吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

サバイバル登山家・服部文祥という人物を知って激しくショックを受けた。


Category: オススメの本   Tags: ---
私の一番の趣味は魚釣りですが(幼少の頃からかなり本格的にやっている)、去年あたりから、その楽しみ方が少し変わってきました。

ブログでも何度か書いてきたように(たとえばこれ)、釣りという行為に加え、釣り場に辿り着くまでの過程を楽しむようになってきたのです。自転車(マウンテンバイク)で標高800~1400mの車の入れない林道を何十キロも登り、登山者以外ほとんど誰もいないような山岳渓流でイワナを釣るのが今年最大の楽しみのひとつでした。

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時には自転車を担いで道なき道を登る。

この1年ちょっとの間に、そういう場所を5回以上、距離にして計300km以上登りました。
そこで出会った野生動物は、クマ2回、サル3回、イノシシ1回、シカ無数、小動物無数、そしてイワナ50匹以上。

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イワナ。山の恵み。

危険な目にも何度か遭いました。急に大雨が振り出して、みるみるうちに川が増水してコーヒー牛乳色になり、林道もあちこちで崖崩れや小規模な土石流が起こし始め、視界も悪くなり、やべえ、こりゃ帰れなくなるかもしれんな・・・と半ば覚悟を決めたこともありました。

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大雨。雷。崖崩れ。ヤバくなる直前に撮った1枚。


よく一緒に行く同行者が2人ほどいました。ひとりは職業カメラマンで釣りもプロ級。登山も本格派。もうひとりは弁護士資格を持つ外資系金融マンで世界を股にかけオフの日はトライアスロンや登山に明け暮れている凄い人物です。
前夜に彼らと現地集合し、山の麓でテントを張って、星を眺めながら酒を飲むのが何よりの楽しみでした。

この釣り場に自転車で行こうと言い出したのは私でしたが、私も彼らに随分影響を受けました。
たとえばある日、弁護士外資系金融マン氏がこんなことをぼそっと言ったことがあります。

「登山のいいところは、簡単に命を落とすことだな。人間社会でどんなにエライ人でも、山の中ではちょっとしたミスや自然変化で簡単に死ぬ。そういう容赦ないところがいい。」

なんだか妙に納得できるものがありました。

私は釣りと自転車と野生生物にしか興味なかったのですが、彼らの影響で、ひそかに登山や沢登りのほうにも興味を持つようになってきました。
実現するかどうかはまだわかりませんが、登山に関するウェブサイトや書籍を次第に読み漁り、知識だけは蓄えています。


さて本題です。

2週間ほど前のある日、ツイッターで「TBS情熱大陸を今すぐ見るべし。最高に面白いぞ」「サバイバル登山家の服部文祥」「時計も携帯もトランシーバーも持たずに狩りや採集をしながら登山してるんだってよ」「すげえ、鳥肌が立った」というような書き込みを見つけました。

既に番組は終わっていましたが、こりゃ面白そうだと思い、さっそくネットで服部文祥 サバイバル登山 というキーワードで検索してみました。

≪ 服部 文祥 日本の登山家。神奈川県横浜市出身。1994年、東京都立大学フランス文学科卒業。 山岳雑誌『岳人』のライター。 「山に対してフェアでありたい」という考えから、「サバイバル登山」と自ら名付けた登山を実践する。≫ ≪ 携帯電話、時計、コンロさえ持ち込まない、装備をギリギリまで切り詰めたサバイバル登山、人間も動物なのだ。猪を解体し、ラードを取る。冬山登山の装備は最低限の食料と調味料と猟銃。・・・ ≫

・・・・・。

参りました。

完全にツボにはまりました。

服部氏の著書も何冊かあったので、古本屋で1冊買って読んでみました。これです。


サバイバル!―人はズルなしで生きられるのか (ちくま新書)サバイバル!―人はズルなしで生きられるのか (ちくま新書)
(2008/11)
服部 文祥

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私は登山の経験がほとんどないし、彼のマネをしたいとは(今のところ)あまり考えていませんが、彼の言葉や感性には、非常に共感できるものがあります。
マネはしなくても、生き方全てにおいて、大きく影響を受けそうな気がします。

以下、特に共感できた部分を、この本から少し引用します。


≪ 誰かが機械力で造った道を歩けば、他人の力添えを得ていることになる。避難小屋を使用するのもフェアとはいえない。営業小屋はもってのほか。ヘリコプターで持ち上げた食料を金銭との交換で手に入れるなんて、私にとっては山登りではない。登山とはこの星の原始的な環境で自分の肉体的活動を行うことなのだ。生物として本来持っている能力、これが私にとっては重要なのである。
 とはいっても、入山口まで道路があるのにそれを避けてヤブや河原を歩くほど原理主義者ではない。平気でタクシーに乗ってしまうほど鈍感でもない。サバイバル登山の時に利用するのは公共交通機関だけと決めている。(41ページ)≫


