吉田猫次郎ブログ

事業再生、倒産回避、資金繰り改善、連帯保証人問題、借金自殺防止 ・・・などが専門ですが、ここはブログなので、もっと気楽にいろいろ書きます。

 

保証協会の債権放棄は、都道府県によって難易度が違う


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2017年1月20日付の日本経済新聞に、興味深い記事がありました。

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不振企業への債権放棄、条例制定19都府県 環境整備進まず
2017/1/20 23:31日本経済新聞 電子版

 経営不振が続く企業の再生が課題となる中で、信用保証協会が債権を放棄して再生を後押ししやすくする条例を整備した自治体が19都府県にとどまることが分かった。保証協会への残債が足かせとなり、本来なら市場から退出すべき「ゾンビ企業」になってしまう例も多い。総務省などは自治体に条例を整えるよう働きかけを強める方針だ。(以下略)

※引用元: 日本経済新聞電子版 2017/1/20
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H12_Q7A120C1PP8000/
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さて、信用保証協会の債権放棄について。
一般論としては、民間サービサーなどと違い、各都道府県の信用保証協会は、公的な色合いが強く、税金で運用されている面が強いので、税金の無駄遣いをしないためにも、なかなか債権放棄してくれません。

「信用保証協会は債権放棄してくれない。何十年かかっても回収を諦めない。一括で返すか、話し合って何年もかけて分割で返すか、さもなくば資産を処分して返すか、それもダメなら破産か民事再生か・・・、このくらいしか選択肢はない」 ・・・と考えるのが一般的でしょう。

ただ、何事にも例外はあります。一例をあげれば、信用保証協会が2006年から求償権消滅保証制度というのを始めました。 また日弁連が2014年頃に打ち出した特定調停スキームも、保証協会の免除に応用することが可能です。このほか、話し合いによる一部債務免除などの事例もあります。 いずれもまだまだレアケースですが。

上記の新聞記事は、そんな保証協会の債務免除(債権放棄)の、良いヒントになるでしょう。
記事には興味深いことがかかれています。「条例」と。
保証協会の債権放棄に関連のある「条例」なんてあるんですね。
「条例を整備した自治体が19都道府県にとどまることがわかった」 と書かれていますが、保証協会の債務免除の難しさを現場レベルで知っている専門家からすれば、「19都道府県もあるのか!」と言えるかもしれませんね。

さっそく、それに該当しそうな「条例」を、ネットで検索してみました。
これがその一例です。
http://www1.g-reiki.net/chiba/reiki_honbun/g002RG00001184.html

以上、ご参考になれば。


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倒産寸前の「症状」「原因」「治療法」


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もう何年も前から勉強会で解説していることですが、改めて図にします。

shoujougeninnkaiketsuhou

一口に倒産といっても、倒産状態と倒産手続きは、イコールではありません。
たとえ資金がショートしても、不渡りを出しても、差押を受けても、それはただの「状態」、病気に例えれば「症状」にすぎません。
倒産の手続きに入らない限り、会社は、まだ生きています。
登記上も消滅していないはずです。

生命を維持している限り、まだまだ生き残り策はあります。

例えば、

・資金ショート - 前金で資金調達、資産処分で資金調達、金融で資金調達、交渉で支払延期、などなど
・延滞 - ゴメンナサイする、別な形で信用挽回する、ペナルティを甘んじて受ける、資金調達する、などなど
・一括請求 - 交渉の余地はまだある。あるいは交渉がダメでも、次の段階で打開策はある。
・代位弁済 - 過去にメルマガやホームページや本や勉強会でさんざん解説した通り。大丈夫。生き残れる。
・債権譲渡 - 同上
・担保権実行(競売) - 同上
・法的手続き - 勝訴・敗訴・和解という3択だけでなく、「負けるが勝ち」という道もある。
・差押 - 差押を未然に防ぐ方法も(合法的な範囲でまだまだ沢山)あるし、あるいは差押を潔く受け入れてしまって、不良債権処理の方向へ向かうのも悪くない。
・不渡り - 1回目の不渡りは「片目」。2回目の不渡りは銀行取引停止処分。但し銀行取引停止といっても普通預金口座は普通に開設・使用できる。借入金は一括請求されるし、手形小切手も使えなくなるが、知恵と工夫、気合と根性で、不渡りを出しても生き延びた会社が実際ある。

