猫研とは、吉田猫次郎が代表を務めている経営コンサルタント会社の略称です。おもに中小企業や自営業の事業再生・倒産回避の相談を受けることを業としています。(経営相談であって法律相談や債務整理代行とは違いますので誤解なきように!) 詳しくはホームページ www.nekojiro.net/ をご参照下さい。
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![]() | 働けません。―「働けません。」6つの“奥の手” (2007/12) 湯浅 誠、春日部蒼、李尚昭、吉田猫次郎ほか共著 商品詳細を見る |
* リストラ失業危機に瀕している派遣社員や正社員が激増中のようでマスコミを賑わせていますが、そんな方のためにオススメの本がこれです。
手前味噌ですみません。そうです。わたしの著書のひとつです。去年の今頃に出した本です。
内容は、イザ働けなくなったときに、住宅ローンをどうするか?子供の教育資金をどう捻出するか?離婚や裁判や借金などトラブルに見舞われたときに弁護士費用がないのをどうやって捻出するか?年金や保険料はどうすればいいか?等といったことを、6章に分けて、各分野の専門家が6人で書いています。わたしが書いたのは住宅ローンの章です。
猫
(中略)
このローンを返済中の人は07年3月末時点で7万1300人、残高は1兆1200億円。試算では、借入残高2千万円、返済期間35年の元利均等返済の場合、月の支払い約6万6千円が約8万2500円に増えるという。
(中略)
旧公庫の住宅ローンなどの債権は、支払いが滞る比率が増えている。住宅金融支援機構の07年度決算では、破綻(はたん)先と延滞を合わせた債権額は1兆5243億円で、総貸付金残高の3.58%。06年度より3712億円増え、比率も1.06ポイント大きい。
(中略)
このほか、支払期間を延ばした「貸し出し条件緩和債権」が07年度は2兆443億円あった。破綻・延滞と条件緩和の合計額が総貸付金に占める比率は00年度以降、右肩上がりで増えている。機構は「収入が見込んだほど伸びない人が増えているようだ」と見る。
(中略)
住宅金融支援機構の財務体質への影響について、所管する国土交通省は(1)焦げ付きには貸し倒れ引当金を積んでいる(2)貸し出し条件を緩和した分の7割は正常債権に戻っている、と説明。ただ、最近の経済状況の悪化もあるため「今後の推移には注意が必要」(幹部)と見ている。(座小田英史)
(引用元: asahi.com http://www.asahi.com/business/update/1103/TKY200811030163.html )
* こういう場合、低利の民間銀行に借り換えできれば良いのだが、借り換えも当然、誰でも無条件にできるわけではない。 家の担保としての価値(時価)や、借主の年収、仕事の安定性などもシビアに見られる。 98年当時と比べて家の価値が上昇していることは少ないだろうし、借りて10年程度だとまだ利息支払いをやっと終えた程度で元金はあまり減ってないことも多いだろうから、現実には借り換えできない人のほうが多いかもしれない。
* 新聞記事はナナメ読みしても良いが、一字一句を熟読すると、思わぬ発見があることも多い。
たとえば、上記の記事では、「貸し出し条件緩和債権」というのは我々がよく口にする「リスケジュール」のことだが、これが2兆443億円あるとある。これに、前段に書かれている「破綻と延滞をあわせた債権額1兆5243億円」を足すと、約3兆5千億円となり、総貸付金残高の約1割が「事故か延滞かリスケ」をしているということが読み取れる。 大雑把に言えば、我が国の住宅ローン債務者の約1割は、契約どおりの返済ができない状態にあるといえるだろう。
もうひとつ、記事から些細な発見がある。住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)の所轄省庁は、金融庁ではなく、国土交通省であるということだ。(正確には、記事には出ていないが、国土交通省と財務省が管轄である。)
* 不思議なもので、キャッシングなどの借金に異常に嫌悪感や恐怖心を示す人でも、こと住宅ローンになると、何のためらいもなく35年ローンで4000万円のマンションを買ったりする。 そういう人を「バカだ」とか「買うな」とか言うつもりはない。 ただ、誰にでも「やむをえず返せなくなる」ことがありうるので、収入減や病気などの諸事情で返せなくなったときのために予備知識を蓄えておいてほしいと思う。 うちのブログやHPを読み込んでいる人なら既に相当な知識が身に付いていると思うが、解決方法は何通りも、いや何十通りもあるのだ。 「住宅ローンで死ぬな!」
猫
ヤミ金が増えることは、まずないだろう。
いくら不景気になっても、貸し渋り(←わたしはこの言葉に本当に違和感を感じる)と呼ばれる状態が続いても、ヤミ金は増えるどころか、徐々に減少傾向をたどっていくのではないだろうか、と思う。
理由はいくつもある。
(1) 罰則が厳しくなった。
2003年に法改正され、出資法違反の高金利は懲役5年、罰金1千万、あるいはその両方と、非常に罰則が厳しくなった。また、無登録で貸金業を営むことも同様の重罪となった。また、契約書面や受取書面の不交付や身分証明書の不携帯なども罰則が強化された。 また、2007年頃からは、その運用も厳しくなり、警察が今まで以上にヤミ金取締りに積極的に動くようにもなった。
(2) 貸倒リスクが大き過ぎる。
一昔前なら、暴力まがいの取立てをしても警察沙汰になることは少なかったが、最近はすぐに警察が動くし、借り手側もだんだん賢くなってきている。出資法違反の高金利は法律上無効であることや、元金さえも法律解釈上は返済義務がないこと、取立て規制などといったことをよく勉強している。相談窓口もここ数年、行政や弁護士会の無料相談、認定司法書士など、飛躍的に増えた。相談に行けばほとんどの場合、「ヤミ金には返済する必要はない」と教えられるだろう。判例も増えた。このため、前とは比較にならないほど、貸倒リスクが高いと思われる。商売として旨みがあるとは考えにくい。
(3) コストがかかりすぎる。
多重債務者の名簿を入手するのも困難になってきた、貸金業登録に必要な費用もハネ上がった、と、開業コストもランニングコストも以前より高くつくようになった。 罰則がより厳しく、リスクがより高く、コストがよりかかるようになったわけだ。商売として考えた場合、おいしいわけがない。
(4) 消費者が「守り」に入ってきた。社会が成熟してきた。→需要減。
昔、あるヤミ金の店長と話したときに、彼がしみじみ言っていたことがある。
「バブル期のほうが儲かっていたんですよ・・・」 と。
