吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

督促状コレクション(その5)~保証協会サービサー


Category: 督促状コレクション   Tags: ---

tokyoguaranteeservicer


保証協会サービサーから督促を受けて、「サービサーだから、元金をまけてくれる違いない」 と思ったあなた、甘い甘い甘い!

確かに、わたしが過去再三にわたって著書などで書いたように、借入金返済が延滞して、不良債権化してサービサーに債権譲渡されたような場合、そりゃもうビックリするような低い金額に値切れる可能性が十分あります。
実例はいくらでも知っています。担保処分後の残った借金が1億円もあったのにそれを30万にまけてもらって残りは債権放棄してもらえた人、3500万円の連帯保証債務を100万円にまけてもらって残りを放棄してもらえた人、住宅ローンの売却後の残債1000万円を50万円にまけてもらえた人、などなど。そやもう数え切れないほど知ってます。

でも、それを読んで、上の写真のような督促状を受けても 「サービサーから請求が来たから減額交渉できる」 と思い込む人がいたら、その人は「読み」が足りません。言葉の上っ面をなぞるだけで、読んだうちに入りません。仕組みをまるで理解していない。国語力も足りない。バカのひとつ覚え。


この「保証協会サービサー」からのお手紙は、その好例です。

サービサーと名乗っているとおり、保証協会サービサー(=保証協会債権回収株式会社)は、法務大臣の認可を受けているれっきとしたサービサーです。文面にも書かれていますね。法務大臣許可番号第47号と。 そこまでは正しい。

でも、この文面には「債権譲渡」という言葉は一言も書かれていませんね。
債権譲渡を受けていないとしたら、前提条件からして崩れてくるではありませんか!?
わたしは再三こう述べています。「サービサーに債権譲渡されたら、借金が減らせます」 と。
いいですか? 「債権譲渡されれば」 ですよ!

さらによく読んでみてください。冒頭にこう書かれていますね。「~様が東京信用保証協会に負担する債務について、貴方様とご相談致したく~」 と。ということは、あなたは「東京信用保証協会に債務がある」のであり、まだどこにも債権が譲渡されていないことがわかりますね。 債権者はもとの東京信用保証協会のまま。債権譲渡されていないことは明らかですね。

こうも書かれています。「当営業所は、東京信用保証協会より求償権回収について委託を受けております。」と。 つまり、あくまでも債権は東京信用保証協会が保持したままであり、保証協会サービサーはいわば「回収の委託を受けた窓口代わり」に過ぎず、繰り返し言いますが、債権者は保証協会のままなのです。二束三文で債権譲渡などしていないのです。よって、元金の免除は基本的に不可能です。

これがもし仮に、「債権譲渡」と書かれていたら、話は大きく違ってきます。
債権譲渡通知だとしたら、わたしは「こ、こりゃ大チャンスですよ。少しまとまった金があれば、元金を10分の1以下に値切れるかも・・・」 とアドバイスするかもしれません。 でも保証協会サービサーは通常、この文面をみてもおわかりのとおり、債権の譲り受けはしていないのです。保証協会の回収委託専門部門として機能しているのです。


督促状の一字一句にも、問題解決のヒントがいくつも散りばめられているのですよ。

ついでにいえば、手書きでこうも書かれていますね。
「今後のご返済についてご相談したい」 と。

法律上の権利義務云々でいえば、東京信用保証協会はあなたに対し、残債全額を一括で請求する権利があります。あなたの置かれている事情など関係なく、1000万円なら1000万円を容赦なく一括請求することができます。 ところが、この手紙には、わざわざ「今後のご返済についてご相談したい」と書かれています。 つまり、相談の余地があるということです。

以上の話をまとめると、このお手紙を保証協会サービサーから受け取った「あなた」は、元金の大幅免除にはまず応じてくれない、だが、長期の分割払いには応じてもらえる可能性がある、と判断できます。 そして実際、保証協会はそのような方法でかなりの長期分割払い交渉が可能です。 中には話し合いの上で残債1000万円もあるのを1万円ずつで暫定的に合意してもらえたとか、残債8000万円を5千円ずつ払っているなんて人もいます。このように、残元金カットには応じてもらえなくても、月々の返済負担を軽減することはいかようにも可能なのです保証協会さんは。 堂々と話し合いましょう。

置かれている状況によって、解決の方法は大きく違ってきます。
バカのひとつ覚えは通用しません。
そのためには、まず相手のことをよく知ること。
そして、相手を知る最も身近な手だては、頂いたお手紙をこうやって熟読することなのです。
督促状の文面の上っ面を眺めるのではなく、「読む」ことです。「読み」を働かせることです。

督促状には人格があらわれます。



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Comments

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管理人のみ閲覧さま 
慣れるまではまぎらわしいですよね。がんばってください。
 
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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
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★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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