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吉田猫次郎のブログ(2005年~2020年分)

事業再生コンサルタント・吉田猫次郎の旧ブログです。恥ずかしいけど残しておきます。2021年からは別の場所に移転しました。

 

「借りたカネを返したい。だけど返させてくれない」 という事例


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
まあ、比較的よくあるケースなのですが、先週また、目の当たりにしました。

・相談者: 地方のサービス業 (年商ウン億円)

・借入先: 地方銀行2行(プロパーと協会つき両方あり)+政府系1行+サービサー1社

・借入金総額: ウン億円(年商とほぼ同じくらい)

・資産と負債のバランス: 店舗が土壌汚染されているので、評価する人によって大きく異なる。
 売却しないことを前提に簿価ベースで甘く見積もれば、資産と負債がトントンかもしれない。
 しかし不動産担保価値としてシビアな見立てたら、資産と負債の差は「1:3」くらいの大幅な債務超過状態。

・返済状況: リスケジュールを数年間してきた。延長や再延長もあった。 また、一時的に長期の利息延滞が続いた時期があり、このときに銀行借入の一部が事故扱いになり、サービサーへ債権譲渡されたという経緯もある。 しかし元金の返済も約定通りではないものの実行してきた。 また、半年ほど前から急速に業績が改善しつつあり、今後ますます元金の返済ピッチを早めることができそうだ。

・銀行との交渉経過:  春に銀行側から事業・財務のデューデリジェンスの要望あり。財務デューデリは公認会計士が、事業デューデリは私(猫次郎)が担当した。 夏にバンクミーティングの要望あり。 いずれも誠意をもって対応したが、バンクミーティングの結果は、残念なものだった。(以下)

・社長さんの希望: 「事業を継続したい!」「借金を返したい!」「この仕事が好きだ!」

・銀行側の見解: 「もう返済はできないでしょう?民事再生法の適用か、もしくは事業譲渡などをされてはいかがですか?」

・私の見解:

① うーむ。銀行さんの言い分もわからなくはない。いや、よくわかる。銀行さんはこういうとき、「過去」「現在」を判断基準にする傾向が強く、「未来」の話はあまりアテにしない。確かにこの会社は、半年前なら借金を返し切るのに単純計算で80年以上かかる状態だった。黒字体質ではあったが、それ以上に借入金過多だったのだ。土地建物設備を多く必要とする業種で、ROAが低かったのだ。 しかし銀行はそんなに待てない。80年かかって全額回収するよりも、今のうちに何らかの形で「処理」するほうが得策なのだろう。おそらく債務者区分(5段階評価のようなもの)も、「実質破綻先」か、良くて「破綻懸念先」に位置しているのだろう。だとすれば、貸倒引当金も相当かかっており、このままでは管理コストがかさむ。

② しかし、金融機関の常識にとらわれず、もっと「普通」の考え方で見たらどうだろう? 社長さんは 「今まで銀行さんに返済猶予してもらって、約束の返済期日より大幅に延びてしまいました。本当にご迷惑おかけしました。 でも、血のにじむような自助努力により経営改善し、ようやく業績が回復してきました。これからはもっと早いピッチで返済できそうです。ですから、どうかこれからもお付き合いを継続して、返済を続けさせて下さい!」 という至極まともな感覚の持ち主なのである。 それを銀行に主張したら、「いやいや、無理でしょう?」 と断られてしまった。 借り手は返したがっているのに、貸し手はもう諦めるという。 何だかなあ・・・。

③ しかし、モノは考えようだ。 今回、銀行さんが、バンクミーティングによる複数の金融機関の総意で、「もう全額返済は無理でしょ?」「民事再生(=裁判所を通じて借金が大幅にカットされる)」 か、「事業譲渡など(=裁判所は使わないかもしれないが担保価値&事業価値以上の回収は困難なのでかなりの貸倒損失が出る可能性が高い)」 のどちらかをしたらいかがですか?と提案してくれているのである。 これを平たく言えば、「もっとうまく立ち回れば、借金を全額返さなくても済みますから、そういう合理的な選択をしたほうがいいですよ!」 という大変ありがたい提案を、銀行のほうからしてくれているのである。

④ まだ交渉の余地はありそうだが、主役は社長さんだ。どうするかは社長さんが決めればいい。
私はどっちでもいいと思う。
あえて銀行の提案を退けて無理にでも全額返済するようゴリ押しすることも(計画書の描き方次第で)不可能ではない。 
あるいは、素直に銀行の提案に乗って、合理的に借金を減額する方法を選んでも事業継続は可能だ。 