彼いわく、バブル期にヤミ金に借りにくる客は、本当に短期のつなぎ資金と割り切ってくる客が多く、返済能力も高かったそうだ。「攻め」の意識が強いので、資金繰りに詰まったら迷わず借りる。そしてちゃんと返す。返せる。そういう時代だったのだ。
ところが昨今は、みんな「守り」だ。最初からなるべく借りようとしない。借りないで回していける体質にしようとしている。冒険はしない。そして諦めも早い。
ある意味、社会が成熟してきたとも言える。イギリス人は年収が少なくてもケチケチ精神でちゃんと生活しているし、上手にやりくりしながら旅行にも行く。同じように日本人も、たとえば最近の若い人は年収200万円以下でも借金しないでちゃんと倹約生活している人が多い。クルマや服などに無駄遣いしない傾向が強まってきている。
以上、おもに1,2,3,4の理由から、ヤミ金は増えないとわたしは思う。
どんなに増えても「横ばい」か「やや減」ではないだろうか。
もちろん絶滅はしない。「借りたい!」と強く熱望している人は今でも結構多いから (多くは自転車操業で他社借入を滞りなく返済するために借りたがっている破綻直前状態の人ですね・・・)、こうした需要が少しでもあるかぎり、ヤミ金は無くなりはしないだろう。 でも、総合的に見て、増えることはまずないと思うのだ。
特に、都内で事務所を構えてやっている「都(1)」型のヤミ金や、暴力団系のヤミ金は、これから激減していくだろう。
いっぽう、これからも生き残っていきそうなヤミ金もあるにはある。次のようなタイプだ。
(A) 個人の投資家や資産家で、副業的感覚で、無自覚のうちにヤミ金を行うタイプ。
たとえば資金繰りに困っている取引先や、株式投資などで短期資金を必要としている友人知人などに、「月1割」(年利に換算すると120%)でこっそり貸して小遣いを稼いでいるサラリーマンや地主は意外と多い。わたしも何人かそういうヤツを知っている。彼らの多くは自分が犯罪を犯しているという自覚がない。もちろん告訴すれば出資法違反で逮捕されるだろうが、知り合いなどにひっそり貸していることが多いので、なかなか表面化しない。これはなかなか減らないだろう。
(B) 組織に属さない、金儲けと割り切っている確信犯タイプ。
住所は明かさず、名前も偽名、電話番号や口座番号は他人名義で、公衆電話や電柱などに「お金貸します。090-xxxx−xxxx」と貼っているタイプの小口の金貸し。 これは現実問題として正体を暴きにくいし、逃げ足も速いので捕まえにくいと思う。 またうまく捕まえることができても、暴力団に所属しているわけではなく、多くは学生の延長みたいな若いヤツが金儲けのためと割り切ってやっていることが多いので、組織犯罪として芋づる式に摘発することも難しい。こういうヤツは、次から次へと出てくるだろうと思う。特に地方。
(C) 形を変えて巧妙にやっていくタイプ。
リース形式とか、融資ではなく投資という形でやっていくタイプとか、巧妙なのはこれからいろいろ出てくるだろう。
(D) 昔ながらの「システム金融」。
これは正体がつかみにくいし、意外とカタギの人間がマンションの一室などでこっそりやっていることが多いし、事業主の手形・小切手を不渡りにしたくないという心理を巧みに突いているので、件数は減っても、なかなか無くならないだろう。
・・・でも、繰り返すが、ヤミ金の総数としては、これから徐々に減っていくだろうと思う。
先日、この件で、週刊SPA!の取材を受けた。
取材に来たのはフリーライターの杉原さんという人だった。
わたしは、まさに上記のような話をした。
彼も最初は、ヤミ金が今後増えるだろうと思っていたようで、わたしの話にちょっと驚いている様子だった。
さて、どんな記事になるのだろうか!?
猫
(1) まず、時事通信 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008091200829 より引用。
消費者金融準大手の三和ファイナンス(東京)に対し、過払い金の返還を求める全国の
約600人が12日、同社の破産を東京地裁に申し立てた。対策弁護団(団長・宇都宮健児
弁護士)は「同社が債務超過に陥ったのは明らか。管財人を通じた分配により、返還を進
めたい」としている。
弁護団によると、申し立てたのは598人で、債権額は計約3億2000万円。
同社側は各地の訴訟で引き延ばしを繰り返したり、2月ごろからは判決が確定しても返金
しなくなったりしたという。
弁護団は「強制執行しても現金を隠すなど露骨な妨害を行うようになった。破産手続きを
開始した上での公平な分配に期待するほかない」としている。
三和ファイナンスの話: 「破産するような状況ではないので、審尋の場で当社の主張をさせ
てもらう。」 (以下略)
(2) 上記の記事を、私なりにわかりやすく解説しましょう。
三和ファイナンスは旧三和銀行とは何の関係もない、独立系の消費者金融です。(このため、広告では「三和」と「ファイナンス」の間に「・」がついて、「三和・ファイナンス」と表記されていたりします。)
1972年創業。多いときは全国に400以上の支店がありました。非上場です。 昨日のブログにも書いたとおり、韓国にも進出しており、韓国では日系の消費者金融としてはトップシェアを得ています。
三和ファイナンスの金利は、だいたいいつも「出資法の上限スレスレ」で貸し付けていました。2000年6月以前の上限40.004%だった時代は40%弱で、それ以降の上限金利29.2%の時代になってからは29.2%弱で貸し付けていました。 このほか、不動産担保ローンや温泉旅館事業にも乗り出していました。
三和ファイナンスの貸付は、多くの場合、利息制限法と出資法の間のグレーソーンの高金利でしたので、近年、同社から借りている債務者から、弁護士や司法書士を通じて過払い金返還請求を起こされるケースが増えてきました。 最近は判例が確立されているので、普通の業者ならこれに訴訟前に素直に応じるところですが、最近の三和ファイナンスは、訴訟まで悪あがきし、しかも、訴訟で敗けても、判決に従って直ちに過払い金を返還することをせず、遅延や分割払いなどでのらりくらしかわしていることが多かったとは聞いていました。(知り合いの多くの弁護士・司法書士さんから聞いたことがあります。「なかなか回収できないんだよ〜」と。 またネット上でも同様の噂を読んだことが多数あります)
判決が出ているのに支払いに応じないとなると、次は強制執行することができますので、必然的に、強制執行(=三和ファイナンス名義の預金の差押など) という手段を講じて過払い金の回収を試みる弁護士さんが増えてきましたが、最近はそれさえも露骨に妨害(口座から現金を抜いたとか?)するようになってきたので、最後の手段として、債権者(=過払い金返還請求権を有している元借主)たちを連ねて、債権者の集団として、三和ファイナンスの破産を申し立てたというわけです。
