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吉田猫次郎のブログ(2005年~2020年分)

事業再生コンサルタント・吉田猫次郎の旧ブログです。恥ずかしいけど残しておきます。2021年からは別の場所に移転しました。

 

苗字を変えればブラックが消えてカードが作れる?甘い甘い!


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
いまだにそう思っている人が多いようなので、おさらいしましょう。

無理です。

カード会社は、審査のとき、信用情報機関に登録されている個人信用情報を照会します。

このとき、最も有力になる手がかりは、「下の名前」 と 「生年月日」 です。

苗字は結婚や養子縁組で簡単に変えることができるし、
住所や電話番号や勤務先などは、コロコロ変わって審査の際に特定できない場合も多いですが、
「下の名前」と「生年月日」は滅多なことでは変えることができないので、
それを辿れば、過去の履歴が見つけやすいからです。

たとえば、山田花子さん (旧姓・鈴木花子さん) という方が、
3年前に自己破産して、今、新たにクレジットカードを申請したとしましょう。

「自己破産した3年前は、まだ鈴木花子という名前だったけど、
今は姓が変わって、山田花子になっている。だからきっと、
ブラックリストも消えているんじゃないかしら?」

そう思って、カードの申込をしたのですが、
結果は、「否決」でした。

このとき、カード会社がCICなどの信用情報機関に照会かけたところ、
「山田花子」という名前では過去のめぼしい履歴を見つけることができなかったので、
 「花子さん」という下の名前と、「生年月日」で照会しました。
すると、何名かの候補者がリストアップされてきました。 
あとは過去の履歴や、住所、勤務先、電話番号、配偶者などを手がかりにして、山田花子さん=過去に自己破産したことのある鈴木花子さんであることを突き止めるのは時間の問題です。

自己破産したという情報は、だいたい、破産開始決定の日から数えて5年 (免責確定から5年のことなどもあるので多少前後する) ほど残ります。
その間、新たに借金したりカードを作ったりできないのが普通です。

山田花子さんの場合、あと2年我慢すれば、山田花子だろうが鈴木花子だろうが関係なくカードを作れる状態になるでしょう。そこまで我慢するのが筋です。

それを、「苗字が変わったから、もう作れるでしょ!」 などと考えるのは、ちょっと浅はかですね。



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ブラックでも作れるVISAカード、ETCカード (2013年版)


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
メルマガ(メールマガジン・有料版のほう)では、普段はどちらかというと事業再生・倒産回避の各種テクニックを詳しく解説することが多いですが、最新号では久しぶりに、「個人のカード」、とりわけ、倒産や債務整理などで信用に傷ついてしまった方のための、生活再建に役立ちそうな、審査がユルくて、かつ、決して借金依存体質にならないおすすめのカードを紹介してみました。


以下、その記事を一部抜粋します。


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吉田猫次郎メールマガジン (「まぐまぐ」有料版 0001370151)
http://www.mag2.com/m/0001370151.html

【第62号】 2013年9月20日発行 (毎月10日、20日、30日定期発行)

[もくじ]==============================================
◾ブラックでも作れるVISAカード、ETCカードなど
◾編集後記
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ブラックでも作れるVISAカード、ETCカードなど

この話題は、何年かに一度の頻度で触れていますが、
今回もそれと似たり寄ったりの、だけど2013年最新版の情報になります。


(1) ブラックでも作れるVISAカード

 ゴチャゴチャ説明する前に、まず、実際にブラックでも作れるVISAカードを紹介しましょう。


 ・ 楽天銀行VISAデビットカード (2007年に旧イーバンクとして開始)
   http://www.rakuten-bank.co.jp/card/debit/

 ・ スルガ銀行VISAデビットカード (2006年より開始)
   http://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/service/benri/visa_debit/

 ・ りそな銀行 りそなVISAデビットカード (2011年より開始)
   http://www.resona-gr.co.jp/resonabank/kojin/service/hiraku/visa_debit/index.html

 ・ あおぞら銀行 あおぞらキャッシュカードプラス (2013年より開始)
   http://www.aozorabank.co.jp/kojin/products/use/cashcard_plus/



