吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

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商工ローンの終焉(つづき)


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つづき。

かのオオシマケンシン元SFCG社長が、こんな名言(?)を残しています。

「商工ローンはタクシーのようなものだ」

つまり、タクシーを電車やバスと一律に並べて高いぞと文句いう人はいない、タクシーは電車やバスよりも高くていいのだ、要は使い方だ、使い方が間違ってなければ、高利の商工ローンがあったっていいじゃないか、そういう意味で商工ローンはそれなりに社会貢献しているぞ、・・・というような意味ですね。

これを聞いた当時、わたしは正直、「うーむ。確かに一理あるぞ・・・」 と共感を覚えました。

確かに一理あるのです。

利用の仕方が「短期間」かつ「非継続的」であるならば、極端な話、いくら利息が高くても、年間トータルでの支払利息はそう高くならないはずです。

一例をあげれば、

「大流行中の品薄商品を優先的に仕入れるチャンスが巡ってきた。だけどそれは現金仕入れのみしか受けてもらえない。チャンスをモノにするためにはどうしても明日か明後日のうちにまとまった資金が要る。せめて500万円は欲しい。銀行から融資を受けられるのは1ヶ月近くかかるから、それまでの短期資金として、多少利息が高くてもいいからどこか貸してくれるところを探したい。年利30%近くても、1ヶ月なら13万円程度だ。いっぽうで、この商品を仕入れることによる直接的な粗利は150万円は取れる。大流行品薄商品を取り揃えることによる店全体の相乗効果を含めれば1000万円近くの利益が望めるかもしれない。ぜひチャンスをモノにしたい・・・」

と、用途がそのときだけに限られるなら、利息がいくら高くても成り立つはずです。 まさに、「電車に乗ってノロノロと行っていたら商機を逃してしまう。タクシーで今すぐ行け!」 といった感覚です。

ところが、現実に商工ローンを利用している人の圧倒的多数は、こんな使い方をしていません。
そこが問題なのです。

多くの人は、これといって決め手になる商機や勝算があるわけでなく、ただ日々の資金繰りに追われ、銀行への返済や社員の給料や事務所の家賃などを捻出するために高利の商工ローンから借りています。 しかも、契約内容が短期であっても、実質的には「長期」で「継続的」になってしまっています。 先述のタクシーに例えれば、お金に余裕のない人がタクシーで長距離移動ばかりしているような状態です。

これは何も、商工ローンが意図的にそう仕向けてきたからそうなったのではありません。
どちらかといえば、需要と供給がマッチしてしまったから、いや、需要が圧倒的にあったからだといえるでしょう。
商売は、需要のあるところに供給するのが基本です。
零細企業の「目先の資金繰りのために、とにかく借りたいんだよ!」 という強い需要があり、そこに貸金業者が目をつけて、かつてのSFCGのようなビジネスモデルが誕生してしまったのです。
需要先にありき、というわけです。

ニーズとウォンツという言葉があります。
商工ローンは、一定の客層(=資金繰りに窮した零細企業。その数多し)から、ニーズ(借りないとやっていけないという必要性)とウォンツ(借りたいという欲求)の両方をガッチリ掴んでしまったのです。こうなると強いです。 借り手はどんな過酷な条件でも飲んでしまいます。貸し手は高金利も担保も取りたい放題です。そのうえ、日本は他国と比べて借り手が心理的に圧倒的に弱くなりがちで、どんなに無理してでも返そうとしますから、貸し手にしてみれば、高リスク客に貸している割には驚くほど回収率が高く、いわば、ミドルリスク・ハイリターンを長きにわたって享受していたのでした。

結果的には法律が改正されて、高金利も過酷な取立てもできなくなり、また債務者救済のための制度も増えたのと景気がより悪化したのとが相まって貸倒率が高くなる結果となり、もう過去のようなおいしい商売はできなくなりました。これはこれで、借り手側の私たちとしては、まあ良かったと思います。

でも、考えてみてください。

本当は、理想をいえば、たとえ法規制がなくても、上限金利が無制限だったとしても、私たちがもっと賢ければ、高金利の商工ローンがいてもいなくても何の問題もなかったのです。 たまにタクシーみたいに使う程度で上手に自己管理できていれば、商工ローンとも共存共栄できたはず。
きつい言い方をすれば、法で規制しなければ高金利の被害者が続出するというのは、借り手がバカだからにほかならないのです。かくいう私自身も商工ローンからさんざん借りたことがありましたが、あの頃の自分は、まぎれもなく大バカ者だったと言い切る事ができます。 
法律による規制なんて、本来は少ないほうがいいのです。

まあ、現実はそんなに単純なものではなく理想どおりにいくわけなどないし、商工ローンのあの高金利+きつい取立て+過剰担保が長年にわたって広くまかり通っていたことは歴史的・世界的にみても異常だったことは疑いの余地がないので、法で規制をかけたことや、いま商工ローン業界が全体的に廃れていきつつあることは歓迎すべきことだったと思います。

でも、借り手側の意識・知識を改善させるほうに関しては、まだまだ課題が山積みではないかと思うのです。



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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
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★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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