

2015年6月6日朝、東京出発。
370キロ先の愛知県知多半島へ向けて、一緒に参戦する池内氏と2人で運転交代しながら車を飛ばす。
(私は前日の夜まで仕事と研修と試験が続いたのでかなり寝不足気味・・・)

昼過ぎに現地(セントレア空港)到着。
空港内がアイアンマンの受付場所&説明会場になっている。
国際大会なので外国人選手も結構いた。
競技説明は1時間におよんだ。
約1500名が参加。

出場選手には、このようなリストバンドが与えられる。
これがないと選手の入場口に入れさせてもらえないので、翌日の試合終了まで外せない。

私の自転車。2010年に買って、通勤にサイクリングにレースにと5年間酷使した、FOCUS CAYOというモデル。
まだまだ現役。
今回はハンドルの中央部分に「DHバー」というバーを装着。(ヤフオクで3650円で落札)

タイヤは通勤用。サドルは擦り切れそうだけど交換せず。
整備は全て自分で。
【2015年6月7日 日曜日 決戦当日】

朝5時半、スタート地点到着。
前日に預けた自転車の空気圧などをチェック。補給食や飲み物などをセット。

ナンバリング。私のウェットスーツは長袖なので、掌にナンバリングしてもらった。
緊張が高まる。

スイムスタート地点を下見。 ここから戦いが始まる。

着替え場所の下見。 スイム終了後、ここでウェットスーツから自転車ウェアに着替えるのだ。

本番前に30分ほど、試泳する時間が与えられている。
岸から10メートルもいくと、足が着かなくなる。
100メートル沖まで試泳してみた。この時点では落ち着いていた。

池内氏。私の著書にも登場し、テレビ番組にも何度か一緒に出演して頂いたことがある「池内自動車」の社長。
過去に不渡り、競売、差押、ヤミ金の取立てなど、倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て経験したが、自己破産などせず、法的整理も一切せず、第二会社方式で逃げ切るようなこともせず、自力で再建。
現在は収益性もかなり回復。
スキーでインターハイ出場、スポーツ推薦など輝かしい経歴がある、バリバリの体育会系。
今回のアイアンマンも、水泳1.9㎞を42分で危なげなく泳ぎ切り、その後も危なげなく完走した。

私。 文化系男子。
プールでは30分で1.3㎞、1時間で2.7㎞泳げるくらいに上達したのだが・・・
* ここから本番スタート。写真なし。
【スイム 1.9㎞】
ここ2ヶ月間は、プールで毎月20㎞以上泳いだ。
だいぶ上達したつもりだったが、海で大会に出場するのは初体験。
1.9㎞の距離も大会としては初体験。
ドキドキしながら8時10分にスタート。
最初の100mほどは順調にクロールで突き進んでいったが、その後、急にいろいろ考えてしまい(足がつかない、視界が悪い、初めての海、初めての1.9㎞、過去のトラウマなど・・・)、急に恐怖心が襲ってきて、精神的パニック&過呼吸状態に・・・。
「ここで棄権しようか・・・」 という考えが頭をよぎっては消え、よぎっては消え、
必死にもがくように、平泳ぎでゆっくり泳いだ。
30分ほど平泳ぎでゆっくり泳いだら、どうにか平常心を取り戻すことができ、後半はクロールのみで泳ぎ切ることができた。
トータル55分もかかってしまった。
(目標タイムは45分だったのに・・・)
【自転車 90㎞】
これは比較的順調にいった。
だが、信号待ちのないノンストップで90㎞走った経験はあまりないし、予想外にアップダウンの多い道だったので、後半は思いのほか疲労が強くなってしまった。
当初の作戦では、「スイムとバイクで体力を温存して、最後のランで追い上げる!」 などと企んでいたが、実際には、スイムで棄権寸前になってしまったり、バイクで足の筋力を使い切ってしまったり・・・。
それでも、バイクを走り終えたときには、同行者の池内氏に追いついていた。
「よーし、このペースなら7時間台前半で完走できるぞ!」
【ラン 21.1㎞】
しかし、ランでもまたアップダウンの多い道が続いた。
最初の5-6㎞までは比較的順調に走ることができたが、その後、ふくらはぎを攣ってしまい、以後、両足のふくらはぎが攣り続け、歩いたり、エイドステーションで補給食をもらって休憩したり、また走ったりを繰り返しながら、ものすごくペースダウン。
心肺、スタミナはまだまだ余力があるのに、足が攣りまくって動かない。
そうしているうちに、どんどん制限時間(トータル8時間)が迫ってくる・・・。
ラスト3㎞。
ここで、足が攣ってもゆっくり走れるフォームを発見。
ゆっくり、だいたいキロ7分半くらいのペースで、歩かず走り続けられるように回復。
そして、7時間54分。
本当に制限時間ギリギリで、無事完走することができた。