 (以下、ETCカードや、作りやすい根拠などの解説が続きますが、ここでは省略します。)




 猫

完済後に届いた1枚の紙切れ


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
昔の書類を整理していたら、こんなのが出てきました。
懐かしいなあ。


takefuji




どんな形であれ、完済すると喜ばれるものです。
契約書なども一式返してくれるのが普通です。

【武富士CM復活とか】 消費者金融・商工ローンの最近の動き・・・


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
「消費者金融」
 = 消費者向けの貸金業者。クレジットカードのキャッシング等と違い、貸金を専業としている。代表的なのは、アコム、プロミス、アイフル、レイク、武富士など。取立ては総じてキツい。毎日の電話による催促、催告書、督促状、たまに訪問なども。

「商工ローン」
 = 最近めっきり使われなくなった呼び名だが、要は、事業者向けの貸金業者のこと。「金融機関」ではない。「ノンバンク」のくくりには入る。昔は商工ローンといえば出資法上限ギリギリの高金利だったが(29.2%とか40.004%とか)、現在は法改正のため、15%位のところがほとんど。取り立ては消費者金融と同様、総じてキツい。連帯保証人はあまり取られなくなったが、貸付時に約束手形をとったり、公正証書を作らされたりすることは今も少なくない。


さて本題です。

消費者金融や商工ローンは、出資法の上限金利が40.004%だった西暦2000年頃までは急成長していました。続々と株式上場していきました。しかし同年はじめ、大手商工ローンの「目玉売れ」「腎臓売れ」の取立てが社会問題化したことを機に、2000年6月に出資法の上限金利が29.2%に下げられ、やや収益率に陰りが見え始めました。しかしそれでも年29.2%です。儲かります。2005年頃までは、長者番付に大手消費者金融の社長が何人も名を連ねていました。世は不景気になって久しく、需要はいくらでもありました。またTVCMの規制も90年代半ば以降は無いに等しく、ゴールデンタイムでも堂々とCMを流していましたから、借りに来る人はいくらでもいました。

大きく陰りが見えてきたのは、2006年頃からです。

(要因1)
 一部のクレサラ系弁護士さんや司法書士さんらが全国でいくつも団体を作り、情報交換し、判例をいくつも築き上げていきました。この動きは1999年頃から始まり、2006年のシティズ最高裁判決の頃にピークを迎えました。この一連のムーブメントによって、グレーゾーン金利は法的に争えばほぼ勝てるようになりました。

(要因2)
 2006年にあった、アイフルの全店レベルでの業務停止処分。

(要因3)
 上記1,2に加え、多重債務者があまりにも増えすぎてしまったため、国も債務者救済に動くようになった。(行政の相談窓口増加、立法サイドの貸金業法改正の動きなど)


こうして、隆盛を極めていた消費者金融&商工ローンは、急激に落ち込んでいくようになりました。


2007年には準大手の消費者金融が何社か民事再生法や会社更生法を申請。

2008年には商工ローン最大手SFCGが民事再生法→破産。

2009年には商工ローン(元)最大手だったロプロが会社更生法。
その他、銀行や外資系金融の傘下に入ってかろうじて生き残った消費者金融など多数・・・。

もちろん、広告宣伝費削減や店舗数削減などの各種リストラも急速に進んでいきました。

2010年6月には改正貸金業法が完全施行となり、貸金業界はトドメをさされた様相となりました。

そんなわけで、ここ2年ほどは、消費者金融や商工ローンの目立った動きはあまり耳にすることはなく、あったとしても、それは後ろ向きな話ばかりでした。


しかし・・・・!