⑤ 先月は、似たような事例で全く逆のケースを見た。先月ブログで紹介した、ある製造業だ。この製造業は、重度の債務超過で、リスケの延長年数も長く、過年度の数字で見れば、借金を全額返済することなど100年かかってもできない状態だった。2年前までは銀行の支店長に 「民事再生か事業譲渡しかないでしょう・・・」 とサジを投げられていた。 しかしその後、予想以上に業績が上がり、銀行の対応も大きく変化していった。 しまいには、「もう民事再生や事業譲渡など考えないで下さい。異例中の異例ですが、原材料の仕入れ資金を融資します。これで存分に収益を伸ばして下さい!」 と提案されるに至り、つい最近、無事に融資が実行された。
こんな結末もあるのである。
これなら銀行も損しないし(むしろトクをする可能性のほうが高い)、会社側も、借金免除のような旨みはないが、「自分の会社」として堂々と経営を続け、収益を伸ばし、逆境をはねのけ、借りたカネを全額返済できるという「ドラマ」を描くことができる。これなら両者ともハッピーエンドではないか。


・・・・ 結論は、まだ出ていません。

昨今は、「借金を全額回収できるまで執拗に取り立てる」 という時代ではなくなり、このケースのように、債権者側のほうから 「もうあきらめたらいかがですか?ウチは構いませんよ」 と親切に(?)提案してくれることも増えました。

2012年頃から、国が金融機関に対し「コンサルティング機能の強化」を要求しはじめ、「支援すべき先」と「様子見」と「見捨てる先」を、より明確に区別するようになり、現在に至っています。 しかも、ありがたいことに(?)、上手な整理・廃業の仕方まで教えてくれることも珍しくなくなりました。

なので、本件のようなケースも、全く珍しくないのです。
「またか・・・」 という感じです。

しかし、一方で、同じ2012年あたりから徐々に出てきた、新しい潮流もあります。
それは「定量分析だけでなく、定性分析でも見てみよう」 という金融機関の動きです。
1999年の金融検査マニュアル改定以降、久しく、決算書や試算表のような「数字化できる」「過去のデータ」による「定量評価」が金融機関の判断目安でしたが、最近では、そういった財務情報だけでなく、「非・財務情報(知的資産など)(定性評価)も吟味してみよう」 という動きにもなりつつあります。 これはまだまだ浸透しているとは言い難いですが、先月ブログで取り上げた「重度の債務超過の製造業への追加融資」のように、債務超過&リスケ中にもかかわらず、将来に期待をかけて真水の運転資金を融資してくれるようなケースも出てきています。

銀行さんの「コンサルティング機能の強化」に、「定性分析」が加わるようになれば、かなり面白いことになりそうですが、現実には、銀行の従来の役割を大きく超える大変なことなので、あまりきめ細かなコンサル機能や定性分析を求めるのは酷でしょう。 銀行さんも国もそのへんは重々承知しているようで、そのような分析は、外部のコンサル(認定支援機関など)にアウトソーシングするような仕組みになりつつあり、それが徐々に良い形になってきているというのも現場で肌で感じています。

このように、中小企業と金融機関のカネの貸し借りの関係も、価値観や評価基準も、刻一刻と変化してきています。



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我がNEKO-KENは、国が認定した「経営革新等支援機関」になりました!


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
私は、事業再生コンサルタントを開業して12年になります。
業界では、かなり長いほうだと思います。

最初はコネもなく、知識も大してなく、業界自体もまだ黎明期で、完全に手探りの状態でこの道に入りましたが(当時34歳)、
この12年間で、書籍を12冊出版し、商工会や商工会議所などで何百回も講演し、認定事業再生士や知的資産経営認定士などの認定・資格を取得し、公的機関の非常勤相談員なども数えきれないほどこなし、我ながら、ベテランの域に入ってきた感があります。

しかし、世の中はどんどん変化しています。
同じ場所にあぐらをかいていたら、どんどん取り残されてしまいます。
私の仕事も、世の中の変化に応じて、マイマーチェンジを重ねていかなければなりません。

そこで、初心に返り、今年1月から、中小企業大学校の経営改善計画策定支援研修(理論研修&実践研修)をフルコースで受講することにしました。
気分は学生です。ノートパソコンとExcelを駆使し、連日、経営改善計画や経営分析の演習問題に打ち込みました。
妙に新鮮な気分でした。自分の持っていた知識やノウハウの「棚卸し」にもなりました。

そして、6月に全ての研修を終え、試験にも合格し、関東経済産業局へ申請書を提出し、先日、無事認定されました。(ホッ)


ちなみに、認定支援機関とは、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律第17条第1項」 に基づき、2012年夏から誕生した機関です。 経済産業省のホームページには、≪近年、中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援の担い手の多様化・活性化を図るため、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う「経営革新等支援機関」を認定する制度が平成24年8月に創設されました。本制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や中小企業支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を「経営革新等支援機関」として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。≫ とあります。

我がNEKO-KENは、零細弱小民間コンサルにすぎません。
医者でいえば、町医者です。
大きな総合病院にする気はありません。
ただ、小規模でありながらも、最高レベルでありたいと常々思っています。
これからもガンバリマス。


【参考資料】 中小企業庁: 認定経営革新等支援機関による支援のご案内 (PDF)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/2014/download/141114panflet.pdf


