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吉田猫次郎のブログ(2005年~2020年分)

事業再生コンサルタント・吉田猫次郎の旧ブログです。恥ずかしいけど残しておきます。2021年からは別の場所に移転しました。

 

他専門家とのコラボレーション~人と人とのつながりが不可能を可能にする!


Category: 企業再生・事業再生関連   Tags: ---
ウチに相談に来られる方は、銀行基準的にいえば、

「正常先」・・・・・2割
「要注意先」・・・・4割
「破綻懸念先」・・・3割
「実質破綻先」・・・1割

といったところで、他の経営コンサルタントでサジを投げられたような末期症状的な会社も少なくありません。

よって、解決の手法も、「リストラ」や「借り換え」や「リスケジュール」といった比較的軽いツールだけで片付くケースはさほど多くなく、多少傷を伴う手法や外科手術的な手法も必要とされます。
「リスケ専門」「ファイナンス専門」といった偏った窓口対応は許されません。

また、うちは法律事務所ではないし、「清算」や「手続き」よりも、
「再生」や「生き残り」を追求する事務所ですので、「破産専門」を謳うわけにももちろんいきません。

「引き出しの多さ」が求められます。
経営の知識、財務やファイナンスの知識、リストラクチャリングの知識、リスケジュールの知識、保証協会代位弁済の知識、抵当権の知識、サービサーの知識、連帯保証人の知識、事業譲渡の知識、会社分割の知識、M&Aの知識、民事再生法の知識、破産の知識といった事業再生の基本から(これらはほんの基本にすぎません)、それらをどう組み合わせて実践に応用するかというノウハウ、各業界の知識、はたまた経験から積み上げられてきた細部に宿る小ワザまで、いろいろ知っていないと務まりません。
ややオーバーにいえば、「何でも知ってないと務まりません!」

うちのメイン顧客である「零細企業や自営業」の場合は1万円のお金にも困っていることが非常に多いので専門家を多数使うことはなかなかできませんが(この場合アドバイス中心で、基本的には自力再生の方向で頑張って頂きます)・・・、たまに来る「ウン十億円規模の比較的大きな会社」の再生になると、他の専門家とのコラボレーションも欠かせなくなります。(ここでいう他の専門家とは、多い順に、弁護士さん、税理士さん、司法書士さん、不動産業者さん、社会保険労務士さん、行政書士さん、M&A仲介業者さん、不動産鑑定士さん、その他特殊な専門家です。 ちなみに中小企業診断士はウチの社内に1人います。)

たとえば会社分割。会社分割の場合(1)法律の専門家(違法性の有無や契約書書類のチェック・作成、登記など)(2)税務会計の専門家(資産目録の作成や財務デューデリなど)(3)事業再生コンサル(専門家の人選などコーディネート役や事業デューデリ、最初の診断など)といった最低3者が必要になります。これを1人の専門家だけでやろうとすると、法律か税務か事業のどれかで大きな穴が空いてしまい、どこかで大失敗してしまう恐れがあります。うちでは弁護士さんと税理士さんでチームを作って取り組むことが多いです(多いといっても会社分割自体少ないのですが・・・)。会社分割は非常にデリケートな手法なので、そっち方面に強い弁護士・税理士とどれだけつながりがあるかが鍵を握るといっても過言ではありません。また、不動産を所有している会社の分割には不動産鑑定士の出番もある場合があります。

民事再生や破産が必要そうな場合は、よくヒアリングしたうえで、こりゃ法的整理が欠かせないだろうなと判断したうえで、弁護士さんに「丸投げ」します。これら裁判所の手続きを伴う整理・清算は弁護士の独占業務だからです。もちろん報酬のやりとりにも一切タッチしません。 但し、民事再生中の企業の「事業そのものの再生」(P/L再生)を診る場合には、これは法律手続き外のことですので、うちでお手伝いします。

顧問税理士との関係が悪いために財務内容がガタガタで、このために金融機関から受けられるはずの融資が受けられないような会社もあります。これを税理士のせいにするかどうかの見極めはなかなか難しいのですが、時と場合によっては、他の「しっかりした税理士さん」を紹介することもあります。いい税理士さんは大勢います。

