吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

「経営者保証ガイドライン」について、中小機構が全国でセミナー&相談会を開催するようです。


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詳しくは下記サイト参照。
http://keieishahosho.smrj.go.jp/

ページには、こう書かれています。(一部抜粋)

■開催日程・会場
全国各地で100回開催いたします。
「スケジュール」ページにて、日程・会場の詳細をご確認の上、お申込ください。
■参加費
無料
■募集人数
1会場につき40名 ※先着順、定員に達し次第締め切らせていただきます。
■参加対象者
中小企業・小規模事業者、支援機関 および 士業等
■主催
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
■後援
中小企業庁、金融庁、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国銀行協会



・・・ このガイドラインは、2014年2月から開始されましたが、実際に適用されたケースはまだまだ非常に少ないようで、今後のさらなる普及に期待したいところです。 でもガイドライン本文を読むと、適用にあたってはいろいろとっつきにくい部分があり、専門家でもよく勉強しないと理解しきれません。

というわけで、私もさっそく申し込みました。


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連帯保証人問題 - 2014年8月26日の民法改正要項原案について、私の感想。


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◆ まず、2014.8.26. 産経新聞より引用します。

 「法相の諮問機関「法制審議会・民法(債権関係)部会」は26日、賃貸契約の「敷金」の定義などを盛り込んだ改正要綱の原案を大筋で承認した。改正内容の骨格がほぼ固まったことになり、法務省は条文の整備作業に入る。日常生活での契約ルールを定める民法の債権分野の改正は制定以来120年間ほとんどなかったが、法相が諮問した「社会・経済の変化への対応」と「国民への分かりやすさ」の実現へ向け大きく前進することになりそうだ。」

 (ソースは http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140826/trl14082620080005-n1.htm )


◆ 次に、民法のどこが大きく変わるのかを、同じく産経新聞の同日の記事から引用します。

 「法相の諮問機関「法制審議会・民法(債権関係)部会」は26日、「国民に分かりやすい民法」を目指す民法改正の骨格を固めた。アパートの「敷金」返還や借金の時効など、国民にとって身近でありながら分かりにくかった契約ルールをシンプルで明快なものにしようとしている。120年ぶりの民法改正で、国民生活はどのように変わるのか。

敷金 返還義務が発生

 アパートの賃貸契約が終了した際に借り主に戻ってくる「敷金」については、これまで民法上の規定がなかった。(中略)

連帯保証 個人は原則禁止

 中小企業が融資を受ける際に求められる「連帯保証」。個人が保証人になることを原則的に禁止とした。ただし「貸し渋りを招く」などとする経済団体の意見を取り入れ、契約前に債務を履行する意思を表示した公正証書を作成すれば保証人になることができるようにした。さらに(1)経営者(2)株主(3)事業に従事する配偶者-はこれまで通り保証人になれる例外も認めた。(中略)

消滅時効 条件付け「5年」

 未払い代金の時効については、「飲食店が1年」「医療費が3年」など職業ごとに異なる「短期消滅時効」が定められているが、これを「(未払い代金の取り立てを)できることを知ったときから5年」に統一する。(中略)

法定利率 5%から3%へ

(ソースは http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140826/trl14082621280006-n1.htm )


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以下、私の感想です。 (個人保証・連帯保証について)


1. 新聞記事を読んだ限りでは、「中小企業が融資を受ける際に」「個人が保証人になることを原則的に禁止とした」「ただし、契約前に債務を履行する意思を表示した公正証書を作成すれば保証人になることができる」「さらに(1)経営者(2)株主(3)事業に従事する配偶者-はこれまで通り保証人になれる例外も認めた。」 ・・・とあり、一昔前のような「人質体質」からのより一層の脱却は期待できそうです。

 但し、すでに2006年頃から、金融機関は徐々に第三者の個人保証を取らなくなってきており、また2011年頃には金融庁も経営と関係のない第三者保証人を極力取らないよう通達を出しています。 さらには、2014年2月には経営者保証に関するガイドラインというのも運用開始されていて、このように、ここ8-9年の大きな流れとして、「経営と関係のない第三者的な個人の連帯保証人」は取られることがめっきり減っています。
 
 よって、私の率直な感想としては、「個人が保証人になることを原則として禁止とした」 というだけでは、今までと大して変わらないんじゃないか? という気がしないでもありません。

2. 「保証人」と「連帯保証人」の違いについての議論が、抜けているのではないか!? という点が、ちょっと気になります。 

 まだ一部の新聞記事しか読んでいないので私が知らないだけなのかもしれませんが、「連帯」についての責任の範囲について (民法454条と前2条にある、連帯保証人は催告の抗弁権も検索の抗弁権も有しない、というやつ。つまり、「連帯」がつくと、責任の範囲が「全責任」に限りなく近くなる!)、 メスを入れてはくれないのでしょうか?
私が民法改正で最も期待したかった部分です。
ここが変更無しのままだとしたら、本当に残念です。


3. 拙著 『連帯保証人』 (ワニブックス新書 吉田猫次郎著) でも書きましたが、
 中小企業の借入などで「個人保証」を提供することは、日本以外の国でも数多く行われており、特に禁止する必要はないと思うのです。 それが「ただの保証人」ならば・・・。
 つまり、「検索の抗弁権」も「催告の抗弁権」も(「分別の利益」も)認められ、主債務者と連帯保証人の責任の順位がハッキリしており、主債務者が明らかに返済不能になったときだけ、責任の範囲を限定し、人道的な範囲で保証するのだったら、別に構わないと思うのです。

