
参加人数はゲスト(不渡り経験者3名と専門家1名)を入れて総勢10名という少人数でした。
やっぱり最近は手形を使う人が減ってきているんですね・・・。
読者の皆様のご参考のために、昨夜使ったテキストを一部修正してコピペします。
作成者は私です。細かい解説は省略します。
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【不渡りをギリギリで防ぐ方法】
・手形ジャンプ
- 最もよく知られている不渡り回避策。相手方と交渉して、従前の手形を破棄し、新しい手形を振り出し、期日を延期することに同意してもらう。もちろん信用は落ちる可能性が高い。
・3時過ぎの入金
- 銀行に頼んで裏口から入れてもらう。断わられることも多いが、うまくいった経験者も多い。珍しいケースでは翌朝一番に入金して間に合った人もいる。
・銀行に支払い異議申立て(異議申立預託金)
- 契約不履行や何らかの被害に遭った場合に有効。但し額面同額の預託金を用意しなければならない。
・依頼返却(手形の所持人と交渉して、所持人から銀行に返却を申し出る)
- これはヤミ金(システム金融)との和解交渉で使われることが多い手法だが、一般にはほとんど知られていない模様。
・法的手続き(おもに争いの余地が高い場合のみ有効)
- 特定調停&調停前の事前措置や、仮処分申請など。昔、手形貸付の高利商工ローンと戦う際によく利用されていた手法。
(参考)ひとくちに不渡りといっても、0号不渡、1号不渡、2号不渡がある。(0号は形式不備等/1号は資金不足等/2号は契約不履行や詐欺盗難紛失等)
【1回目の不渡りが出てしまったら?】
・2回目が出ないように延命努力すべきか?
・それとも、いっそ潔く清算するか?
・金融機関へ説得(期限の利益喪失、担保処分の回避)ができるか?
・取引先の風評、信用失墜を最小限に抑えられるか?
- 以上の「見極め」が肝要。延命しても意味がない場合もあるし、延命すべき場合もある。信用失墜や期限の利益喪失による一括請求も最小限に防げる場合も多々ある。
【2回目の不渡りが出てしまったら?】
・当座預金なし、普通預金口座のみで商売を続けられるか?
・借入なしで商売を続けられるか?
・債権者からの取立て(一括請求、訪問)を丸く収めることができるか?
・担保処分との戦いをどうするか?
・連帯保証人対策をどうするか?
・そもそも商売を継続するか?それとも廃業するか?
・継続するとしたら現在の会社のままで維持か?それとも第2会社に事業譲渡して今の会社は清算か?
-以上の「見極め」が極めて重要となる。置かれている状況によっては2回不渡りを出して銀行取引停止処分になってもそのまま事業を継続維持できる場合もある。
【不渡り後の再建方法-大きく2分類】
1.新会社へ事業譲渡して、旧会社は自己破産などで清算する
- 会社は潰れるが、中身の「事業」は別の会社で引き継いでもらって生き残りを図る。
2.現会社をそのまま継続維持する
- ドロ臭い自力再建か、それとも民事再生法など法的手続きを使うかなどに細分される。零細企業は多くの場合前者を選ばなければならないが、前者の場合、取立てや資金不足や信用失墜は覚悟。
ちなみに、2年後には銀行取引停止処分は解除される。
猫