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吉田猫次郎のブログ(2005年~2020年分)

事業再生コンサルタント・吉田猫次郎の旧ブログです。恥ずかしいけど残しておきます。2021年からは別の場所に移転しました。

 

バカになれ


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
「事業再生の局面を迎えている会社」、すなわち、経営不振、延滞、リスケ、私的整理などの局面を迎えている会社の社長さんの多くは、
債権者の目を気にして、自分を目立たないようにしています。
ネットの更新などもあまりせず、行動範囲も狭くなり、自己アピールも消極的になりがちです。
このため、せっかくの商機を逃がしてしまいがちです。

本当にもったいない。
悪循環の最たるものです。
このままじゃ、売上も商機もますます落ちていって、債権者にもっと迷惑をかけることになってしまいますよ。
それで事業再生と言えますか?

事業再生業界の重鎮、越純一郎先生も、『事業再生要諦』というバイブルの中で、
「販売なくして再生なし」と書かれています。

英語で売上高のことを TOP LINE といいます。
損益計算書の約19項目(売上高、売上原価・・・当期純利益)のうち、
売上高が一番上(トップライン)に表示されているからです。
つまり、そのくらい重要項目だという表れでもあります。

大企業と違い、中小零細企業は広告宣伝費も販促費もあまり出せませんから、大企業と同じようなモノの売り方をしていては勝てっこありません。

中小零細企業は、商品やサービスを売るだけではいけないのです。
「自分を売る」ことまで考えなければ。

社長さん自身が商品なのです。

それを自覚して下さい。

これは営業や販売のためだけではありません。
経営全般にかかわることです。
社長さんが「自分を売って」おけば、イザというときに助けてくれる協力者があらわれ、
不測の事態にも強くなりますから。


10年以上前、私は、20代後半の極めて商才に長けた社長さんとよく遊びに行きました。
彼は2代目のボンボンでしたが、こと営業・販売にかけては、先代よりも優れたものがありました。
私も彼の影響をかなり受けました。(同世代でしたし)
彼は先代から、こう教えられたそうです。

「いいか。商品を売るだけじゃダメだ。売れるものは何でも売れ。おまえの着ているそのスーツでもパンツでも、笑顔でも泣き顔でも、武勇伝でも恥ずかしい話でも、買ってくれる人がいたら喜んで売れ!」

このような教えを受けて育った彼は、商談でもよく人を笑わせ、夜の酒の席でも大変な人気者でした。

彼の会社は、現在でも、売上・利益ともにすこぶる安定しているそうです。
ドンブリ勘定で、経営なんて学んだことがないのに、そのキャラクターで顧客をがっちり掴んでいるのです。
それだけでなありません。危機に直面したときも、必ずといっていいほど、誰か救いの手を差し伸べてくれるそうです。
みんな彼のことを放っておけないのです。
この人心掌握術は素晴らしいですね。


そういうわけで、皆さん。

もっとバカになりましょうよ。


社長さん自身がもっとバカになって、自ら「商品」あるいは「広告塔」になれば、そのぶん、広告宣伝費を節約しながらでも集客できます。そういう視点からも、お金を使わないセルフプロデュースというものを意識してみると面白いと思います。

切り口はいろいろ考えられます。

皆さんはTwitterやFacebookやブログをやっていますか?
これらは1円もかけずにできますよ。
手始めに、これらのツールを使って、「商品を売る」んじゃなくて「あなたを売る」ことをしてみてはいかがですか?
(但し「売る」といっても商売っ気を出すと逆効果なので、あなたの人となりを認知してもらうような感じで!)