(ちなみに、ひとくちに破産といっても、債務者側が申し立てる救済措置的なのが「自己破産」、債権者側が半ば懲罰的に債務者の財産を開示・配当させようとするのが「債権者破産」と、大きく分けてこの2通りがあります。今回の三和ファイナンスは後者です。)
債権者に破産を申し立てられたら、三和ファイナンスは裁判所に資産と負債の実態をすべて正直に開示しなければなりません。丸裸になります。 そこで資産があれば、基本的には債権者に配分されます。そのうえ、破産は清算型の手続きですから、事業が継続できなくなる恐れも当然出てきます。(よって当然、三和ファイナンス側も、審尋などの場面で抵抗を試みるでしょう。)
この破産手続きによって、果たして債権者がどれだけ過払い金を回収できるかは、やってみないとわかりません。もしかしてもしかしたら、三和ファイナンスは重度の債務超過を抱えていて、ほとんど回収できないかもしれません。単に過払い金を回収するだけなら、単純に考えれば、破産申し立てなんかよりも執拗な差押手続きをしたほうが回収できそうな気がします。 よって、破産申立を決断した600人の債権者さんたちは、おそらく、過払い金を回収することよりも、三和ファイナンスを懲らしめてやりたいという気持ちのほうが強いのかもしれませんね。このままでいくと、よっぽどの説得力がない限り、破産手続きが進んで、事業継続ができなくなりますから。
(3) もうひとつ、三和ファイナンスの近況について、帝国データバンクの記事を引用してみます。
三和ファイナンスは、(中略) 首都圏を中心に全国で約400店舗を擁し、キャラクターを使用した積極的な鉄道の車内広告やテレビ・ラジオのコマーシャルにより、一般消費者を対象に小口の融資を手がけ、2004年(平成16年)12月期の年収入高は、約459億8300万円を計上していた。
しかし、改正貸金業法の成立に伴っていわゆるグレー金利問題が持ち上がり、利用者数が
減少。2007年4月には、金融庁が複数の店舗での違法な取り立てなど全社的に法令順守意識
が欠如していたとして、全店舗に対して43日〜66日間の業務停止を命令していた。その後、大
幅な人員削減や店舗の閉鎖、創業社長の交代などリストラを進めていた。
今年3月には日本振興銀行から三和ファイナンスの顧客向けに債権譲渡を受けた旨を通知、
その動向が注目されていた。今年5月には再度、金融庁からの行政処分が下されていた。
(引用元 : http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2763.html )
(4) 実は、判決が出たにもかかわらず往生際悪く「過払い金」の返還を渋っている会社は、三和ファイナンスだけではありません。 株式上場している商工ローン大手の〇〇〇や〇〇〇〇でさえも、「分割払いにしてくれ」とか「減額してくれ」と泣き付いているという話を聞きます。 債権者として借主に返済を迫るときは情け容赦なしだった彼らが、債権者債務者の立場が逆転すると、かくも弱いとは・・・。 ちょっと複雑な気持ちです。 資金繰りも相当悪化しているんでしょうね。
これから近いうちに、また一部の消費者金融や商工ローンが潰れる可能性がありそうです。過去1年の間だけでも、準大手のクレディアやアエルが民事再生法を申し立てましたし・・・。
(5) いっぽう、生き残りをかけて大きく方向転換して、成果を上げつつある消費者金融会社もあります。 彼らは一体どうやって生き残りを計ろうとしているのでしょうか?
これについては後日書いてみたいと思います。
* 皆さんの中で、三和ファイナンスから借りたことのある方はいますか?
猫
「月刊チャージャー」2008年4月1日コラムより。
最近の人たちには「若いうちの失敗は、買ってでもしておけ」という教訓が活きていないのだろうか。成功に失敗は不可欠で、失敗を経験しなければ成功の意味もわかりにくい。
(中略)
それほど将来が不安なのであれば、もっと根本的に自分自身を見直すべきだろう。もちろん、転職や起業には失敗のリスクが伴う。しかし、微々たる利息に期待するよりも“失敗すること”の財産を積み上げていくほうが、長い目で見ればずっと得策ではないだろうか。
http://promotion.yahoo.co.jp/charger/exit/column/index0804.php より引用。
* いい記事だ。
若い奴はもっと金使えよ。活動範囲を広げろよ。極論すれば、サラ金から借りて、差押の一度くらい受けてみるのもいいと思う。散々痛い目にあうのも良い勉強だ。
但しあくまでも社会勉強だから、そのくらいのことで自殺したり犯罪に及んだりしちゃダメだ。また、親に肩代わりしてもらうのも、浪費やギャンブルに金使うのもダメだ。
猫
受理された。負債総額は約231億円。同社は2003年9月に会社更生法の適用を申請、
昨年8月に更生手続きを完了したばかりだが、規制強化による経営悪化で再び事業継続が
困難になった。
ソース: NIKKEI NET 2008年03月24日21時02分
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080324AT2C2401C24032008.html
* アエルの旧社名は日立信販。会社更生法でしばらく生きながらえた後に民事再生法を申請するという珍しいケースです。米ローンスターグループがスポンサーに入っていましたが・・・
* そういえば、レイクも最近、米GEが売りに出しましたね。昨日がその入札日で、まもなく買い手が決まるとか・・・。
しかし、2008年3月1日に「ゲートキーパー法」が施行されたことにより、これができなくなりました。
(このことは先週名古屋の司法書士さんに教えて頂きました。感謝)
これからは、必ず「本人確認」が必要となります。つまり、多重債務の整理を弁・司の先生に代理になって整理してもらう際には、先生側は、書面上の委任状署名捺印などだけでなく、「直接会って話を聞いて、免許書などの身分証明書と照合する」などの必要があるということになると思われます。(←この解釈で間違っていたらどなたかご指摘下さい)
また、不動産の売買などについても同様です。本人確認が必ず必要になります。
法律というのは我々の気付かないうちに出来てしまうことも多く、この「ゲートキーパー法」についても、いろいろ問題提起がなされています。債務整理なんてごく一部にすぎません。他にもいろいろなことに関わってきます。皆さんもネット検索で「ゲートキーパー法」について調べてみてください。中には「密告を義務付けるゲートキーパー法」とか「密告しないと逮捕されちゃうゲートキーパー法」といった見出しの批判的な記事もだいぶ見られます。考えさせられること大です。
(参考サイト)
・日本弁護士連合会