ここ数カ月、ちょっと違った動きが散見されます。


(1)あの武富士が、「武富士ダンサーズ」CMを再開。
   http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY201210090582.html
  朝日新聞記事によると、10月13日からCM再開するそうです。

  (2012/10/11訂正。どうやらCMは復活するようですが、かの武富士ダンサーズはないようですね。)

(2)アイフル、レイク、プロミス、アコムのCMも、最近ちょっと増加傾向。

(3)商工ローン「ロプロ」(旧・日栄、2009年に会社更生法、その後、Jトラスト(旧社名:イッコー)という手形割引系大手の100%子会社になっていた)が、今年の夏に「日本保証」と社名変更し、積極的に貸付業務をやっている模様。



法律の規制(特に貸出総量規制と上限金利ダウン)が厳しくなりましたから、昔のように高金利や多重債務化で悩む人は減少傾向が続くと思うのですが、悪く考えれば、もっと複合的な、出口の見えにくい問題がじわりじわりと増加してくるかもしれません。(なにしろ「借りたい」という潜在需要は相当あるでしょうから・・・)

心してかからなければなりませんね。





* それにしても、武富士ダンサーズが復活とは・・・

携帯電話の信用情報 - カードブラックだと携帯も作れない!?


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
信用情報(俗にいうブラックリストとか)の基準も、ここ数年で大きく変わってきました。

以前はクレジット系信用情報機関(CIC)、消費者金融系信用情報機関(全情連)、消費者金融系だけど業界横断系(テラネット)、独立系だけどクレジット寄り(CCB)、そして銀行系(全銀協KSC)という5つの金融系信用情報機関があり、この5つのうち、CICと全情連と全銀協の3つだけがCRINというシステムで事故情報のみを共有していました。また、携帯電話会社はこれらに加盟しておらず、別の独自の信用情報システムが存在していました。

つまり、携帯電話料金を長期間滞納しても、それ自体はカード系の事故情報とはつながらなかったし、逆もしかりで、たとえカードが事故になっても、携帯電話は独自に契約することが不自由なくできました。

これが現在では大きく異なっています。

まず、金融系の信用情報機関が、5つあったのが3つに統合されました。CCBとテラネットがなくなり、現在ではクレジット系(CIC)、消費者金融系(全情連改め日本信用情報機構JICC)、銀行系(全銀協)の3つになっています。

また、この3つは、事故情報だけでなく、一部の事故でない情報も共有しており、たとえば年収の1/3以上の過剰貸付がないようにとか調べられるようになっています。

さらには、カード会社系だけでなく、携帯電話会社もこれらに加盟するようになってきました。

sinyoujouhou1


たとえば、ソフトバンクでiPhoneを契約したある人の契約書のウラ面を見ると、CICとJICCの2つに加盟していることがわかります。

sinyoujouhou2


とはいえ、この信用情報をどう解釈するかは、各社まちまちです。

「クレジットカードで延滞歴があるけど、軽微なものだし、まあいいや」と判断されることもあります。

事実、つい最近でも、カードを債務整理して5年未満の人(債務整理歴5年未満だとブラックになっている可能性が極めて高い)が、auやソフトバンクに携帯機種変更の契約(分割払い)をしたとき、1社は審査で落とされたものの、もう1社ではスンナリ通ったという事例を聞いたばかりです。


ということで、ブラックの皆様におかれましては、携帯電話の契約については、あまり神経質になることはないと思います。


思考停止になってはいけない(その2)


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
思考停止になるな、パート2です。

昨夜テレビを見ていたら、ストーカー殺人のことをやっていました。
大変気の毒な事件でした。

ただ、ひとつ思ったことがあります。

もし怖いストーカー被害にあって、警察に相談に行っても民事不介入や告訴状不受理などでマトモにとりあってくれなかったとしたら、そこで終わりではなく、「違う切り口」から突破口を開けたのではないか・・・? と。

たとえば、

・A警察署がダメだったら、その上の、S県警に相談に行けば効果があったかもしれない。(S県警からA警察署に振られるだろうけど、警察は上からおりてきた事案には比較的マジメに対処する傾向があるという話を聞くことがあります)

・あるいは、弁護士に相談して、弁護士からA警察署に告訴状を出してもらうのも効き目があったかもしれない。

・あるいは、刑事事件にするのが無理だったら、先に民事事件(損害賠償や慰謝料などの請求訴訟)で争えば、被害は最小限に食い止めることができたかもしれない。

・あるいは、民事も刑事もなく、まず加害者のことをよーく調べて(興信所、弁護士、自力などで、相手の実家、出身地、本名、現住所、電話番号、職業、勤務先、携帯電話の名義人、趣味、前科の有無などをくまなく調べる)、「あなたのことをよく調べたわよ!」と伝え、そのうえで、「私にもし何かあったら、あなたのことを公表するよう、ある場所に大事な情報をすべて保管しているからね!」といってこれ以上の嫌がらせ行為をさせないようにするとか。