 問題は、「ただの個人保証」 ではなく、「連帯保証」 が、あまりにも多く濫用されていることだと思うのです。
ほとんどの人が、ただの保証人と連帯保証人の違いなど知らないまま、ハンコを押してしまっています。
銀行の金銭消費貸借契約書も、文具屋で売られている法令様式の借用書も、不動産賃貸の契約書も、どれを見ても、「保証人」とは書かれていません。「連帯保証人」と書かれています。これは絶対におかしい。

 「連帯」 さえつかなければ、たとえば、身内が独立するときなどに、「よし!俺もおまえを応援しているから、保証人になってやる。但し俺は貧乏だから、賃貸アパートの保証人になるのはせいぜい家賃の2-3ヶ月分相当だけだぞ。銀行借入の保証人になるのはせいぜい上限300万までだぞ!」  などと指定することも可能だと思います。
 また、 「独立資金を銀行から1000万円借りるのはいいが、俺が個人保証できるのは、その借入額の元本の50%までだぞ!」 などと細かく指定することも可能だと思います。
 これなら被害は最小限で済むでしょうし、被害額の予想もつきます。

 しかし、これに「連帯」つき、それに何の疑問も持たないようだと、賃貸アパートの保証の範囲は「家賃」だけにとどまらず、延滞金や原状回復費用、果ては事故が起きたときの途方もない賠償金なども連帯して全額保証させられるという無限的なリスクが出てきます。銀行借入も、単なる元金の保証にとどまらない、利息や遅延損害金まで加算して、全額を連帯して保証させられるという事態になります。
 こうなると、被害額の予想がつきません。自分の資力をはるかに超える、ウン千万、ウン億もの金額を請求されたという個人の方も、昔から数多くいました。

 なぜここにメスを入れないのか!?


4. あまり「個人保証」の規制を強くし過ぎると、別の問題が浮上してしまう恐れがあります。たとえば、中小企業の決算書類の「信ぴょう性」です。 

 大企業のように、監査法人など財務諸表を細かくチェックしていれば、貸し手も財務諸表を安心して審査の材料にすることができ、ひいては保証人など要らなくなることも増えるでしょう。 (ちなみに上場企業では、社長が借入金の保証人になっていることは皆無です)

 しかしいっぽう、資力に乏しい中小企業は、監査法人などを入れるコストが捻出できないところが多い。零細企業や自営業にいたっては、監査法人どころか、税理士に決算書を作成してもらう費用さえも捻出できず、社長さん自身が慣れない会計ソフトを使って決算書を作成しているような会社も数多くあります。粉飾する気はなくても、これでは経営の実態を正確にあらわしている決算書など到底できないでしょうし、こんな決算書では、銀行も安心して貸せないでしょうから、やれ保証人だの、やれ保証協会の保証付きだの、やれ担保だのと言われても仕方ないと思います。

 正論をいえば、中小企業も零細企業も、正しい財務諸表を作成し、それを監査法人のようなプロの第三者にチェックしてもらい、財務諸表の正確さを担保したうえで、保証人不要で融資を受けるのが、本来あるべき姿なのでしょう。

 しかし残念ながら、そのような正論を実行できる会社は、中小、零細になればなるほど、少ない。ただでさえ人件費率の上昇や原材料費の高騰にあえぎ、社会保険加入の義務も強化され、「会社の維持費」を支えきれなくなっている会社が多いのです。接待費・交際費など使う余裕もなく、あらゆるコストを削減して、やっと従業員を食わしていけているような、ギリギリ、カツカツの会社のほうが・・・。 

 よって、あまり選択肢を狭めると、ますます廃業する会社が増え、新たに起業しようという人が減り、日本経済は底辺から崩れていく恐れがあるかもしれません。

 話は個人保証・連帯保証の話に戻りますが、そのようなわけで、私は、「ただの個人保証(責任の範囲が限定されている)」は特に撤廃の必要なし、今回報道されたような内容でOKだと思いますが、ぜひともこれに加えて、「連帯」の部分を改正して欲しかったと思います。

 長くなりました。このへんで。


 猫





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(2011/12/08)
吉田 猫次郎

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「経営者保証に関するガイドライン」


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12月5日付の日経新聞で、 「全国銀行協会や日本商工会議所が主催する研究会は5日、経営者自らが融資の保証人になる「経営者保証制度」を見直す指針を発表した。業績が悪化した場合でも、中小企業の経営者の手元に当面の生活費や自宅などの財産を残すことを認める。契約済みの個人保証も含め、来年2月から適用する。」 という記事がありました。

この記事の通りだとしたら、我々中小零細企業の経営者(=そのほとんどが借入の際に個人保証している)にとって、超ビッグニュースと言えるでしょう。

ただ、これは新聞記事です。新聞に書かれていることが100%正しいとは限りません。

よって、この問題に関心のある方は、ガイドラインの原文を読んでみることをおすすめします。

「全銀協ニュース」25年12月5日号に、ガイドラインに関する公式発表と、ガイドライン原文のリンクが貼ってあります。
http://www.zenginkyo.or.jp/news/2013/12/05140000.html


私もさっそく、ガイドラインと、そのQ&Aをプリントアウトして一読してみましたが(全部で62ページほどあった)、一般の人にはわかりにくい内容だと思いました。国語力はもとより、金融や法律(特に保証人や倒産関連の法律)、それに私的整理などの知識がないと、理解するのが難しいかもしれません。(例: 「停止条件又は解除条件付保証契約、ABL~」とか「準則型私的整理手続き」など、専門用語がかなり出てきます。) これら一字一句を理解することも大切ですし、文脈を読み取ることも大切です。(かくいう私も一度ザッと読んだだけなので、まだ理解しきれていません。もう一度熟読してみます。)

