
公庫の職員さんはリモートワークなど無くフルタイム出勤、土日も出勤されているようです。
それでも追いつかず、申込から融資実行まで2ヶ月かそれ以上かかるとか。
申込窓口も常に混雑しており、なるべく郵送申込やネット申込にして欲しい様子です。
本当に頭が下がります。
公庫の職員の皆さん、どうか感染しないよう、頑張ってください。
そして借主側である中小企業、小規模事業者の皆さん。
私はこんな仕事をしているので、「万一の事態に備えて多めに借りておいたほうがいい」という考えもよく理解できるのですが(会社や雇用を守るために資金は欠かせませんものね)、その一方で、「もっと必要としている人に譲ってあげて欲しい」 という気持ちもあります。
中には、腕の良い資金調達コンサルタントを使って、コロナの被害をさほど受けていないのに、ここぞとばかり必要以上の融資を申し込んでいる会社もあると聞きます。これは100%否定しませんが、あまり感心しないというのが私の正直な気持ちです。
ちなみに私の場合、資金調達のお手伝いも必要に応じてしますが、それは「本当に必要としている」と思われる場合で、かつ、他の普通のコンサルが対処できないような難しい案件(例:リスケをしてきたが、条件変更改善型借換保証制度を使って金融機関との関係を正常化したい、その際に認定支援機関による経営改善計画書の策定支援が不可欠である、等)を優先しています。
猫

(NHK総合1・東京) 4月20日(月)午後10:00~午後10:45(45分)

https://www.nhk.jp/p/gyakuten-j/ts/JYL878GRKG/schedule/
再放送あり。
4月25日(土)午前0:20~午前1:05
4月27日(月)午後3:08~午後3:55
※スタジオ収録は3月25日に行いました。MCの山里亮太さん、杉浦友紀アナ、ゲストの児島一哉さん、高橋みなみさん、弁護士の高井章光先生、そしてスタッフの方々、皆さん頭の回転が早く、会話がはずみました。
いつになってもテレビ出演は恥ずかしく、どちらかといえばあまり気が進まないほうですが、依頼があれば出てしまいます。
気がつけば、2005年にガイアの夜明けに初出演してから、報道ステーション、報道特集、リアルタイム、NHK生活ほっとモーニング、日本のこれから、さんまのホンマでっかTV、バイキングなど、かれこれ10本以上出演させてもらう機会に恵まれました。
その中でも、今回の「逆転人生」は45分間まるごと私の特集で、こんなことは初めてです。
制作者の方々は、「コロナで倒産危機に瀕している事業者の方へ、どうか役に立ちますように・・・」の一心で、予定を早めて番組制作に取り組んで下さいました。私も同じ気持ちです。私のあまり自慢できない恥ずかしいエピソードのほうが多いですが、視聴者の皆様にとって生き残りのためのヒントになれば幸いです。
吉川 (吉田猫次郎)