・しんぶん赤旗
・ゲートキーパー法 検索
ほかにも検索で調べてみてください。
猫
記事を読んだだけでは一体何のことか全くピンとこない人が大多数を占めると思いますが、要するに、「長期間にわたって高金利で借りている人」で、「過払い金の返還請求をこれからやろうとしている人」にとってあまり嬉しくないニュースです。
特に、「長期間借りている間に、途中完済して、暫く空白期間が空いた後で、再度借りてしまったような人」 が、再契約より遡って過払い金を計算するような場合に不利になりました。(但しグレーゾーン引き直しそのものが認められないわけではありませんのでご安心を。)
記事はこちら→ http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008011801000685.html
「経営不振で、銀行の借金を6ヶ月延滞しています。自宅が担保に入っています。このままでは競売になりますよと言われています。競売になったら住むところがなくなります。どうしたらいいでしょうか!?」
よくある相談だ。
ここでちょっと気になるのは、この方は、「自宅が競売にかかったら」→「住む所がなくなる」と思い込んでいることだ。これは間違っている。
冷静に考えてみてほしい。
万一、競売で家を失っても、それは≪持ち家を失う≫だけのことだ。
≪住む所≫は借家に引っ越せば事足りる。
恥ずかしいことでも何でもない。我が国の世帯数は約4700万世帯だが、このうち、持ち家率は約60%だ。残りの40%は借家に住んでいる。(ついでにいえば、60%の持ち家も、多くは住宅ローンを抱えて住んでいる。つまり、みんな実質的には「借りて住んでいる」のだ。)
日本は資本主義の国だ。資本主義は競争原理のもとに成り立っている。勝ちもあれば負けもある。勝てば富が得られる構造だ。商売で成功すればマイホームを持てる。成功しなければマイホームは持てない。それだけのことだ。商売で失敗したからマイホームを失うというのも、ごく自然なことだ。逆に、失敗したのにマイホームを所有したいというのは、ある意味、欲張りでワガママだ。 身の丈にあわせて、収入にあわせて、財産を得たり手放したり、フレキシブルに対応すべきなのだ。再チャレンジして成功したときにまた買えばいいではないか。
ひとくちに「持ち家を守りたい」といっても、その理由が「必要(need)」からきているのか?それとも「欲(want)」からきているのか、いまいちど、自問自答してみてほしい。多くは「必要(need)」ではなく、「欲(want)」だったりする。
「住むために必要」なら、べつに持ち家である必要はない。借家で充分なはずだ。身の丈に合っていない「欲」は捨てるべきだ。
賃貸住宅は昨今供給過剰気味で、いい物件は探せばいくらでもある。安さ重視でも、見栄え重視でも、立地条件重視でも、探せばかならず見つかる。そのうえ、コストがやっぱり安い。固定資産税も修築費もかからない。また自由でもある。収入や環境や好奇心に応じて好きな場所へ転居することができる。
引越し代がない?心配無用。競売になりそうなほど経済的に逼迫しているなら、もうこれ以上中途半端にローンを払うより、いっそのこと競売が進むのを覚悟でローン返済を止めて、その分を引越しのための貯金に回したほうがよっぽど現実的だ。賃貸住宅の礼金敷金なんて、住宅ローンの返済と比べれば大してかからない。ローン返済を2−3ヶ月も止めていれば礼敷金分くらい溜まるだろう。あるいはどうしても貯めることができなければ、競売の競落人と交渉して「引越し代がないから引っ越せません」と窮状をありのままに告げれば、引越し代くらい面倒みてくれることも多い。ほかにも引越し代を捻出する方法はその場その場でいくらでもある。少なくとも、持ち家に固執してローンを払うよりは断然安上がりなはずだ。案ずるより生むが易し。
ブラックリストだから不動産屋の審査に通らない??そんなのまったく心配無用。一部の例外を除けば(エイ〇ルのように保証人不要・敷金不要を謳い文句にしている大手業者はリスク回避のためにジャッ〇スのような信販会社を間に入れて与信審査をしている場合があるが)、不動産屋なんてくさるほどある。街の小さな不動産屋さんなら信販会社を使っていないことがほとんどなので心配無用。自己破産経験のあるような人でも、普通に好きな物件を探して住んでいる。前述のような例外を除けば、賃貸不動産の審査で落ちることなんてそう多くない。普通はまず通る。
このように、住む所を失う心配は、まったくない。
住む所は、必要に応じて、のんびり探せばよい。
借金の整理や、事業の再生方法などは、「住む所」とは切り離して、ドラスティックに考えれば良い。
「倒産したら」→「持ち家を取られて」→「住むところがなくなる」などと、安易に凝り固まった固定観念で図式化しないで欲しい。もう少し頭を柔らかくして視野を広げれば道が開けるはずだ。
猫
>> 国民財務センタ−から裁判通達書が来てしまいました。不動産と給料を差し押さえるとの事です。何処の会社か解りません。心配でたまりません。明日お電話差し上げていいでしょうか?相談料はお支払いいたします
これに対して、わたしは電話が来ないうちにメールでこう答えた。
> お答えします。まず、「国民財務センター」などという団体はありません。「国民生活センター」という団体なら実在しますが、そこは政府系でお金の督促などしない団体です。ネット検索で調べてみてください。それに、「裁判通達書」が国民財務センターから来たというのもおかしな話しで、裁判の通達というものは、必ず、裁判所から直接来るものです。
もちろん給与を差押えることだってできません。差し押さえは裁判所の正式な許可がないとできませんし、差押の通達も裁判所から直接来るものですから。
それになにより、あなたは国民財務センターなる所からお金を請求される憶えはありますか?そこからお金を借りたり、保証人になったりしましたか?していないでしょう?全く身に覚えのない請求でしょう??
よって、結論としては、これはほぼ100%間違いなく、架空請求の悪徳業者だと思われます。無視して構いません。わたしなら完全無視してゴミ箱に捨てます。どうしても気になるなら、最寄の警察署にその通達書を持っていって被害届けを出すなり相談するなりしてみてください。この手の相談はうちの業務の範囲外ですので相談料はいりません。吉田猫次郎より。
* 日本人は特に(あえて日本人と限定する!)、請求されることにとても弱い。
架空請求がこれほどまかり通っている国は、日本をおいて他にないが、それは日本人が請求されることに従順過ぎるからだ。なぜ、請求相手が誰なのか、その相手は実在するのか、請求の根拠はあるのか、書いてある内容は事実なのか、といった基本的なことさえも調べずに、素直に払ったり怯えたりしてしまうのだろうか?
