吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員のブログ

中小企業再生や敗者復活に関する投稿が主ですが、ホームページとブログを区別し、ここでは幾分ユルめの内容になっています。

 

「決算書が読めない社長さん」の、「読めない」レベルはどのくらいか?


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
 ちゃんとデータを取ったわけではありませんが、少なくとも、私がこれまでに相談を受けた、いわゆる経営不振に陥っている中小零細企業(事業規模にして年商3000万~2億円以内、従業員数0人~7人未満の会社が大多数を占める)の社長さんで、決算書の読めない方の割合は、だいたい8割かそれ以上にのぼります。

 「読めない」と言っても、いろいろな基準があると思いますが、ここでは、決して高度な分析能力を指しているわけではなく、基本的なことを意味します。


 具体的には、


△「売上総利益」と「営業利益」と「経常利益」と「当期純利益」の違いがわからない。

 - これでは自社の収益構造が漠然としかわからないでしょうね。将来の利益計画の立て方も、収入アップによって増収増益を図るのか? それとも費用カットによって減収増益を図るのか? などが明確に方向づけできないでしょう。コストカットの仕方についても、売上原価を削減して売上総利益率を改善するのか? それとも販売費一般管理費を削減して営業利益を改善するのか?、あるいは営業外費用(利息や割引料)をカットして経常利益の改善につとめるのか?、一体どれが自社にとって重要課題なのか?なども、わからないままでしょう。これではいけません。海図が読めない船長と同じです。


△「債務超過」と「借りすぎ」の違いがわからない。

 - 「債務超過」の定義がわからないから、債務超過という言葉に恐ろしく鈍感か、あるいは逆に、不必要にナーバスになってしまう社長さんが多く見受けられます。

 負債のみにとらわれず、資産とのバランスを常に見る必要があります。
例えば、仮に「1億円の借金」があるとしても、資産が1億5000万円~2億円もあればあまり心配にはおよびませんが(債務超過ではなく、資産超過ですね)、資産が1億円を大きく下回っていたら、これはもう立派な「債務超過」であり、いろいろ対策が必要です。

 「借りすぎ」かどうかについては、「債務超過」かどうかとは見方が大きく違います。債務超過かどうかは、資産/負債のバランスで判断しますが、「借りすぎ」かどうかを見極めるには、資産とのバランスだけでなく、「収益」との比較が欠かせません。
 例えば、売上高1000万円の小売業が1億円も借金していたら、債務超過であるないにかかわらず、「借りすぎ」でしょう。過剰資本、過剰投資です。利回り(総資産回転率やROA、ROEなど)も小さくなってしまいます。
 でも、売上高3億円の建設業が1億円の借金をしていたら、これはちっとも「借りすぎ」ではありません。

 こういった違いがわからなければ、金融機関との付き合い方(どの程度まで融資してもらうのが適切か?など)や、設備投資の加減具合(過剰設備ではないか?など)も、いつまでもピントがずれたままになってしまいます。 これでは良い会社を「構築」していくことなんかできません。いつまでたっても「場当たり的」な経営になってしまいます。


など・・・。



 決算書を読む力は、やはり、とても重要です。
どのくらい重要かというと、登山家にとっての地図、船乗りにとっての海図と同じくらい重要です。

 標高1000mに満たない山をガイドさん付きで登る程度なら、地図なんか読めなくてもいいでしょう。でも、2000m級以上の山を自らの力で登り切るには、地図が読めないと話になりません。遭難率がグンと上がってしまうでしょう。楽しみも半減してしまいます。

 小型船で内湾を小移動する程度なら、海図なんか必要ありません。でも、大海原へ出るには、海図が読めなければ話になりません。死にます。

 決算書もそれと同じです。小さく職人的に自営業スタイルでやっていくのなら、決算書が読めなくても構わないと思います。でも、従業員が10人、20人と増え、利害関係人が増えるにつれて、社長さんの舵取りの責任や経営戦略の難易度が増していきますから、本気で拡大・成長を目指すなら、決算書が読めないと危険です。


 皆さんが想像している以上に、決算書の読めない社長さんは多い。
ということは、見方を変えれば、決算書の読める社長さんは、それだけでも競合他社より優位に立てると言えるでしょう。数字が読めれば、自社の強みや弱みを正確に把握することができ、ムダを省くこともでき、計画の精度が増し、危険もより早く察知できますから。


 がんばりましょう。


 猫

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11月の「成果」


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
以下、どれもスゴいことばかりですが、サラっと書きます。