・あるいは、目には目を、ストーカーにはストーカーをで、相手に何回も電話をかけたり、騒いだり、泣いたり、危ないヤツになりきったりして戦意を喪失させるとか。(これはちょっと危ないか・・・)


と、ちょっと考えただけで、いろいろ対策が思い浮かびそうです。

とにかく、ピンチのときは、ひとつの方法でダメだったからってそこで思考停止状態になってはいけません。
AがダメならB、BがダメならC、あるいはAとBとC、いろいろ試してみることです。


私は昔、ヤミ金の怖い取り立てを受けたことがあります。

10年以上前でしたから、やはり今ほど警察は動いてくれず、「民事不介入」という言葉を何度聞いたかわかりません。(今でこそヤミ金は、出資法違反、貸金業法違反などで罰則の対象になることが広く知られており、民事だけでなく刑事の対象にもなることが警察の末端にも行き届いていますが・・・)

そんなとき、どうしたかというと、

・相手のことをよーく調べた。(これが何より効いた)
・刑事は無理そうだったので、民事で裁判所に申し立てた(但し特定調停という軽いものだったけど)
・会話を録音した。また、録音したことを後日、相手に告げた。
・取り立てがあまりにもひどいときは、110番をかけてパトカーに来てもらった。(パトカーに来てもらうだけなら告訴状も被害届もいらない)
・話し合った。(元金は返すから、利息はまけてくれ、白紙委任状を返してくれ、など)

とにかく、「ヤミ金は怖い」というだけで思考停止にならず、
「ヤミ金の何が怖いのか?」
「正体がよくわからないから怖いのではないか?」
「だったら相手の正体をよく調べてやろう。オバケや宇宙人じゃないんだから」
と自分に言い聞かせ、情報を足で稼ぎ、動きまわりました。
そして結果的には、警察にも裁判所にもお世話にならずにうまく交渉成立させることができました。



こんな話もあります。

「巨人の星」の、大リーグボール1号の誕生秘話のくだりです。
私はこの話が大変好きです。

主人公の星飛雄馬は、豪速球がとりえでしたが、厳しいプロ野球の世界では、豪速球というだけではすぐに打たれてしまいます。特に星飛雄馬は、球質が軽くて、ひとたびバットに当たれば軽々とホームランを打たれてしまい、デビュー早々、ひどい挫折を味わいました。

打たれまい、打たれまいといくら悩んでも、なかなか打開策が見つかりませんでした。

そんなあるとき、星飛雄馬は、座禅を組みに、ある寺へ行きました。
そこで飛雄馬は、和尚さんにバチバチ叩かれます。

「こわばっとるのう」
「打たれまい打たれまいとするから打たれるんじゃ」
「打たれてもいい、いや、むしろ打ってもらおうという気持ちで臨みなさい」

そのとき、ハッと気付きました。
叩かれてもいいと思った瞬間から、力が抜け、叩かれなくなったのです。
そして、しまいには大リーグボール1号のヒントまで見つけてしまったのです。
(注: 大リーグボール1号は、打たれない球の逆、つまり、打者のバットに自ら当ててゴロを取るという魔球です。針の穴を通すコントロールと、軽い球質をもった星飛雄馬でしか成し得ない驚異の魔球です。)

「打たれたくない、打たれたくない」という気持ちのまま思考停止になっていたら、この魔球は生まれていなかったでしょう。



長くなりましたのでこのへんで。





* 追記。長々と「思考停止になるな」ということを書きましたが、どんな場面でもそうとは限りません。私自身、非常にあきらめの悪い性格なので、どんなピンチでも考えることを止めないほうではありますが、反面、「いくら考えてもいい考えが浮かばないときは、いっそのこと考えるのをやめよう」と決心することもあります。
「下手の長考、休みに似たり」という諺があります。ブルース・リーも「Don't think. Feel」(考えるな。感じるんだ) と教えています。「只管打座」という禅の教えもあります。要は、自分の意思で、あるときは諦めずに考え、あるときは思考停止するけど感性のほうをビンビンに磨き、またあるときはバカになる。けっして制御不能にならず、稼働も停止も自分の意思でコントロールできることが大切なんだと思います。



