吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

『会社にお金を残さない!』 平本清著 大和書房


Category: オススメの本   Tags: ---
会社にお金を残さない! ~「ノルマなし!管理職なし!給料全公開!」の非常識な経営術~会社にお金を残さない! ~「ノルマなし!管理職なし!給料全公開!」の非常識な経営術~
(2009/10/22)
平本 清

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* 10月21日発売。 昨日、空港の小さな書店で偶然見つけて、タイトルに惹かれて軽い気持ちで購入。 常識をひっくり返すタイトルで、何だかトリッキーな一発屋的な印象を受けなくもなかったが、読んでみてその見方が大きく変わった。 予想以上にいい本だった。

 まず章の見出しを取り上げてみよう。

 1章 儲けはすべて社員で山分け!『内部留保ゼロ』を目指す革新的経営
 2章 必要な資金は社員から集める『究極の直接金融』
 3章 社員の給料を全公開する『本当のガラス張り経営』
 4章 上下関係・役職なし!徹底した『人事破壊』を実践する
 5章 ノルマ・目標すべて廃止! 社員第一主義の『非常識な制度改革』
 6章 『いい分散・いい集合』でモラルの高い集団をつくる

 わたしがひときわ驚嘆したのが、「内部留保ゼロを目指す」 という発想である。 常識ではまず考えられないことだ。

 内部留保について意外と知らない人が多いので、ここで簡単に解説しよう。

 内部留保は、「現金預金」とイコールではない。(←非常によくある間違い)
また、「自己資本」とイコールでもない。(←これもよくある間違い)
 内部留保と最も同義に近いのが、BSの右下(純資産の部)にある「利益剰余金」である。ここが多い会社は内部留保が多く、ここがゼロ以下の会社は内部留保が無いといってよい。
 wikipediaにはこう書かれている。「内部留保とは、株式会社等の営利法人が経済活動によって得た利益を出資者に配当や、税金を支払った後に残った剰余金を蓄積した資金を指す。」「これは、株式発行や債券発行、借金などの調達方法と違い、配当金や返済などの義務を負わない為、「余裕資金」と呼ばれる事もある。」「この「内部留保」が多い企業ほど「優良企業」と認識されている。」

 よって、少し賢い経営者なら、普通こう考える。

 「企業価値は自己資本、とりわけ内部留保で決まる。内部留保が多いというのは恒常的に黒字を出せる体質であることを意味するし、また、内部留保が上がれば1株あたりの価値も上がる。自分の会社の値打ちを少しでも上げるためには、とにかく当期純利益を出し続けて内部留保を増やすことだ。またこれは、資金調達コストを抑え、資金繰りでいちいち悩まない体質をつくることにもつながる・・・」 と。 

 それが、この本の著者 (=広島の「21」というメガネ屋さん)は、「内部留保ゼロ」を「目指す」という。 強い意志で、内部留保をゼロにしようというのだ。 なんという規格外の発想だろう。

 おそらく、この社長さんは、内部留保がいかに大事かを知り尽くしたうえで、あえてその逆を選んだのだろう。絶妙のバランス感覚で。  数字に弱い何のビジョンもない経営者が結果的に内部留保ゼロに「なってしまった」のとでは、天と地ほどの差がある。

 この本は非常に簡単に書かれていて、サラリーマンや学生さんでも何ら問題なくスラスラ読める内容だ。 が、多少数字に強い経営者が読むと、もっと得られるものが大きいように思う。

 同社のホームページも参考になるので紹介しよう。 → http://www.two-one.co.jp/a21/

 猫



【追記】
 同社の内部留保ゼロ方針は、本当に徹底している。
 利益が出たらまず人件費(ボーナスなど)に全て分配する。それでも利益が残ってしまいそうなときには、売価をとことん安くして、粗利を低く抑えて(時には粗損も出す!)、お客様に還元するという。
 「安く仕入れて安く売るならバカでもできる。高く仕入れて、安く売れ!」
 これが本当の「顧客第一主義だ」と力説する。 他所の大企業が飾りのように謳っている顧客第一主義とは一味も二味も違うではないか。 

 ビジョナリー・カンパニーという言葉を思い起こさせる。

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Comments

 
村上龍さんの番組、観ました・・・
確かに凄いと思ったけど、
本も見てみます、テレビ録画してあるので、って消してなければですが、
もう一回観てみますが、・・・

この時間、今、会社でこのコメント書いているということは、
今日は行けません、行けば夜の部まで通すつもりだったんですが、すみません・・・
自分なりに、かなり頑張ってみたんですが、難しかったです・・・
明日から大荒れらしいので、何かとそれに備えます、やること一杯あり・・・
 
 
私も 村上龍さんの番組 見ました。本も出ていたのですね。 読んでみます。
 

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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
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★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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