

最近、「知的資産経営」 についてもっと深く学んでみたいという気持ちが強くなり、この道の大先輩である五島宏明先生(中小企業診断士、認定事業再生士、知的資産経営認定士) の勧めで、財団法人知的資産活用センター(経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室の所管で設立された) の講座を受講しました。
そして講座の最後にテストを受け、合格し、今週から、「知的資産経営認定士」 に登録させて頂くことができました。
登録者リスト http://www.jiam.or.jp/course6.html
登録内容 http://www.jiam.or.jp/99_blank012151.html
これは「資格」とは違います。
同財団に、「知的資産経営に関する知識がある」 と認定されただけです。
エラくも何ともありません。
ただ、私の現在の仕事と大いに関連性があり、これから使う場面が増えると思います。
例えば、私は 「倒産を防ぐこと」 だけなら日本中のどの専門家にも負けないという自負がありますが、それはあくまでも倒産回避であり、「守り」に過ぎません。サッカーでいえば、ゴールキーパーのようなものです。「絶対に点を取られない自信がある」 と言っているようなものです。それだけでは得点することはできません。そういう偏った状態でした。
いっぽう、この「知的資産経営」は、「攻め」 に役立ちます。
本当の意味での「事業再生」につながります。
特に、私が普段見ているような、財務基盤がすこぶる弱い会社は、
豊富な資金にモノを言わせて設備投資や大量仕入れで稼ぐようなことができませんから、
財務諸表に載っていない、「カネに代えられない強み」を、より煎じ詰めて強化しなければ、まともな「攻め」ができません。
「知的資産」とは、平たく言えば、無形で、カネに代えられない、その会社の強みや個性の総称のようなものです。
例えば、優秀な人材、秘伝の製法、独自の物流システム、なかなか新規取引させてもらえない重要取引先とのパイプ、模倣困難なビジネスモデル、長年積み上げてきたアクセス数、などなど。
それらを自覚して(無自覚な潜在的強みなどもありますから、それを自覚して)、経営に役立てるのです。
「ナレッジ・マネジメント」 という言葉が90年代頃から注目されてきましたが、知的資産経営は、それをもっと発展させたものと言っても良いかもしれません。
「知的資産経営」 が役立つ場面は、数多く考えられます。
社内のマネジメントにも当然役立つでしょう。
社外の宣伝効果や、投資家向けのIR効果などにも役立つでしょう。
「守り」よりも、「攻め」や「安定化」に役立つことが多そうです。
また、金融機関も昨今は「知的資産経営」に注目しつつありますから(経済産業省や中小企業基盤整備機構も10年くらい前から啓蒙活動を始めている)、2000年頃の金融検査マニュアル改定以降ずっと続いてきた数字中心の定量的なスコアリングから脱却して、財務諸表にあらわれない知的資産経営報告書などのレポートも審査の参考にし、より定性的に貸出先企業を審査することが多くなってきそうです。既にそういう動きが広範囲に見えてきています。 (一例をあげれば、一時期大流行した「無担保」「スピード審査」を売りにした銀行プロパー融資。あれはコンピューターで機械的にスコアリングしていることが多かったのですが、上手くいかないケースが多かったと聞きます。最近はだいぶ減ってきました。)
このように、今まで得意だった「倒産回避」「守り」に加え、収益UPや経営安定化、ステークホルダーとの関係円滑化といった、いわば「攻め」や「中盤」 寄りのほうでも、今まで以上にお役に立てられそうです。 ガンバリマス。
猫