最悪、これらの「症状」が一度に起きても、倒産ではありません。
その症状に押し潰されて、事業継続を断念してはじめて倒産なのです。
押し潰されず、意地でも事業を継続すれば、倒産ではありません。
(そんな事例も数多く見てきました。)

こうして、倒産を阻止することは、実は誰にでもできます。
そう難しくありません。

ただ、それだけで良いわけがありません。
傷だらけのゾンビ企業のままになってしまいますから。

どうせ生き残るなら、症状にばかりとらわれず、「原因」にまで遡り、抜本的な「解決方法」を見出して欲しいものです。

そこで、図の右側のほうへ進みます。

図の左側が「対症療法」「応急処置」だとしたら、
図の真ん中は「精密検査」で、
図の右側は「原因療法」といったところでしょうか。

さて、「原因」です。

倒産の原因を会計的にみると、

PL上の問題 - 赤字体質の原因がどこかにある。(売上?売上原価?販管費?支払利息?)
BS上の問題 - 債務超過である、流動と固定のバランスが悪い、など
CF上の問題 - キャッシュフローのどこかに問題がある(営業CF?投資CF?財務CF?)

大きく分けて、この3要因のどこに問題があるのかを究明することが大事です。
3つとも問題があるかもしれませんし、1つだけかもしれません。
いずれにしても、最も問題のあるところにメスを入れます。

(例) こんな相談がありました。
  「うちの会社は資産は5000万円相当あります。負債は2500万円しかありません。このうち2000万円は銀行からの借金です。事業のほうは売上7000万円、営業利益350万、経常利益300万円と黒字です。だけど資金がありません。このままでは来月には不渡りを出してしまいます。もう夜も眠れません。破産しかないでしょうか?」

(答え)
  「BSは債務超過ではない。それどころか自己資本比率50%と良好である。但し流動と固定、運転資本などは要精査。
PLも経常黒字体質のようなので問題なさそう。
借金も、有利子負債2000万と経常利益300万を見比べると、債務償還年数は6.66年くらいと問題ないレベルにある。(厳密には減価償却費や税引後利益、フリーキャッシュフローなどを精査すべきだが、まあアバウトに見て)
 問題があるとすればキャッシュフローだ。ここにメスを入れれば、この会社は必ず再建できるはず。
 一例をあげれば、ひとくちに資産が5000万円あるといっても、固定資産や在庫のようなすぐに現金化できない資産ばかりだと資金繰りは厳しいはずだから、流動比率や固定長期適合率などを精査して、固定資産を処分して現金化する。あるいは固定資産はそのままでいいから、売掛金・買掛金のサイトを見直したり、在庫の回転日数を見直したりして、運転資本・CCCの最適化に努め、運転資金のかからない体質にする。あるいはそれでも足りなければ、もっと借金してもいいかもしれない。あと1000万円くらい借金を増やしても、有利子負債CF倍率は10年に収まりそうだから、特に問題ないレベルである。)


最後に、表の右側にある「治療法」ですが、これは皆さんが思う以上にたくさんあります。
症状の軽い順に、

・リストラ型
・リスケジュール型
・私的整理型
・その他、やれるだけのことをやり尽くして
・最後に法的整理・清算
(&それぞれの過程でM&A型などを組み合わせることもできる)

というのが、私がよく人にお勧めする道筋です。

この「過程」が大切です。
結果よりも、プロセスのほうが大事かもしれません。
これらの過程で、得るものが非常に多いからです。
経営者として。

死に物狂いで倒産寸前の「症状」と闘った。
次に、頭をフル回転して「原因」を究明した。
最後に、リストラ型⇒リスケ型⇒私的整理型⇒法的整理型、あるいはM&A型など、数ある治療法の全てを、じっくり検討し、やれるだけのことはやった。

これはもう、ドラマではありませんか!
経営者なら、ぜひ体験して欲しいものです。
死に物狂いの会社復活劇を。

ハッピーエンドでなくても、必ず、金に代えられない「何か」が得られるはずです。

・・・だから私は、慌てて自己破産してほしくないのです。
ちょっと資金ショートになったくらいで、原因究明や解決の道筋をショートカットして、いきなり自己破産してしまうのは、あまりにももったいないと思うのです。
それでは何も得るものがないと思うのです。

そんな話を、勉強会でいつもしています。


ご挨拶が遅れましたが、これが今年最初のブログ更新になります。
皆様あけましておめでとうございます。

今年もこのように、いろんな角度から、深く、中小企業の倒産回避&事業再生をサポートしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。


