吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

保証協会、保証協会、保証協会・・・


Category: 連帯保証人問題   Tags: ---

考えてみると、中小零細企業、とりわけ規模の小さい企業になればなるほど、「信用保証協会」への依存度が高くなります。これは商売をしている人の誰もが実感していることでしょう。

民間銀行から融資を受けるときは、その多くが「信用保証協会つき」。
(保証協会ナシでは満足いく額の融資を受けるのは難しいのが現実・・・)

都道府県や市町村の制度融資を受けるのも、ほとんどが信用保証協会つき。
(保証協会がウンと言わなければ制度融資がなかなか受けられないのが現実・・・)

セーフティネット貸付や景気対応緊急保証制度なども、多くが信用保証協会つき。
(いくら不景気による緊急事態でも、保証協会がウンと言わなければ融資が受けられないのが現実・・・)




ところで、規模の小さい会社になればなるほど、「自己資本比率」が低くなる傾向があります。
上場企業には自己資本比率50~70%以上の会社がゴロゴロありますが、中小企業では20%以下のところがザラです。零細企業にいたっては10%以下とか、自己資本がマイナス、つまり債務超過が慢性的に続いている会社も、かなりの割合で存在していると感じます。(公式な統計は未確認ですが・・・)

自己資本比率が低いということは、つまり、負債の比率が高くなるということを意味しています。
「自己資本比率が低い = 負債の比率が高い」 と覚えておきましょう。

「負債」は自己資本と違って、返済の義務があります。
儲かっている儲かっていないにかかわらず、待ったなしで返済(あるいは支払い)に追われるのが負債です。
負債、とりわけ借入金が多いと支払利息の負担も大きくなりますから、せっかく本業で利益(営業利益)が出ても、支払利息という費用が多くかかっている分、経常利益や当期純利益はマイナスになりやすくなります。つまり赤字体質になりやすくなります。

要するに、自己資本比率が低ければ低いほど、「負のスパイラルに陥りやすい」と言えます。
そういう比率が、規模の小さい会社になればなるほど高いのが現実なのです。

逆に、自己資本比率が高ければ高いほど、不測の事態が起きても潰れにくくなり会社は安定します。
いい例がトヨタです。あれほどリコール騒ぎが起きても、それを吸収できるだけの自己資本(とりわけ内部留保)がありましたから、倒産危機に陥る心配はまずなさそうです。


理想をいえば、私たち零細企業も、常日頃から自己資本比率を高める努力を怠ってはいけません。

でも、現実はやはり厳しい・・・。





話を保証協会に戻します。

中小零細、とりわけ零細になるほど、負債(特に借入金)の多くを、信用保証協会に依存しています。
保証協会がウンと言わなければ、資金調達が思う様にできない。資金調達が思うようにできなければ、おのずと資金のかからない商売しか選択することができない。

ここで、信用保証協会と良好な関係を築いていれば、何の問題もないでしょう。

でも、過去に一度でも信用保証協会に迷惑かけたことのある人(たとえば会社を倒産させたことのある人や、家族友人知人の銀行借入の連帯保証人になって今でも残債が残っている人など。現実にこういう人は多い・・・)は、なかなか信用保証協会に保証してもらえません。 つまり、再チャレンジがなかなかできない!!

私はよく、倒産歴のある方から敗者復活の相談を受けます。七転び八起きの精神。大変素晴らしいことです。商売抜きで応援したくなります。 ・・・でも、その多くの方が信用に傷が付いているため、「保証協会つき」で「その人の名義で」融資を受けることはできません。よって、おのずと、資金調達の面で極めて難航します。歯がゆい思いをすることもしばしばです。



話をまとめます。

信用保証制度は素晴らしい制度です。これがあるおかげで私たち中小零細企業は支えられています。信用保証協会さんには、これからも大いに発展してほしいと思っています。

でも、上に書いたように、信用保証協会の現在の「あり方」に、少し問題があるように感じます。
問題はこれだけではありません。せっかくですから、私の思うところを3つぐらい挙げておきたいと思います。


1. 一度傷をつけた人の再チャレンジの機会が(ほとんど)与えられていない。(上記のとおり)