文中には確かに、「自宅を残すことができる」旨の文言が書かれていました。これは大いに期待したいところですね。
しかし、そのためには、いろいろ厳しい要件を満たす必要があります。誰でも適用されるわけではありません。

その他、経営者の個人保証を最初から必要としない融資をもっと増やすことや、既に個人保証しているものを外すことなども盛り込まれていました。やはり条件は厳しそうですが、非常に興味深い内容です。

これらが普及すれば、後継者が安心して跡継ぎしやすくなるでしょうし、これから起業しようとする人にも抵抗感が薄れるでしょう。また、一度失敗した事業者の再出発もしやすくなるでしょう。失敗経験を活かし、果敢にチャレンジしようという気概も生まれやすいでしょう。

「法律」ではなく、まだ「ガイドライン」にすぎませんが、数年後に予定されている民法改正(保証人制度も変わる?)に向けての、良い準備期間にもなると思います。債権者側、債務者側、双方にとって。


とにかく、非常に大きな節目が来たと感じます。
私個人的には、2009年に中小企業金融円滑化法が施行された時よりも、今回のガイドラインのほうが、はるかにインパクトの強いニュースです。

時間を見つけて、このガイドラインをもっと熟読し、詳しい専門家から情報収集したりして、より詳しく解説できるようにしたいと思います。お楽しみに。





(寝不足のため文章がいつも以上に雑になってしまった・・・)

債権回収会社から1億円請求 → 自力交渉で5万円に!(残りは債務免除)


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昨夜の勉強会に、拙著『借金なんかで死ぬな!』(朝日新聞出版,2009年)の275~281ページにご自身の体験談を寄稿してくださった幸村大助さん(仮名)が、はるばる関西のほうから来てくださいました。

そこで幸村さんからお聞きした近況がスゴかったので、ご本人承諾のもと、当ブログで少し紹介させていただきます。

幸村さんのお父様は、ある会社の連帯保証人になっていました。
幸村さんは、そのことを知らないまま、お父様が亡くなった後に、普通に「相続」をしてしまいました。

ご存知の方も多いと思いますが、相続は「プラスの財産」だけでなく「マイナスの財産」まで相続されてしまいます。それも、借金のようなわかりやすいマイナス財産だけならいいのですが、「他人の連帯保証人になってしまった」というような、実態が見えにくいマイナス財産まで相続されてしまうのです。(皆さんも気をつけましょうね)

数年後、亡きお父様が連帯保証していた会社が、破産しました。

青天の霹靂。
ある日、幸村さんのところに、銀行から「5億円返せ」と請求が来ました。
聞けば、亡くなったお父さんが連帯保証人になっていた。幸村さんはその相続人だから、連帯保証も相続されるから、あなたに5億円払って欲しい、とのことでした。
幸村さんは、ここで初めて、連帯保証債務の存在に気づいたのです。

もちろん、一個人に5億円も払えるわけがありません。
幸村さんは、弁護士さんに相談して、「相続放棄」の可能性などを探りましたが、いろいろあって放棄はできませんでした。そうなると残された方法は、普通に考えたら「自己破産」しかないでしょう。
しかし幸村さんは自己破産しませんでした。「法律的な経済合理性の高い解決方法でなくてもいい。時間がかかってもいい。自力でやる!」 と。

途中経過は省略します。

数年経った最近では、銀行の債務は何口かに分かれ、あるものは債権回収会社(サービサー)に債権譲渡され、またあるものは信用保証協会に代位弁済されて、それぞれから請求が来続けていました。

信用保証協会には話し合って月ウン千円ずつだけ払っています。

債権回収会社のほうは、直近では、元金と遅延損害金あわせて1億1千万円以上を請求されていました。
もちろん一括では払えません。分割でも一生かかっても払えません。
そこで幸村さんは、「少ない金額で一括で払うことで、残りを債権放棄してもらえれば・・・」と考えていました。

法律的根拠はありません。裁判をやっても100%勝てないでしょう。
権利だの義務だのという次元では、幸村さんは、1億1千万円以上を、債権回収会社に払わなければならない義務があるのです。

でも見方を変えれば、それはあくまで法律上の権利義務云々の話であって、それ以外の見方や考え方、たとえば、オバチャンが商店街で値札に100円と書いてあるネギやダイコンを50円にまけてよというのに近い感覚で、柔軟に、型にはまらず、額面通りにとらえず、値切り交渉をすることだってできます。(但しそれが可能かどうかは状況判断が非常に難しいので、鵜呑みにしないように!)

とにかく、幸村さんはこの戦法でいくことにしました。


そして、その結果が、冒頭の写真です。

残債務114,953,672円が、50,000円の1回払いで和解成立しました。
差額の114,903,672円は、一切、免除されました。
ご丁寧に、「これで完済とする」とまで書かれています。



すごいですねえ。

私も、1億円が50万になったとか40万になったとかそのくらいまではよく聞くので珍しいと思いませんが(相手が債権回収会社の場合、この程度のことはよくあることです)、さすがに5万円というのは記録的です。初めて聞きました。


でも、幸村さんの債務はこれで終わりではありません。まだ何億円も残っています。

幸村さんはサラリーマンです。マイホームも持っていません。貯金もほとんどありません。
ご自身では、借金をしたことがほとんどありません。この5億円の債務も、お父様が他人の連帯保証人になっていて、その連帯保証債務が幸村さんに相続されたという、なんとも不条理なものです。 そんなもののために、自己破産したくなかったという意地のようなものも、少なからずあったのでしょう。