≪ サバイバル登山では携帯電話も無線も持っていない。さらに私は計画を誰にも知らせずに山に入ることも多く、足を折ったらその場で数日間耐えても、偶然以外の救助は期待できない。
 計画書を提出することは登山者の義務やルールのようにいわれるが、計画書の提出は登山者が自由に選択する戦略のひとつである。義務でもルールでもない。登山とは究極の自由だからだ。登山とは何にも束縛されない究極の自由な状態で行動することで、本来の自分の実力を知る瞬間なのだ。
 だが、完全に社会とのつながりを断ち切って山に入るのは難しい。私の場合も、おおよその予定を過ぎても下山してこなければ、家族なり山仲間なりが、探したり救助しようとしたりするはずだ。 
 それはわかっている。わかっていてもなお、私は山で死ぬかもしれない自由、行方不明になる自由を求めている。完全に孤立した状態で自分が何を考えるのか、何を感じるのかが知りたいのだ。
 説明するのも面倒だし、説明しても理解される考え方ではないので・・・ (70-71ページ)≫


≪ 現在、山には三種類の人間がいるといわれている。登山客、登山者、登山家である。登山客とは山岳ガイドの客、山小屋の客、場所は山だけどやっていることは観光客、を指す。(中略)登山者とは山にまつわるできる限りの要素を自分たちで行ない、その内容にも自分で責任を持つ人のことである。(中略)真の自由とは自立した自由なる精神を、そのリスクを含めて知っている人のことである。(中略)登山家とは登山者のなかでも登山関係で生活の糧を得ていたり(中略)人生のほとんどを登山に賭けてしまっているような人のことをいう。
 登山者も登山家も夏の北アルプスでは絶滅危惧種だ。(中略)近年人は山でも街でも、年がら年中お客さんをしているのが当たり前になっているように見える。恒常的なゲストという人生に何の魅力があるのか、私にはまったくわからない。 (89-90ページ)≫

≪ サバイバル登山は自分を律したストイックな行為と思われがちだ。だが、実は少し違う。私は山のなかに入ったら、欲に任せてやりたいことをやりまくっている。焚き火はがんがん燃やすし、国立公園内でも岩魚も山菜も食べてしまう。私を律しているのは私ではない。もちろん法律でもない。私の行動を制限するのは環境である。(中略)
 自分の欲を削ってまでも世の中をよくしようとする生物は存在しない。人畜以外の野生生物は地球のシステムに入り込んで慎ましく暮らしているように見えるが(中略)、彼らもただ、自己保存と自己複製の欲に任せて生きているだけだ。(98-99ページ)≫

≪ サバイバル登山は人が生きるということを直に感じられる興味深い体験である。だが、それは聞こえのいい前向きな表現だ。裏を返せば、サバイバル登山は欲から抜け出せない自分を、物理的に孤立させる方法論なのである。山という環境が私に禁欲的なすがすがしい生活を無理強いさせてくれるのだ。(100ページ)≫



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Comments

 
世の中には凄い人がいるんですね。

昨夜、うちの壱子ちゃんが女房にくどくど怒られていました。
「彼女も分かっているんだからもう良いよ。」
「私の言うことが間違っている!」
「いや、そうじゃなくてクドくて、うるさ過ぎる。」

その会話の後、女房は口を利いてくれません。

女房と二人きりになるのが怖くて、
壱子が帰ってくる8時半くらいまで、会社で時間をつぶしている根性なしの私です。

でもこの話に勇気を貰ってそろそろ帰ろうかなあ。

 
 
服部さんの講義受けて、今、本読んでいます。登山する、しないに関係なく、読むべき本ですよね!!服部さん、かっこいいです。講義受けた中で一番強烈的で、心に残っています。もう一か月たちますが、まだ服部さんの講義のことばかり考えてます。それくらい素晴らしい講義でした。2回も受けることができて幸せでした。
 
文祥と哲学 
初めまして
群馬の た と申します

とても良い、引用や要略ですね
文祥さんのコアな部分はここだと思います

この人はかなりの知識人で哲学者です
ポストモダン思想をご存知ですか
この人の哲学レベルは、その域だと思っています

私も服部文祥には大注目しております

また、メールいたします
ブログによる良エッセイ/情報、公開
ありがとうございます



 
 
こういう馬鹿に感銘を受けるとは?

この文学者気取りのフリーターは、
山に対してフェアでありたい、
人の機械力で作った道、山小屋、ヘリコプターを使わない、
とか喚いているが、

高性能のライフルで猟をして、何がフェアで機械力に頼らないのか?
自作の弓で狩でもすれば良いだろうに(笑)

かっては、共同体の分業の中で生活の為に狩が行われたが、
この登山家?気取りの馬鹿はは道楽の為にをしてる。


フェアではない生き方をしているのこの馬鹿だろう。
 

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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
★ 「相談」をご希望の方は、当ブログではなく、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

 
 
 
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