「このままでは資金が底を尽いて、倒産してしまう・・・」 と。
興味深いのが、憔悴しきっている新規相談者さんの多くが、「今まであまりお金に困ったことがない」という点です。
よく聴いてみると、資金ショートの経験もない。延滞の経験もない。返済猶予の経験もない。いやそれどころか、電気ガス水道の延滞経験もない。家賃を遅れたこともないという、優等生的な方が実に多いのです。
そしてそのような方に限って、支払いができなくなりそう(=まだ支払いができなくなったわけではない)な段階で、もうダメだ、死ぬしかないとか、自己破産しかないとか、そんなことを言っているのです。
ダメですよ。「平時と有事」で頭を切り替えないと。
あなたの感覚は至極真っ当だけど、もう少しユルく構えないと、この先、生き残っていけませんよ。
債権者に潰されるより前に、あなた自身が精神的に自滅してしまいますよ。
あまり知られていないことですが、倒産は、債権者に潰されるタイプの倒産よりも、
自滅型の倒産のほうがはるかに多いんです。
それを象徴しているのが、自己破産という言葉です。
自己破産とは、もうダメだと諦めて、自分の意思で弁護士さんに破産手続きを依頼し、裁判所で手続きすることをいいます。
自分側から破産を申し立てるから、自己破産というわけです。
その反対が、債権者破産(第三者破産)といわれる手続きです。自分は破産する気がなくても、債権者側が弁護士に依頼して裁判所に破産を申し立てる。
自己破産 ↔ 債権者破産。
我が国では、自己破産が99%以上を占めています。
債権者破産(第三者破産)は1%以下です。
ソースは裁判所の司法統計年報など、あちこちにあります。
自己破産に限ったことではありません。
まだまだ打つ手はあるのに、「もうダメだ」と思い込み、心が折れて、酒やクスリに頼ったり、自暴自棄になったり、そういう人は沢山います。もったいない。
心なんて、誰でも一度や二度は折れるものですよ。
折れたら、またつなげばいいじゃないですか。
私なんか、一生の間に何十回も心が折れてますよ。
何度もくじけそうに・・・いや、くじけましたよ。
いいじゃないですか、人間だもの。
大事なのは、そこで自滅して慌てて終了ボタンを押さないことです。
心が折れても、しばらく休んで起き上がることです。
心身や会社の信用が傷だらけになっても、平常心を保つことです。
これらは、べつに「鋼の精神力」が無くても、できます。
知識を身に付ければいいのです。
もっといえば、本やネットや相談で知識を増やすと共に、精神面でくじけないよう、情報交換できる仲間を増やしたりして、「知恵」も身に付けることです。
知識と知恵。
意識と知識の両輪を。
自滅型の倒産が多い。逆に言えば、
自滅さえしなければ、倒産の多くは防げると言えます。
私の経験上、それは確信に近いものがあります。
(売上が0まで落ち、借金が10億円以上残っても、しぶとく倒産回避して、数年後に蘇った方もいました)
まとめると、自滅しないためには、大らかな気持ち、知識、知恵、共有できる仲間、平常心などが必要です。
ところで、私は、「倒産を防ぐ勉強会」を2001年から定期開催してきました。「猫次郎塾メーリングリスト&掲示板」を2001年から10年くらい運営してきました。facebookの「猫塾秘密倶楽部」という会に2011年から参加してきました。
ここの常連さんたちは、実にたくましい人達ばかりです。倒産経験者や倒産寸前状態の経営者が多く、借金1億円以上、10億円以上、中には50億円以上の方もいます。代位弁済や競売、債権譲渡、差押などを受けた経験者も山ほどいます。社長なのに役員報酬は雀の涙、巨額の個人保証(連帯保証)を背負い、いつも支払に窮しています。お金がないことに慣れています。それでも明るく過ごしています。最初は真っ青な顔で相談に来られても、次第に明るくなっていき、今では本当に元気です。
そんな常連の皆さんに最近のコロナの感想を聞いてみると、
「いやー、ますます大変になってきましたよ」 と言いながらも、その声のトーンはどこどなく明るくて、そんなに悲観的になっていない様子です。いや、悲観的に構え、現実を受け入れながらも、その現実をユルく構え、目の前の脅威をのらりくらりとかわし、将来の方向転換のチャンスを窺っているような、そんな印象です。
貧乏耐性とでも言いましょうか、不況耐性とでも言いましょうか、
とにかく、乱世に強く、死にそうで死なない、雑草のような人達です。
ここにもまた、生き残るヒントがあると思いませんか?
猫

corporate turnaround = 企業再生
turnaround specialist = 事業再生のスペシャリスト
corporate turnaround strategy = 企業再生戦略
といったように。
ですが、ターンアラウンドという英単語をそのまま直訳すると、
「方向転換」「転向」「変節」「好転」といった意味になります。
新型コロナウイルスにより、私たちは、大きな方向転換を求められています。
従来と同じことをやっていてはダメだと思います。
既に多くの事業主の皆さんは、方向転換に向けて必死なことでしょう。
飲食店なら、テイクアウトに力を入れたり、客席の間隔を空けたり。
旅館業なら、地元の少人数客に力を入れたり、スリッパの消毒など衛生観念を強化したり。
セミナー業なら、オンラインセミナーに力を入れたり。
また、方向転換には準備期間が必要ですから、その間、あらゆる手を尽くして、生き延びなければなりません。
延命です。サバイバルです。
よく、「いたずらな延命は良くない。早めに廃業や事業譲渡などを決断すべきだ」 と有識者や専門家が言っていて、それはそれで間違いではないのでしょうが、価値観はさまざまです。生物の進化が多種多様であるように、中小企業の生き残り術も多種多様であっていいと思うのです。だから私は、他の専門家とは違う見解で、「こんなときだからこそ延命に意味があるんだ!」「いま必要なのはカッコいいV字回復術などではなく、カッコ悪いサバイバル術なんだ!」と主張している次第です。
まとめると、
・まずは生き残ることが第一。かっこ悪くてもいい。恥をかいてもいい。延命しよう。
・延命しながらも、平常心を失わず、方向転換について真剣に考えよう。需要の変化を睨んで。
猫