ここではその交渉術のようなものは省略しますが、とにかく、ひとつの事実として、法的整理などに頼らず、柔軟な発想と行動力で、完全な自力で、ここまでこぎつけた方がいるのだということを、このブログに記録しておきたいと思います。






借金なんかで死ぬな!借金なんかで死ぬな!
(2009/06/19)
吉田 猫次郎

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SFCG(商工ファンド)、まだしぶとく・・・


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今日の無料相談会で、久しぶりにSFCGの連帯保証人になった方から相談がありました。
この方は、今も毎日のように督促の電話を受けているそうです。(主債務者は自己破産したそうです・・・)

SFCGという会社は、2009年に破産開始決定を受け、今はもう消滅しています。

その後、主な貸付債権は日本振興銀行などに債権譲渡され、債務者の方々は日本振興銀行やその関連の会社や代理人などから請求を受けていました。

しかし、その日本振興銀行も経営破綻し、今では解散しています。そして、SFCGから日本振興銀行に譲渡された債権は、イオン銀行などが買い取って現在に至っています。

残債が残っていて今も返済を続けている債務者さんの多くは、そのイオン銀行と話し合って、交渉でいくらか元金や利息をまけてもらったりして返していると聞きます。実際、私のまわりでSFCGに債務が残っている社長さんもそうしており、ほぼ収束方向に向かっている人ばかりでした。

ところが・・・。

今日相談を受けた方は、SFCGから債権を買い取ったというスカイ○○という会社の、そのまた回収委託を受けたという、エイ○○○債権回収株式会社というところから、連帯保証債務ウン百万円を払えと毎日のように請求され、給与を差し押さえるぞと脅されているという相談でした。


気になったので、ちょっと調べてみました。


なるほどなるほど。日栄・商工ファンド対策全国弁護団のページ(SFCG債権譲渡110番という、2年ほど前に開設されたページ)に、大変参考になることが書かれていました。
ここです。  http://nichiei-sfcg-bengodan.com/110411.pdf


これを見ると、どうやらエイ○○○債権回収は実在する法務大臣認可のれっきとした債権回収会社(サービサー)ですが、SFCGの有していた債権のうち、日本振興銀行も見向きもしなかった回収困難な「クズ債権」「ポンカス債権」を、時価で安く買い取ったみたいですね。債務者6500人分、額面230億円のものを、6億5000万円で。
ということは、230億円分の債権を、額面の2.8%くらいの超安値で仕入れた計算になりますね。また、債務者1件分あたり平均10万円で買い取ったことにもなりますね。

まあ、ポンカス債権ならこのくらいで売買されるのは珍しくも何ともないでしょう。
よくある話です。


ここまでわかれば、対処法はなんとなく見えてきますね? (省略)



このように、ちょっとインターネットで調べただけでもいろいろと出てきますから、困ったら、まずネットで調べる習慣をつけてみましょう。




全資産の没収、防止へ 個人保証、金融機関を規制 政府が中小企業支援(朝日新聞)


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四国・高松で講演した時に大変お世話になったDSKプランニング代表の方から、連帯保証人関連の興味深いニュースを教えて頂きました。

詳細はこちら。
http://blogs.yahoo.co.jp/hirossann4141/37902833.html


少し抜粋すると、

「政府は、金融機関が中小企業の経営者にお金を貸すときに求める「個人保証」の規制を強化する。経営不振で返済できなくなった経営者から資産をすべて取り上げないよう、今春をめどに金融機関の行動指針(ガイドライン)をつくり、指導する。経営者の再出発を後押しするのがねらいだ。(以下略)」
(2013年1月18日 朝日新聞デジタルより)

だそうです。


* ところで、私がこのニュースを読んで気になったのは、「信用保証協会」の動向です。

今回のニュースでは、金融機関が対象となっているようですが、信用保証協会は金融機関とは微妙に異なるので(監督官庁も違う)、信用保証協会にもこれが適用されるのかどうか・・・?

実際、信用保証協会の連帯保証人問題は、今も深刻な問題を引き起こしていることが少なくありません。

信用保証協会は、平成18年春から「経営と関係のない第三者を連対保証人にしない」という方針を発表し、その通りになりましたが、逆にいえば、平成18年春より前は、信用保証協会が第三者の連帯保証人を取るという、まるで笑えないギャグのようなことが普通に行われていたのです。

信用保証協会は、私たち中小企業の「保証人代わり」になってくれる公的機関です。
その保証人代はりになってくれる機関が、主債務者から連帯保証人を取るという、ちょっと理解に苦しむことが、ごくごく普通に行われていたのです。平成18年春までは。

