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吉田猫次郎のブログ(2005年~2020年分)

事業再生コンサルタント・吉田猫次郎の旧ブログです。恥ずかしいけど残しておきます。2021年からは別の場所に移転しました。

 

連帯保証人の恐ろしさは是非とも知るべきだが、あまり過度に拒絶するのもいかがなものかと・・・


Category: 連帯保証人問題   Tags: ---
私は数ヶ月前、友人の賃貸アパートの連帯保証人になりました。月額家賃38,000円のボロアパートです。
このくらいなら、いちいち「催告の抗弁権も検索の抗弁権も認められていない連帯保証人など恐ろしくてなれません、身元保証人や民法で定めた普通の保証人なら喜んでなってあげましょう云々・・・」などとややこしい突っ込みを入れるのも野暮なので、全てを承知で、二つ返事でOKし、連帯保証人に署名捺印しました。

久しぶりに他人の連帯保証人になりました。これからどうなるか楽しみです。

もちろん、連帯保証人の恐ろしさは誰よりもよく知っています。
私は25-9歳のサラリーマン時代に、当時年利35%~40%の高利の商工ローン(商工ファンド、日栄、イッコーなど、総額4000万円以上)の連帯保証人になったことがあります。
その他、ヤミ金や、賃貸マンション、店舗開業、就職、入院などの細かいものも含めれば、保証人になった延べ回数は、20回や30回ではきかないでしょう。
連帯保証人として厳しい取立てを受けたことも何回もあります。
訴訟や差押をされたこともあります。

また、連帯保証人に関する本を出版したことも2回ほどあります。
へたな専門家よりも、連帯保証人については詳しいと自負しています。


* さて、ここからが本題です。


今朝、こんな話を聞きました。

「手術で3日間ほど入院することになった。病院から、入院時に連帯保証人を2人立ててくれと要求された。1人は妻がなってくれたが、もう一人がなかなか見つからなかった。親しい友人や同僚に連帯保証人になってくれと頼んでみたところ、みんな断られた・・・」

皆さんならどうしますか?

入院時に「連帯」のつく保証人を求める病院もいかがなものかと思いますが、それにしても、この人の場合、入院費用(自己負担分)はせいぜい5万~10万円未満のものです。人柄も問題なく、人望も厚く、金銭トラブルも皆無な人です。
それなのに、親しいと思っていた友人知人に、連帯保証人になるのをことごとく断られてしまいました。
(最終的には病院に頼み込んだら奥さん1人でOKしてくれたので良かったのですが・・・)


「連帯保証人は恐ろしい制度だ。絶対になっちゃいかん!」と親から教えられている人も最近は多いでしょう。
あるいは奥さんから「連帯保証人になんかなったら、あんた、離婚よ!」と云われている人もいるかもしれませんね。
それはそれで、否定はしません。よく知らないものにハンコを押すのは良くありませんから。

でも本当は、そういうふうに頑なに何でもかんでも拒絶するのでなく、連帯保証人という制度や、契約書に印鑑を押すことの責任の重さ等をよく熟知することが何よりも重要なのであって、熟知したうえで柔軟に決めるのが一番いいと思います。
繰り返しますが、よく知らないものにハンコを押すのは絶対良くないに決まっているので、熟知していないのなら拒絶するのが無難です。が、熟知したうえでケースバイケースでイエスかノーか決めるのが理想だと思うのです。


もし私が、この人から入院時の連帯保証人になってくれと求められたら、たぶん次のように答えるでしょう。
その際、確認すべきポイントがいくつかあります。

(1)保証する金額はいくらか?最悪、最大でいくら負担することになるか?

 → 「保証させられる危険性が低く、かつ、万一何かあっても俺の経済力で負担できる金額なら、喜んで保証人になるよ。」

(2)本当に「連帯保証人」でなければならないのか?「ただの保証人」ではダメなのか?

 → 「(金額や程度によるが)ただの保証人になら喜んでなってやる。でも、連帯のつく保証人は、できることならなりたくないな・・・」

(3)そもそも本当に2人も保証人を立てる必要があるのか?交渉の余地はないのか?

 → 「いちど病院に交渉してみたら?もしかしたら奥さん一人で大丈夫かもよ。でももしダメだったら、(金額や程度によるが)俺が保証人になってやってもいい。」


・・・ていうかそれ以前に、手術で入院するための保証人ならば、うだうだ云わずに二つ返事で「よし、わかった」と承諾してしまうでしょうね。


自己防衛は大切ですが、過剰防衛になる必要はないと、私は考えます。
友人が喜んでくれるなら、多少のリスクなど負ってもいい。



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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。
事務所所在地は、東京都三鷹市下連雀3-31-4-206 (2021年4月現在)
経済産業省認定・経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
2003年開業。末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、事業承継、補助金、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
企業理念は「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
本名よしかわひろふみ。(株)NEKO-KEN代表取締役、CTP認定事業再生士、認定支援機関、著述業、ほか。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書13冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、予想外にヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに12回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。
2020年8月に脳梗塞発症。3週間ほど入院。しかし現在こうして文章を書いているし、手足も自由に動く。

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