吉田猫次郎

年末の金策相談


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12月23,24,25は連休&クリスマスでしたが、連日のように阿鼻叫喚の相談がありました。

以下、私が某SNSでつぶやいたことを、そのまま引用します。
(多忙につき乱文のまま引用)


【金策】 毎年この時期になると、「年末に資金がショートしそうです…」「アテにしていた融資がダメになり…」「アテにしていた入金が遅れて…」といった金策の相談が相次ぐ。

お気持ちはよーく理解できるので、正論をふりかざすのは後にして、現実的な乗り切り方を一緒に考える。

いつも思うけど、「借りる」ことによって資金作りをするのは、やはり良くない。

それよりも、「営業活動」で資金を作るほうがずっと健全だ。
バーゲンセール、前金販売、それもダメなら売掛金の前借りなど。

営業活動でカネが捻出できなければ、次は「資産売却」だ。
ヤフオクでも、腕時計の高価買取でも、何でも。

営業活動でも資産売却でもダメなら、次が「金融」だ。最初から金融をアテにしてはいけない。

これらをカッコよくまとめると、

「まずは営業キャッシュフローの増強から。本来、ここで資金を作るべきである。
それがダメなら、次に投資キャッシュフローを考えよう。
営業CF+投資CF=フリーキャッシュフローだ。
フリーキャッシュフローの大切さは、少し財務会計をかじった人ならよくお分かりだろう。
それでもダメなら、最後に財務キャッシュフロー(金融など)で帳尻を合わせる。
この順番を間違えてはいけない。
キャッシュフロー計算書の式は、実によく出来ている。」

・・・などと表現することもできるが、金策で頭一杯の社長さんにはこんな話をいくらしてもまず耳に入らないので、もっと手短に、わかりやすく、具体的な説明をする。
「ロレックスを高く売るなら、中野ブロードウェイのかめ吉さんが一番だよ!」とか。

最後に、何をやってもカネが作れなければ、もう 「金策」 をあきらめることに尽きる。
金策をあきらめると言っても、事業をあきらめるわけではない。
生き残り策はまだまだある。


備忘録 (民事再生、特定調停、準則型私的整理手続き、保証協会の免除など)


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先日、ある弁護士事務所へ私の顧問先社長をお連れしたとき、非常に得るものが多かったので備忘録。

・プレパッケージ型の民事再生は2003年頃から増え始め、今やすっかり定着しているのはご存知のとおり。

・民事再生と事業譲渡の組み合わせ、民事再生と会社分割の組み合わせなど自由自在なのも周知の事実。

・経営者保証ガイドラインは、まだまだ普及していないように思われているが、そうでもない。多用しているところは多用している。その基準も明確になりつつある。利用価値は高い。

・経営者保証ガイドラインの中に「準則型私的整理手続き」という文言があるが、準則型私的整理手続きのひとつとして、特定調停がある。ここでいう特定調停は、一時期流行ったクレジット・サラ金など高金利の個人多重債務の特定調停と違い、弁護士が代理人に入り、銀行や保証協会や公庫など中小企業の借入金を整理するときに使われる。日弁連がその運用方法を詳しく解説している。

・この特定調停を上手に活用すれば、民事再生と同等まではいかないが、それに近いくらいの諸々の効果が期待できる。(例:保証協会の免除交渉など)

・また、組み合わせもいろいろ考えることができる。「特定調停」と「経営者保証ガイドライン」と「認定支援機関の経営改善計画策定支援(都道府県の経営改善支援センター使用)」とを組み合わせて、キズを最小限に防ぎ、債務者の費用負担を最小限に抑え、債務もある程度圧縮し、経営の抜本的改善も狙う、などなど。

・専門家の連携の仕方もますます面白くなってきた。


「中小企業等経営強化法」 7月1日施行!