つい数ヶ月前にも、サラリーマンの方から、「昔、弟の自営業の連帯保証人になり、それが今になって、信用保証協会から2000万円以上の請求が来ました。話し合いに行ったら、自宅を売却して返済して下さいと言われました。もうパニックです。離婚話にまで発展しています・・・」 という相談を受けたばかりです。聞けば、この方は平成17年頃に弟さんの銀行借入の連帯保証人になり、それはご多分にもれず信用保証協会つきの借入でした。弟さんは頑張って返済を続けてきましたが、平成24年に資金繰りが限界に達し、長期延滞、期限の利益喪失、一括請求、事故になりました。そしてその後、銀行は保証協会に代位弁済の手続を取り、代位弁済後は信用保証協会から請求が来るようになりました(求償権請求ですね)。弟さんは保証協会と話し合って、月3万円ずつ返していますが、それが精一杯のようです。残元金は2000万円以上残っています。不動産担保も取られていますが、その担保物件は地方の売れない土地で、競売にかけても数百万円にもならないと思われます。そのためか、いまだに競売にはなっていません。しかし保証協会としては何らかの回収をしなければならないので、連帯保証人であるサラリーマンのお兄さんのところへの請求が本格的になり、現在に至っているというわけです。 (ちなみに私は、この方の相談を一通り聞いて、サラリーマンで安定収入があるし自宅抵当権も住宅ローンのみだし保証債務も2000万円程度なので、個人再生手続=住宅ローン特別条項つき給与所得者再生で解決可能だと思い、個人再生手続きに強い地元の弁護士さんを紹介しました。その後うまくいっているようです。でも、もしあのまま良い相談先に巡り会わなければ、家も取られて離婚話も深刻化していたかもしれませんね・・・)


会社規模が小さくなればなるほど、金融機関から融資を受けるときは、「信用保証協会の保証つき」である割合が高くなりますから、この手の問題を考えるときは、金融機関にだけ対策を講じるのではなく、「信用保証協会」にも同様の指導なりガイドラインなりを敷いてほしいと思います。

さあ、どうなるかな?



ピンチのとき、思考停止になってはいけない!


Category: 連帯保証人問題   Tags: ---
久々に「連帯保証人問題」のカテゴリーで書きます。


連帯保証で悩む人の数は、だいぶ減少したと感じます。(但し私の実感ベース)
これ自体は、大変喜ばしいことです。

私が連帯保証人として最も苦しんでいた2000年頃までは、まだ法律や救済制度が整備されておらず、もう「何でもあり」の状態でした。暴力的な取立てあり。利息は年40.004%まで合法。契約書だけでなく公正証書作成嘱託委任状(公正証書を取られると裁判で争わずに給与差押などができてしまう)や根抵当権設定承諾書(自宅に根抵当権仮登記を設定されてしまう)まで取られるのも当たり前。ひとつの契約に連帯保証人が4人も5人もつくことも珍しくありませんでした。

救済制度も少なく、個人再生手続きはまだ誕生していなかったし、特定調停もできたばかりでほとんど知られていなかったし、任意整理も受任してくれる弁護士さんも多くはありませんでした。銀行のリスケジュール交渉も情報が少なく、試行錯誤の繰り返しでした。

このため、主債務者はソフトランディングが難しく(「正常に返す」か「破産」かの二者択一しか選べないのが普通でした)、ちょっと経営不振に陥ると即自己破産になりやすかったし、また主債務者が自己破産すると、連帯保証人も一緒に自己破産せざるを得ないという過酷な環境でした。
(それでも私は第三の選択を必死になって模索したのですが・・・)


しかしその後、徐々にですが、債務者保護のための法整備などが進んでいきました。

2000年には「特定調停法」が施行され、高金利を低金利またはゼロ金利の長期分割払いに仕切り直して和解させてもらうことが容易にできるうようになりました。また同じ2000年には出資法の「上限金利」が40.004%から29.2%に引き下げられ、いくぶんマシになりました。

2001年には民事再生法の個人版である「個人再生手続き」という制度ができ、住宅ローンつきのマイホームを守りながらそれ以外の債務(連帯保証人として背負ってしまった債務も含む)を大幅に減額することが可能となりました。

2003年には「認定司法書士」が誕生し、従来なら弁護士しかできなかった裁判事務および代理交渉(任意整理など)が、簡易裁判所で扱う規模(だいたい140万円)までの事件に限り、認定司法書士でも取り扱えるようになり、これにより、相談先が飛躍的に増加しました。

2005年には「破産法」が改正され、破産しても残せる財産(自由財産)が少し増えたり、手続きが幾分簡略化されたりして、破産がいわゆる懲罰制度ではなく救済制度であるとの色合いがより強くなりました。また個人再生手続きの上限金額も上がり、利用できる幅が広くなりました。

2006年には「法テラス」が誕生。法律家が町にほとんどいない過疎化地域にも、徐々に法律家が増えていったほか、無料相談なども急増し、相談が格段にしやすくなりました。また同年、「信用保証協会」が第三者の連帯保証人を取らない方針に切り替えました(自主的に)。

2007年からは「改正貸金業法」が国会で討論されはじめ、2010年までかけて段階的に施行されました。これにより、グレーゾーン金利は完全に撤廃され、過剰貸付などもなくなりました。取立て規制などもより厳格化され、怒鳴ったり大勢で押しかけたり第三者へ請求したりする業者は今まで以上に厳しいペナルティを受けるようになりました。

2008年は法改正とは関係ありませんが、高利商工ローンの最大手がバタバタと倒産しました。

2009年には「中小企業金融円滑化法」(通称モラトリアム法)が施行。金融機関からの借入金返済に苦しむ中小零細企業が「リスケジュール」で一息つきやすくなり、会社が突然死することも随分減ってきました。(ちなみに最近の中小企業の倒産は、「突然死」よりも「衰弱死」のようなパターンが多いです・・・)

2011年には、金融庁が「第三者の連帯保証人」を原則として取らないよう、各金融機関に通達を出しました。これは法律ではありませんが、一定の効き目はあったと思います。


以上、自分の記憶を頼りにダーッと書いてみましたが(もしかしたら少し間違いがあるかもしれませんが、大筋では合っているはず)、このように、債権者と債務者の関係はここ10年で急激にフェアになり、債務者の救済方法も「100か0か?(約定返済か破産か?」のような二者択一でなく、いろいろ選択肢が考えられるようになり、現在に至っています。