社労士さんの出番もあります。ほとんどの会社では、人件費のウェイトがやはり最も高い比率を占めていますから(労働分配率が6-7割を占めている会社が多い!)、これをどうするかを考える上で、社労士さんや税理士さんの意見は大変貴重になります。

社長さんが個人名義でカードローンの多重債務を抱えていることもあります。こういうときは、額によって違いますが、弁護士または認定司法書士さんを紹介して任意整理や過払い請求、あるいは個人再生手続きを受任してもらうことがあります。(これらもまた法律事務なので)

第三者の連帯保証人がついていて、その連帯保証人さんを何らかの形で守るためには、弁護士または司法書士さんを紹介して個人再生手続きを依頼する場合があります。

担保つきのローンが延滞気味で、金融機関から任意売却を求められているような場合には、任意売却に長けている不動産業者を紹介することもあります。また、不動産鑑定士さんの出番がある場合もあります。鑑定士さんは全国的に人数が少ないですが、私は非常に信頼のおける熱いハートの鑑定士さんを何人か知っています。

法的整理と組織再編とP/L再生と個人債務の整理を含んだ複合的なケースでは、弁護士さんを中心に立てて、税理士と不動産業者と社労士と事業再生コンサルの5人チームのような形で再生にあたることもあります。

ちびっ子向け「スーパー戦隊シリーズ」の主題歌ではありませんが、

「ひとりひとりは小さくても 5人揃えば ごらん 無敵さ~」 の境地です。


私自身は大した能力はありません。
ただ、「これは法的整理向きだな」とか「これは私的整理向きだ」、「これは事業譲渡より会社分割に向いてるぞ」、「これはリスケなんかしなくても借り換えでいけるぞ」、「これはリスケも借り換えもいらん。それよりも本業の利益を伸ばせる余地があるから診断士向きだな」、「この会社は経営者不在、舵取り不在だから、経営者代行的なターンアラウンドマネージャーが必要だ」、「この会社はこんな潜在能力があるからM&A向きかもな」とか、そういった「目利き」には自信があります。
方向性を示唆して、コーディネートすることには絶対の自信があります。

専門家はとかく専門的に偏りがちなので、こういう役割もまあ必要ではないかと・・・。


また、同業の事業再生コンサルタントとも親しくさせて頂いています。
「地域」や「業種」によってはウチであまり得意でないこともありますので、その道の再生に強い同業者さんは貴重な存在です。フランチャイズ業界にめっぽう強い藤原さん、北海道エリアに強い札幌の事業再生士の山崎さん、関西方面のとびきり優秀な事業再生コンサル(井原さん、松居さん、中村さん、森元さんら)を6-7人集めてLLC組合を立ち上げられた事業再生士の廣田さん、西日本のホテル旅館の再生に強い立石さん、農業再生に非常に強い中小企業診断士の酒井さん&金久保さん、などなどなど。

人と人とのつながりが、不可能を可能にします。
私はそういう事例を、数え切れないくらい見てきました。

今後ますます、交流範囲を広げていきたいと思います。

これは私自身にとっても大きな「財産」です。

(私は「資産」は何も持ってないけど、こういった「財産」には本当に恵まれているなあと感謝しています・・・)




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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。
事務所所在地は、東京都三鷹市下連雀3-31-4-206 (2021年4月現在)
経済産業省認定・経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
2003年開業。末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、事業承継、補助金、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
企業理念は「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
本名よしかわひろふみ。(株)NEKO-KEN代表取締役、CTP認定事業再生士、認定支援機関、著述業、ほか。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書13冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、予想外にヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに12回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。
2020年8月に脳梗塞発症。3週間ほど入院。しかし現在こうして文章を書いているし、手足も自由に動く。

★ 「相談」をご希望の方は、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。お急ぎの方はお電話でもOKです。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたはお電話下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(0422)46-9480

 
 
 
 
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