ブラックでも作れるVISAカード (2011.12・26現在)


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---

クレジットカードではなく、VISAカードです。「ツケで買い物」はできませんが、預金残高があれば、その預金残高の範囲内で、普通のVISAカードと同じように世界中で使えます。ネット通販もOK、海外のレンタカーもOK、公共料金引き落としもOKです。「借りる」「ツケで買う」のではなく、「自分の金」ですので、与信審査はほとんど無いといってよく、自己破産したばかりのような人でも比較的あっさり作れます。もちろんイヤでも計画的な利用方法になりますのでおすすめです。


(1)楽天銀行 VISAデビットカード
   http://www.rakuten-bank.co.jp/card/debit/


(2)りそな銀行 りそなVISAデビットカード
  http://www.resona-gr.co.jp/resonabank/kojin/service/hiraku/visa_debit/index.html

(3)スルガ銀行 VISAデビットカード
 http://www.surugabank.co.jp/my/debit/


主要なところはこの3社だけです。
(ジャパンネット銀行にもありますがやや性質が異なります。尚、日興コーディアル証券のVISAプラチナデビットは廃止、東京スター銀行のTOKYO STAR DEBITも廃止、郵貯セゾンのチェックVISAカードも廃止されました。)


私もいろいろ試してみました。これらのカードは決して誰にでも使えるものではなく、人によっては相性が悪い場合があります。例えば、いくら無審査に近いといっても、過去に楽天系列のカード会社で事故のあった人は楽天VISAデビットは落とされることがあります。スルガも同様です。それから、Yahooオークションをよく使う人はご存知でしょうが、Yahoo!プレミアムに入会する際のカードには楽天VISAデビットカードは使えません。スルガは未確認です。りそなはバッチリ使えます。このように、いろいろな場面で相性があります。

この手のカードは、1枚だけでなく2枚くらい持っておいたほうが便利かもしれませんね。
簡単に作れるし。


その他参考:「VISAデビットカード」
http://www.visa-asia.com/ap/jp/merchants/productstech/visadebit.shtml


【被災者必読】 個人版・私的整理ガイドラインについて


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
以下、メールマガジンに書いたものを転載します。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
メールマガジン (まぐまぐ殿堂入り)

『借金地獄・倒産危機から、自力で脱出する方法』 by 吉田猫次郎

【Vol.168】2011年8月29日発行/不定期刊/購読者数4258名
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



■■(被災者必読)個人版・私的整理ガイドラインについて■■

東日本大震災で被災してローンが払えなくなった人を対象に、
自己破産など法的整理をしないで借金を免除してもらうための制度、
名づけて「個人版私的整理ガイドライン」が、この8月22日から始まりました。
既にご存知の方も多いかもしれませんが、このガイドラインは私にとっても未知のものですので、
自分の勉強も兼ねて、読み漁った資料を、このメルマガに書いてまとめてみたいと思います。
東日本大震災で家が倒壊して借金だけが重くのしかかっているような人がまわりにいたら、
ぜひ教えてあげて下さい。
うまく条件が合えば、二重ローンを組んで家を建て直したり、自己破産したりする必要が
なくなるかもしれませんから。


◎そもそも「私的整理ガイドライン」って何なの?

- 私的整理ガイドラインとは、文字通り、「私的」な「整理」についての「ガイドライン」です。
法的な整理とも違いますし、ガイドラインに過ぎませんから法改正とも違います。

私的整理は、法的整理と比較するとわかりやすいでしょう。
一般に、借金がどうあがいても返せなくなると、裁判所で自己破産や民事再生のような手続きを申し立てて、
借金を一部あるいは全部、免除してもらうのが普通ですね。
これを広い意味で「法的整理」といいます。
弁護士さんに手続きを依頼して、裁判所で申し立てるから法的整理というわけです。
これは強制力が大変強い。

