
(実際にあった決算書をもとに少しアレンジしました)

以下解説です。
・単位:100万円。(例:1=100万円、10=1000万円、100=1億円として読んで下さい)
・年商1億円規模の会社。12で割った平均月商は833万円くらい。それに対して現預金が3000万円ある。ということは、3000÷833= 月商の3.6ヶ月分ほどの現預金があり、不測の事態においても資金に困りにくい。万一売上がゼロになっても数ヶ月は自己資金で持ちそうだ。
・流動資産30+8+5=43に対し、流動負債は13+2=15.流動比率は286%。一般的な流動比率の合格点は150%位と言われている。短期の支払い能力に問題がないと言える。
・(売掛金8+在庫5)-買掛金13=正味運転資本0 運転資金のあまりかからない体質。
・資産合計60。売上高が100(1億円)だから、総資本回転率が高い。言い換えれば「総資本に比べて売上が大きく、投資利回りが高い状態」と言える。
・自己資本比率50%。これはかなり高いほう。言い換えれば負債の比率が50%しかないとも言える。金融機関の評価も高いはず。金融機関の評価も投資家の評価も高く、イザというときに、資金調達の引き出しが多いと言える。
・・・ただ、これだけ財務体質の良い会社であっても、肝心の売上高がコロナによって激減してしまったら、たちまち危機的状況になってしまうと思います。仮に売上ゼロになってしまったら3ヶ月持つかどうか。売上半減なら半年持つかどうかでしょう。その後の生き残り策は、借入金や助成金を使い倒して延命するか、土地などの資産を処分して生き残る以下、固定費を削減して生き残るか、あるいはその全てか。
他にも決算書サンプルが多数ありますので、暇をみつけて紹介します。
猫


早いところでは2月頃から全行員マスク着用を徹底しだしていました。
3月からはバンクミーティング(リスケ等の際の債権者会議のようなもの)が省略されるところも出てきました。
3月下旬には、毎年必ずあるはずの人事異動が見送られたところもかなりあったようです。
信用保証協会も人事異動がほとんどなかったようです。
融資の申込も、郵送でいいというケースが増えてきました。
4月上旬になると、日本政策金融公庫がインターネットによる融資申込を開始しました。
最近では、こちらから銀行へ出向こうとしても、「来ないでください」的な対応をされることも少なくありません。
私たち中小企業の経営者にとって、銀行は「債権者様」ですので、
何かにつけて、出向く習慣がついています。
しかし、今のこの様子では、出向くことがかえって迷惑になることも考えられます。
出向く際には必ずアポイントメントを取っておいたほうがいいでしょう。
出向かないで済みそうな場合は、できるだけそうしましょう。
ただ、一点だけ困ることがあります。
銀行さんは、いまだに「メール」を嫌がるところが多いのです。
例えば、経営改善計画書をExcelで作成した場合などにおいて、
添付ファイルで送信したほうがお互い効率いいのに、
「郵送かFAXでお願いします」と言われることが多々あります。驚きです。
猫

中小企業、零細企業、自営業の方は必読です。
・経済産業省の支援策 新型コロナウイルス感染症関連
https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html
・上記をもっと簡単にしたパンフレット
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
いずれも3月上旬から4-5日おきに更新されています。
大変な更新頻度です。
猫

この間、やはり予想通り感染者数が世界的に急増し、私たち中小零細自営業を取り巻く環境も大変なことになっています。
政府の施策もどんどん増えており、それはそれで大いに利用すべきですが、
たぶん、それだけでは足りません。
生き残るためには、あらゆる知恵をふり絞る必要があります。
金融機関からの借入や、雇用調整助成金などは、その一手段にすぎません。
リスケジュールや支払停止なども、その一手段にすぎません。
そういった「守り」のための策だけでなく、こんなときだからこそ「攻め」、いや、「方向転換」も考えなければなりません。
需要と供給。
コロナで世の中があっという間に激変しました。
それに伴い、需要も激変しつつあります。
不要不急の商品が売れなくなったかと思えば、思いがけない物がバカ売れしています。
そういった変化をにらんで需要に応えるのがビジネスです。
あるいは、あえて変化せず、頑なに同じビジネスモデルを続けて(必要なときは一時停止するものの、収束したらすぐ再開できるようスタンバイして)、しばらくお休みしながらも生き残りのチャンスを窺うのもいいかもしれません。
生物の進化のようですね。
環境に適応した生物は生き残り、進化する。
環境に適応できなかった生物は淘汰される。
どちらが上か、どちらが下かではない。
絶滅した巨大恐竜もいた。
進化して繁栄した鳥や小動物もいた。
あるいは進化しないまま、ひっそりと耐え抜いたシーラカンスのような生き物もいた。
あなたはどのタイプですか?
恐竜タイプ?小動物タイプ?それともシーラカンスタイプ?
私の好きな言葉に、 「絶望的な状況でこそ、生物は進化する」 というのがあります。
誰が言いだしたか憶えていません。私だったかもしれません。
もう20年以上も前から、ピンチになると、この言葉を念仏のように唱えていました。
猫