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メルマガにも書きましたが、平成28年7月1日に、「中小企業等経営強化法」という法律が施行されました。
内容は、国の解説がわかりやすくまとめられていますのでそちらを貼り付けます。
一読に値します。

・中小企業庁のわかりやすいチラシ
 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/160617kyokachirashi.pdf

・中小企業庁の「中小企業等経営強化法」に関するまとめページ
 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/

・概要資料(詳しい)
 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/160610kyoka1.pdf

 尚、この法律で言うところの「経営力強化」とはすなわち、「財務基盤強化」ではなく、
「生産性向上」に重きが置かれているところがポイントです。
国のパンフレットの見出しにも、
「人材育成、設備投資などによる生産性向上を集中支援!」
と大きく書かれています。

 国が中小企業に何を求めているのか、その変化が読み取れますね。

 経営資源に「ヒト・モノ・カネ」があるとしたら、従来は「カネ」に偏っていたような気がしなくもありませんが、
この法律では、たとえ「カネ」の面で弱い会社であっても、「ヒト」「モノ」を少しでも良くしようと頑張っていれば、
国もいろいろと支援してくれるようです。(固定資産税減税、補助金が通りやすい、制度融資の利率が安くなるなど)

 例えば、決算書の内容が現状さほど良くない会社であっても、「雇用」を増やしていたり、「人材育成」に本気で
取り組んでいたり、良いモノづくりのために「設備投資」に積極的だったりすると、評価が高まるようです。

 尚、国の支援を受けるためには、「経営力向上計画」を申請し、国の認定を受ける必要がありますが、
見たところ、申請用紙はシンプルそのもので、従来からある「経営革新計画」などよりも簡単に作成できそうです。

・申請書 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/160701shinseisyo.pdf

 影響力が出てくるのはまだまだ先になりそうですが、今のうちからに意識しておいたほうがいいでしょう。

 金融機関の融資の審査基準なども、ここ15年ほど続いてきた「金融検査マニュアル」型から、少し変化してきています。
自己資本比率や有利子負債CF倍率などといった「財務情報」重視から少しずつ脱却し、数字にあらわれない価値(非・財務情報)を見るようになりつつあると感じます。


「ものづくり補助金」 採択結果を見て


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先週、ものづくり補助金の採択結果が出ました。
申請24011件中、7729件が採択。
採択率32%の狭き門でした。

[参照]
全国中小企業団体中央会 事業推進本部 ものづくり補助金事業部
平成27年度補正「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の採択結果等について
http://www.chuokai.or.jp/josei/…/koubo1-201606saitaku_1.html


・・・さて、ここからは私の感想などをだらだらと書きます。

・ 「採択率」について。過年度の採択率は4割ほどでした。採択率だけ見ても、今年はとりわけ厳しかったといえるでしょう。
それだけではありません。同業の認定支援機関や、審査に携わったことのある専門家先生の話によると、今年は「プロの書いた申請書がほとんどを占めていた。どれもそつのない内容で、非常にレベルが高かった」 ということでした。
 昨年度までは、「採択率は4割程度です。だけど中にはお粗末な申請書も多いから、ちゃんと書けば、実質的な採択率は5割以上だと思います。ガンバリマショウ!」 というような話をセミナーやwebでよく聞いたものです。 が、今年は申請書類の質がグンと上がったうえに、申請件数も増えたので、32%の採択率というのは、実質的にも本当に厳しいものだったと思われます。 

・ 「採択案件一覧」が、PDF形式で公表されています。これを見ると、世の中の動きがなんとなく見えてくる気がします。
 非常に勉強になります。皆様にもご一読をオススメします。
 http://www.chuokai.or.jp/josei/27mh/pdf/koubo1-201606saitaku_1.pdf

・ 私が認定支援機関としてこの補助金の申請に関与したのは、5社でした。(5社とも顧問先)
 うち、採択されたのは3件でした。 成功率60%です。
 全国的な採択率32%と比較すると、かなり高い成功率といえるかもしれません。
 しかも私が関与した5件は、「債務超過」を抱えている会社がほとんどです。
 金融機関との関係も、リスケや代位弁済、担保処分などを経験しています。
 このような非常に厳しい逆境で、会社の業績を採択率60%を達成できたので、もっと喜んでもいいのかもしれません。
 しかし、私は手放しで喜べません。
 落ちてしまった2件に対して、悔しい気持ちと、申し訳ない気持ちで一杯だからです。

