吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

(雑記) 相談の内容がだいぶ変わった。


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
「多重債務」という言葉は、もう死語になりつつあると感じています。(←あくまで私個人の実感)

「多重債務」よりも「過剰債務」と言ったほうがしっくりくるような方ばっかりです。

いやちょっと訂正。過剰債務の相談ばかりではありません。
「債務そのものは多重でも過剰でもないのに、本業の商売が悪くなり過ぎて、少ない借金でさえも返済の見通しが立たない・・・」という、ある意味、もっと悲惨な方が増えているように感じます。

3-4年ほど前までは、比較的わかりやすい相談が多かったものです。
「借金の問題さえクリアできれば、本業のほうはどうにか回していけるのに・・・」という相談が大多数を占めていました。
高金利に手を出してしまった理由も、「今さえ凌げれば、数ヵ月後には大きな入金が入る予定で・・・」と、まだまだ「攻め」の姿勢がありました。攻めの姿勢があるから、無理に無理を重ねて自転車操業をしながら凌いでいまたのです。

ところが、最近の相談者の方の多くが、「攻め」る気持ちがあまりありません。
「これ以上借りても、どうせ返せないから・・・」という感じで、投資意欲などなく、ただひたすらコストカットや資産処分、負債減額など「守り」のことばかり考えています。

なるほど、商工ローンがバタバタ潰れるわけです。
利率が大きく落ちたうえに、需要もめっきり減ったわけですから。

日本経済も縮小するわけです。

最近の借金の相談のおよそ9割以上が、銀行、信金、公庫、農協などといった「金融機関」です。
また、零細企業の相談ばかり受けているので、金融機関の借入の大部分が「信用保証協会つき」です。
そう、来る日も来る日も「保証協会」の相談ばっかりです。
耳にタコができるほど「保証協会」という言葉を多く聞きます。
「多重債務」という言葉はめっきり聞かなくなったのと対照的に・・・。

少しカタい表現をすれば、以前はB/S改善やキャッシュフロー改善さえできれば事業再生は成り立つことが多かった。でも最近はそれに加えてP/Lの再生が欠かせなくなった。
B/S,P/L,C/F,それぞれの改善が三位一体になって、やっと事業再生が成り立つというケースが多い。

必然、相談の難易度も上がってきました。

昔みたいに、はい銀行はリスケしましょう、はい弁護士さんを紹介しますから高利を任意整理しましょう、はい担保は任意売却して残債はサービサーに回してもらって債務免除を取り付けましょう、といったことだけでは、せいぜい債務超過解消と資金繰り改善にしかつながらず、P/Lの再生(黒字化)には至りません。

そんな背景があって、我がNEKO-KENのスタッフ構成も今年に入ってから大きく変わりました。
中小企業診断士であり大学院で米国のコーポレート・ターンアラウンドを研究してきた松田が入り、「P/Lの再生」や「ターンアラウンド・マネージャー」的なことも随分できるようになってきました。(借金解決系の小ワザはいまだに私のほうが得意かもしれませんが・・・) 
また、事務職のハヤシは週3日ほどうちで勤務してくれていますが、彼女の本職はプロの漫画家で、連載も持っています。彼女にはおもに、顧客のホームページのリニューアルなどを手がけてもらい(時としてDMにイラストを描いてもらったりもして)、集客アップに微力ながら貢献しています。
ほかにも外部の親しい専門家で面白い人が何人かいます。(正式な業務提携などをしている人はほどんといませんが、信頼関係が完全にできている弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、不動産鑑定士、webコンサル、各方面の専門コンサルなど)
このようにして、レギュラーメンバーの人数は前より減りましたが(事務所も狭くなりましたが)、こと「事業再生」に関しては、むしろ層が厚くなったと自負しています。もともと名刺に事業再生コンサルタントと書いていたので、原点回帰ともいえるでしょう。(不動産任意売却や多重債務整理は他所に有資格者の優秀な専門家が大勢いますしね・・・)
中小企業、とりわけ零細企業の事業再生のプロとして、求めのある限り、変化に応じてレベルアップに努めたいと思っています。(但し求めがなくなったら即やめます。)


時代は刻一刻と変わっています。需要も刻一刻と変わります。法制度もコロコロ変わります。
どの業種でもそうですが、変化に順応できなければ、一部の「伝統芸能」「生きた化石」的な分野を除いては、仕事は務まりません。私もあなたも務まりません。
その変化のスピードが、今後ますます速くなっていくでしょう。

屈強な者が生き残れるのではありません。変化に順応できる者が生き残れるのです。
生物の進化と同じです。

我々零細企業は大企業と同じことをしても生き残れません。
零細企業なりの「吹けば飛ぶような軽さ」を巧みに生かしたほうが生き残りやすいでしょう。

冒頭で書いたように、皆さん「守り」に入っています。
でも、零細企業はそもそも、守るものの絶対量がそれほど多くありません。
軽い存在なのです。

とかく自分を特別視して「もうダメだ、借金が返せなくなったら財産を差し押さえられ生きていけない、こんな不幸な目にあっているのは自分だけだろう」などと考えてはいけません。そんな些細な問題はいくらでも対処方法があるし(また解決できなくても失うものは意外と少ないものだし)、気持ちひとつでいくらでも変化に順応できるものです。失って困るものなんて、実際はそれほど多くありません。(そういう私もここ10年でいろいろ失いました。が、失うことにより得られたものも多かった。)
そう、私たちは軽い存在なのです。
失うものがない軽い存在なら、そんなにガチガチに守りを固めなくてもいいのではありませんか?

少しでいい、「攻め」に意識を向けましょう。
今はみんな守りに入っているので、ある意味、「攻め」に出やすい面もあります。
なに、資金がなくても知恵さえあれば攻めに出ることはできます。
大企業のマネなんかしないで、貧乏くさい、ニッチな攻め方をするのです。


・・・と、最近の相談はこんなふうに質が大きく変わったんだよという話でした。


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Comments

しみじみ そう思います(汗) 
うちなんか ペイラインを半分に下げたら、売上が4分の1に下がってしまいました(ヨヨヨ)

「攻める姿勢を忘れたら終わりだな」
しみじみ実感している今日この頃です。

問題は攻めるポイント、ネタ!
なんかないかなぁ・・・
 
ご謙遜を! 
猫さんはブラックリストからリスケ、会社分割、M&A、資金調達、果ては商売や社長の能力を引き出すことまで、本当に引き出しが多いですよ。それなのにどこより安く相談に乗ってくれる唯一無二の存在ですよ。
 
今まさにそうです。 
今まさにそうです。リスケしたので
金融機関からは借りられない状態。売上も減って負のスパイラルで、注文がきても前金で支払わなければならないので立替できるようなお金はないので動かない。だから売上はさらに減る。といった具合です。
だから元手の要らない業種に乗り換え中です。おかげでずいぶん気が楽になりました。こういうのでお金を稼げるんだと再認識し、早く気がつけばよかったと思ってます。でも
今迄の借金の返済が非常に重いですので、いつも気は晴れませんが、こんなもんだろうと思っています。とにかく前の前の仕事を一生懸命やぅって細かく稼ぐという方針です。
 

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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
★ 「相談」をご希望の方は、当ブログではなく、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

 
 
 
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