吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

「ものづくり補助金」 採択結果を見て


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
先週、ものづくり補助金の採択結果が出ました。
申請24011件中、7729件が採択。
採択率32%の狭き門でした。

[参照]
全国中小企業団体中央会 事業推進本部 ものづくり補助金事業部
平成27年度補正「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の採択結果等について
http://www.chuokai.or.jp/josei/…/koubo1-201606saitaku_1.html


・・・さて、ここからは私の感想などをだらだらと書きます。

・ 「採択率」について。過年度の採択率は4割ほどでした。採択率だけ見ても、今年はとりわけ厳しかったといえるでしょう。
それだけではありません。同業の認定支援機関や、審査に携わったことのある専門家先生の話によると、今年は「プロの書いた申請書がほとんどを占めていた。どれもそつのない内容で、非常にレベルが高かった」 ということでした。
 昨年度までは、「採択率は4割程度です。だけど中にはお粗末な申請書も多いから、ちゃんと書けば、実質的な採択率は5割以上だと思います。ガンバリマショウ!」 というような話をセミナーやwebでよく聞いたものです。 が、今年は申請書類の質がグンと上がったうえに、申請件数も増えたので、32%の採択率というのは、実質的にも本当に厳しいものだったと思われます。 

・ 「採択案件一覧」が、PDF形式で公表されています。これを見ると、世の中の動きがなんとなく見えてくる気がします。
 非常に勉強になります。皆様にもご一読をオススメします。
 http://www.chuokai.or.jp/josei/27mh/pdf/koubo1-201606saitaku_1.pdf

・ 私が認定支援機関としてこの補助金の申請に関与したのは、5社でした。(5社とも顧問先)
 うち、採択されたのは3件でした。 成功率60%です。
 全国的な採択率32%と比較すると、かなり高い成功率といえるかもしれません。
 しかも私が関与した5件は、「債務超過」を抱えている会社がほとんどです。
 金融機関との関係も、リスケや代位弁済、担保処分などを経験しています。
 このような非常に厳しい逆境で、会社の業績を採択率60%を達成できたので、もっと喜んでもいいのかもしれません。
 しかし、私は手放しで喜べません。
 落ちてしまった2件に対して、悔しい気持ちと、申し訳ない気持ちで一杯だからです。

・ 報酬について。「ものづくり補助金」の報酬の相場は、安いところで1割(?)、ネットでよく見かける請負業者的なところで「2割」が多いようです。後者は着手金を10万~40万円くらい取るところが多いようです・・・。
 私の場合、どうしてもそこまで取る気になれず、「(ほぼ)完全成果報酬制」で、「10%以内」に落ち着きました。
 理由はいくつかあります。 第一に、補助金の募集要項に「認定支援機関の全面的バックアップ」が必要と書かれていたので、単発的に補助金申請請負人のような形で引き受けてはいけないと思ったからです。以前から顧問契約していて、文字通り「全面的バックアップ」をしている会社のみに限定しました。これならスジが通っているはずです。第二に、顧問契約しているということは、多かれ少なかれ顧問料を頂いているので、その度合いによりますが、高い成功報酬を取る必要がないからです。フルコースでガッチリ取り組んでいる顧問先ならば、成功報酬など1円もいらないくらいです。今回関与した5社は、そこまでガッチリとした関係ではなく、月額3万~7万円程度の比較的軽い契約関係でしたので(但しお付き合いの年数は2年~6年と比較的長い)、5%~10%程度の成果報酬で話がまとまったという次第です。第三に、私が関与した5社は倒産寸前状態から這い上がったいわば「再生途中過程にある会社」が多く、いずれも資金に余裕がないからです。社長の給料は従業員以下。生活もギリギリ。そんな状態を間近で見ていますので、2割も取る気にはまずなれません。今回の補助金は、彼らにとって、まさに社運を賭けた申請なのです。 第四に、そうはいっても通常のマトモな会社よりもはるかに難易度が高いので、私も普通以上に労力を費やさなければならず、さすがに追加報酬ゼロで動くのは難しいので、最大限譲歩して、(ほぼ)完全成果報酬制の、10%以内と相成ったわけです。

・ 「新たな取り組み」について。今回、5社の申請にどっぷり関与して、私は猛烈に感動しました。うまく採択された会社も、惜しくも採択されなかった会社も、いずれも、どん底から這い上がり、借金の減免(B/Sの改善)や目先の資金繰り改善のみにとどまらず、本業の収益改善(P/Lの改善)を成功させつつある会社だったのです。先代から重度の債務超過を抱えた会社を引き継ぎ、専門家から廃業をすすめられ、それでもあきらめずに、果敢に新たな取り組み(マイナーチェンジから革新的取り組みまで)を実行し、ようやっと増益の目途がたってきたような会社がほとんどでした。 資金がありませんから、その分、「知恵」が凝縮されています。 今回の補助金で採択されたということは、その努力が社会的に認められたことと同義なので、嬉しさもひとしおです。涙が出るほど嬉しいです。

長くなりましたのでこのへんで。

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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
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