・・・とはいえ、現在でも連帯保証人として苦しんでいる人は少なくありません。
一昔前の異常な時期よりは減ったというだけです。

2010年以前に銀行の連帯保証人になってしまった経営と関係のない第三者は、今もその連帯保証をなかなか外してもらえません。
2006年以前に信用保証協会の連帯保証人になってしまった人も同様です。滅多なことでは外してもらえません。
その数、おそらく全国で数万人~数十万人に達するでしょう。(数千人ということは絶対にありえません)


連帯保証人として苦しんでいる皆さん。
大変でしょうけど、決して自暴自棄にならないで下さい。
あなたには、まだまだ解決策があります。

それも、ひとつやふたつではありません。
柔軟に考えることさえできれば、最低でも2つ3つの選択肢があるはずです。

具体的な解決方法は省略しますが(今までにも本やホームページやブログ等でさんざん書いてきましたのでそちらをご参照下さい)、ここでは、自分に合った解決方法を見つけるためのコツというか、予備知識というか、心構えのようなものだけ少し書いてみましょう。以下。


1.「法律」だけが全ての解決方法とは限らない。法律的解決方法とはすなわち弁護士さんに依頼して自己破産、個人再生、訴訟(例:連帯保証債務無効の訴え)を申し立てることなどを意味するが、そういう法律的な手続きだけでなく、自分の言葉で、ちょうどオバチャンが商店街でダイコンやネギを値切るように「お金がないからまけて!」と値切るような柔軟な交渉もある。また、その柔軟な交渉の中身も、「月1万円ずつの長期分割払い」のような返済長期化交渉や、「1000万円の残元金を200万円に免除してもらう」といった債務免除的な交渉、はたまた「元金は1000万円払うけど、利息や遅延損害金は免除。また支払方法は10年間の分割払い」といったような複合的なものまで、いろいろなパターンが考えられるし、実際にうまくいった例も多い。

2.「額面どおり」にとらえないこと。請求書や督促状が来たぐらいでうろたえるな。請求書や督促状だけなら強制執行をするほどの法的強制力はないし、話し合いの余地も十分ある。それに、債権者の言い分にどこか間違いがあることもありうる(例:グレーゾーン金利とか、保証の範囲が不透明とか)。また、利息や遅延損害金などは実質的に免除してくれる場面も多い。こんなものは知恵と行動力でどうにでもなるのだ。「このままでは天文学的な数字に膨れ上がってしまう・・・」と考えるのは生真面目すぎ。額面通りにとらえずぎ。

3.「合理的な解決方法」が「最良な選択」であるとは限らない。たとえば、あなたが連帯保証人として信用保証協会から1億円請求されていたとする。信用保証協会は法律的には争いの余地がないことがほとんどだから、いくら裁判で争っても無駄。また1億円もあると個人再生手続きは使うことができない。となると、最も経済合理性の高い法律的な解決方法は「自己破産」になるだろう。だが逆にいえば、経済合理性の高さにこだわらず、連帯保証債務がゼロになることにこだわらなければ、自分で保証協会と交渉して毎月1万円ずつのんびり払うという選択肢もある。借金や連帯保証債務は、無くすのが全てではない。上手に共存するという選択をしたっていいはず。解決までの道筋だって、最短距離の直線道路が全てではない。曲りくねった脇道を選んでもいいはず。


4.自分を「特別視」してはいけない。同じような悩みを抱えている人は、他にもゴロゴロいる。いちどうちの勉強会や、連帯保証人制度改革フォーラムの定例会に来てみてほしい。参加者のおよそ7割以上が、億単位の借金や倒産危機に瀕しており、他所のどの専門家に相談に行っても「自己破産しかありませんねえ~」とアドバイスされた重症患者ばかりだ。それでもあえて、自分の意思で自己破産を選択せず、それ以外の生き残り方法を懸命に考えている。そしてそれなりの成果を出している。これがもし、「こんなに悲惨なのは自分だけだ」自分を特別視して塞ぎ込んでいたら、道は開けなかっただろう。自分以外にも同じような境遇の人がいると知っただけでも、だいぶリラックスできるはず。そして「三人揃えば文殊の知恵」というように、同じ境遇の人が寄り集まると、思わぬ知恵が生まれる。知識だけでなく、知恵が。


5.ピンチのとき、「思考停止」になってはいけない。高額の督促状がきても、遅延損害金がどんどん膨れ上がっていっても、裁判を起こされても、自宅が差し押さえられても、それぞれ個別に打てる手はある。慣れればどうってことのないことばかりである。「差押」とか「法的手続」という言葉には独特の恐ろしさがあるけど、必ず打開策はあるから、とにかくそこで思考停止にならないように!