(1) サービサーとの自力交渉で、約3億円の債務免除交渉に成功した方。残債務が3億強で、和解額がその1/100くらい。しかも長期分割払い。さらには、連帯保証人が複数名ついていたが同時に免除。不動産担保もついていたが担保価値が低いこともあって競売も任意売却もなし。(業種や地域などはここでは書けません) 無担保無保証でないのにここまで減額できたケースは少ない。

(2) 某公的金融機関からウン千万円を債務免除してもらった方。これも自力交渉。過去に裁判を起こされて負けて、いつ差押されてもおかしくない状態だったが、粘り強い交渉が実を結んだ。連帯保証債務。一般的に、公的金融機関の免除は難易度が高く、事例も少ない。

(3) いちど倒産しそうになって、銀行からの借入を半年以上延滞し、事故になり、保証協会代位弁済。その後は保証協会に細々と返済を続けながら商売のほうは低空飛行を続けていたが、3年ほど前から業績回復。今年で3年連続黒字。決算書のB/S,P/Lも次第に良好になっていった。そして最近、レア中のレアである、保証協会の「求償権消滅保証」(ランクアップ保証)制度が適用され、事故・代位弁済になっていた既存の借入金が、普通の銀行の保証協会つき融資に借り換えられ、真水融資も少し出た。



冗談のような本当の話ですが、3名とも、あのNEKO-KENカレンダーを受け取った後、ここ2週間のうちに、このような嬉しい結末を迎えました。

半ばふざけて企画したカレンダーなのに、これはもしかしてもしかすると・・・!?


まだ在庫あります。お歳暮やクリスマスプレゼントにどうぞ。
http://www.nekojiro.net/shop.html


『不動産のしくみがわかる本』 中山聡(著) 向井博(監修)


Category: オススメの本   Tags: ---
nakayamafudousan

これも著者の方から一冊頂きました。
しかもサイン入り。(嬉)

signnakayama


著者の中山さんは、今年5月に富山県の不動産鑑定士協会北陸支部の総会でお会いしたのが最初で、そのちょっと後にNEKO-KENの大阪勉強会でもお会いしました。経歴がものすごく突き抜けていて、なんと、東大医学部(!)を卒業後、医師にならずに、金融、不動産、M&Aなどの分野に進み、現在は不動産鑑定士や建築士として活躍されています(古い家の「魔改造」的リフォームを自ら手掛けたり、遊び心のある方です)

監修の向井さんは、大阪勉強会の常連さんで、ご存知の方も多いと思います。もちろんコテコテの関西人。年齢30代半ば。行政書士、宅建主任者、ATP事業再生士補、そして格闘技マニアなどの顔を持った、これまた個性的な方です。かれこれ4年くらい前から親しくさせて頂いています。

中山さんと向井さんは、同じ会社の同僚だったことがあるそうです。


さて、この本。

表紙のタイトルがありきたりなので、ちょっとナメていました。(すみません・・・)

読んでみると、実に素晴らしい本でした。

不動産の知識をゼロから学びたい方や、これからマイホームを買うので住宅ローンの知識を身につけたい方にも向いているばかりか、私のような、不動産業ではないけど金融機関の担保権実行(競売)や任意売却などを傍で見る場面の多いコンサルタント業、あるいは金融業、その他士業の方にも大変向いていると思いました。

薄っぺらい内容の本だと思ったら大間違いです。
わかりやすい平易な文章で書かれていますが、退屈な部分がなく、要点がぎっしりつまっています。
読後には確かな充実感があります。