ひとことでいえば、教育が足りないからだと思う。
学校での教育、家庭での教育、社会に出てからの教育が。
猫
はじめての「多重債務」をテーマにした講演だった。
主催は島根県。環境生活総務課、消費生活室。
イベント名は「しまね消費者問題フォーラム2007 〜多重債務問題の解決をめざして」
場所は太田市の「あすてらす」。
参加数は約120名だった。
13:00開始、16時解散。
わたしの出番は13時半から約1時間半。
話した内容は次のとおり。
・私の借金地獄体験談
・なぜ多重債務になるのか?(真面目な人ほど多重になりやすいそのメカニズム)
・わが国の現状−サラ金人口2000万人超、ブラック人口400万人超、自己破産者数推移、自殺者数推移、相談窓口は増えたが教育や啓発は全く不足していること、民族性、国際比較、など
・多重債務者を減らす方法 −救済制度は法律の専門家先生方のここ数年の大変な尽力によってかなり確立されてきた。相談窓口も飛躍的に増えた。しかし、「借金が増えました。だから債務整理で解決しましょう」という対症療法だけでは多重債務者そのものは減らない。今いちばん大事なのは、お金や借金に対する意識改革を促すための啓発・教育だ。
・相談することさえできない多重債務者が今も非常に多い。相談さえすれば解決できるのに、みんな相談=債務整理、債務整理=失敗・敗北を意味するかのように、相談することにさえ強い抵抗感を示す。私もそうだった。(参考:「国民生活」2007年10月号に書いた私の記事)専門家や救済する側に携わる人は、そのことを忘れてはならない。
・「知識」で解決できても、「意識」がその気にならなければ、その知識にすらたどりつけない。「知識と意識」の両輪は揃ってはじめて多重債務者は救済され、自殺者も減るのだ。
・思い込み、先入観は捨てろ − ブラックリストは怖くない。ブラックリストの仕組みはこれこれこういうふうになっている。仮に載っても平均5年程度で消えるし、ブラックは加盟業者が与信審査目的でしか見ることができないから、職場や近所や親戚にはまず知られない。借金取立ても怖くない。規制だらけなので、怒鳴られることさえない。自己破産は懲罰制度じゃなくて救済制度だ。最悪どうにもならない場合は自己破産によって救済されればいい。自己破産しても会社役員になれるし就職や引越しにも不便しないし戸籍も免許も全く汚れない。周囲にも意外と知られない。メリットはあってもデメリットは驚くほど少ない。一括請求は怖くない。日本人は請求されることに弱過ぎる。一括請求されたら堂々と「一括では返せません、分割で返しますから相談に乗ってください」と前向きに相談したっていいじゃないか。差押も怖くない。われわれは最低限の生活は保障されている。生活必需品までは取られない。競売も怖くない。赤紙も貼られなければ、競売開始後即日退去させられるわけでもない。かなり長く住める。おまとめローンや一本化は絶対やってはならない。一本化で信用が保たれ楽になれると思ったら大間違いだ。一本化すると借り癖が直らず、結果的には借金が倍増する。
・子供の教育について。 どんなに親が多重債務でビンボーでも、子供の希望する進路だけは望みどおりにかなえてやれ。自己破産しても債務整理しても奨学金は使える。(教育ローンは使えないけどね)奨学金は豊富にある。ダブルで申請したっていい。また社会福祉協議会のような教育費をゼロ金利の長期返済で貸してくれる公的機関もある。これもブラックかどうかは無関係。いちばんいけないのは、借金返済を最優先して、教育費や光熱費や税金や家賃を後回しにすることだ。特に教育費は重要だ。難しい数学の公式は教えても、「親の経済状態が悪化した。だから子供の高校を中退させよう」などと考えるのは短絡的すぎる。そんなことでなにが教育だ!厳しい局面に遭遇したときに知恵をふりしぼって道を切り開けるようにするのが教育ではないのか?「知恵」の働く親子なら、たとえ親が多重債務になっても、子供は子供で自分の道を切り開くべく、学費のことを学校や福祉などに相談し、親が苦しいからこそ子供は向上心を捨てずにたくましく育っていくはずだ。
・借金の解決ツールを一通り紹介。住宅ローンのリスケジュールにはじまり、グレーゾーン金利引き直しで借金が減る仕組み、クレサラの特定調停、任意整理、過払い請求、弁護士や司法書士の探し方、個人再生手続き、自己破産、裏ワザ的な受け身の戦法、時効で逃げ切るのは得策ではない、などなど。
・最後に例題を7個ほど
なんと今回は、手話の通訳がついて、おまけに速記の人が私の話を速記してスクリーンに映し出すというすごい試みがあって(目や耳の不自由な方のためですね)、そのため、普段かなり早口な私も、今回だけはかなりゆっくり話さなければならなかった。ゆっくり話しながら上記のような話を1時間半にまとめるのは正直かなりしんどかったが、欲張りな私は、時間を7分ほどオーバーして熱く語ってしまった。
個人の多重債務について講演したのはこれが初めてだったが、予想外に反響は良かったようだ。
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わたしの出番の次は、石見神楽という伝統芸能で、西村社中さんによる「闇金大魔王」と題した舞が披露された。これは面白かった。まさかヤミ金をテーマにした石見神楽が見れるとは夢にも思わなかった。非常に珍しい企画ではないだろうか!?