・ 報酬について。「ものづくり補助金」の報酬の相場は、安いところで1割(?)、ネットでよく見かける請負業者的なところで「2割」が多いようです。後者は着手金を10万~40万円くらい取るところが多いようです・・・。
 私の場合、どうしてもそこまで取る気になれず、「(ほぼ)完全成果報酬制」で、「10%以内」に落ち着きました。
 理由はいくつかあります。 第一に、補助金の募集要項に「認定支援機関の全面的バックアップ」が必要と書かれていたので、単発的に補助金申請請負人のような形で引き受けてはいけないと思ったからです。以前から顧問契約していて、文字通り「全面的バックアップ」をしている会社のみに限定しました。これならスジが通っているはずです。第二に、顧問契約しているということは、多かれ少なかれ顧問料を頂いているので、その度合いによりますが、高い成功報酬を取る必要がないからです。フルコースでガッチリ取り組んでいる顧問先ならば、成功報酬など1円もいらないくらいです。今回関与した5社は、そこまでガッチリとした関係ではなく、月額3万~7万円程度の比較的軽い契約関係でしたので(但しお付き合いの年数は2年~6年と比較的長い)、5%~10%程度の成果報酬で話がまとまったという次第です。第三に、私が関与した5社は倒産寸前状態から這い上がったいわば「再生途中過程にある会社」が多く、いずれも資金に余裕がないからです。社長の給料は従業員以下。生活もギリギリ。そんな状態を間近で見ていますので、2割も取る気にはまずなれません。今回の補助金は、彼らにとって、まさに社運を賭けた申請なのです。 第四に、そうはいっても通常のマトモな会社よりもはるかに難易度が高いので、私も普通以上に労力を費やさなければならず、さすがに追加報酬ゼロで動くのは難しいので、最大限譲歩して、(ほぼ)完全成果報酬制の、10%以内と相成ったわけです。

・ 「新たな取り組み」について。今回、5社の申請にどっぷり関与して、私は猛烈に感動しました。うまく採択された会社も、惜しくも採択されなかった会社も、いずれも、どん底から這い上がり、借金の減免(B/Sの改善)や目先の資金繰り改善のみにとどまらず、本業の収益改善(P/Lの改善)を成功させつつある会社だったのです。先代から重度の債務超過を抱えた会社を引き継ぎ、専門家から廃業をすすめられ、それでもあきらめずに、果敢に新たな取り組み(マイナーチェンジから革新的取り組みまで)を実行し、ようやっと増益の目途がたってきたような会社がほとんどでした。 資金がありませんから、その分、「知恵」が凝縮されています。 今回の補助金で採択されたということは、その努力が社会的に認められたことと同義なので、嬉しさもひとしおです。涙が出るほど嬉しいです。

長くなりましたのでこのへんで。

会社を10年以上生存させるために必要な能力


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会社を10年以上生存させるために必要な能力は、次の1.2.3.に集約されるんじゃないかと思います。

1.ヒト・モノ・カネのマネジメント能力
2.サバイバル能力
3.直感



以下解説です。

会社の10年生存率は「5%以下」という説があります。
(国税庁の統計をもとに、そう解釈している人が少なくない)
いっぽう、日本政策金融公庫などの貸出先のデータなどを総合すると、会社の10年生存率は「50%くらい」という見方もあるようです。
どちらにしても、生き残りは大変ですね。
少なく見積もっても、10年以内に廃業を余儀なくされる会社が半分ほどを占めていると言えそうですから。

会社を10年も切り盛りしていれば、必ず1度や2度は、危機的状況に陥ります。
では、どうすれば危機的状況をすこしでも回避し、あるいは乗り切り、10年以上生き残ることが可能なのか?

まず、①の「ヒト・モノ・カネのマネジメント」は、基本中の基本ですね。
ヒトのマネジメント。つまり労務管理や、人材の能力を活かすこと、採用など。
モノのマネジメント。つまり主力商品の品質向上や、販路開拓、粗利確保などなど。
カネのマネジメント。つまり財務体質改善や利益向上、初歩的なところでは「決算書を読めるようになること」など。
これらは才能は要りません。才能より努力です。努力に比例して身に付くものが多いので、努力しなきゃもったいないです。

次に②の「サバイバル能力」です。 
これは努力というより「経験による学習」のほうが身に付くかもしれません。
私の顧問先や勉強会常連さんの多くは、この「サバイバル能力」にかけてはずごいものがあります。
皆さん、倒産危機から生き残った経験があるからです。
必要に迫られて、必死に学習したんですね。

最後に③の「直感」です。
これだけは、努力ではどうにもならないかもしれません。
それでも、よく働き、よく遊び、よく休ぶことにより、アンテナの感度が随分アップすると思いますから、
「貧すれば鈍する」に陥らないよう、ピンチのときでも本業に専念し、よく遊び、よく寝ましょう。