章と章の間にあるショートコラムも秀逸です。

これは本当にオススメ。





ビジネス図解 不動産のしくみがわかる本 (DO BOOKS)ビジネス図解 不動産のしくみがわかる本 (DO BOOKS)
(2013/11/08)
中山 聡

商品詳細を見る

『医療保険はすぐやめなさい』 内藤眞弓著


Category: オススメの本   Tags: ---
hokennaitou20131126


11月中旬に発売されたばかりのこの本、著者の内藤眞弓さんから1冊頂きました。ありがたやありがたや。

内藤さんは数年前にも同様の内容の本を出版されており、この分野には大変造詣の深い方です。

本の内容も、けっして民間の生命保険などを全否定するような偏ったものではなく、保険との上手な付き合い方を説くもので、大変勉強になります。


保険自体は決して無駄ではありません。「安心を買う」ものです。

でも、保険を「資産運用」のようにとらえるのは、ケースにもよりますが、あまりおすすめできません。

また、よく調べないまま保険会社の広告を鵜呑みにするのは、良くありません。
公的な健康保険でも、かなりの部分がカバーできますから。

本書は、保険料を必要最小限にとどめ、家計の負担を減らすために、大変有用な本です。おすすめ。



*以下、Amazonに掲載されている商品説明をコピペします。

内容紹介

■コマーシャルにだまされている! 実は医療保険は「払い損」
ご存じですか? 医療保険で200万円もらうには、一般的な手術が10回、入院を100日(日額1万円給付の場合)しないとモトが取れません! それなのに好感度の高いタレントが微笑むコマーシャルの大量投入により、不安をあおられて「医療保険」や「がん保険」に加入する人が続出。「保険に入れば一生安心」などとうたいますが、そもそも入院をベースとした「医療保険」は、高齢化社会には合いません。
何十年と医療費を支払ってきても、入院しなくてはお金はもらえません。一昔前は入院治療が常識だったがん治療も、今や通院での治療も多く、そうなれば入院していないので、医療保険から給付金はもらえないのです。さらに高齢になると多くなる、痴呆などでねたきりの入院では給付金がもらえないケースが多発。医療保険は基本的に掛け捨てなので、保険料を払うだけ払って戻ってこない「払い損」なのです。< 30代で月々5000円を30年払えば180万円。日本の公的な医療保険=「健康保険」は治療費が100万円かかっても実際に支払うのは9万円足らず。さらに300万円かかっても、保険が効くので実際に支払うのは10万円台。わざわざ民間の医療保険に入る必要はありません。すぐにやめてその分貯金に回した方が「掛け捨て」にはなりません!


■「医療保険」は、もう時代に合っていない
医療保険、がん保険の分野では日本一詳しいといえる内藤さんの最新刊となる本書では、今、膨大な広告量によって、ついつい多くの人が加入させられている医療保険、がん保険の不要論。
医療の進歩によって、今や、がんでも通院しながら治療を受ける時代。なのに、医療保険の基本は「入院日数」によってもらえる額が決まること。最新のがん保険は通院でももらえるものもうりますが、数年前~10年前に加入しして、民間の医療保険に保険料を支払い続けていても、日帰り手術+通院というケースでは、ほとんどお金をもらえず払い損です。
さらに「がん保険」は日進月歩の医療処方に合っていないため、5年経つともう旧式と思えるくらい、時代にそぐわないものが多いのです。ですからたとえ近い将来でも、万が一のときには「使えない保険」になってしまっていることも予想されます。
それなのに「一生安心」という宣伝にだまされてしまっていいのでしょうか?なるほど、と思わせるデータや事例とともに、「民間の医療保険」に頼るのは危ない、という事実に迫ります!


■高齢者ほど民間の「医療保険」は不要! < >150万円の貯金があれば若い人もやめなさい
「もらえるかどうかわからない医療保険」にお金を払うよりも、自分で貯蓄をしたほうが絶対におすすめ、というのが著者の主張。特に、それは高齢になればなるほど実感するはずです。
70歳以降になればどんなに医療費がかかっても、高額療養費で自己負担は1か月、高額でも5万円もかからないのにその世代は月々数万円も支払い保険に入っている矛盾。 さらに、シニア世代に必要不可欠なリハビリや介護サービス、通院費用、タクシー代などは全額自己負担で、民間の医療保険ではお金は一銭も出ません。
そういった支出に対応するには、保険にお金を払うより、その分貯金をして備えるべきだと思いませんか?




「一生安心」にだまされるな!  医療保険はすぐやめなさい「一生安心」にだまされるな! 医療保険はすぐやめなさい
(2013/11/15)
内藤 眞弓

商品詳細を見る

11 2013
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プロフィール

吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員

Author:吉田猫次郎とNEKO-KEN相談員
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【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。東京都中野区。
経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
ミッションは「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名よしかわひろふみ。1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書12冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、思いがけずヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに8回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

【相談員】
須田幸雄: CTP認定事業再生士。資金繰り改善、財務体質改善、労務、管理等に強い。

廣田守伸: CTP認定事業再生士。関西地区担当。事業再生コンサルタント歴16年以上の大ベテラン。

金久保 健: 中小企業診断士歴20数年。マーケティング、事業性評価、PL改善に強いが、事業再生コンサルタントとしても10年近い実績がある。

 
★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

★ このブログは長い間、吉田猫次郎ひとりで書いておりましたが、2017年8月より、3名の相談員と共同作業で投稿していきます。お楽しみに。

 
 
 
 
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