以上、少しでもヒントになれば幸いです。

あとはあなた次第です。
あなたが主役なのです。




新刊本、12月8日に発売しました!(連帯保証人関連)


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「 連帯保証人 」 ハンコ押したらすごかった、でもあきらめるのはまだ早い! (ワニブックスPLUS新書)「 連帯保証人 」 ハンコ押したらすごかった、でもあきらめるのはまだ早い! (ワニブックスPLUS新書)
(2011/12/08)
吉田 猫次郎

商品詳細を見る



* 以下、まえがきの原稿(未修正段階)より引用。

我が国には数え切れないほどの本が出版されていますが、なぜか、連帯保証人に関する書籍はごく僅かしか出版されていません。

本書は、その数少ない本のひとつです。

連帯保証人になってしまったことのある人は、おそらく相当多いと思われます。
中小企業白書によると、我が国には中小企業が419万社ほどあります。
そのうち「小規模企業」が約366万社を占めます。
中小企業の「中」あたりではメインバンクから融資を受ける際に代表者の個人保証を取られる割合が6割程度のようですが、小規模企業ではこれが8割以上に跳ね上がります。
統計に出てこない自営業者にいたっては、100%近くが個人保証していると思われます。

ここでいう個人保証とは、ほぼ全てが連帯保証人を意味します。
ただの保証人と違い、連帯保証人は対抗の余地が非常に少なく、実質的に主債務者とほぼ同等の責任を負います。

中小零細企業の経営者だけではありません。親戚や友人知人のような第三者が連帯保証人になっているケースも多々あります。

また、借金の連帯保証人以外にも、アパートやマンションの賃貸借契約で連帯保証人を要求されることがよくあります。
全国で賃貸住宅に住む世帯数は約2000万世帯ほどあり、この中で、都市部に住む人のおそらくかなりの割合が、身内に連帯保証人になってもらって契約していると思われます。

連帯保証人に関する公式な統計がないので(これも問題ですね)、はっきりしたことは言えませんが、おそらく、借金と不動産賃貸借とその他(リースや奨学金やFC加盟店契約等)を合わせると、推定1000万人以上の人が、何かしらの連帯保証人になっているのではないでしょうか? 私もその一人です。(中略)

連帯保証人は、知れば知るほど恐ろしい制度です。

決して大袈裟ではなく、現実にハンコひとつで全財産を失ってしまうことがあります。
いや、それどころかハンコを押していなくても知らないうちに保証債務が「相続」されて、全財産を失ってしまうことさえあるのです。

あなたにとっても他人事ではありません。
私たちはその真の恐ろしさを知っておかなければなりません。できるだけ早く。

不条理なことに、連帯保証人になってしまう人の多くは「か弱い個人」です。
何のトクにもならないのに、本当に善意だけで他人のためにハンコを押し、能力をはるかに超えたリスクを背負っているのです。

いっぽう、大企業の社長は自分の会社の債務保証などしません。
上場会社で役員個人に債務保証させている会社はゼロです。

社会的に強い者ほど連帯保証人とは縁遠く、弱い者ほど連帯保証人で苦しめられやすいのです。
こんなことが許されていいのでしょうか?

本書は、連帯保証人という制度について全く知らない人のために書いた入門書です。
要所要所で専門用語が出てきますが、難解な言い回しはなるべく控え、サラリーマンや高齢の方にもわかりやすいように書いたつもりです。

この本を読み終えたあなたは、もう容易に騙されることはないでしょう。
たとえ連帯保証人になってしまって債権者から取り立てがきても、冷静に対処できることと思います。

おもな構成としては、前半で連帯保証人制度の恐ろしさと基礎知識を、後半で連帯保証人制度の濫用を防ぐための提言や、具体的解決方法を書きました。

東日本大震災の影響を受けて経営危機に瀕した中小企業や、その連帯保証人として苦しんでいる人も最近は急増しています。大丈夫です。本書を読めば、解決策がまだまだ沢山あることに気付くはずです。

このほか、近い将来予定されている「民法」(債権法)の改正も、連帯保証人制度の改正につながる可能性がありますので、これについても少し触れてみました。

私の願いは、読者の皆さんが個々に問題解決能力を身につけてくれることはもちろんのこと、それにとどまらず、連帯保証人という制度を見直すべく、大きな運動を起こすきっかけになってもらえればという思いで、本書を執筆しました。
実例も多く散りばめた読みやすい本です。
どうか最後までお付き合い下さい。

吉田猫次郎



* さらに、ブログ読者さんのために補足解説します。

私がこの本で、新たに強調したいと思ったことがいくつかあります。

それは、「ただの保証人」はさほど悪いことではない。問題なのは、「連帯」がつく保証人と、その連帯保証人制度があまりにも広範囲に濫用され過ぎている、ということです。

「ただの保証人」と「連帯保証人」の違いは、このブログの読者さんならもうお分かりですよね?

ただの保証人は、主債務者が完全に支払不能になったときだけ、それを補う役目を負います。
(催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益が認められている)

だけどこれに「連帯」がつくと、「取りやすいほうから取れる」のです。
(催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益が認められていない)

この違いはあまりにも大きい。

ちなみに保証協会や保証会社は「保証人代わり」になってくれる機関ですが、そんな保証協会や保証会社でさえも、「連帯保証人代わり」には絶対なってくれません。
「連帯」がつくとつかないとで、それほど大きく違うのですよ。

そんな怖い制度が、ローンやリースの場で、不動産賃貸の場で、フランチャイズ契約の場で、果ては奨学金などの場でも、あまりにも広く、無自覚のうちに濫用されているのです。

繰り返しますが、私は「ただの保証人」なら保証の範囲が限定されているのでべつに構わないと思います。これまで完全に撤廃してしまったら、さすがに銀行も融資できないでしょう。不動産賃貸業もいろいろ難をきたすでしょう。
でも、「連帯」はいらないと思うのですよ。「ただの保証人」だけで充分ではありませんか。

その違いを、より多くの方に知ってもらいたく、そのへんを強調しながら執筆しました。

私は「個人保証の完全撤廃」を望んでいるわけではありません。

「連帯保証」の「濫用」がいけないということを強調したいのです。


それともうひとつ。

金融機関が第三者の連帯保証人を取ることは、ここ1-2年ですっかり減りました。
だけど、過去に連帯保証人になってしまった第三者の連帯保証人さんはそのままです。
これもまた、無視できない深刻な問題です。
こうした、第三者の連帯保証人についても、当然のことながら触れています。