①②③が3つ揃えば怖いものなしです。必ず10年以上、あなたの会社は生存できるでしょう。

②③だけの社長さんは、もったいないし、危ういです。①は努力に比例して身に付きますから。

①②だけの社長さんは、苦労性で、空回りしがちで、やはり危ういので、遊び心を忘れないように。

①③だけの社長さんは、かなり成功者に近いところにいるかもしれませんが、万一に備えて②の知識も欲しいですね。

どれか1つだけの社長さんは、最低でも①②③のうち、2つは身につけましょう。

1つもない社長さんは、社長業をやめたほうがいいかもしれません。(他の人に譲るとか・・・)


絶望的な状況でこそ、会社は進化する!


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相変わらず資金ショートにあえぐ零細企業の社長さんからの相談が相次いでいます。
勉強会の参加者の方も、そんな方々が7割がたを占めています。

先日、山形県鶴岡市湯野浜温泉で、恒例の合宿勉強会を開催したときもそうでした。
参加者32名。専門家寄りの方は5名で、あとはほとんどが、倒産寸前の中小零細の社長さん(あるいはそのような経験をしたことのある方)でした。
全員の負債総額を足すと、15億+4億+3億+2億+2億+2億+3億+1億+4億+1億+α = ざっと40億円以上。
リスケジュール経験者は8割以上。
代位弁済や債権譲渡の経験者は5割以上。
他の専門家に「自己破産しかありません」と切り捨てられ、それでもしぶとく事業を継続している方も5割以上を占めていました。

それでも、皆さん明るく、たくましく、重度の債務超過や資金不足と「共存」していました。

絶望的な状況(借入金返済不能で、買掛金支払も長期延滞しており、さらには給与も遅配、資産もゼロ、本業も慢性赤字状態)の方も少なからずいました。貧乏暇なしの中、起死回生のヒントを掴むために、はるばる遠方から参加してくださいました。(必死に明るくふるまっていましたが、やはり大変そうな雰囲気が滲み出ていました・・・)

いっぽう、そんな絶望的な状況から見事に脱出して、利益も雇用も納税もガンガン増やしている 「スーパー敗者復活組」「レジェンド」のような方々も5名以上参加して下さいました。
彼らの多くは、「たまたまうまくいった」のではありません。急に「V字回復」したのでもありません。「スポンサーがついた」わけでもありません。 預金残高ゼロ、重度の債務超過、支払不能、慢性赤字、信用失墜・・・そんなひどい逆境を何度も何度も味わいながら、「現状を受け入れて」、「必要に迫られて」、「必死に」、「考え」、「行動」してきた結果、ゆっくりと「変化に適応」し、生き残ることができたのです。自力で。

私からのコンサルタント的な助言などよりも、彼らレジェンドのナマの体験談のほうが、はるかに説得力がありました。
実に良い形での勉強会に終わりました。

私はいつも思います。

絶望的な状況でこそ、生物は進化を遂げてきました。
生き残るために、厳しい環境に適応し、何万年もかけて少しずつ進化してきたのです。

人類もそうですね。

ならば、会社も同じではありませんか。
会社もまた、絶望的な状況でこそ進化する!



社長が良くなれば会社も良くなる。小さな会社であればあるほどそう。


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先日、事業再生のプロ向け勉強会を開催しました。

定員10名のところ、12名の参加者がありました。(ありがたやありがたや)
中小企業診断士2名、税理士2名、公認会計士2名、不動産会社社長2名、事業再生士1名、公的支援機関3名・・・、ハイレベルな面々で、最後の懇親会まで大変充実した内容となりました。(ありがたやありがたや)

ここで、印象深い会話の内容を、備忘録的にここに書き残します。


S先生 「私は民事再生法を申請した会社のナンバー2として、5年以上にわたってこの会社の内部にいます。民事再生申立時は重度の債務超過&慢性赤字&資金ショートの3拍子が揃って破産寸前状態でしたが、5年かけて体質改善し、昨年、民事再生手続きが無事終結しました。(スポンサー無しの自主再建型で!) 現在は億単位の利益が出せるようになっています。 この5年間で、社長の経営姿勢も随分変わりました。会計にも現場にもシビアになり、自己犠牲(経営者責任)も厭わなくなり、捨てるべきものを潔く捨てることができるようになりました。この過程でつくづく思いました。やはり、中小企業は社長にかかっています。社長が変わらないといつまでも会社は良くなりません。社長が良いほうへ変われば、会社も良いほうへ変わります。必ず。