ゴール地点。 さすが国際大会。実に華やかだった。

池内氏(左)は私より16分早く完走。しかも元気。さすがです。
私(右)はご覧のとおり、ダイエットに失敗し、メタボ体型のまま参戦。
見渡す限り、完走者の中でメタボ体型の選手は、私を除いて一人もいなかった。
世にも珍しい、デブのアイアンマン!?

完走者には「アイアンマン」のメダルが授与される。
私にとって、カネに代えられない一生の宝物になりそうだ。

試合結果。本当に制限時間ギリギリ。
というか、スイムの最初の10分でパニックになり「棄権」が頭をよぎったことを考えれば、よくまあ完走できたなあ、と・・・。
(制限時間に間に合わず完走できなかった選手も少なくない)
猫


久しぶりにトライアスロンの話題です。
私は現在、満46歳。
(8月で47歳になります)
メタボのオッサンです。
運動歴は、あまりありません。
中学生のときは弱小サッカー部の中堅以下でしたし、高校では帰宅部でした。
大学ではギター部でした。
社会人になってからも、30代半ばまで運動は皆無でした。
見た目も、典型的な文化系男子でした。
37歳になってから、自転車に凝りだして、ここで初めて運動をするようになりました。
39歳のときに、自転車で初めて100キロを超えるロングライドを経験。
41歳のときに、長野県王滝村で、生まれて初めての自転車レースに参戦(42キロ)
以後、43歳まで毎年、自転車レースに参戦。
過去のスポーツ経験は、これだけです。
43歳のとき、ある友人から、「トライアスロンに出てみないか」 と誘われたのがトライアスロンに興味をもつことになった最初でしたが、このときは、「まさか冗談だろ?」 という気持ちでした。
なにしろ、クロールで100メートルも泳げなかったのですから。
(50メートルも怪しかったかも)
しかしその後、事務所の近所の200円のプールにダイエット目的で通い出します。
泳ぎ方はYouTubeの動画などで少しずつ覚えながら、独学で、
「1週間5000メートル泳いでやる!」 と決め、その後、がむしゃらに3ヶ月で70,000メートル泳ぎ、
気がつけば、クロールで長距離を泳ぐことができるようになっていました。
43歳と10ヶ月が経過した頃でした。
この頃から、私の体質が、少し変わっていきました。
全身に力がつき、とりわけ心配能力が飛躍的にUPして、
ちょっとやそっとでは、息切れしなくなったのです。
おそるべし水泳効果。
そして、2012年8月。 44歳の誕生日の頃。
生まれて初めて、トライアスロンの大会に挑戦しました。
福島県猪苗代湖で開催された「うつくしまトライアスロン」。
スイム1.5キロ、自転車40キロ、ラン10キロ、計51.5キロの、オリンピックディスタンスと呼ばれる距離です。
結果は、スイムスタート直後にパニックになり(足が着かない恐怖、クロールで視界が悪く進行方向が定まらない恐怖、他の選手がぶつかってくる恐怖などが一気に襲ってきて過呼吸になった)、平泳ぎに切り替えて、
3時間30分というビリに近いタイムで、どうにか完走しました。
2回目のトライアスロンは、2013年6月、東京都立川市の昭和記念公園のプールを使ったショートコースでした。
水泳0.75キロと自転車20キロとラン5キロのショートコース。
これは1時間37分ほどで、あっさり完走できました。
3回目のトライアスロンは、2013年8月、45歳の誕生日の前後に、
「うつくしまトライアスロン」 に再度出場しました。
ここでまた、スイム1.5キロのスイムスタート直後に、第1回のトラウマが蘇ってしまい、必死に練習したのに、またもや平泳ぎであたふたしながら泳ぐ結果になってしまいました。
