方式なども使いたくない。(あるいは諸事情により使えない)
3.もう借入ができなくてもいいと思っている。そのくらいは覚悟。
4.借入金返済さえなければ、本業の収支はどうにか回る。(常識的な額の役員報酬や減価償却費を全部含めて「営業利益」を黒字にすることが中期的にみて可能である)
5.借入金のうち、保証協会つきの占める割合が7-8割以上と多い。(プロパーの比率が多い場合は全く異なる打開策があるのでそちらを検討)
6.連帯保証人さんと共同戦線を張れる。保証人さんに手紙や呼び出しの一度や二度来ても構わない。覚悟。
7.担保提供している不動産も、すぐに失うのは困るが、将来的には任意売却しても構わない。覚悟。
8.借り換え、各種リストラ、リスケ、私的整理、法的整理、第二会社方式、などなど、事業再生の本に書かれている一連の手法をいろいろ検討してみたが、どれもしっくりこない。
9.法的整理や私的整理を専門家に依頼するほどの資金がない。
10.吹けば飛ぶような零細企業である。

- 以上のうち、6つ以上が該当する方は、代位弁済を積極的に検討してみる価値がありそうです。



スポンサーサイト


Comments

管理人のみ閲覧できます 
このコメントは管理人のみ閲覧できます
 

Leave a Comment



09 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

08

10


 
プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
----------------------

【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
吉田猫次郎メルマガ有料版
 
 
吉田猫次郎 著
震災後に倒産しない法
 
吉田猫次郎 著
「連帯保証人」ハンコ押したらすごかった。でもあきらめるのはまだ早い!
 
吉田猫次郎 著
借金なんかで死ぬな!
 
吉田猫次郎 著
働けません。
 
猫研バナー
リンクフリーです。
猫研
 
 
ブログ内検索
 


Archive   RSS   Login