吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

「自滅しないこと!」


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
数多く相談に乗っていると、とても残念に思うときがあります。

それは、「せっかく解決方法があるのに(客観的に専門的に見たら解決方法は何通りもあるのに)、その方法論に行き着く前に、社長さん自身が精神的に参ってしまい、自滅してしまっている」ような場合です。これは結構多い。

たとえば、よくあるのはこんなケースです。

・年商1億円規模の小売業。今まではすこぶる安定していたが、近隣に大型店が出店したため、ここ1-2年で売上が3割ダウンしてしまった。今期予想は7千万円。
・金融機関からの借入は、総額5500万円ほどある。4000万円が信用保証協会つきで、あとの1500万円はプロパー。保証協会つきのほうは自宅根抵当。
・今まで、返済を遅らせたことは一度もない。現預金もまだ少し残っている。だが、このまま正常返済を続けたら、おそらく5ヵ月後には資金ショートする。そのことを考えると、不安で夜も眠れない。
・売上を上げようにも、近隣の大型店の影響はいかんともしがたい。無理な薄利多売は消耗戦を強いられるし、差別化・高付加価値化を狙うのも業種柄、難しい。今まですこぶる安定していたので、変化に対応することを考えてこなかった。いまさらながら、既存の安定していた商売にあぐらをかいていたことを反省している。そんなこともあって、自身喪失気味。
・かくなる上は、銀行に生まれて初めてのリスケジュールをお願いしなければならないかもしれない。また、余剰人員の削減や遊休資産の処分など、多方面にわたるダウンサイジング&リストラクチャリングも強いられるだろう。そこでは従業員から猛反発をくらうかもしれない。近隣であらぬ噂を立てられるかもしれない。いろいろ心配だ。
・こんなことを考えているうちに、すっかり眠りが浅くなり、酒の量が増え、精神的に徐々に参っていき、周囲の勧めで診療内科に通ったらうつ病と診断され、薬を処方されて、会社の経営どころではなくなってきてしまった・・・。



- この社長さんの場合、端的にいえば、「運転資金がスッカラカンにならないちに手を打つこと」に留意しつつ、「銀行リスケ」と「販管費のある程度の削減」と「遊休資産の処分」を必要最低限だけ併用して(人員削減は必ずしも必要とは限らない)、「売上高7000万円でも回していける体質作りを」を実行すれば、さしあたって倒産を防げるのです。 細かいことを要求すればキリがありませんが、とにかく、多くを求めず問題をシンプルにとらえれば、そういうことなのです。さほど難しくはないはずです。

このご時世でパーフェクトを求めてはいけません。多少傷を負っても、会社が生き延びて、従業員と家族の生活を守っているだけでじゅうぶん立派ではありませんか! そう考えて下さい。

社長さんが精神的に自滅さえしなければ、この会社は建て直せます。繰り返しますが、多くを望まなければ、方法そのものはさほど難しくありません。 とにかく、自滅しないことが一番大切です。

自滅しないためには、完全を求めてはいけません。確実性を求めてもいけません。不確実性と共存していけるようにならなければなりません。大らかさが必要です。1年先、2年先の業績安定なんて誰も保障してくれません。そもそも商売とは、そういうものではありませんか。

何かにとらわれてはいけません。資金繰りや金融機関対策にとらわれすぎると、現場のマネジメントや事業そのものがおろそかになり、従業員やお客様との距離が離れてしまいます。それではいけません。とらわれるくらいなら、うっちゃっておいたほうがはるかにマシです。

たまには休暇を取って下さい。いや、必ず週に1度は休暇を取って下さい。自滅しないためにも。経営者として、商売人としてのアンテナを敏感に保つためにも。

「意識」と「知識」の両輪が合わされば、どんな難題でも必ず解決できます。
「意識」とは自滅しない心であり、「知識」とは解決のための方法論である、と言い換えることもできます。


気楽にがんばりましょう。


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Comments

 
猫次郎さんの著書に出会ったおかげで、自滅せずにいられます。
気楽にしてないと、生きて行けない…本当にその通りですよね。
 
今日、 
朝一で、銀行回りするので
かなり、気持ちが楽になりました・・・
いつも、元気をありがとうございます・・・
 
 
この気楽になったつもりが実は中々なれません。自分にもココまで来てジタバタするなと言い聞かせてますが....
 

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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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