2. 保証料の負担が、基本的にぜんぶ借主負担である。(一番リスク低減の恩恵を受けているのは銀行なのに、なぜ銀行は保証料の負担ゼロで、借主が100%負担なのか?素朴な疑問。)
ついでに言えば、リスケジュールをするときには延長分の保証料を払うが、資金繰りに窮した企業にはこれが結構ツライ。

3. 代位弁済後の回収方法。話し合いに柔軟に応じてくれることも多いので全面的に非難するつもりはないが、中には現在でも、第三者の連帯保証人の土地建物に仮差押をつけられたとか(保証協会が保証人を取るという、悪い冗談のようなことが昔は当たり前のようにあった)、根抵当権仮登記を求められたとか、連帯保証人が亡くなった際にその遺族(法定相続人)に同じような請求や根抵当権の要求や仮差押などを求められたとか、そういうエグい話もよく聞く。


だいたいこの3点です。


繰り返しますが、私は信用保証協会はひときわ社会貢献度の高い存在だと思っています。
でも、それだからこそ、より多くのものを求めたい。

あるいは、それが求められないなら、飛躍した考えかもしれませんが、既存の信用保証協会に足りない機能を補完する第二・第三の信用保証協会(民間でもいい)が誕生することを強く望みたいところです。


皆さんは信用保証協会に何を求めますか?
よかったら聞かせて下さい。


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Comments

再チャレンジできないから、経営者は粘る 
安倍政権のときに、政府系金融機関が再チャレンジの融資制度をつくり、信用保証協会も「再チャレンジ支援保証」制度をつくりました。ところが、ほとんど機能していません。

そこで私は、青森県の地方紙の連載に「ならば自治体の再チャレンジ融資制度をつくれ」という主張を書きました。すると県庁から詳しく聞きたいという連絡があり、4月から青森県に再チャレンジの制度融資ができることになりました。

再チャレンジの道が閉ざされていると、再生の可能性がない場合でも経営者は粘らざるをえなくなります。その結果、知人に迷惑をかける結果になりがちです。それを防ぐ意味でも「再チャレンジ支援保証」をきちんと実行するべきではないでしょうか。

勉強会に参加させていただき、ありがとうございました。
 
今朝の新聞に、 
出てましたしたね、毎週金曜、…
わたしも三浦さんの地元です…

今度一杯やりながら、お話したいです…
でも、いつになるやら、…(爆)

 
妄想ですみません 
必ず義務として払う税金=担保と考えて!
税金の滞納を完納する為ただけの特別な協会保証付きの融資制度があれば、一気に税収も増えるわ、再チャレンジの道も広がるわで良いこと尽めじゃないでしょうか。
 
これがまたなかなか難しくて、、、 
2の保証料
責任共有制度の導入などで複雑な体系になりましたね。
経営状況で9つに区分されるとか。
確かにこれが負担になることはありますが、基本的には保証協会保証の貸出金利をリスクの低減分だけ下げることでいいと考えます。
市町村の保証制度では、全額・一部の補助もあります。

何より代位弁済の増加で日本公庫の扱う信用保険部門が大赤字です。
21/9期で5266億の赤字。
これは政府からのお金で穴埋めすることになりますが、今後の動向次第で
もっと巨額なお金を投入しないと保証協会と二本立てになっている公的な
信用補完制度が揺らぐことになるんじゃないでしょうか。
喫煙者はせっせとたばこを吸って財源に充ててもらいましょうe-443
 
私も妄想ですが 
花屋さんがおっしゃるように
税金払うための貸し出しも保証協会が考えてくれたら助かります。
やはり現緊急融資制度は機能していないようです。小渕政権の時の
特別安定化制度融資があるといいですけどね。今はあの時の経済状況よりはるかに悪いはずですが、金融が回っていません。ただし事業計画書を義務付けるとか、いうことが必修だと思いますが。私など今月新たに新規に事業を興したのでそれなりの資金がほしいのですが。
 
 
日本も再チャレンジ出来る環境を早く整えてほしい。
リスク張って会社やる人いなくなっちゃうよ。
倒産から学ぶことは非常に大きいから倒産を乗り越えた経営者こそ再チャレンジをするべきだと思う。
だから環境を整えて会社を増やし景気回復して下さい。
 

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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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