また、風邪もひいており、前年とほとんど変わらない3時間27分というタイムに終わりました。
4回目のトライアスロンは、2014年6月、山形県酒田市の「おしんレース」に出場しました。
しかしこの日は天候が荒れており、スイムが中止に。
自転車とランだけで競い合う「デュラスロン」に変更されてしまいました。
もちろん完走。まあ、そう悪くないタイムでした。
5回目のトライアスロンは、2014年8月の「うつくしま」でした。
46歳の誕生日の前後。
3年連続のうつくしま。 この大会は、妻が福島出身ということもありますが、それだけでなく、きれいな水、運営の良さ、素晴らしいロケーションなど、魅力満載です。これからも毎年出場したい大会です。
で、タイムのほうはというと、
この大会ではじめて、「クロールだけで1.5キロ泳ぎ切ること」 ができました。
トラウマ克服の瞬間です。
トータルのタイムも、3時間15分と、前年よりは12分も縮めることができました。
順位は下のほうですが、個人的にとても達成感を感じられた大会でした。
以上、2年間で計5回のトライアスロン大会に出場し、その全てを完走することができました。
泳ぎの苦手な、文化系、メタボオヤジの私が・・・!
これは大きな自信になりました。
但し、これらはいずれも、「オリンピックディスタンス」とか「ショート」と呼ばれる距離のものです。
ひそかに、「次はもっと長い大会に挑戦したい!」 という気持ちが強くなっていきました。
もっと長い大会とは、
「ミドル」 - スイム1.9㎞、自転車90㎞、ラン21.1㎞、計113㎞ (マイル表示だと70.3マイル)
「アイアンマン70.3」 という大会が有名。
「ロング」 - スイム3.8㎞、自転車180㎞、ラン42.195㎞ という最高峰。
「アイアンマンレース」「バラモンキング」などが有名。
特に、「アイアンマン」という称号には憧れました。
さすがに、ロングは想像もつかない未知の領域ですが、ミドルなら、そろそろ挑戦してもいいだろうという気持ちになってきました。
そして、今年の春、愛知県知多半島で開催される 「アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン」 という大会に思い切ってエントリーし、6月7日、予定通り出場しました。
結果は・・・、
海でトラウマと闘いながらスイム1.9㎞をなんとか泳ぎ切り、
自転車で90キロの長距離(坂道多数)を乗り切り、
最後にハーフマラソン21.1㎞(坂道多し)をどうにかこうにか走りきり、
制限時間ギリギリで、完走することができました。
(「その2」 へつづく)
※ 吉田猫次郎のトライアスロン戦歴 (2015年6月現在) :
・ 2012年8月 うつくしまトライアスロン (1.5+40+10㎞)
- 3時間30分 *スイムでパニックになり、トラウマ状態に
・ 2013年6月 昭和記念公園トライアスロン (0.75+20+5㎞)
- 1時間39分
・ 2013年8月 うつくしまトライアスロン (1.5+40+10㎞)
- 3時間27分 *スイムでトラウマ再び・・・
・ 2014年6月 山形酒田おしんレース (3.5+40+10㎞)
- 2時間47分 *悪天候のためスイムなし
・ 2014年8月 うつくしまトライアスロン (1.5+40+10㎞)
- 3時間15分 *トラウマ克服
・ 2015年6月 アイアンマン70.3セントレア(1.9+90+21.1㎞)
- 7時間54分 *初めての海。トラウマ再び・・・
以上、全戦どうにか完走。
メタボオヤジの飽くなき挑戦はまだまだ続く。