終了後は、出雲空港まで県の方に送って頂くことになっていたが(車で1時間)・・・、数年前から私の講演をずっと聞きに来てくれている鳥取在住の女性3人組が今回も来てくれていて、去年の鳥取講演の時と同様、またもや拉致されてしまった。
(詳細は「カニ責め事件」の記事参照) 今回は「甘いもの責め」だった。車に乗せられて(乗せてもらって?)、空港まで送ってもらう中で、まず激ウマの干し柿を食べさせてもらい、次に柏餅が出てきて、次にシュークリームが大量に出てきて、次にバター飴が出てきて、ぜんぶ食べてしまった。さらに空港に到着後は一緒にがっつり食事。この数時間のうちに、おそらく10日分以上の糖分を摂取したのではないかと思う。でも楽しかった。いつもありがとうございます。
別れ際、飛行機に乗る直前、また別の出会いがあった。
8月の仙台での自殺防止シンポジウムのときに仙台で会った遺族の娘さん(島根在住、20歳位、すんごくかわいい)が、一人で見送りにきてくれたのだ。昼の多重債務シンポジウムの時には彼女のお母様(やはり仙台で会った)も来てくれていて、母子とも3ヶ月ぶりに会った。お元気そうでなによりでした。また島根か仙台でお会いしたいですね。
こうして無事に鳥取−島根出張も終わり、夜9時に羽田に着いた。
昨日は一日休み(といっても休み中にこれまたすごい激動があったのだが)、今日は朝から錦糸町に出勤してきている。
明日11/20は鳥取県倉吉市へ出張だ。一般公開していないが、税理士の牧田先生が主催する少人数の勉強会で講師をさせて頂くことになっている。
猫
本棚の古い文献を読み漁っていたら、『新潮45』2002年9月号の134〜143ページの「銀行をギャフンと言わせる方法」という記事が目についた。これは作家の加治将一さんが20数年前のアメリカ在住時代に不動産業と貸金業を営んでいたときの体験を踏まえて書かれたものだ。加治さんは特に貸金業で大変な苦労をされたという。日本と同じ感覚で無担保の小口金融をやってみたら、借りる人は多いけど、誰も開き直って返さないのだと。そのうえ、強硬な回収を試みたら、開き直られて結局何もできなかったと・・・。この話のすべてを日本国民である我々が鵜呑みにすることはできないかもしれないが、契約とは何か、貸し借りとは何かを考えるうえで非常に面白い(しかも笑える)記事なので、ここで引用元をハッキリさせた上で少し紹介したい。以下、『新潮45』2002年9月号、134ページ〜、加治将一さんの記事より。
"返せないのは、返す気持ちは腐るほどあるが、肝心の金が腐るほどないために起こる現象で、なんら疚しいことではない。むしろ、持たざる者から布団をはぐようにしてむしり取る貸し手のほうが、道徳に反する。いや、生存権を奪うものとして、そんなのは憲法違反ですらある。(中略)
しかし、どうも日本人にはこの辺が理解できない。
−不徳のいたすところ、首をくくってお詫びしたい−
と、つい自分を責めてしまう。人間が弱いのか、金貸しの理論に洗脳されてしまっているのか、とにかくおおかたの日本人はあっさりと追い詰められる。
私もかつてその一人だったが、自分の感覚がグローバルスタンダードではないと気付いたのは、もう二十年も前のことだった。
当時、私はロサンゼルスに住んでいた。"
(135ページ)
"私は、日本のサラ金業者がアメリカ市場に目をつける前に、いち早く新聞に広告を載せた。
どっと、客が押し寄せた。
次々と借り手のID(身分証明書)をコピーし、勤務先の確認を取り、あまつさえ車まで押さえた相手もあった。
金利は年32パーセント。最高限度額で2000ドル。車を置いて行った相手には、特別4000ドルをはずんだ。あっという間に資金が底をついた。大繁盛である。"
(136ページ)
"ところがである。返さないのである。返却率半分とか、そんな生易しいものではない。98パーセントの人物が返さないのだ。元金はおろか、金利も返ってこない。
そこは若い頃、山林原野商法で日本のやくざどもと斬った張ったを演じた私である。素人ごときに舐められてたまるかとばかり、自宅に電話を入れる。
「返したくとも、お金がないんでね」
「そんなこと、胸張って言えることか?」
「言えるよ」
と、意外な反応にたじろぐ。態勢を立て直し、少しすごむ。
「返せないと言われても、こっちも商売でね」
「そうかい、もっと貸したいって?」
「ふざけるな」
「おまえこそふざけるな。ない金をどうやって返すんだ?」
とぜんぜん悪びれない。ちょっときつく催促すると、ファック(オマンコ野郎)とか、サナバビッチ(淫乱母の息子)とか、マザーファッカー(母息子近親相姦男)とか、十倍くらいきつい罵倒が返って来る。
で、突然やって来たプロレスラーのような警官が二人。
「電話をかけて、脅しまくっているってな」
「脅しだなんて・・・・・貸した金を返して欲しいだけです」
「だから、なんなんだ」
太い首がぐわっと曲がり、上からおおいかぶさってくる。
「複数のロサンゼルス市民が脅され、精神的苦痛を与えられているという報告が入っているんだ。電話しているのは、だれなんだ?今度やったら逮捕する」"
(136ページ)
"自宅がダメなら、会社に電話という手もある。これは効く。日本のサラリーマンなら一番嫌がることで、金はなんとかするから、会社だけは勘弁してほしいと音を上げる場面だ。
「トムさんいますか?」
受話器に向かって、低い声を作る。
「どちら様?」
と受けつけ嬢。
「ゴールデンファイナンスのものです」
やや、間があって返事があった。
「いません」
完全な居留守だ。
「私、トムさんに2000ドル貸してましてね。金を返してもらいたいと伝えてくれますか?」
「私は、あなたの秘書じゃないわ」
「えっ」
と意外な展開に、またたじろぐ。
「あのー、それじゃ、伝言だけでいいですから」
「だから、それは私の仕事じゃないって言ってるでしょ。直接話せば」
「だって、つながらないじゃん」
「それも、私の責任だっていうの?」
「いや・・・・・」
「しつこくすると、営業妨害で訴えるわよ」
ぜんぜんへこたれない。日本とえらく違う対応ではあるが、考えてみると、受けつけ嬢の話は筋が通っているのである。"
(137ページ)
"自宅にも行ったことがある。その時も日本とどえらい違いだった。いや違い過ぎた。ドアが開き、どでかいピストルがぴたりと私の鼻先に押しつけられたのだ。(中略)ご存知の通り、相手の敷地内から出ないと問答無用で撃ち殺されても文句は言えないお国柄、私がこの上ない笑みを満面に湛えて逃げ帰ったのは言うまでもない。"(137-138ページ)
"処置なしである。(中略)とにかく、金はあっという間にロサンゼルスの大地に消えてしまったのである。
あとで、弁護士に笑われてしまったものだった。少額だから訴訟しても費用のほうが高くつく。万一勝ったとしても、相手に金がなければそれまでの話だと言われ、だいたいアメリカで金貸しを考える方がアホなのだと言われた。"
(138ページ)
以上で引用おわり。
加治さんの著書は何冊か読んだが、わたしはこの記事が一番好きだ。