これと対照的なのが「私的整理」です。
私的整理とは広い意味で「裁判所や法的な救済制度を使わない、
個々の話し合いをベースにした和解交渉(債務免除交渉)」と言っていいでしょう。
今回の記事は個人債務者の方を意識して書いていますので、個人向けの私的整理を挙げますが、
わかりやすい例では、弁護士や認定司法書士が代理人となって消費者金融に対して
「利息の減免」や「過払い金返還請求」をしてくれるのも、立派な私的整理のひとつです。
(これは「任意整理」という呼び方が定着していますね。裁判所を使わず、
代理人の先生が消費者金融と直接(内々に)交渉してくれるという点で、
法的整理とは決定的に違います。
ついでにいえば、借入先の中でも整理したい相手と整理したくない相手を「任意に」選ぶ
ようなこともできるので、任意整理というわけです・・・)

私的整理は、法的整理と違って、裁判所が命令を下したりしてくれませんから、
法的整理よりは強制力が弱くなります。
どんなに腕のいい弁護士さんが介入しても、一歩も譲ってくれない債権者もいます。
(その多くは、違法脱法性のない公的金融機関だったりします。
こと債務整理においては、高利のサラ金などよりも、低利の公的金融機関や信用保証協会
などのほうが譲歩してくれないことが多いのが現実だったりします・・・)

そこで「ガイドライン」が登場するわけです。
法律改正まではできないけど、金融庁や全銀協などが、現場の運用において
柔軟に対処しましょ、そのための一定のルールのようなものを作りましょ、
というのが、ガイドラインというわけです。

ちなみに、企業向けの私的整理ガイドラインは2002年頃に出来ました。
今回のは「東日本大震災の被災者」で、かつ「個人」を対象にした、わりと限定的なガイドラインになります。



◎どのくらい借金が免除されるの?

- 残念ながら、無条件に全ての借金が免除になるわけではありません。
ざっくり言ってしまえば、「資産を処分しても返しきれない分の借金だけ」が免除の対象になります。
たとえば、あなたの負債総額が3000万円あって、貯金がなくて、自宅を売却しても1000万円でしか売れないとすると、あなたは2000万円の債務超過を抱えていることになりますが(「負債総額」と「債務超過」は違うので注意)、免除の対象になるのは、この2000万円の債務超過分だけです。
言い換えれば、「資産を処分せずに借金だけを都合よく減らす」ことは、この私的整理ガイドラインでは、できません。


◎どんな人が対象なの?

- このガイドラインは、本来なら自己破産や個人再生手続きなど法的整理をしなければならない状況の人が対象であり、このような状況におかれている被災者が、法的整理をせずに生活再建するのが主な目的です。
誰でも利用できるわけではありません。もちろん被災者が対象です。
よって、貯金がたっぷりある人や、住宅ローンつきのマイホーム以外にも無担保の土地建物を所有している人には、たとえ被災者であっても、あまり向きません。 

おそらく、一番ガイドラインに向いているのは、
「貯金があまりなく、金目の資産といえばマイホームだけ。いっぽう負債は住宅ローンなどが多額あり、資産総額/負債総額を時価で比較すると、明らかに負債総額のほうが多い」という人です。
なおかつ、
「マイホームが津波などで損壊してしまって住めない状態になり、新しく住宅ローンを組むなどして再出発する必要がある」ような人に、最も向いていると言えるでしょう。



◎ブラックリストに載らない?

- 個人版私的整理ガイドラインは、信用情報機関に事故情報(=俗にいうブラックリスト)
に載らないよう配慮されています。
よって、津波で家を流された人が、ガイドラインによって住宅ローンを免除された後で、
また新たに住宅ローンを組んでマイホームを買うことが可能になります。


◎住宅ローンしか免除の対象にならないの?

- そんなことはありません。車のローンやクレジットカードなど、全ての「債務」が対象になります。


◎費用はかかるの?

- ほとんどかからないようです。
少なくとも関連資料を読み漁った限りでは、相談は無料。
手続きにかかる財産目録や弁済計画案などの作成費用も無料のようです。
本人が負担するのは、相談場所まで行くのにかかる電車賃や、資料を郵送するための郵便代、
コピー代などの実費だけのようです。(専門家への報酬は国が負担)



◎依頼までの流れは?

