吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

「遅延損害金」について


Category: 督促状コレクション   Tags: ---
超久々に「督促状コレクション」のカテゴリーで記事を書きます。

これはある人から許可を得てブログ用に撮影させて頂いた、某消費者金融の督促状です。

songaikin

よーく見て下さい。約束の返済日から8年近くも経過しているのに、利息も、遅延損害金も発生していません。

利息のほうは債務整理した後なら合意の上で0%になることはよくあることですが、
遅延損害金は債務整理後といえども約束を破れば発生するのが普通です。
利息も遅延損害金もどちらもゼロというのは、理論上は考えにくいことです・・・ね?

しかも、この方の場合、平成12年頃に債務整理(調停)して、2年ほど分割で返済した後、
次第にまた苦しくなり、平成14年10月31日を最後に力尽きて全く返済していないのです。
調停なので債務名義(強制執行する権利)も取られており、いつでも差押される恐れがあります。
実際、差押もされました。
こうなると時効で逃げ切ることもできません。(裁判の判決や強制執行をされると時効が延びるのです)
なのに、その後8年間近く、消費者金融の督促は静かなものでした。
遅延損害金も途中で止まってしまい、残元金しか請求されていません。

実は、こういうことは決して珍しいことではありません。
現実によくあることなのです。

ちなみに法律上、遅延損害金は「制限利率の1.46倍」まで認められています。
このケースの場合、利息制限法の上限金利である18%がベースになりますので、18x1.46 = 26.28%の遅延損害金が発生することになります。
元金が360,980円なら、それに加えて年間94,865円ずつの遅延損害金が請求されるはずです。

ではなぜ、この消費者金融は、遅延損害金を請求することを放棄したのでしょうか?


理由は、大きく分けて2つほどあります。

ヒント:

① 消費者金融側の会計処理
② 債権回収のコツ



答えは次回までお待ち下さい。 → 遅くなりましたが8/16追記しました。



猫@明日は佐賀県へ出張


* 追記。遅延損害金の上限は、現在は改正貸金業法で20%までと定められています。(営業的金銭消費貸借の特則)コメント欄で指摘して下さった方、ご配慮ありがとうございました。


* 8/16さらに追記。答え&ヒントを書きます。

① もし仮に、この債権者が8年間も回収できないままなのにキチンと遅延損害金を計上するようなことをしていたら、決算書がどんどん傷んでいくでしょう(ex.回収できない資産が増え、自己資本比率が下がり・・・)。

② 債権回収のコツ(=借り手の心理を考えて極大回収を目指すこと)として考えた場合も、遅延損害金をどんどんカウントすることは確かに借り手の不安を増長させ返済意欲をかきたてるのにそれなりに有効な手段だとは思いますが、あまり度を超して遅延損害金が膨らんでしまうと、借り手はもうまともな返済はできないと諦めモードになり、破産や放置などをされてしまう恐れがあります。
 よって「回収のコツ」と「自社の会計処理上の都合」を考えた場合、遅延損害金は最初の1年ほどだけカウントし続けて、その後は押したり引いたり、つまり遅延損害金を目一杯つけて請求したり、遅延損害金を請求放棄して元金までも大幅な譲歩案を提示したり、その繰り返しをしながら少しでも借り手の返済意欲を喚起しようとするのが普通です。要するに、遅延損害金の扱いはサジ加減ひとつでどうでもよくなってくる傾向が強くなります。(但しこれは民間に限る。公的金融機関は会計処理も経営環境も違うので民間と感覚が違い、ずっと損害金をカウントし続ける傾向強し。)

③ おまけ。詳しい解説は控えますが、以前、某業界誌にこんなことが書かれていました。
 「消費者金融○社は、12ヶ月全く入金のない長期延滞貸付を「貸倒」計上する。貸倒計上された後の債権は、これで諦めるわけではなく、その後も定期的に督促ハガキを送り電話をし続け、そこでうまく回収できたものは「雑収入」として計上する。○社の雑収入は年間20億円にものぼる・・・。」
 これと全く同様のことを、某消費者金融を辞めた元部長さんも仰っていました。
 決算書の読み方や簿記等をきちんと勉強している人なら、この意味するところがわかりますよね?


以上、このくらいにしておきます。おわり。


スポンサーサイト


Comments

なんとなく 
何となく、ぼんやり思っていた事が

何となく、その様なので

何となく、安心してしまいましたなう。

お陰さまで、本業に、より力を注ぎこめます。

感謝!
 

Leave a Comment



07 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

06

08


 
プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
★ 「相談」をご希望の方は、当ブログではなく、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

 
 
 
猫研バナー
リンクフリーです。
猫研
 
相互リンク集
かんたん相互リンク
 
ツイッター
 
ブログ内検索
 
 
 
吉田猫次郎 著
震災後に倒産しない法
 
吉田猫次郎 著
「連帯保証人」ハンコ押したらすごかった。でもあきらめるのはまだ早い!
 
吉田猫次郎 著
借金なんかで死ぬな!
 
吉田猫次郎 著
働けません。
 


Archive   RSS   Login