「死ぬリスク」 について


Category: 猫次郎のたわごと(未分類)   Tags: ---
ある晩、「死ぬリスク」について、少し真面目に考えてみた。

私はトライアスロンをしている。(大会中に溺れそうになった経験あり)
昔は大型バイクにもかなり乗っていた。(転倒して怪我した経験あり)
山奥へ釣りに行って、熊に遭遇したことも3回ある。
川釣りで、流されて溺れそうになったこともある。
サラリーマンを辞めて独立して、倒産しそうになり、自殺まで思い詰めたこともある。
飛行機にもよく乗る。(そういえば調布飛行場は私のジョギングコースだ)

このように、どちらかといえば、人より危険な目にあうことが多い。

もちろん、自覚している。

ときどき、親切な知人友人から、「老婆心ながら・・・」 と、安全に生きるよう助言されることがある。
気持ちは嬉しいけど、老婆心は正直なところ、苦手だ。
私の精神は、老婆心とはまるで逆なのだ。

人間、いつ死ぬかわからない。
死ぬリスクは、どこにでもある。
通勤の途中に死ぬこともあるかもしれないし、
家族旅行中に死ぬこともあるかもしれない。
飲み会で死ぬこともあるかもしれない。
海水浴やBBQで死ぬこともあるかもしれない。
ゴルフで死ぬこともあるかもしれない。

では、死のリスクを徹底排除するために、行動範囲をより狭くしたほうがいいのだろうか?

私はそうは思わない。

死のリスクから離れれば離れるほど、危機に対処できなくなり、野生の勘も、たくましさも失い、
ちょっとしたことで死んでしまいやすいような気がするからだ。


8月12日の無料相談会に、強力な助っ人が登場予定!(面談による無料相談可)


Category: 講演、勉強会、イベントのご案内   Tags: ---
8月12日(水)は、毎月第2水曜日恒例の無料相談会の日です。
10時から18時まで開催しています。

基本的には、電話相談のみになります。予約不要。時間制限なし。完全無料。
相談内容も、無料ですので、あまり制約がありません。
経営、金策、借金、倒産、再生、保証、なんでもOKです。
但し、指名や時間指定や予約などはできません。
良くも悪くも、この日だけは「無制限」というわけです。
電話番号は、(03)5342-9488 (03)3229-8329 の2回線用意しています。

以上がいつもの第2水曜日の無料電話相談会の基本です。


★ さて、今月に限り、「予約制・人数限定・ご来所」による無料相談もお受けします。
先着3名のみにしたいと思います。
相談員は、はるばる仙台から助っ人で来て下さる、須田さんという方になります。
須田さんは、年齢60代前半ですが、私とよく似た経歴の方です。
中央大学商学部(大学院まで)卒。CTP認定事業再生士試験合格。
倒産・再生の実体験あり。
最近では、自社が民事再生法を申請し、スポンサーなしの自主再建型で終結決定までこぎつけたという、なかなかできない経験をされています。
8月12日、午後1時~5時頃まで。
お一人様1時間以内。
場所はNEKO-KEN事務所 (東京都中野区中央5丁目38-13, B-502)
予約ご希望の方は、 ooneko@nekojiro.net までメール下さい。 
締め切りは8月11日の夜まで。(但し定員になり次第、受付終了とさせて頂きます。)

★ 繰り返しになりますが、「電話」による無料相談会のほうは、予約などは一切不要です。
8月12日、午前10時~午後6時までお受けします。


無題(1か月ぶりの投稿)


Category: 講演、勉強会、イベントのご案内   Tags: ---
バタバタして、1ヶ月以上もブログ更新をサボってしまいました。

さて、8月です。

NEKO-KENの相談は、お盆休みのようなものは特に決めておらず、他のスケジュールさえ入っていなければ、随時お受けできます。

ご存知のとおり、有料相談と、無料電話相談と、勉強会と、顧問契約があります。

「有料相談」は、完全予約制。随時。
私の8月のスケジュールが結構埋まっていまして、8/12,17,18,19,20,21,22,23,27,28,31は完全に予定が埋まっています。
それ以外は今のところ対応可能です。

「無料相談」は、「毎月第2水曜日」の10-18時。今月は「8月12日」がその日にあたります。

「勉強会」は、今月は8月21日「リスケ入門」、31日「倒産を防ぐ」の2回のみ開催予定です。


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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。
事務所所在地は、東京都三鷹市下連雀3-31-4-206 (2021年4月現在)
経済産業省認定・経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
2003年開業。末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、事業承継、補助金、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
企業理念は「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
本名よしかわひろふみ。(株)NEKO-KEN代表取締役、CTP認定事業再生士、認定支援機関、著述業、ほか。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書13冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、予想外にヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに12回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。
2020年8月に脳梗塞発症。3週間ほど入院。しかし現在こうして文章を書いているし、手足も自由に動く。

★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。お急ぎの方はお電話でもOKです。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたはお電話下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(0422)46-9480

 
 
 
 
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