(1)まず資産/負債/収入などを説明しやすいようにまとめたうえで、
  「ガイドライン運営委員会」に相談する。
 ↓
(2)ガイドラインが利用可能かどうかを判断してもらう。
 ↓
(3)罹災証明や住民票など必要書類を揃えて正式な申込み。
 ↓
(4)弁済計画案の作成
 ↓
(5)「全」債権者の同意を得る
 ↓
(6)免除されたうえで、残りの債務を弁済計画に基づき弁済開始

 という流れになるようです。


◎どこに相談すればいいの?窓口は?連絡先は?

- 「個人版私的整理ガイドライン運営委員会」というのが発足されました。
コールセンター0120-380-883 (日本経済新聞2011/8/28より)
 
まずはここに電話してみましょう。
運営委員会には弁護士や不動産鑑定士など専門家が532人登録しています。(同じく日経新聞8/28記事より)
運営委員会を通して専門家を紹介してもらい、具体的な相談や手続きは専門家が対応するとのことです。

くれぐれも、この個人版私的整理ガイドラインについては、他のよくわからない専門家に
相談しないほうがいいと思います。
せっかく「お墨付き」のところが「無料」で相談に乗ってくれるのですから、
それを利用しない手はないでしょう?
(猫次郎にも相談しないでくださいね!)



◎その他、もっと詳しいことは?

- 必ずしも、福島や宮城や岩手で直接的な被災を受けた方に限らず、
たとえば液状化でマンションが傾いてしまった東京の人などでも対象になることがあるようです。
詳しくは、一般社団法人・個人版私的整理ガイドライン運営委員会のウェブサイトをご一読のうえ、
運営委員会に直接相談するのが一番でしょう。

[一般社団法人・個人版私的整理ガイドライン運営委員会] 
http://www.kgl.or.jp/



以上です。

* もしかしたら部分的に間違いがあるかもしれません。その際はご容赦下さい。



「ストップ!クレジットカード現金化」キャンペーン、消費者庁が今日から特設サイトをOPEN


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
さて、12月になりました。

先週から連続して書いている「クレジットカードで現金化」についてですが、
実にタイムリーなことに、本日12月1日から、消費者庁が掲題のようなキャンペーンを開始しました。
(下の画像をクリックすると消費者庁の特設サイトへジャンプします)

shouhishachoustopcreditcardgenkinka

URLは、http://www.caa.go.jp/credit/index.html です。



時事通信も同様のニュースを配信していました。
一部引用します。

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「クレジット現金化はダメ!= 消費者庁がキャンペーン-カード利用停止、詐欺の恐れも」

 クレジットカードのショッピング枠を不当に換金する現金化の横行に歯止めをかけようと、消費者庁は1日から、「ストップ!クレジットカード現金化」と題するキャンペーンを始めた。同庁のホームページに特設サイトを開くほか、現金化の問題点をまとめたチラシを56万枚作成。消費者に利用しないよう呼び掛ける。
 (中略)
 現金化は通信販売の形態を取っているが、事実上は高利の利息を先払いした借金。消費者庁は「結局債務が増え、支払い困難になる」としている。換金目的の利用はクレジット会社の規約違反で、「カードが利用停止になったり、クレジット会社に詐欺と判断されたりする場合もある」とクギを刺す。利用者の返済不能で、クレジット会社が損害を被る例も多いという。(2010/12/01-06:16)
 
 引用元: http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010120100063&j1
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以上で、3回続けて書いた「カード現金化」についての話題は終わりにします。