信用保証協会に連帯保証人を取られている人


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前にも何度か触れたとおり、信用保証協会は2006年4月から、原則として、経営と関係のない第三者を連帯保証人に取らなくなりました。

逆にいえば、2006年3月以前は第三者の連帯保証人を取っていました。

保証協会とは、私たちの保証人代わりになってくれる機関のことです。
その保証協会が、連帯保証人を取る。
寒いギャグのようですね。
しかし事実です。

いくら「今は取らなくなった」といっても、「過去に連帯保証人になってもらった人」は、今もなかなか外してもらえません。
現在でも、信用保証協会の(第三者)連帯保証人になったまま、交渉が難航している人が大勢います。

つい先日も、「保証協会に元金1000万円、遅延損害金2000万円、計3000万円請求されている」という年金生活の70代の方や、「いまだにサラリーマンの兄と公務員の友人が2人連帯保証人になっていて、一緒に返済を続けています。自宅を抵当にとられています」という方の話をお聞きしたばかりです。

保証協会の回収担当者は総じて紳士的で、ヤクザまがいの取立てなどは100%ありません。ですが、「仮差押」とか「根抵当権仮登記」とか「訴訟・裁判」とか、そういう言葉を悪気もなくサラリと言うので、素人である連帯保証人の方は生きた心地がしません。

知識や経験のある人なら、保証協会から「訴訟します」と言われても、それが民事訴訟であること、和解の余地があること、裁判で負けるのはほぼ確実かもしれないが裁判外でも和解や話し合いの余地があること、時効中断のためにやむなく訴訟すること、訴訟で負けて債務名義(強制執行権)を取られても土地建物以外はやられる可能性が低いこと、土地建物を強制競売かけられそうになってもまだその手前で話し合いの余地があること、などなど、いろいろ道があることを知っていますから、冷静に対処できることでしょう。裁判といってもべつに手錠をかけられ身柄を拘束されるわけではないし。

でも、連帯保証人、とりわけ第三者の連帯保証人は、その多くが平凡な生活を送っている人なので、そんな知識も経験もありません。
よって、「法的手続き」と聞いただけで震え上がってしまい、精神的パニックに陥りがちです。本当にかわいそうです。


保証協会の連帯保証人。
何か独自の救済制度ができないものですかね?
「連帯保証人版・私的整理ガイドライン」とか。


「連帯保証人」 と 「ただの保証人」 の違い


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うちのホームページの読者の方ならとっくにご存知でしょうが、
連帯保証人と保証人は、大きく違います。
残念ながら、有識者でもこの違いを知っている人はあまりいません。

両者の最大の違いは、

・催告の抗弁権がある/ない
・検索の抗弁権がある/ない
・分別の利益がある/ない

の3点でしょう。

具体例をあげれば、

(ただの)保証人なら、主債務者が返済不能になったことがハッキリするまでは、債権者からの取立てに抵抗することができます。「主債務者がまだ商売を続けているんだから、そっちのほうに請求してくれよ!」と。また、保証人が2-3人いれば、その人数で割ることも可能です。「1000万円の保証人になっているけど、俺のほかに3人、あわせて4人いるから、1000÷4=250万円だけ負担させてくれ」とか。


ところが、これに「連帯」がつくと、
連帯保証人の場合、催告の抗弁権も検索の抗弁権も認められていませんから、主債務者が完全に返済不能になっていなくて、ちょっと遅れただけの状態であっても、連帯保証人は取り立てを受ける可能性があります。それでも連帯保証人は文句をいえません。また、連帯保証人が2-3人いても、人数割りで負担軽減という考え方は通用せず、債権者は「取れるヤツから全額取る」ことができます。「XXさん、あんた連帯保証人なんだから、1000万円全額返してよ!」と。

これだけ差が大きいのに、誰もこのことに疑問を抱いていません。

連帯保証人制度に問題意識を感じている有識者の論調を読んでも、その多くは
「個人保証はけしからん」といったもので、なんとなく、連帯保証ももただの保証人も区別なく、とにかく個人保証は何でもいけないという感じになっています。でも私はそうは思いません。

私は、ただの保証人は(本人さえ良ければ)べつに構わないが、連帯のつく保証人だけは何らかの形で「禁止」にすべきではないか、と思っています。

ちなみに、都道府県の信用保証協会や民間の保証会社の存在意義は「私たちの保証人代わりになってくれる機関」にほかなりませんが、よーく見て下さい、どこにも「連帯保証人代わりになってくれる」とは書かれていません。「(ただの)保証人」であって、「連帯保証人」ではないのです。
わかりますか?
保証料を取ってビジネスとしてやっている保証協会や保証会社でさえも、「連帯」のつく保証人には、絶対ならないのです。

この違いをより多くの皆さんが認識することが、連帯保証人制度を考える上で、とてもとても大切なことだと思います。






【おさらい問題】

保証人と連帯保証人の違いを300文字以内で述べよ。



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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
★ 「相談」をご希望の方は、当ブログではなく、ホームページのほうに申込方法等を記載していますのでご覧下さい。有料と無料があります。 → 吉田猫次郎ホームページ

★ 取材、講演、執筆依頼は、直接メールまたは電話またはFAX下さい。 ooneko@nekojiro.net TEL(03)5342-9488 FAX (03)3229-8329

 
 
 
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