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「重症? とんでもない。あなたはまだ軽症ですよ!」


Category: 借金苦による自殺問題   Tags: ---

感じ方は人それぞれ。わずか100万円の借金で不眠症になる人もいます。住宅ローンの2000万円の残債のために自殺まで思い詰める人もいます。

逆に、事業に失敗して10億円の借金が返済不能になってもへこたれずに次の戦略を考えている人や、親から4億円の連帯保証を背負って自宅を競売で失ってしまったのに娘さんの大学進学や家族旅行を怠らないツワモノもいます。(←うちの勉強会の常連さんはこんな人ばっかりです)

本当に、感じ方は人ぞれぞれですね。


そういえば去年、こんな手紙をもらったことがありました。(メールではなく「手紙」です)


≫≫ 「猫次郎様 はじめまして。藁にもすがる思いでこの手紙をお送りしています。猫次郎さんのことは図書館の本で知りました。実は、僕は〇〇県に住む35歳の契約社員なのですが、借金苦で自殺しようと思っていました。というのは、僕には総額150万円もの借金があるからです・・・」


このお手紙に対して、私はこんな返信をしました。


 「大丈夫です。まず借入先の社名と、それぞれの残債金額、利息、毎月の返済額、初めて借りた年数、保証人の有無などをおさらいして、1枚の紙にまとめてみてください。わかる範囲で構いません。
 その作業が終わったら、次は地元の法テラスや役所系の多重債務無料相談などを受けてみて下さい。
 自己破産はきっと勧められないでしょう。利息をゼロにして、分割払いで負担を軽減できる解決方法が2-3通りありますから、たぶんそれを勧められるでしょう。すんなりいけば、これで3ヶ月くらいで問題解決します。
 もし、どうしても地元に良い相談先がなければ、また私のところにご連絡下さい。私は中小企業の再生のコンサルタントを業としており、個人の多重債務は業務外ではありますが、毎月第2水曜日に無料の電話相談会を開催しており、この日だけは個人の方も無条件に無料で予約不要でお受けしていますので、ぜひご利用ください。
 尚、あなたの150万円の借金というのは、私が今まで相談を受けた中で1.2を争うほど少ないほうです。軽症です。安心して下さい。
 私が普段相談を受けているのは、借金が1億円以上あり、連帯保証人や抵当をたくさんつけられて、従業員や家族の生活もかかっていて、想像を絶するほどの重荷を抱えながら四苦八苦している零細企業の社長さんばかりです。中には借金が200億円以上あって資産がほとんどなかったり、超高金利のヤミ金から20件以上も借りている人もいます。それでも傷だらけになりながら生き延びています。
 あなたにも生き延びられないわけがありません。ぜひ、前向きに情報収集してみて下さい。情報から得た知識と、ちょっとした知恵と行動力さえあれば、必ず解決できます。必ずと断言します。 吉田猫次郎より」



このように、「解決」とか「安心」「大丈夫です」「必ず」といった表現を散りばめています。

また、「わかる範囲で構いません」といったように、義務感や固定観念にとらわれずにとにかく前進できるよう心がけています。


私がここで言いたいことは、次の2つです。


◎ 債務者の方へ: 「自分を特別視してはいけません。あなたにとってさぞかし深刻に思える問題でも、客観的にみたら軽症の部類に入る、解決しやすい問題かもしれませんよ。」

◎ 専門家の方へ: 「不安をあおるようなアドバイスの仕方をしたほうが商売としては儲かるのかもしれませんが、こと借金や事業再生の分野においては、自殺まで思い詰めている相談者の方も少なくありませんから、相談を受けるときは、商売や合理性云々の観点を一旦置いといて、まずは相談者の方を安心・リラックスさせてあげることに徹してあげてください。」



この2点です。






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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。
事務所所在地は、東京都三鷹市下連雀3-31-4-206 (2021年4月現在)
経済産業省認定・経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
2003年開業。末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、事業承継、補助金、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
企業理念は「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
本名よしかわひろふみ。(株)NEKO-KEN代表取締役、CTP認定事業再生士、認定支援機関、著述業、ほか。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書13冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、予想外にヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに12回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。
2020年8月に脳梗塞発症。3週間ほど入院。しかし現在こうして文章を書いているし、手足も自由に動く。

★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。お急ぎの方はお電話でもOKです。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたはお電話下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(0422)46-9480

 
 
 
 
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