昔の「ヤミ金のDM」と現在の「カードで現金」のDMを比較する


Category: 個人の多重債務問題   Tags: ---
前回のつづきです。

今回は、甘い誘い文句がたっぷり書かれたダイレクトメール(実物!)を見ながら比較してみましょう。


(その1) 7-8年前に来たヤミ金のDM(ハガキ)
yamikindm1

 解説: もっともらしい社名ですが、株式会社か個人事業かわかりませんね。貸金業登録番号も記載されていませんね。無登録でカネ貸しをしている可能性大です。(ちなみに無登録で貸金業を営むこと自体、懲役ウン年の重罪です。)
 また、20-500万まで融資、年利12-24%などと書かれていますがもちろん「誇大広告」「おとり広告」です。実際には10日で1割以上、いや10日で2割以上だったりします。(ちなみに現場では証拠を残さないように借用書を取り交わさず、手形の額面だけを拠り所に、額面から2割前後を引いた額を融資します。そして10日後にガンガン取り立てします。)
 典型的なヤミ金のDMですね。違法行為のオンパレードです。
 最近はだいぶ少なくなりました。


(その2) 3-4年前に来たヤミ金のDM(FAX)
yamikindm2

 解説: これは古典的な「システム金融」のDMです。システム金融とは、ヤミ金の中でも最も極悪非道な業態のひとつで、顔を一切見せない、手形小切手の郵送と現金振込みで融資実行のやりとりをする、連絡は電話とFAXのみ、住所不定、DMに書かれている住所のほとんどは秘書代行サービスを利用、貸付金額は平均80万前後、利率は平均「10日で2-3割」、取り立ては問答無用で手形小切手を銀行に回す、というものです。いったんシステム金融に手を出すと、あっという間に雪だるま式に借入件数と手形を切る枚数が激増し、3ヶ月以内に7割以上の確率で不渡りを出すといわれています。
 もちろんヤツらは貸金業免許など持っていません。屋号も担当者名も偽名です。口座番号も違法的に手に入れた他人名義のものを使用しています。もちろんこれらは重い刑事罰が科せられるような犯罪行為です。
 しかしこれも、最近はめっきり減りました・・・。


(その3) つい最近来たばかりの「カードで現金」のDM(FAX)
cardcashdm1

 解説: 最近急激に増えてきたのが、この手のDMです。私の自宅に先週、先々週と2週連続で来ました。
 前回解説したように、「カネを貸している」わけではないので、貸金業法の規制枠には入りません。許認可がなくても現時点では違法とは言い切れません。この「違法性のなさ」というか「グレーゾーン」なところが、上記1.2のヤミ金と決定的に違うところです。
 これを「ヤミ金」の一種ととらえるべきではないでしょう。ソフトヤミ金とか、ネオヤミ金とか呼ばれることもありますが、私はそういう呼び方には反対です。ヤミ金と区別して考えたほうが、問題が浮き彫りになりやすい。
 尚、言うまでもありませんが、最近急増中のこの「カードで現金」、いくら違法性がギリギリないグレーゾーンといっても、これに手を出すのは私は賛成できません。念のため。



以上、思い切って実物を公開しました。

ご参考まで。




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プロフィール

吉田猫次郎

Author:吉田猫次郎
【NEKO-KEN】
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。
事務所所在地は、東京都三鷹市下連雀3-31-4-206 (2021年4月現在)
経済産業省認定・経営革新等認定支援機関(認定支援機関)。
2003年開業。末期症状の会社の倒産回避(生き残りのための応急処置)から、原因究明、デューデリジェンス、再生スキーム策定、金融機関向け経営改善計画策定支援、資金繰り改善、PL改善(黒字化)、実行支援、事業承継、補助金、最後の出口へのお手伝いに至るまで、事業再生コンサルタントとしては一通りの経験と実績があります。
企業理念は「ヒト・モノ・カネの再生」。


【吉田猫次郎】
本名よしかわひろふみ。(株)NEKO-KEN代表取締役、CTP認定事業再生士、認定支援機関、著述業、ほか。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。
著書13冊。講演300回以上。テレビ出演15回くらい。
20代のサラリーマン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利、多重、ヤミ金、怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はせず)。その体験記を、2001年に猫次郎と名乗ってホームページに公開したところ、予想外にヒットしてしまい、2003年に書籍化。以後、事業再生コンサルタントに転身し現在に至る。
最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)から現在までにトライアスロンに12回出場、全て完走。フルマラソンも2回出場、2回完走。
嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。
2020年8月に脳梗塞発症。3週間ほど入院。しかし現在こうして文章を書いているし、手足も自由に動く。

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