最近、米国サブプライムローン問題(信用のやや低い人を対象にした住宅ローンを向こうではサブプライムローンと呼ぶ)を、よく新聞や雑誌で見かけるようになったが、どれもこれも、貸し手側や投資家側に立ったものばかりで、肝心の借り手側のリアルな様子について書かれたものが少ない。 海外での借金取立ての「現場」について、我々はなかなか知ることができない。 海外で倒産経験のある方や、海外で個人破産を経験したことのある方や、海外でカネ貸しを経験された加治さんみたいな方の「ナマの話」をもっと聞いてみたいと思うのは、おそらく私だけではあるまい。
猫
面白いから紹介しよう。
相手 「もしもし。猫次郎さんいますか?」
猫研助手「失礼ですがどちらさまでしょうか?」
相手 「山村といいます。テレビ見たんだけどね。うちも(ヤミ金と)同業なんだよ」
猫研助手「・・・少々お待ち下さい」
「猫さーん。ヤミ金さんから電話ですよー。」
猫 「はーい。今行くー。」
「お電話かわりました。吉田猫次郎でございます。」
相手 「どうも。猫次郎先生ですか。先日テレビ見たんですけどね、うちもアレと同業者なんですよ。」
猫 「アレって、要するにヤミ金さんですか??」
相手 「そう。」
猫 「そりゃどうも。(ニヤリ)」
相手 「あはは。どうも。」
猫 「で?何か?」
相手 「いやね、テレビ見たんだけどさ、先生、ありゃマズイでしょ。敵が多いでしょ?嫌がらせも多いんじゃない?正義の味方気取りかい?売名行為だね。(以下同じ内容がダラダラ続くので省略)」 「ところでさ、取引しませんか? うちも猫次郎先生のメリットになるようなヤミ金業界内の情報を流すからさ。猫次郎先生もさ、警察とか弁護士とかそっち側の情報を流してくれないかい?情報のギブ&テイクってやつ。それから−(以後私が話を遮る)」
猫 「ちょっと待ってちょっと待って。一旦ストップ。続きを聞く前に、私にも話させてくださいよ。まずね、あんたたち、私のやってることについてちょっと勘違いしていますよ。」 「私はね、べつに正義の味方気取りで自ら積極的にヤミ金を退治したことは一度もないの。あくまでも、ヤミ金に借りて困り果てている債務者から相談を受けたときだけ、悩みを解消するためにだけ動いてるんですよ。わかる? それにうちは弁護士でも司法書士でもないから、代理権はない。代理人がどうしても必要な場合は弁護士を紹介したり、また犯罪性が特に強い場合は一緒に警察へ案内したり、自力で交渉できる場合は自力交渉に同席したりして、いわばコンサルタントとしての立場をわきまえながら全力を出して結果を出してるんだけど、このときもあくまでも関心があるのは債務者の倒産回避とか再生のほうであって、あんたたちを撲滅させるとか叩きのめすとかいう方向で動くことはない。そんなヒマないしね。」
相手 「そうですか・・・そりゃ知らなかった。テレビだけ見てると、まるで猫次郎さんの事務所はヤミ金を抹殺するのを仕事としている必殺仕事人みたいなイメージがあるけど・・・」
猫 「とんでもない。そりゃ大きな誤解ですよ。 ただ、中立的な立場ではなくて、困っている債務者側の味方であることは確かだから、そういう意味じゃ、あんたたちの敵であることは確かだろうね。でもこちらからは積極的に危害を加えることはないから安心してくださいよ。で、さっきの話の続きだけど、なんだっけ?」
相手 「情報のギブ&テイク。猫次郎さんにもメリットがあると思ったんだけどね・・・」
猫 「それはね、きっぱりお断りします。そういうわけで私はヤミ金さんを積極的に叩き潰すようなことはしてないし、あんたたちのボロ儲けを阻止することはあるかもしれないけど、甚大な損害を被らせるようなことはしてないと思うから、恨みを買うようなことはしてないつもりですよ。情報網はこっちはこっちで十分持っているから心配無用です。」
相手 「わかった。がんばってよ。」
猫 「うん。お互い敵同士みたいなもんだけど。どうも。」
電話終了。
こういう電話は、1年に1回ぐらいある。
もう慣れた。
ヤミ金と接触する機会は随分あったけど、率直な印象としては、彼等はそんなに悪い奴らではないと思う。少なくとも凶悪犯罪者のようなタイプではない。ただ、「金儲けに尋常じゃないほどハングリー」なのだ。法律を無視して、「食うか食われるか」の「食う」ほうに徹しているのだ。
我々はヤミ金に食われないように注意しなければならないのは言うまでもないが、裁くのは我々ではない。法が裁けば良い。 これを読んでいる方の中で、どうしてもヤミ金が許せないという方がいたら、法の裁きを求めて警察へ行けば良いだけのことである。
猫
相手 「もしもし。ヤミ金の田中と申します。」
猫 「ヤ、ヤミ金の田中さん?」
相手 「ハイ。実は、折り入って相談したいことがあって電話しました。」
猫 「自らヤミ金って名乗るなんて珍しい方ですねえ。どんな相談ですか?」
相手 「実は、大阪で飲食業を経営しているOさんのことなんですが・・・」
猫 「ひょっとしておたく、Oさんが以前借りていたヤミ金の中の1社ですか?」
相手 「はい、そうです。」
猫 「で、私にどんな相談を???」
相手 (急に情熱的な口調になって)「猫次郎先生! Oさんをどうか助けてあげてください! Oさんはいま、資金繰りに窮しています。今朝Oさんと電話でお話をしまして、内容を聞いたらどうにも放っておけなくて・・・。私のほうではもう何もお力になることはできないのですが、どうか猫次郎先生、Oさんが潰れないで済むよう、助けてあげてください。それをどうしても伝えたくて電話しました。」
猫 (・・・こりゃ何か別の目的があるなと思いつつ、)「お話はわかりました。私もOさんからは逐一相談を受けています。債務整理をした後は当分借金で資金調達することができないから、事業をやっている人にとってはものすごく大変なんですよ。それはもう、麻薬を止めた後の禁断症状みたいにね。でも私は、今が踏ん張り時だから、なんとしても頑張れと励ましています。苦しいのは百も承知です。」
相手 (さらに不気味なぐらい情熱的かつ丁重になって)「ハイ。猫次郎先生のお考えはよくわかります。私もとにかくOさんに早く元気になってもらいたい一心でお電話しただけですから。」
猫 「わかってもらえて嬉しいです。このまま暖かく見守ってあげてくださいね。じゃあ。」
電話終了。
何が目的だったのかわからないが、自ら「ヤミ金の田中です」と名乗ってきたり、口調がバカ丁寧だったりクサイ芝居のように異様に情熱的だったり、無償で飲食業のOさんのことを応援していたり、なんとも奇妙な電話だった。
実は、Oさんは半年前にヤミ金10社以上に手を出し、倒産寸前の状態でうちに相談に来た。私は弁護士を紹介し、高利のところや過払い金返還が見込めるところを中心に弁護士に代理人になってもらいつつ、私は銀行対策や財務体質の見直しや手形対策など、応急処置から長期再生計画までを直接あるいは間接的にお手伝いしてきた。そしてこの半年間で、自己破産も民事再生もせずに、借金返済の負担は以前の5分の1以下にまで減った。
だが、ご存知の方もいるかと思うが、債務整理後の資金繰りは想像以上につらい。むしろ自転車操業できた頃のほうが体感的は楽である。それは麻薬を打ち続けている頃よりも麻薬を断った後のほうがつらいのと似ている。借金返済そのものを減らすことはさほど難しくないのだが、自転車操業に頼らないでストレスなく回していける体質に改善するのはとても時間がかかるのだ。
上記の電話がかかってきたのは、ちょうどその禁断症状に苦しめられている真っ最中のことだった。