M先生 「銀行の貸出先の評価(債務者区分)も、これから大きく変わっていきそうだね。財務諸表をベースにした定量評価だけでなく、数字にあらわれない知的資産など定性評価もだいぶするようになってきた。また、B/S評価よりもP/L評価、P/L評価も単なる経常利益や当期利益ではなく、”生産性”や”付加価値”などを見るようになってきた。我々事業再生屋が経営改善計画の策定支援をするときも、それを意識しなければならないね」

K先生 「そうだね。借金なんか多くても構わない。B/Sの債務超過もぜんぜん気にしなくていい。借金うんぬんよりも大切なのは、やはり、本業で利益を出すことだ。B/Sの再生よりもP/Lの再生。それができれば、おのずと資金繰りはついてくる。支援者もついてくる。利益を出し、雇用も創出できる会社ならば、どんな債務超過でも必ず生き残れる。(逆に、利益も出せない、雇用も創出できない会社は、これからもっと淘汰されるだろうね)」

N先生 「資金繰りコンサルだけでは、もう何の役にも立たないですね」



「着ぐるみ」で商売繁盛を狙う!その費用は、小規模事業者持続化補助金を活用!


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先日、東京の下町のある商店街の前を通っていたら、エビの着ぐるみを着た人が横断歩道を歩いていました。
かなりインパクトありました。

後でわかったことですが、この着ぐるみの持ち主は「天ぷら屋」を営んでいて、着ぐるみでPR活動をするようになってから、売上がかなりアップしたそうです。

その話を聞いて、私はピンとくるものがありました。

「補助金」の活用です。

「補助金」で、「着ぐるみ」を作って、売上アップを実現させるのです。

補助金の種類は、これを書いている2016年4月現在なら、「小規模事業者持続化補助金」がいいでしょう。
詳細はこちら。 http://h27.jizokukahojokin.info/
5月13日締切です。
全国の商工会議所や商工会が窓口になっています。
もうご存知ですね?

この補助金は、「販路開拓に取り組む費用」 を補助してくれるものです。
補助率は2/3です。(残りの1/3は自己負担しなければなりません)
補助額の上限は、50万円が基本です。
(例: 75万円を「販路開拓に取り組む費用」として見積り、その2/3にあたる50万円を補助してもらう)

「着ぐるみ」は、販路開拓に取り組む費用としては効果抜群で、インパクトもあり、また金額としても、着ぐるみ1体あたり40~70万円あたりが相場だと思いますから、「小規模事業者持続化補助金」との相性がピッタリなように思います。

ここでちょっと宣伝めいてしまいますが、弊社のハヤシが、東京都大田区の着ぐるみ専門店のホームページ制作とイラストを担当しています。ここの着ぐるみはどこよりも安く、その割には作り込みが良いと評判です。「ゆるキャラ」グランプリ上位入賞したところや、公的機関などからも注文を受けていて、デザイン・製作に向けてのノウハウも豊富にあります。全国対応可で、個人的にすごくオススメです。↓
bigkidskigurumi1
http://www.bigkids.co.jp/kigurumi.html


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プロフィール

Author:吉田猫次郎
中小・零細企業・自営業向け事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。経営革新等認定支援機関(株)NEKO-KEN代表取締役。
本名はホームページや書籍に記載。
著書多数。講演・メディア出演多数。
1968年東京生、乙女座、A型、申年、五黄土星。

20代の商社マン時代に高額の連帯保証人になり、その後、1998-2000年の脱サラ時に、借金苦・倒産危機で考えられる最悪の事態をほぼ全て体験したことがある(高利の連帯保証人、ヤミ金の怖い取立て、手形不渡り、ブラックリスト、強制執行など・・・だが自己破産はしなかった)。

趣味は釣り、アウトドア全般、ほか。

最近はスポーツらしいこともするようになり、2012年(44歳)でトライアスロンのオリンピックディスタンスに初挑戦&完走。2014年(45歳)でフルマラソン初挑戦&完走。2015年(46歳)にはトライアスロンのアイアンマン70.3に初挑戦&完走。2016年も完走。徐々にメタボ解消。だがすぐにリバウンド。

嫌いな食べ物は、ダイコンと漬物。特に「たくあん」が大の苦手で、あれを食うのは、どの拷問よりも苦痛だと思う。

 
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