さて、ヤミ金の田中さんの目的は?(薄々わかるけど・・・)
猫
引用元: http://www.asahi.com/business/update/0531/TKY200705310306.html
* 大手では2社目の利息大幅引下げ。1社目はアコム。
まあ、アイフルさんにとっては生き残りをかけた大幅な路線変更、借り手にとってはちょっとした朗報みたいなものといったところだけど、借り手、特に多重債務者の皆さんは、ちょっと利息が下がったぐらいで喜んだりホッとしたりしないように。
* 多重債務問題はもっと根深い。高金利=悪、多重債務者=被害者とだけ考えるのは短絡的である。
特に、借り手自身の「もっと借りたい、もっと返したい」という異常なまでの欲求(←詳しくは文字クリック)は、一種の病気のようなものだと思って、もっと謙虚になって治療・意識改革につとめたほうがよい。
猫
≪詐欺団もだまされた…「偽捜査情報」で1000万円被害≫
全国の多重債務者から融資保険料名目で2億円余りをだまし取ったとされる事件で、千葉県警に詐欺容疑で逮捕された貸金業を名乗るグループが、「振り込め詐欺コンサルタント」を名乗る男2人(いずれも組織犯罪処罰法違反罪などで服役中)から「警察の内偵情報を教える」と持ちかけられ、顧問料として毎月約100万円をだまし取られていたことが分かった。
グループは2004年4月ごろ、2人と顧問契約を結び、計1000万円近くを支払っていたが、捜査情報はうそだったという。
(中略)
2人は「顧問契約を結べば、口座が警察に狙われていたら教える」などと寺田被告らをだまし、04年11月ごろまで毎月100万円を受け取っていた。
(引用元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070530-00000407-yom-soci )
さいわい皆早期発見で、治る見込みは高いそうである。頑張って欲しい。心から祈っている。
ところで、医学的根拠は無いが、ガンは「ストレス」が大きく起因しているようである。たとえば、私は倒産危機に陥った中小企業の相談を毎日仕事として受けているわけだが、経営危機や家庭崩壊、過労など、心身に大きなストレスがかかった時に社長がガンになったという話は非常に多く聞く。
話はやや飛躍するが、多重債務の解決方法は、「借金が増えました。だから一本化で負担を減らしましょう!」ではまず解決しない。一本化すれば返済の負担は確かに減るが、借金が増えやすい体質そのものは何も改善されないからである。本気で解決しようとしたら、敢えて返済困難である現実を受け止めて、罵声や取立てやブラックリストも覚悟で、いったん返済を止めて、とことん懲りて、解決のための情報収集や相談などを自分の手足と頭を使ってしつつ、借金のみにとらわれず、生活や仕事のことを広く反省・見直しするところから始めなければならない。
これはちょうど、「カゼをひきました。だから風邪薬で治しましょう!」というのと似ている。確かにカゼは薬で治るが、それだけでは、カゼをひきやすい体質は何も改善しない。症状に対して治療するのを対症療法というが、対症療法だけでは病気しやすい体質は治らない。 借金もそれと同じだ。
・・・と、そんなふうに考えると、多重債務の治し方と、病気の治し方は、非常によく似ていると思う。医学用語と借金用語の単語を置き換えるだけで、まるごと通用しそうである。
私が2年半ほど前から親しくさせて頂いている方で、土橋重隆先生という医学博士がいる。前にここのブログで土橋先生の著書の書評を書いたのでご存知の方もいるかもしれないが、土橋先生のガンに対する考え方も、これとよく似ている。先週も一緒に飲みに行って、「つくづく借金と病気はよく似てますねえ〜」という話で盛り上がったばかりだ。
ガンもまた、「ガンが消える驚異の○○薬!」「ゴッドハンド○○医師!」「○○を信じれば治る!」みたいなものにばかり頼っていてはダメで、そんなことよりも、自分自身とじっくり向き合って、「心」や「生き方」の面から改善を試みたほうが治りやすいし予防しやすいそうである。土橋先生いわく、極論すれば「医者には病気は治せない」という。ご自身が医者なのに、すごい達観だ。ちょうどそれは、有能な弁護士が「弁護士には多重債務は治せません」と言うのと似ている。(意味わかるかな?)
興味ある方は、土橋先生のHPと著書を一読してみてほしい。(著書はこちら)(HPはこちら)
それから、借金で苦しんでいる皆さん。
いつも言っていることだけど、つらい時だからこそ、美味いものを食べましょう。無理にでも休暇を取りましょう。たまには温泉旅行にでも行きましょう。病院にも定期的に検査を受けに行きましょう。堂々と休んでいいんです。仕事を継続するために絶対必要です。
猫
『グレーゾーン金利:利息、架空請求と認定−−札幌高裁、初の判断』
利息制限法を上回る消費者金融業者の「グレーゾーン金利」利息請求を巡り北海道石狩市の女性が大手消費者金融「CFJ」(本社・東京都品川区)を相手取り、過払い金など約360万円の返還などを求めた民事訴訟の控訴審判決が26日、札幌高裁であった。伊藤紘基裁判長は「グレーゾーン金利による請求は不法な架空請求に当たる」とする全国初の判決を出し、同社に過払い分約280万円や慰謝料など計約330万円の支払いを命じた。訴えによると、女性は87年6月〜05年9月の間、同社から借金した。女性側は昨年2月、「CFJ側は支払い義務がないことを告げずに利息を受け取り、不法行為が成立する」として札幌地裁に提訴。同社側は、グレーゾーン金利の根拠として出資法が定める上限金利(29・2%)を挙げ、「グレーゾーン金利は監督官庁も容認していた」と反論していた。1審は同社に約280万円の支払いを命じ、双方が控訴していた。(以下略)
引用元: 毎日新聞 2007年4月28日 東京朝刊
また、収入源については、28%の世帯が「年金や生活保護」を挙げ、「仕事をしている人が いない」世帯も過去最高の22%に達するなど、厳しい生活実態が垣間見える。(以下略)
引用元: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070516-00000061-mai-soci
* 東京23区内では駐車場代が月2万円以上、築10年以上の3LDKマンションの家賃が15万円前後のところが多い。23区外でもこれよりちょっと安い程度で、たとえば新宿から電車で40分以上かかる八王子市あたりでも、駐車場代は1万円、3LDKの家賃は10万円前後かそれ以上。所帯持ちが東京に住むと、年収500万あってもかなりキツイ。地方の年収300万円台と可処分所得はそう変わらないのだ。
これで住宅ローンを組んだり教育費がかかったりすると・・・・・
猫
「三和ファイナンス株式会社に対する行政処分について」
詳細はこちら:http://www.fsa.go.jp/news/18/kinyu/20070404-1.html
1日や2日レベルでの処分ではなく、長期にわたる業務停止処分が下されました。















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